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生物学的製剤基準
乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン
劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
日本脳炎の予防
本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.7mLで溶解する。
初回免疫:通常、0.5mLずつを2回、1~4週間の間隔で皮下に注射する。ただし、3歳未満の者には、0.25mLずつを同様の用法で注射する。
追加免疫:通常、初回免疫後おおむね1年を経過した時期に、0.5mLを1回皮下に注射する。ただし、3歳未満の者には、0.25mLを同様の用法で注射する。
初回免疫として2回接種を行い、さらに第1回の追加免疫を行うことにより基礎免疫ができる。その後の追加免疫のときの接種量は第1回目の追加免疫に準ずることとし、接種間隔は地域における日本脳炎ウイルスの汚染状況などに応じて実施すること。
*医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
,
接種要注意者である。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。
接種に当たっては、予診等を十分に行い、被接種者の健康状態を観察すること。一般に生理機能が低下している。
蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等があらわれることがある。
通常、接種後数日から2週間以内に発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害等があらわれる1),2) 。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
発熱、四肢麻痺、けいれん、意識障害等の症状があらわれることがある。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
通常、接種直後から数日ごろまでにあらわれる。
通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
局所症状
(注射部位)
紅斑
腫脹、疼痛、そう痒感、発疹、蕁麻疹、内出血、出血
硬結、しびれ感、熱感
精神神経系
-
頭痛、失神・血管迷走神経反応、感覚鈍麻、末梢性ニューロパチー
呼吸器
咳嗽、鼻漏
咽頭紅斑、咽喉頭疼痛
消化器
嘔吐、下痢、食欲不振
腹痛、嘔気
皮膚
発疹、蕁麻疹
紅斑、そう痒症、多形紅斑、血管浮腫
その他
発熱
倦怠感、悪寒、四肢痛、関節痛、リンパ節腫脹、脱力感
接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒する。なお、同一接種部位に反復して接種しないこと。
生後6か月以上90か月未満の健康小児123例を対象に、3歳未満には本剤0.25mL、3歳以上には本剤0.5mLを、1~4週間の間隔で2回、6~12か月をおいて1回、皮下接種した。2回接種後の抗体陽転率は99.2%(121/122例)、接種後平均中和抗体価(log10)は2.4±0.5であった。また、3回接種後の抗体陽転率は100%(122/122例)、接種後平均中和抗体価(log10)は3.8±0.3であった。副反応は39.8%(49/123例)に認められた。その主なものは、発熱18.7%(23/123例)、咳嗽11.4%(14/123例)、鼻漏9.8%(12/123例)、注射部位紅斑8.9%(11/123例)であり、これらの副反応のほとんどは接種3日後までにみられた。
第1期追加接種及び第2期接種における免疫原性及び副反応発生状況を検討した4) 。第1期初回接種でマウス脳由来日本脳炎ワクチンを2回接種された4~9歳の小児81例に本剤0.5mLを1回接種したところ、平均中和抗体価(log10)の上昇(接種前:2.0±0.5→接種後:3.8±0.5)がみられた。副反応発現頻度は9.9%(8/81例)であり、認められた副反応は、注射部位紅斑、注射部位腫脹各2.5%(2/81例)、発疹、咳嗽、嘔吐、下痢、鼻汁各1.2%(1/81例)であった。第1期にマウス脳由来ワクチンを3回接種された7~13歳の小児161例に本剤0.5mLを1回接種したところ、平均中和抗体価(log10)の上昇(接種前:2.6±0.5→接種後:3.7±0.3)がみられた。副反応発現頻度は18.6%(30/161例)であり、主な副反応は、注射部位紅斑10.6%(17/161例)、注射部位腫脹8.7%(14/161例)であった。第1期に本剤を3回接種された7~12歳の小児46例に本剤0.5mLを1回接種したところ、平均中和抗体価(log10)の上昇(接種前:3.1±0.4→接種後:3.9±0.3)がみられた。副反応発現頻度は21.7%(10/46例)であり、認められた副反応は、注射部位紅斑13.0%(6/46例)、注射部位腫脹6.5%(3/46例)、発熱4.3%(2/46例)、咳嗽、頭痛各2.2%(1/46例)であった。
日本脳炎ウイルスは、ウイルスに感染したコガタアカイエカの穿刺により感染する。本ウイルスは局所のリンパ組織で増殖した後、ウイルス血症を起こし、血液脳関門を通って中枢神経系に運ばれると、日本脳炎を発症すると考えられている。あらかじめ本剤の接種により、日本脳炎ウイルスに対する能動免疫、特に中和抗体による液性免疫が獲得されていると、感染したウイルスの増殖は抑制され、発症は阻止される。
受動免疫したマウスへの感染実験では、血中に10倍の中和抗体価があれば、105MLD50(50%マウス致死量)の日本脳炎ウイルス感染を防御するとの成績が示されている。蚊の1回の穿刺により、注入されるウイルスは103~104MLD50とされている。これらの成績から、血中に10倍の中和抗体価があると、ウイルス感染が阻止されるものと考えられている5) 。
外箱開封後は遮光して保存すること。
バイアル 1人分 1本
溶剤(日本薬局方注射用水) 0.7mL 1本添付
1) 予防接種ガイドライン等検討委員会監修:予防接種ガイドライン(2009年3月改訂版):40-41
2) 森内浩幸 ほか:予防接種制度に関する文献集,1988;(18):287
3) 小児を対象とした臨床試験(承認年月日:2009年2月23日、CTD2.7.3.3、2.7.4.2)
4) 岡部信彦 ほか:厚生労働科学研究費補助金(新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業)平成22年度総括・分担研究報告書, 乾燥細胞日本脳炎ワクチンの追加接種の有効性安全性に関する検討. 2010; 118-135
5) Oya, A.:Acta Paediatr. Jpn., 1988; 30(2):175-184
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