医療用医薬品 詳細表示

ジェービックV

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)
3.製法の概要及び組成・性状
3.1製法の概要
3.2組成
3.3製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する者に関する注意
9.1接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
9.2腎機能障害を有する者
9.3肝機能障害を有する者
9.5妊婦
9.8高齢者
11.副反応
11.1重大な副反応
11.2その他の副反応
14.適用上の注意
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
17.2製造販売後調査等
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2感染防御レベル
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

ジェービックV

添付文書番号

631340ND1022_3_25

企業コード

630144

作成又は改訂年月

**2021年6月改訂(第3版)
2020年10月改訂(第2版)

日本標準商品分類番号

876313

薬効分類名

ウイルスワクチン類

承認等

ジェービックV

販売名コード

YJコード

631340ND1022

販売名英語表記

JEBIK V

承認番号等

承認番号

22100AMX00439000

販売開始年月

2009年6月

貯法・有効期間

貯法

10℃以下で保存

有効期間

製造日から3年

基準名

生物学的製剤基準

乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン

規制区分

一般的名称

乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン

2. 接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)

    1. 2.1 明らかな発熱を呈している者
    2. 2.2 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
    3. 2.3 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
    4. 2.4 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

3. 製法の概要及び組成・性状

3.1 製法の概要

本剤は日本脳炎ウイルス北京株をVero細胞(アフリカミドリザル腎臓由来株化細胞)で増殖させ、得られたウイルスを採取し、ホルマリンで不活化した後、硫酸プロタミンで処理し、超遠心法で精製し、安定剤を加え充填した後、凍結乾燥したものである。
なお、本剤は製造工程でウシの血液由来成分(血清)及びブタ由来成分(トリプシン)を使用している。

3.2 組成

本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.7mLで溶解したとき、液剤0.5mL中に次の成分を含有する。

ジェービックV

有効成分不活化日本脳炎ウイルス北京株   参照品(力価)と同等以上
添加剤乳糖水和物   17.86mg
ホルマリン(ホルムアルデヒド換算)   0.01mg
**L-グルタミン酸ナトリウム水和物   3.57mg
塩化ナトリウム   0.83mg以下
塩化カリウム   0.02mg以下
リン酸二水素カリウム   0.02mg以下
リン酸水素ナトリウム水和物   0.30mg以下
TCM-199(エデト酸四ナトリウム、リン酸三ナトリウム含)   0.11mL

3.3 製剤の性状

ジェービックV

性状白色の乾燥製剤。
添付の溶剤を加えると、速やかに溶解して無色の澄明又はわずかに白濁した液剤となる。
pH6.8~7.6
浸透圧比1.0±0.2(生理食塩液に対する比)

4. 効能又は効果

日本脳炎の予防

6. 用法及び用量

本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.7mLで溶解する。

初回免疫:通常、0.5mLずつを2回、1~4週間の間隔で皮下に注射する。ただし、3歳未満の者には、0.25mLずつを同様の用法で注射する。

追加免疫:通常、初回免疫後おおむね1年を経過した時期に、0.5mLを1回皮下に注射する。ただし、3歳未満の者には、0.25mLを同様の用法で注射する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 基礎免疫、追加免疫及び免疫の保持

    初回免疫として2回接種を行い、さらに第1回の追加免疫を行うことにより基礎免疫ができる。その後の追加免疫のときの接種量は第1回目の追加免疫に準ずることとし、接種間隔は地域における日本脳炎ウイルスの汚染状況などに応じて実施すること。

  2. 7.2 定期接種対象者と標準的接種年齢
    1. 7.2.1 第1期は、生後6月から90月に至るまでの間に行う。初回免疫は3歳に達した時から4歳に達するまでの期間、追加免疫は4歳に達した時から5歳に達するまでの期間を標準的な接種年齢とする。
    2. 7.2.2 第2期の予防接種は、9歳以上13歳未満の者に行う。9歳に達した時から10歳に達するまでの期間を標準的な接種年齢とする。
    3. 7.2.3 平成7年4月2日生まれから平成19年4月1日生まれの者のうち、7歳6カ月以上9歳未満の者及び13歳以上20歳未満の者についても定期の予防接種の対象とする。
    4. 7.2.4 本剤の定期の予防接種への使用については、予防接種実施規則によること。
  3. 7.3 *同時接種

    *医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
  2. 8.2 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
  3. 8.3 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。

9. 特定の背景を有する者に関する注意

9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)

被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。

  1. 9.1.1 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者

    ,

  2. 9.1.2 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
  3. 9.1.3 過去にけいれんの既往のある者
  4. 9.1.4 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
  5. 9.1.5 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者

9.2 腎機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.3 肝機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。

9.8 高齢者

接種に当たっては、予診等を十分に行い、被接種者の健康状態を観察すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副反応

次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副反応

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)

    蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等があらわれることがある。

  2. 11.1.2 急性散在性脳脊髄炎(頻度不明)

    通常、接種後数日から2週間以内に発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害等があらわれる1),2) 。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。

  3. 11.1.3 脳炎・脳症(頻度不明)

    発熱、四肢麻痺、けいれん、意識障害等の症状があらわれることがある。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。

  4. 11.1.4 けいれん(頻度不明)

    通常、接種直後から数日ごろまでにあらわれる。

  5. 11.1.5 血小板減少性紫斑病(頻度不明)

    通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副反応

5%以上

0.1~5%未満

頻度不明

局所症状

(注射部位)

紅斑

腫脹、疼痛、そう痒感、発疹、蕁麻疹、内出血、出血

硬結、しびれ感、熱感

精神神経系

頭痛、失神・血管迷走神経反応、感覚鈍麻、末梢性ニューロパチー

呼吸器

咳嗽、鼻漏

咽頭紅斑、咽喉頭疼痛

消化器

嘔吐、下痢、食欲不振

腹痛、嘔気

皮膚

発疹、蕁麻疹

紅斑、そう痒症、多形紅斑、血管浮腫

その他

発熱

倦怠感、悪寒、四肢痛、関節痛、リンパ節腫脹、脱力感

14. 適用上の注意

14.1 薬剤接種時の注意

  1. 14.1.1 接種時
    1. (1) 接種用器具は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用い、被接種者ごとに取り換えること。
    2. (2) 本剤の溶解は接種直前に行うこと。
    3. (3) 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。
    4. (4) 本剤の溶解に当たっては、容器の栓及びその周囲をアルコールで消毒した後、添付の溶剤で均一に溶解して、注射針をさし込み、所要量を注射器内に吸引する。この操作に当たっては雑菌が迷入しないよう注意する。また、栓を取り外し、あるいは他の容器に移し使用しないこと。
    5. (5) 注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
    6. (6) 本剤は添加剤として保存剤を含有していないので、一度注射針をさし込むと容器内の無菌性が保持できなくなる。所要量を吸引後、残液がある場合でも速やかに残液は処分すること。
  2. 14.1.2 接種部位

    接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒する。なお、同一接種部位に反復して接種しないこと。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験(小児)3)

    生後6か月以上90か月未満の健康小児123例を対象に、3歳未満には本剤0.25mL、3歳以上には本剤0.5mLを、1~4週間の間隔で2回、6~12か月をおいて1回、皮下接種した。
    2回接種後の抗体陽転率は99.2%(121/122例)、接種後平均中和抗体価(log10)は2.4±0.5であった。また、3回接種後の抗体陽転率は100%(122/122例)、接種後平均中和抗体価(log10)は3.8±0.3であった。
    副反応は39.8%(49/123例)に認められた。その主なものは、発熱18.7%(23/123例)、咳嗽11.4%(14/123例)、鼻漏9.8%(12/123例)、注射部位紅斑8.9%(11/123例)であり、これらの副反応のほとんどは接種3日後までにみられた。

17.2 製造販売後調査等

  1. 17.2.1 国内臨床研究(小児)

    第1期追加接種及び第2期接種における免疫原性及び副反応発生状況を検討した4)
    第1期初回接種でマウス脳由来日本脳炎ワクチンを2回接種された4~9歳の小児81例に本剤0.5mLを1回接種したところ、平均中和抗体価(log10)の上昇(接種前:2.0±0.5→接種後:3.8±0.5)がみられた。副反応発現頻度は9.9%(8/81例)であり、認められた副反応は、注射部位紅斑、注射部位腫脹各2.5%(2/81例)、発疹、咳嗽、嘔吐、下痢、鼻汁各1.2%(1/81例)であった。
    第1期にマウス脳由来ワクチンを3回接種された7~13歳の小児161例に本剤0.5mLを1回接種したところ、平均中和抗体価(log10)の上昇(接種前:2.6±0.5→接種後:3.7±0.3)がみられた。副反応発現頻度は18.6%(30/161例)であり、主な副反応は、注射部位紅斑10.6%(17/161例)、注射部位腫脹8.7%(14/161例)であった。
    第1期に本剤を3回接種された7~12歳の小児46例に本剤0.5mLを1回接種したところ、平均中和抗体価(log10)の上昇(接種前:3.1±0.4→接種後:3.9±0.3)がみられた。副反応発現頻度は21.7%(10/46例)であり、認められた副反応は、注射部位紅斑13.0%(6/46例)、注射部位腫脹6.5%(3/46例)、発熱4.3%(2/46例)、咳嗽、頭痛各2.2%(1/46例)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

日本脳炎ウイルスは、ウイルスに感染したコガタアカイエカの穿刺により感染する。本ウイルスは局所のリンパ組織で増殖した後、ウイルス血症を起こし、血液脳関門を通って中枢神経系に運ばれると、日本脳炎を発症すると考えられている。あらかじめ本剤の接種により、日本脳炎ウイルスに対する能動免疫、特に中和抗体による液性免疫が獲得されていると、感染したウイルスの増殖は抑制され、発症は阻止される。

18.2 感染防御レベル

受動免疫したマウスへの感染実験では、血中に10倍の中和抗体価があれば、105MLD50(50%マウス致死量)の日本脳炎ウイルス感染を防御するとの成績が示されている。蚊の1回の穿刺により、注入されるウイルスは103~104MLD50とされている。これらの成績から、血中に10倍の中和抗体価があると、ウイルス感染が阻止されるものと考えられている5)

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

バイアル 1人分 1本

溶剤(日本薬局方注射用水) 0.7mL  1本添付

24. 文献請求先及び問い合わせ先

武田薬品工業株式会社 くすり相談室

〒103-8668 東京都中央区日本橋本町二丁目1番1号

フリーダイヤル 0120-566-587
受付時間 9:00~17:30(土日祝日・弊社休業日を除く)

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

一般財団法人 阪大微生物病研究会

香川県観音寺市瀬戸町四丁目1番70号

26.2 販売元

武田薬品工業株式会社

大阪市中央区道修町四丁目1番1号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

画面を閉じる

Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.