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DTビック

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)
3.製法の概要及び組成・性状
3.1製法の概要
3.2組成
3.3製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する者に関する注意
9.1接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
9.2腎機能障害を有する者
9.3肝機能障害を有する者
11.副反応
11.1重大な副反応
11.2その他の副反応
14.適用上の注意
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
17.2製造販売後調査等
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2感染防御レベル
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

DTビック

添付文書番号

636140AA5020_1_16

企業コード

630144

作成又は改訂年月

**2025年3月改訂(第5版)
2024年7月改訂(第4版)

日本標準商品分類番号

876361

薬効分類名

ワクチン・トキソイド混合製剤

承認等

DTビック

販売名コード

YJコード

636140AA5020

販売名英語表記

DTBIK

承認番号等

承認番号

21800AMZ10371000

販売開始年月

2006年12月

貯法・有効期間

貯法

凍結を避け、10℃以下で保存

有効期間

2年

基準名

日本薬局方

沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド

生物学的製剤基準

沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド

規制区分

一般的名称

沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド

2. 接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)

    1. 2.1 明らかな発熱を呈している者
    2. 2.2 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
    3. 2.3 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
    4. 2.4 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

3. 製法の概要及び組成・性状

3.1 製法の概要

本剤は、ジフテリア菌(Park-Williams No.8株)及び破傷風菌(Harvard株)の培養ろ液中の毒素を、それぞれ塩析法及びイオン交換体法等によって精製後、ホルマリンで無毒化したトキソイド液を、規定濃度に混合し、免疫原性を高めるためにアルミニウム塩に吸着させ不溶性とした液剤である。
なお、本剤は製造工程でウシの乳由来成分(スキムミルク、ペプトン)、心臓由来成分(ビーフハートインフュージョン)、肝臓、肉、肉由来成分(牛肉消化液)、ブタ由来成分(パンクレアチン)及びウマ由来成分(血清)を使用している。

3.2 組成

本剤は、0.1mL中に次の成分を含有する。

DTビック

有効成分**ジフテリアトキソイド   3.5Lf
**破傷風トキソイド   0.45Lf
添加剤リン酸水素ナトリウム水和物   0.358mg
リン酸二水素ナトリウム水和物   0.052mg
塩化ナトリウム   0.95mg
塩酸   適量
水酸化ナトリウム   適量
塩化アルミニウム(Ⅲ)水和物(アルミニウム換算)   0.02mg
ホルマリン(ホルムアルデヒド換算)   0.0037mg

**Lf:Limit of flocculation(試験管内沈降法により測定したトキソイド量の単位)

3.3 製剤の性状

DTビック

性状不溶性で、振り混ぜるとき均等に白濁する液剤
pH5.4~7.4
浸透圧比1.0±0.3(生理食塩液に対する比)

4. 効能又は効果

ジフテリア及び破傷風の予防

6. 用法及び用量

初回免疫:通常、1回0.5mLずつを2回、3~8週間の間隔で皮下に注射する。ただし、10歳以上の者には、第1回量を0.1mLとし、副反応の少ないときは、第2回以後適宜増量する。

追加免疫:第1回の追加免疫には、通常、初回免疫後6カ月以上の間隔をおいて、(標準として初回免疫終了後12カ月から18カ月までの間に)0.5mLを1回皮下に注射する。ただし、初回免疫のとき副反応の強かった者には適宜減量し、以後の追加免疫のときの接種量もこれに準ずる。また、10歳以上の者には、0.1mL以下を皮下に注射する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 接種対象者・接種時期

    定期接種の場合には、ジフテリア及び破傷風の第2期の予防接種については、11歳以上13歳未満の者(11歳に達した時から12歳に達するまでの期間を標準的な接種期間とする)に、通常、本剤0.1mLを1回皮下に注射する。

  2. 7.2 同時接種

    医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
  2. 8.2 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
  3. 8.3 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。

9. 特定の背景を有する者に関する注意

9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)

被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。

  1. 9.1.1 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者

    ,

  2. 9.1.2 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
  3. 9.1.3 過去にけいれんの既往のある者
  4. 9.1.4 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
  5. 9.1.5 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者

9.2 腎機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.3 肝機能障害を有する者

接種要注意者である。

11. 副反応

次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副反応

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    蕁麻疹、呼吸困難、血管性浮腫等があらわれることがある。

11.2 その他の副反応

頻度不明

局所症状(注射部位)1)

* 発赤、腫脹、疼痛、硬結、熱感、そう痒感

*精神神経系

頭痛、めまい、失神・血管迷走神経反応

*消化器

下痢

*皮膚

*蕁麻疹、発疹

*筋・骨格系

関節痛

*その他

*発熱、悪寒、倦怠感、リンパ節腫脹

1) 一過性で2~3日中に消失する。ただし、硬結は1~2週間残存することがある。また、2回以上の被接種者には、ときに著しい局所反応を呈することがあるが、通常、数日中に消失する。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤接種時の注意

  1. 14.1.1 接種時
    1. (1) 接種用器具は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用い、被接種者ごとに取り換えること。
    2. (2) 冷蔵庫から取り出し室温になってから、必ず振り混ぜ均等にして使用する。特に本剤は沈降しやすいので、吸引に際してはそのつどよく振り混ぜること。
    3. (3) 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。
    4. (4) 容器の栓及びその周囲をアルコールで消毒した後、注射針をさし込み、所要量を注射器内に吸引する。この操作に当たっては雑菌が迷入しないよう注意すること。また、栓を取り外し、あるいは他の容器に移し使用しないこと。
    5. (5) 注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
    6. (6) 本剤は添加剤として保存剤を含有していないので、一度注射針をさし込むと容器内の無菌性が保持できなくなる。所要量を吸引後、残液がある場合でもすみやかに残液は処分すること。
  2. 14.1.2 接種部位

    接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒する。なお、同一接種部位に反復して接種しないこと。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床試験(初回免疫)

    ジフテリア及び破傷風の既往歴及び予防接種歴のない生後3月から1歳11か月までの健康乳児60例を対象に、沈降ジフテリア破傷風混合トキソイドを0.5mLずつ4週間隔で2回皮下接種した1) 。沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド接種前の血中ジフテリア抗毒素量、破傷風抗毒素量は接種全例が0.003IU/mL未満であったが、接種完了後4週に抗毒素測定を実施した全例(57例)で、ジフテリア抗毒素量、破傷風抗毒素量ともに0.01IU/mL以上であった。
    沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド接種後に認められた副反応は次のとおりであった。

    1回目

    2回目

    副反応発現例数

    3例(5.0%)

    4例(6.7%)

    主な副反応

    発熱(≧37.5℃)

    3例(5.0%)

    3例(5.0%)

    発赤(≧10mm)

    1例(1.7%)

    腫脹(≧10mm)

    1例(1.7%)

                                    (調査例数60例)

17.2 製造販売後調査等

  1. 17.2.1 国内臨床試験(第2期接種)

    乳幼児期に沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチンの3回又は4回接種を受けた11歳以上13歳未満の健康小児222例を対象とした国内臨床試験において、本剤0.1mLを1回皮下に接種した2) 。副反応は、85.1%(189/222例)に認められた。主な副反応は、注射部位紅斑72.1%(160/222例)、注射部位腫脹66.7%(148/222例)、注射部位そう痒感50.9%(113/222例)、注射部位疼痛38.3%(85/222例)、注射部位熱感39.2%(87/222例)、注射部位硬結37.8%(84/222例)、頭痛2.3%(5/222例)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

本剤の接種により、ジフテリアトキソイド及び破傷風トキソイドに対する血中抗体が産生され、それぞれの防御抗体として働くことで、各疾患の予防が期待される。

18.2 感染防御レベル

ジフテリアに対する感染防御は、0.01IU/mLの抗毒素が3) 、また破傷風に対する感染防御は、0.01IU/mLの抗毒素がそれぞれ血中に存在すればよいとの報告がある4),5)

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

バイアル 0.1mL 1本

24. 文献請求先及び問い合わせ先

田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター

〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10

電話 0120-753-280

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

一般財団法人 阪大微生物病研究会

香川県観音寺市瀬戸町四丁目1番70号

26.2 販売元

田辺三菱製薬株式会社

大阪市中央区道修町3-2-10

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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