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日本薬局方
沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン
生物学的製剤基準
劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
百日せき、ジフテリア及び破傷風の予防
初回免疫:通常、1回0.5mLずつを3回、いずれも3~8週間の間隔で皮下に注射する。追加免疫:第1回の追加免疫には、通常、初回免疫後6か月以上の間隔をおいて、0.5mLを1回皮下に注射する。以後の追加免疫には、通常、1回0.5mLを皮下に注射する。
本剤を第1期の予防接種に使用する場合、生後2か月から90か月までの間にある者に行うが、初回免疫については、標準として生後2か月から12か月までの者に、追加免疫については、標準として初回免疫終了後12か月から18か月を経過した者に接種する。以後の小児への追加免疫においては、標準として11歳以上13歳未満の者に0.5mLを1回接種すること。また、成人への追加免疫は、通常、1回0.5mLを接種すること。
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
,
接種要注意者である。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。
接種に当たっては、予診等を十分に行い、被接種者の健康状態を観察すること。一般に生理機能が低下している。
蕁麻疹、呼吸困難、血管性浮腫等があらわれることがある。
通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
発熱、四肢麻痺、けいれん、意識障害等の症状があらわれることがある。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
通常、接種直後から数日ごろまでにあらわれる。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
過敏症
発疹
紅斑(多形紅斑を含む)、蕁麻疹
-
そう痒
局所症状注1)(注射部位)
紅斑(86.4%)、硬結(71.2%)、 腫脹(60.0%)
熱感
水疱、疼痛等の 注射部位反応
消化器
下痢
嘔吐
その他
発熱(40.8%)、鼻漏
咳嗽
不機嫌
*頻度不明
紅斑(74.9%)、腫脹(72.6%)、そう痒感(59.2%)、疼痛(56.1%)、熱感(51.6%)、硬結(45.0%)
*-
発熱、頭痛、発疹注2)、そう痒症注2)
倦怠感、腋窩痛
*失神・血管迷走神経反応
接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒する。なお、同一接種部位に反復して接種しないこと。
乳幼児期に沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチンの3回又は4回接種を受け、かつ沈降ジフテリア破傷風混合トキソイドの接種を受けていない11歳以上13歳未満の健康小児223例を対象に、本剤0.5mLを1回皮下に接種した。免疫原性の結果及び副反応発生状況は以下のとおりであった5) 。
ブースター反応率注3)(95%信頼区間)
百日せき毒素(PT)
91.0%(86.5,94.4)
百日せきFHA
91.5%(87.0,94.8)
ジフテリア毒素
100.0%(98.4,100.0)
破傷風毒素
98.7%(96.1,99.7)
20歳以上65歳未満の健康成人20例を対象に、本剤0.5mLを1回皮下に接種した。免疫原性の結果及び副反応発生状況は以下のとおりであった6) 。
抗体価測定項目
採血時期
GMT(95%信頼区間)
GMT上昇倍率注4)(95%信頼区間)
ジフテリア毒素(IU/mL)
接種前
0.037(0.011~0.118)
接種後
1.097(0.285~4.222)
29.9(10.7~83.0)
破傷風毒素(IU/mL)
0.072(0.028~0.183)
2.229(0.580~8.564)
30.9(12.9~73.8)
百日せき毒素(PT)(EU/mL)
9.98(6.54~15.23)
211.26(130.97~340.78)
21.2(14.2~31.5)
百日せきFHA(EU/mL)
22.36(12.97~38.54)
220.21(141.68~342.29)
9.8(6.8~14.4)
副反応は60.0%(12/20例)に認められた。その内訳は、注射部位紅斑、注射部位そう痒感各50.0%(10/20例)、注射部位硬結、注射部位腫脹各45.0%(9/20例)、注射部位疼痛40.0%(8/20例)、注射部位熱感30.0%(6/20例)、頭痛、そう痒症、発疹、月経困難症各5.0%(1/20例)であった。
生後3か月以上74か月未満の健康小児125例を対象に本剤0.5mLを計4回(初回免疫として3~8週間隔で3回、追加免疫として6~12か月隔てて1回)皮下に接種した。初回免疫後及び追加免疫後における百日せき毒素(PT)、線維状赤血球凝集素(FHA)、ジフテリア毒素、破傷風毒素それぞれの抗体陽性率、抗体価の推移及び副反応発生状況は以下のとおりであった7) 。表1 本剤接種後の抗体陽性率注5)
初回免疫後
追加免疫後
%(95%信頼区間)
n
100(97.0-100)
122
121
n:解析対象者数
接種前(n=121)
初回免疫後(n=122)
追加免疫前(n=120)
追加免疫後(n=121)
百日せき毒素(PT)注9)
0.91
187.65
78.08
185.54
百日せきFHA注9)
3.02
120.21
54.24
208.32
ジフテリア毒素注10)
0.008
0.866
1.144
5.449
破傷風毒素注11)
0.017
1.117
1.147
3.528
GMT:幾何平均抗体価
本剤の接種は、有効成分に対して一定(発症防御レベル)以上の抗体の産生を誘導し、百日せき、ジフテリア、破傷風の発症を予防する。
百日せきは罹患小児の回復期血清で、抗PT抗体及び抗FHA抗体をELISA法により測定した結果から、両抗体共少なくとも10EU(ELISA単位)/mL以上が血中に存在すればよいとの報告がある4) 。ジフテリアに対する発症防御は、0.1IU(国際単位)/mLの抗毒素(抗体)が8) 、また破傷風に対する発症防御は、0.01IU/mLの抗毒素がそれぞれ血中に存在すればよいとの報告がある9) 。
外箱開封後は遮光して保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
バイアル 0.5mL 1本
1) 岡田賢司 ほか: 小児感染免疫. 1995; 7(2): 99-102
2) 岡部信彦: 診断と治療. 1996; 84(Suppl.): 850
3) 予防接種ガイドライン等検討委員会: 予防接種ガイドライン(2017年4月改訂版). 2017: 48
4) 加藤達夫: 小児科診療. 1990; 53(10): 2275-2281
5) 岡田伸太郎 ほか: 臨床医薬. 2017; 33(9): 693-710
6) (一財)阪大微生物病研究会: 健康成人を対象とした沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン臨床成績(社内資料)
7) 乳幼児を対象としたテトラビック皮下注シリンジの臨床試験(承認年月日:2012年7月27日、CTD2.5.4.2、2.7.4.2)
8) 厚生労働省健康局結核感染症課 ほか: 平成15年度(2003年度)感染症流行予測調査報告書. 2004: 162-175
9) 加藤達夫: 小児科診療. 1986; 49(10): 1691-1700
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本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。
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