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白内障手術・眼内レンズ挿入術における手術補助
本剤は粘弾性が高く術後に本剤の除去が不十分な場合には、著しい眼圧上昇を起こすおそれがあるので、本剤の使用にあたっては、除去方法について十分に理解し、術後本剤の除去を徹底するとともに、眼圧上昇に注意すること。,,,
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
術後に著しい眼圧上昇を起こすおそれがある。,,
頻度不明
眼
眼圧上昇、角膜浮腫、近視、虹彩炎、角膜熱傷、炎症反応、嚢胞様黄斑浮腫、角膜混濁、前房出血、虹彩新生血管、虹彩後癒着、結膜癒着不全、散瞳、水晶体混濁、浅前房、疼痛、霧視、かゆみ
その他
嘔気・嘔吐、眼内レンズ表面の混濁
海外で実施された2種類の除去方法について、先発製剤(ヒーロンV0.6)での比較試験が実施されている。その結果、Behind the Lens(BTL)法群はRock'n Roll法群に比べて、術後早期の眼圧上昇が少なく(下表)、本剤の除去方法はBTL法を用いるのが望ましい。小瞳孔等によりBTL法を実施することが困難な場合は、Rock'n Roll法を用いて、除去を行う1) 。,
術前
術後5時間
術後24時間
BTL法群(n=80)
15.9±2.7
22.4±7.6
16.8±4.3
Rock'n Roll法群(n=79)
15.7±2.8
25.6±10.4
16.0±3.9
ウサギの眼球の前房内に投与したヒアルロン酸ナトリウムは、低分子化されることなく48時間後にはほぼ100%が前房隅角から消失する。血中に移行したヒアルロン酸は主に肝臓で単糖に代謝され、その後糖蛋白質合成に再利用されるものと、二酸化炭素に分解されるものがあると考えられた2) 。
先発製剤(ヒーロンV0.6)について、国内7施設79例においてヒアルロン酸ナトリウム1%製剤(ヒーロン)を対照薬とした比較臨床試験が実施され、有効性と安全性が確認された。有効性が「良い」・「非常に良い」と判定された症例は、「超音波水晶体乳化吸引術中の眼内滞留能」において77.2%、「連続環状嚢切開中の前房深度の形成能」において97.5%であった。また、角膜保護作用の指標である角膜内皮細胞減少率は2.1%であり、1%製剤と同等であった。報告された副作用は、眼圧上昇5.1%(4/79)、角膜浮腫2.5%(2/79)、嘔気・嘔吐1.3%(1/79)であった3) 。
前房形成効果についてはヒアルロン酸ナトリウムの高い粘稠性に基づくと考えられ、また角膜内皮保護効果についてもその高い粘稠性が一種の潤滑剤として働いていることに基づくと考えられる。
ブタ摘出眼球で本剤及び先発製剤(ヒーロンV0.6眼粘弾剤2.3%)を用いた試験において、白内障手術及び眼内レンズ挿入術の全ての段階で前房が形成され、特に連続環状嚢切開による前嚢切開時及び超音波水晶体乳化吸引術による水晶体摘出術時において十分な前房形成効果が認められた。その結果、手術空間が十分に確保され、手術の容易性を向上させた4),5) 。
注入後
水晶体除去後
本剤 n=10
156.11±4.60
94.90±4.04
先発製剤 n=3
156.60±5.67
84.53±5.09
ユカタンミニブタ(n=6)で右眼・本剤、左眼・先発製剤(ヒーロンV0.6眼粘弾剤2.3%)を用いた眼内レンズ挿入術を実施し、角膜内皮細胞保護効果を検証した。術後14日までの経過観察において、試験全体で角膜内皮細胞数、角膜厚及び細胞密度に関して、明らかな左右差はみられず、本剤は先発製剤と同等の角膜内皮保護効果を有することを確認した4),5) 。
精製ヒアルロン酸ナトリウム(Purified Sodium Hyaluronate)
(C14H20NNaO11)n
平均分子量150万~390万
本品は白色の粉末、粒又は繊維状の塊である。本品は水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。本品は吸湿性である。
無色ガラス容器(内筒)入り注射筒(外筒はプラスチック製)入り0.6mL×1筒滅菌済カニューレ(25G)1本
1) 社内資料
2) 武智和男ほか. 基礎と臨床 1985 ; 19 : 3093-3120
3) 社内資料
4) 社内資料
5) 社内資料
エイエムオー・ジャパン株式会社
住所:〒101-0065 東京都千代田区西神田3-5-2
電話:03-4411-4902
住所:〒101-0065 東京都千代田区西神田3-5-2電話:03-4411-4902
超音波装置の灌流/吸引モード設定:標準的なI/Aチップ0.3mm使用流量 20~25mL/min吸引圧注) 250~300mmHg(最高500mmHgまで吸引可能)灌流ボトル高 目の高さより60~70cm上
注:ペリスタルティックポンプの場合には上限よりに、ベンチュリーポンプの場合には下限よりにセットする。
①前房がまだ本剤で満たされており、眼内レンズをセンタリングしていない状態で除去を開始する。②吸引口を上に向けて、灌流せずにI/Aチップを眼内レンズの裏に入れ、灌流/吸引を開始する。③本剤を水晶体嚢から除去した後、眼内レンズのセンタリングを確認する。本剤を水晶体嚢から除去する間、灌流を継続することにより水晶体を膨張させ続けることができ、水晶体嚢を吸引する危険性が少なくなる。灌流を続けながら、チップを光学部の裏から取り出し、光学部の表側に置く。④虹彩面または光学部表面でI/Aチップを円を描くように回しながら除去を続け、次に前房隅角に注意しながら前房内をさらに洗浄する。
超音波装置の灌流/吸引モード設定:標準的なI/Aチップ0.3mm使用流量 25~30mL/min吸引圧注) 350~500mmHg灌流ボトル高 目の高さより60~70cm上
注:ペリスタルティックポンプの場合には上限よりに、ベンチュリーポンプの場合には下限よりにセットする。リニア・コントロールの場合、術者が足のペダルを十分に押し下げて灌流/吸引の操作を行う。
①虹彩面上で円を描くようにI/Aチップを回す。②I/Aチップを眼内レンズの光学部の表面に置く。眼内レンズ光学部の片側を静かに押さえつけて、I/Aチップを回転させ、水晶体嚢内へ灌流液を導く。③I/Aチップの吸引口を水晶体嚢の赤道面に向け、数秒間この状態を維持し、それから本剤が完全に除去されるまで眼内レンズ光学部のもう一方の側で同様の手順を繰り返す。最後に隅角を含め前房内を洗浄し、必要であれば②、③の手順を繰り返す。
〈注意〉必ず最初に無色ガラス容器(内筒)の後端を指で押して、最後まで押し込むこと。プランジャーロッド(押子)を先に使用すると本剤の逆流又は流出のおそれがある。
〈注意〉ブリスター内は無菌包装されています。開封前に破れ、はがれ等があった場合は使用しないでください。
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