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処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制
進行型多発性硬化症に関する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
通常、成人にはフマル酸ジメチルとして1回120mg 1日2回から投与を開始し、1週間後に1回240mg 1日2回に増量する。なお、いずれの場合も朝・夕食後に経口投与する。
本剤の主な副作用である潮紅、消化器系副作用等が認められた場合には、患者の状態を慎重に観察しながら1ヵ月程度の期間1回120mg 1日2回投与に減量することができる。なお、1回240mg 1日2回投与への再増量に対して忍容性が認められない場合は、本剤の投与を中止すること。
リンパ球減少がさらに悪化するおそれがある。リンパ球数の減少が6ヵ月以上継続した患者では、進行性多巣性白質脳症(PML)の発症リスクが高まる可能性がある。,,
感染症が増悪するおそれがある。
感染症が誘発されるおそれがある。
血中濃度が上昇するおそれがある。
妊娠又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中への移行は不明である。
臨床試験において除外され、十分なデータがない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
抗腫瘍剤、免疫抑制剤
免疫系の相加的な抑制作用により、感染症等のリスクが増大する可能性がある。
本剤は免疫系に抑制的に作用する可能性がある。
,
本剤の投与期間中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察し、片麻痺、四肢麻痺、認知機能障害、失語症、視覚障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。,
日和見感染症(重篤なサイトメガロウイルス感染、ヘルペスウイルス感染等)を含む感染症があらわれることがある。重篤な感染症が認められた場合には本剤を休薬又は中止し、適切な処置を行うこと。,
急性腎不全があらわれることがある。,
AST、ALTの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
10%以上
1%以上10%未満
頻度不明
感染症および寄生虫症
胃腸炎
過敏症
蕁麻疹、血管浮腫、呼吸困難
神経系障害
灼熱感
血管障害
潮紅(22%)
ほてり
*呼吸器、胸郭および縦隔障害
鼻漏
胃腸障害
下痢、悪心
上腹部痛、腹痛、嘔吐、消化不良、胃炎、胃腸障害
**皮膚および皮下組織障害
そう痒症、発疹、紅斑
脱毛症
腎および尿路障害
蛋白尿
一般・全身障害および投与部位の状態
熱感
臨床検査
尿中アルブミン陽性、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、白血球数減少
総ビリルビン増加
過量投与時に発現した症状は、潮紅、悪心、腹痛である。
経口投与後、フマル酸ジメチルは全身循環前にエステラーゼにより急速に加水分解され、活性代謝物であるフマル酸モノメチルに代謝される。経口投与後の血漿中フマル酸ジメチルは測定不可能であり、薬物動態の検討は血漿中フマル酸モノメチル濃度に基づく。
健康成人にフマル酸ジメチル120mgまたは240mgを1日2回食後に経口投与したとき、血漿中フマル酸モノメチル濃度推移並びに薬物動態パラメータは以下の図16-1及び表16-1のとおりであった(日本人における成績)。
フマル酸モノメチル薬物動態パラメータ「平均値±標準偏差」注1)
日本人
120mg×1日2回
240mg×1日2回
12例
AUC0-24hr(時間・ng/mL)
4915±981
8235±2911
Cmax(ng/mL)
1347±638
2366±1353
Tmax(時間)
4.00
5.00
t1/2(時間)
0.86±0.85
0.66±0.22
健康成人にフマル酸ジメチル120mg、240mgまたは360mgを食後に単回経口投与したとき、血漿中フマル酸モノメチルのCmaxとAUCはほぼ線形性を示した(外国人における成績)。
多発性硬化症患者にフマル酸ジメチル240mgを1日2回食後に経口投与したとき、血漿中フマル酸モノメチル薬物動態パラメータは表16-2のとおりであった(外国人における成績)。
フマル酸モノメチル薬物動態パラメータ「平均値±標準偏差」注2)
22例
8205±3464
1868±1250
1.30±0.80
健康成人にフマル酸ジメチル240mgを空腹時又は食後に経口投与したとき、低脂肪食の摂取は血漿中フマル酸モノメチルのAUCとCmaxに影響を与えなかった。高脂肪食の摂取は血漿中フマル酸モノメチルのAUCに影響を与えなかったが、Cmaxは38%低下した(外国人における成績)。
フマル酸ジメチル240mg経口投与後のフマル酸モノメチルの見かけの分布容積は60~90Lである。フマル酸モノメチルの血漿蛋白結合率は27~40%である。
フマル酸ジメチルは消化管、血液及び組織に広く存在するエステラーゼにより代謝される。さらにTCA回路を介して代謝され、チトクロームP450(CYP)分子種はフマル酸ジメチル及びフマル酸モノメチルの代謝に関与しない。14C-フマル酸ジメチル240mg経口投与により同定された血漿中の主要代謝物はフマル酸モノメチル、フマル酸、クエン酸及びグルコースであり、フマル酸とクエン酸はさらにTCA回路を介して代謝される。
健康成人に14C-フマル酸ジメチル240mgを単回経口投与したとき、投与7日後までに投与放射能の約60%が呼気(CO2)として排泄され、さらに15.5%が尿中に、0.9%が糞中に排泄された。尿中に排泄された主な代謝物はコハク酸モノメチルのシステイン抱合体(投与放射能の4.64%)、コハク酸モノメチルのN-アセチルシステイン抱合体(投与放射能の1.77%)であった(外国人における成績)。
健康成人にフマル酸ジメチル(1回240mg 1日3回経口投与)とインターフェロン ベータ-1a(30μg単回筋肉内投与)を併用投与したとき、インターフェロン ベータ-1aはフマル酸ジメチルの薬物動態に影響を与えなかった3)(外国人データ)。
健康成人にフマル酸ジメチル(1回240mg 1日3回経口投与)とグラチラマー酢酸塩(20mg単回皮下投与)を併用投与したとき、グラチラマー酢酸塩はフマル酸ジメチルの薬物動態に影響を与えなかった4)(外国人データ)。
経口避妊薬(1日1回経口投与)が投与されている健康成人女性にフマル酸ジメチル(1回240mg 1日2回経口投与)を21日間併用したとき、フマル酸ジメチルはエチニルエストラジオール及びノルエルゲストロミン(ノルゲスティメートの主要代謝物)の薬物動態に影響を与えなかった5)(外国人データ)。
再発寛解型多発性硬化症患者(224例、日本人患者113例(投与例数))を対象としてプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。被験者にはプラセボ又はフマル酸ジメチル240mg/回を1日2回、24週間投与した。頭部MRI検査の結果、投与12、16、20及び24週目の新規Gd造影病巣数は表17-1のとおりであり、プラセボ群と比較し有意な減少が認められた。
投与群
評価例数
Gd造影病巣数
病巣総数の比注3)[95%信頼区間]
p値注3)
平均値±標準偏差中央値(最小値,最大値)
点推定値注3)
プラセボ群
113
4.3±8.201(0,55)
3.257
0.164[0.101,0.266]
<0.0001
本剤群
111
1.1±5.460(0,55)
0.534
本剤1回240mg 1日2回を投与された111例中62例(55.9%)に副作用が認められた。主な副作用は潮紅(20.7%)、下痢(9.0%)、腹痛(6.3%)、悪心(6.3%)、ほてり(5.4%)、そう痒症(5.4%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加(5.4%)であった。
プラセボ対照試験を完了した患者(213例、日本人患者106例(投与例数))を対象にした継続長期投与試験を実施した。フマル酸ジメチル240mg/回を1日2回投与したとき、長期投与試験のベースラインと投与24週目のGd造影病巣数を表17-2に示す。
フマル酸ジメチル-フマル酸ジメチル群
プラセボ-フマル酸ジメチル群
ベースライン
24週目
0.2±0.5(98)0(0,3)
0.3±1.2(101)0(0,8)
1.5±3.5(94)0(0,22)
0.4±1.0(95)0(0,6)
上段:平均値±標準偏差(評価例数)下段:中央値(最小値,最大値)
外国人再発寛解型多発性硬化症患者(1234例(投与例数))を対象としてプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。被験者にはプラセボ又はフマル酸ジメチル240mg/回を1日2回又は3回(480mg/日又は720mg/日)、2年間投与した。主要評価項目である2年時点での再発患者の割合を表17-3、再発までの期間を図17-1に示す。フマル酸ジメチル480mg/日群ではプラセボ群と比較して49%減少した(p<0.0001)。また、EDSSを用いて評価した「3ヵ月間持続する身体機能障害の進行が認められた患者の割合」を表17-4に示す。2年時点でプラセボ群と比較してフマル酸ジメチル480mg/日群で38%減少した(p=0.005)。
再発例数
再発例の割合注4)
プラセボ群との比較注5)
ハザード比[95%信頼区間]
p値
408
171
0.461
本剤480mg/日群
410
98
0.270
0.51[0.40,0.66]
本剤720mg/日群
416
95
0.260
0.50[0.39,0.65]
評価例数注6)
障害進行例数
障害進行例の割合注7)
プラセボ群との比較注8)
89
0.271
409
57
0.164
0.62[0.44,0.87]
0.0050
62
0.177
0.66[0.48,0.92]
0.0128
外国人再発寛解型多発性硬化症患者(1417例(投与例数))を対象としてプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。被験者にはプラセボ又はフマル酸ジメチル240mg/回を1日2回又は3回(480mg/日又は720mg/日)若しくはグラチラマー酢酸塩を1日1回、2年間投与した。主要評価項目である2年時点での年率換算再発率を表17-5に示す。フマル酸ジメチル480mg/日群ではプラセボ群と比較して44%減少した(p<0.0001)。EDSSを用いて評価した「3ヵ月間持続する身体的機能障害の進行が認められた患者の割合」を表17-6に示す。2年時点でプラセボ群と比較してフマル酸ジメチル480mg/日群で21%減少したが、プラセボ群との統計学的な有意差は認められなかった(p=0.25)。
年間再発率注9)[95%信頼区間]
プラセボ群との比較注9)
群間比[95%信頼区間]
363
0.401[0.329,0.488]
359
0.224[0.179,0.282]
0.560[0.423,0.740]
345
0.198[0.156,0.252]
0.495[0.369,0.662]
グラチラマー群
350
0.286[0.232,0.353]
0.714[0.548,0.931]
障害進行例の割合注10)
プラセボ群との比較注11)
52
0.169
40
0.128
0.79[0.52,1.19]
0.2536
38
0.130
0.76[0.50,1.16]
0.2041
48
0.156
0.93[0.63,1.37]
0.7036
本剤1回240mg 1日2回を投与された769例中536例(69.7%)に副作用が認められた。主な副作用は潮紅(32.9%)、悪心(9.5%)、下痢(8.3%)、上腹部痛(8.1%)、そう痒症(6.8%)、腹痛(6.2%)、ほてり(5.7%)、発疹(5.3%)であった。
酸化ストレスは脱髄及び神経変性等に関与しており、Nrf2経路はその酸化ストレスに対する抗酸化応答を介した細胞防御機構である。Nrf2ノックアウトマウスにフマル酸ジメチルを経口投与すると、Nrf2応答遺伝子発現が認められなかったことから、フマル酸ジメチルは主にNrf2経路の活性化を介して薬力学的作用を表すことが示された9),10)。
In vitro試験においてフマル酸ジメチル及びその主要な活性代謝物であるフマル酸モノメチルは、炎症性刺激に対する免疫細胞の活性化及びその後の炎症性サイトカイン産生の抑制を示した11)。
多発性硬化症動物モデルであるラットの慢性EAEにフマル酸ジメチルを経口投与すると、臨床症状軽減作用を示した9)。
フマル酸ジメチルDimethyl Fumarate〔JAN〕
Dimethyl fumarate
C6H8O4
144.13
本品は白色の粉末である。本品はメタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)又は水に溶けにくい。
0.77(1-オクタノール/水)
開封後、直射日光及び高温・高湿を避けて保存すること。
14カプセル〔14カプセル(PTP)×1〕
28カプセル〔14カプセル(PTP)×2〕
1) 社内資料:フマル酸ジメチルの日本人を含む薬物動態試験成績(2016年12月19日承認、CTD2.7.6.3.3.1)
2) 社内資料:フマル酸ジメチルの薬物動態試験成績(2016年12月19日承認、CTD2.7.6.3.2.1)
3) 社内資料:インターフェロン ベータ-1aとの薬物相互作用試験成績(2016年12月19日承認、CTD2.7.6.3.4.1)
4) 社内資料:グラチラマー酢酸塩との薬物相互作用試験成績(2016年12月19日承認、CTD2.7.6.3.4.2)
5) 社内資料:エチニルエストラジオール-ノルゲスティメートとの薬物相互作用試験成績(2016年12月19日承認、CTD2.7.6.3.4.3)
6) 社内資料:フマル酸ジメチルの臨床試験成績(2016年12月19日承認、CTD2.7.6.5.1.4)
7) Gold R, et al. N Engl J Med. 2012; 367:1098-107
8) Fox RJ, et al. N Engl J Med. 2012; 367:1087-97
9) Linker RA, et al. Brain. 2011; 134:678-92
10) Kovac S, et al. Biochim Biophys Acta. 2015; 1850:794-801
11) Peng H, et al. J Biol Chem. 2012; 287:28017-26
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