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劇薬
処方箋医薬品注)
再発寛解型多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制
通常、成人にはジロキシメルフマラートとして1回231mg 1日2回から投与を開始し、1週間後に1回462mg 1日2回に増量する。
潮紅、消化器系副作用等が認められた場合には、患者の状態を慎重に観察しながら1ヵ月程度の期間1回231mg 1日2回投与に減量することができる。なお、1回462mg 1日2回投与への再増量に対して忍容性が認められない場合は、本剤の投与を中止すること。
リンパ球減少がさらに悪化するおそれがある。リンパ球数の減少が6ヵ月以上継続した患者では、進行性多巣性白質脳症(PML)の発症リスクが高まる可能性がある。,,
感染症が増悪するおそれがある。
感染症が誘発されるおそれがある。
本剤の不活性主要代謝物である2-ヒドロキシエチルスクシンイミドの血中濃度が上昇する。eGFRが60mL/min/1.73m2未満の患者は、臨床試験では除外されている。
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中は適切な避妊を行うよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ウサギの胚・胎児発生毒性試験において、胎児に骨格奇形(椎体異常)の増加、着床後胚死亡の増加及び生存胎児数の減少が認められた。本剤の主要活性代謝物であるフマル酸モノメチル及び不活性主要代謝物である2-ヒドロキシエチルスクシンイミドの、本剤のヒト臨床推奨最大用量投与時における血漿中濃度(AUC)に対する安全域は2倍及び0.7倍であった。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中への移行は不明である。
臨床試験において除外され、十分なデータがない。
抗腫瘍剤、免疫抑制剤
免疫系の相加的な抑制作用により、感染症等のリスクが増大する可能性がある。
本剤は免疫系に抑制的に作用する可能性がある。
,
本剤の投与期間中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察し、片麻痺、四肢麻痺、認知機能障害、失語症、視覚障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。,
日和見感染症(重篤なサイトメガロウイルス感染、ヘルペスウイルス感染等)を含む感染症があらわれることがある。重篤な感染症が認められた場合には本剤を休薬又は中止し、適切な処置を行うこと。,
急性腎障害があらわれることがある。,
AST、ALTの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
10%以上
1%以上10%未満
頻度不明
感染症および寄生虫症
上咽頭炎、上気道感染、尿路感染
胃腸炎
血液およびリンパ系障害
好中球減少症
神経系障害
灼熱感、浮動性めまい、頭痛、錯感覚
血管障害
潮紅(31.9%)
ほてり
呼吸器、胸郭および縦隔障害
鼻漏、呼吸困難
胃腸障害
下痢
腹部不快感、腹痛、下腹部痛、上腹部痛、便秘、消化不良、鼓腸、胃食道逆流性疾患、悪心、嘔吐
胃炎、胃腸障害
皮膚および皮下組織障害
脱毛症、紅斑、そう痒症、発疹、皮膚灼熱感
蕁麻疹、血管性浮腫
腎および尿路障害
蛋白尿
一般・全身障害および投与部位の状態
疲労、熱感
臨床検査
AST増加、ALT増加、尿中β2ミクログロブリン増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、リンパ球数減少、尿中アルブミン/クレアチニン比増加、体重増加、白血球数減少
血中ビリルビン増加、尿中アルブミン陽性
過量投与時に潮紅、悪心、腹痛が起こるおそれがある。
幼若ラットの6週間反復投与毒性試験で骨量及び骨密度減少、大腿骨の骨長及び皮質厚減少が認められ、このときのフマル酸モノメチル及び2-ヒドロキシエチルスクシンイミドの血漿中濃度(AUC)は、本剤のヒト臨床推奨最大用量投与時の各曝露量(AUC)の7倍及び6倍であった。
経口投与後、ジロキシメルフマラートは全身循環に到達する前にエステラーゼにより速やかに加水分解され、主な活性代謝物であるフマル酸モノメチル及び主な不活性代謝物である2-ヒドロキシエチルスクシンイミドに代謝される。
健康成人男性60例に本剤210mg、420mg又は630mgを1日2回5日間反復経口投与注1) したときの、血漿中フマル酸モノメチル及び2-ヒドロキシエチルスクシンイミドの濃度推移及び薬物動態パラメータは、図16-1及び表16-1のとおりであった(外国人データ)。
評価時点
本剤投与量(mg)
例数
Cmax(μg/mL)
tmax(h)
AUClast(μg・h/mL)
t1/2(h)
フマル酸モノメチル
1日目
210
15
0.71±0.33
3.00[1.5, 4.0]
1.49±0.55
1.28±1.31注2)
420
1.74±0.83
3.00[2.0, 4.0]
3.42±0.85
0.82±0.36注3)
630
1.76±0.85
4.00[2.5, 6.0]
4.21±1.39
1.04±0.28注4)
5日目
0.94±0.44
2.50[2.0, 6.0]
1.71±0.63
−
1.46±0.72
3.00[2.0, 6.1]
3.20±1.06
1.93±0.82
3.00[2.0, 6.0]
4.32±1.35
2-ヒドロキシエチルスクシンイミド
2.25±0.49
3.50[1.5, 5.5]
14.33±3.10
21.58±10.94注2)
4.95±0.58
2.50[1.0, 7.4]
31.13±5.21
12.08±1.21注5)
6.90±1.30
4.00[2.5, 6.5]
41.34±8.99
7.20, 31.55注6)
5.49±1.22
4.00[2.0, 8.0]
44.40±8.99
10.30±1.61
4.00[3.0, 6.1]
85.11±14.57
15.67±2.40
6.00[2.5, 8.0]
126.77±21.90
−:算出せず平均値±標準偏差、tmaxは中央値[範囲]
再発型多発性硬化症患者(102例、うち日本人患者52例)に本剤231mgを1日2回から投与を開始し、1週間後に1回462mgを1日2回に増量して48週間反復投与したときの29及び57日目における平均血漿中フマル酸モノメチル及び2-ヒドロキシエチルスクシンイミドの濃度推移は、表16-2のとおりであった。
全集団
日本人
評価例数
血漿中濃度
29日目
投与前
87
0.04±0.10
44
0.03±0.06
8.5±2.39
8.5±2.29
投与2~3時間後
1.45±1.35
1.57±1.31
10.0±3.52
9.7±3.44
57日目
92
0.04±0.08
47
0.05±0.09
8.9±3.01
9.0±3.46
93
1.28±1.26
1.31±1.39
10.1±3.14
10.1±3.44
平均値±標準偏差
健康成人(16例)に本剤420mgを空腹時及び高脂肪高カロリー食後に単回経口投与注7) したとき、フマル酸モノメチルのCmax及びAUCの幾何平均値の比(食後/空腹時)とその90%信頼区間は、0.56[0.39, 0.79]及び0.89[0.69, 1.15]であった(外国人データ)。
健康成人に本剤投与後、フマル酸モノメチルの見かけの分布容積(Vd)は、72~83Lであった。フマル酸モノメチルのヒト血漿タンパク結合率は25%以下であり、濃度に依存しなかった(外国人データ)。
本剤は、全身循環に到達する前に、消化管、血液及び組織に広く存在するエステラーゼにより代謝され、活性代謝物のフマル酸モノメチル及び不活性代謝物の2-ヒドロキシエチルスクシンイミドが生成される(外国人データ)。フマル酸モノメチルの代謝は、さらにTCA回路を介して行われ、CYP分子種は関与しない。血漿中フマル酸モノメチルの主な代謝物は、フマル酸、クエン酸、グルコースであった。2-ヒドロキシエチルスクシンイミドは生体内においてほとんど代謝されない。
フマル酸モノメチルは、主に呼気中にCO2として排泄され、尿中に回収されたのはわずかな量(総投与量の0.3%未満)であった。フマル酸モノメチルのt1/2は約1時間であり、本剤の反復投与により、フマル酸モノメチルの蓄積はなかった。2-ヒドロキシエチルスクシンイミドは、主に尿中に排泄された(投与量の58~63%が2-ヒドロキシエチルスクシンイミドとして尿中に排泄)(外国人データ)。
軽度、中等度及び重度の腎機能障害患者(軽度:eGFR 60~89mL/min/1.73m2、中等度:eGFR 30~59mL/min/1.73m2、重度:eGFR 30mL/min/1.73m2未満)各8例に本剤462mgを単回経口投与したとき、フマル酸モノメチルのCmax及びAUC0-∞の幾何平均の比とその90%信頼区間は、軽度/健康成人で1.62[0.97, 2.69]及び1.13[0.91, 1.41]、中等度/健康成人で2.54[1.10, 5.86]及び1.39[0.83, 2.33]、重度/健康成人で1.31[0.69, 2.51]及び1.37[0.86, 2.18]であった。2-ヒドロキシエチルスクシンイミドのCmax及びAUC0-∞の幾何平均の比とその90%信頼区間は、軽度/健康成人で1.00[0.87, 1.15]及び1.25[1.04, 1.50]、中等度/健康成人で1.00[0.81, 1.24]及び1.70[1.26, 2.29]、重度/健康成人で0.95[0.79, 1.15]及び2.62[2.12, 3.24]であった(外国人データ)。
5%(v/v)及び40%(v/v)エタノール摂取と同時に本剤を投与したとき、水だけで投与したときと比べて、フマル酸モノメチルの総曝露量に影響せず、アルコールとの同時摂取は過量放出(dose-dumping)を引き起こさなかった。5%(v/v)及び40%(v/v)エタノール240mLを本剤と共に投与したとき、血漿中フマル酸モノメチルのCmaxは、それぞれ9%及び21%低下した(外国人データ)。
再発型多発性硬化症患者(102例、うち日本人患者52例)を対象とした多施設共同非盲検非対照試験において、本剤1回231mgを1日2回から開始し、1週間後から1回462mg 1日2回に増量、計48週間投与した。全被験者の年間再発率は表17-1のとおりであった。
全被験者
52
102
ベースライン時の年間再発率(平均値±標準偏差)
0.6±0.69
0.7±0.75
48週投与時の調整した年間再発率[95%CI]注8)
0.18[0.09, 0.38]
0.19[0.11, 0.33]
総再発回数
9
18
総観察期間(人・年)
47.1
90.3
副作用発現頻度は70.6%(72/102例)であった。主な副作用は潮紅24.5%(25/102例)、下痢18.6%(19/102例)、リンパ球数減少9.8%(10/102例)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加各7.8%(8/102例)、ほてり、腹部不快感、そう痒症、発疹各6.9%(7/102例)、白血球数減少、上腹部痛、悪心、上気道感染各5.9%(6/102例)であった。
再発寛解型多発性硬化症患者(1057例)を対象に多施設共同非盲検非対照試験において、本剤1回231mg 1日2回から開始し、1週間後から1回462mg 1日2回に増量、最長96週間投与した。副作用発現頻度は62.0%(655/1057例)であった。主な副作用は潮紅26.9%(284/1057例)、リンパ球減少症11.2%(118/1057例)、下痢7.5%(79/1057例)、そう痒症5.0%(53/1057例)であった。
再発寛解型多発性硬化症患者を対象とした多施設共同実薬対照無作為化二重盲検並行群間比較試験において、本剤又はフマル酸ジメチルを、それぞれ1回231mg又は120mgを1日2回から開始し、1週間後から、それぞれ1回462mg又は240mg 1日2回に増量、計5週間投与した。主要評価項目である消化管忍容性に関するIGISIS(5つの消化管症状〔悪心、嘔吐、上腹部痛、下腹部痛、及び下痢〕の発現率、程度、発現時期、持続時間、及び機能的影響を評価する指標)におけるいずれかの個々の症状程度スコアが2以上であった日数の投与日数に対する比は、表17-2のとおりであった。
いずれかのIGISISの個々の症状程度スコアが2以上であった日数
フマル酸ジメチル群との比[95%CI]注9)
平均値±標準偏差中央値(最小値、最大値)
投与日数に対する比[95%CI]注9)
本剤群
253
1.5±2.850(0, 19)
0.04[0.03, 0.05]
0.54[0.39, 0.75]
フマル酸ジメチル群
249
2.5±4.681.0(0, 34)
0.08[0.06, 0.10]
副作用発現頻度は65.2%(165/253例)であった。主な副作用は潮紅32.8%(83/253例)、下痢13.8%(35/253例)、悪心13.4%(34/253例)、紅斑7.9%(20/253例)、そう痒症6.7%(17/253例)、上腹部痛6.3%(16/253例)、下腹部痛5.9%(15/253例)、腹痛、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加各5.5%(14/253例)であった。
ジロキシメルフマラートは全身循環に入る前にエステラーゼにより速やかに加水分解され、主活性代謝物であるフマル酸モノメチルに変換されて薬理作用を発揮すると考えられているが、その作用機序は十分に解明されていない。非臨床試験では、ジロキシメルフマラート、フマル酸ジメチル及びフマル酸モノメチルのようなフマル酸エステルが細胞の抗酸化応答を制御するマスター転写因子であるnuclear factor erythroid-derived 2-like 2(Nrf2)転写経路を活性化することにより免疫系を調節する可能性が示されており、これにより多数の炎症性メディエーターの発現が抑制され、炎症性傷害及び代謝ストレスに対する細胞保護作用を示すものと考えられている7) 。
多発性硬化症の標準的なモデルであるラットEAEモデルにおいて、ジロキシメルフマラートは神経症状スコアを減少させ、その作用はフマル酸ジメチル及びフマル酸モノメチルで認められた作用と同様であった8) 。
ジロキシメルフマラートDiroximel Fumarate〔JAN〕
2-(2,5-Dioxopyrrolidin-1-yl)ethyl methyl(2E)-but-2-enedioate
C11H13NO6
255.22
白色~類白色の粉末である。本品はエタノール及び水に溶けにくい。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
56カプセル〔8カプセル(PTP)×7〕
1) 社内資料:健康成人を対象とした反復投与試験成績(ALK8700-A102試験)(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.5.3.3.1.2)
2) 社内資料:国際共同第III相臨床試験成績(272MS303試験)(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.5.3.5.2.2)
3) 社内資料:腎機能障害患者における薬物動態試験成績(ALK8700-A108試験)(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.5.3.3.3.1)
4) 社内資料:アルコールとの同時摂取における薬物動態試験成績(ALK8700-A106試験)(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.5.3.3.4.1)
5) 社内資料:海外第III相臨床試験成績(ALK8700-A301試験)(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.5.3.5.2.1)
6) 社内資料:海外第III相臨床試験成績(ALK8700-A302試験)(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.5.3.5.1.1)
7) 社内資料:Nrf2経路の活性化(2026年6月19日承認、CTD2.6.2.2.2)
8) 社内資料:EAE発症に対する作用(2026年6月19日承認、CTD2.6.2.2.1)
バイオジェン・ジャパン株式会社 くすり相談室
〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目4番1号
電話:0120-560-086受付時間 9:00~17:00(祝祭日、会社休日を除く月曜日から金曜日まで)
*本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2027年10月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。
バイオジェン・ジャパン株式会社
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