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劇薬
処方箋医薬品注)
関節リウマチ
通常、成人にはメトトレキサートとして7.5mgを週に1回皮下注射する。なお、患者の状態、忍容性等に応じて適宜増量できるが、15mgを超えないこと。
1週間あたりのメトトレキサート経口製剤の投与量
本剤の初回用量
6mg
7.5mg
8又は10mg
7.5又は10mg
12~16mg
10又は12.5mg
また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに主治医に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないこと。
定期的に胸部X線検査等を行い、結核症状の発現に十分に注意すること。本剤は結核を活動化させるおそれがある。
B型肝炎ウイルスキャリアの患者及び既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者に対し本剤を投与する場合、投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型又はC型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。重篤な肝炎や肝障害の発現が報告されており、死亡例が認められている。また本剤投与終了後にB型肝炎ウイルスが活性化することによる肝炎等の発現も報告されている。,
症状が再燃又は増悪するおそれがある。,
致命的な全身障害があらわれることがある。
肝障害を増悪させるおそれがある。
投与しないこと。副作用が強くあらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。催奇形性を疑う症例報告があり、また、動物実験(マウス、ラット及びウサギ)で胎児死亡及び催奇形作用が報告されている。
授乳を避けさせること。母乳中への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
腎機能検査値に十分注意し、患者の状態を観察しながら用量に留意して慎重に投与すること。腎機能等生理機能が低下していることが多く、メトトレキサートの排泄遅延により副作用があらわれやすい。また、免疫機能低下の影響を受けやすいため、重篤な感染症があらわれやすい。
サリチル酸等の非ステロイド性抗炎症剤
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。
主として、非ステロイド性抗炎症剤の腎におけるプロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下及びナトリウム、水分貯留傾向のためメトトレキサートの排泄が遅延するためと考えられている。
スルホンアミド系薬剤テトラサイクリンクロラムフェニコールフェニトインバルビツール酸誘導体
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。
併用薬剤が血漿蛋白と結合しているメトトレキサートを競合的に置換遊離し、メトトレキサートの濃度を上昇させ、その毒性を増強させる。
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
両薬剤の葉酸代謝阻害作用が協力的に作用するためと考えられている。
ペニシリン(ピペラシリンナトリウム等)プロベネシド
併用薬剤がメトトレキサートの腎排泄を競合的に阻害するためと考えられている。
シプロフロキサシン
発現機序の詳細は不明であるが、メトトレキサートの腎尿細管からの排泄が阻害されるためと考えられている。
レフルノミド
併用により骨髄抑制等の副作用を増強するためと考えられている。
プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール、ラベプラゾール、ランソプラゾール等)
機序は不明であるが、メトトレキサートの血中濃度が上昇することがある。
ポルフィマーナトリウム
光線過敏症を起こすことがある。
ポルフィマーナトリウムは光感受性を高める作用があるため、光線過敏症を起こしやすい薬剤の作用を増強する。
ショック、アナフィラキシー(冷感、呼吸困難、血圧低下等)があらわれることがある。
汎血球減少、無顆粒球症(前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等があらわれる場合がある)、白血球減少、血小板減少、貧血等の骨髄抑制、再生不良性貧血があらわれることがある。
呼吸不全にいたるような肺炎(ニューモシスティス肺炎等を含む)、敗血症、サイトメガロウイルス感染症、帯状疱疹等の重篤な感染症(日和見感染症を含む)があらわれることがあるので、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、抗生剤、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。,
劇症肝炎、肝不全、肝組織の壊死・線維化、肝硬変等の重篤な肝障害(B型又はC型肝炎ウイルスによるものを含む)があらわれることがある。,,
急性腎障害、尿細管壊死、重症ネフロパチー等の重篤な腎障害があらわれることがある。
間質性肺炎、肺線維症、胸水等があらわれ、呼吸不全にいたることがあるので、投与開始後は観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には、速やかに胸部X線検査、胸部CT検査、血液ガス検査、血中KL-6測定等を行い、本剤の投与を中止するとともに、ニューモシスティス肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群等の重篤な皮膚障害があらわれることがある。発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
出血性腸炎、壊死性腸炎等の重篤な腸炎があらわれることがある。激しい腹痛、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
骨塩量減少等の異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
本剤投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察すること。意識障害、認知機能障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、構音障害、失語等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒、発熱、蕁麻疹
血液
白血球数減少
好中球数減少、貧血、骨髄抑制
好酸球増多、出血、低ガンマグロブリン血症、リンパ節腫脹
肝臓
肝機能障害(ALT、AST、AL-Pの上昇等)
LDHの上昇、黄疸、脂肪肝
腎臓
クレアチニンの上昇
BUN上昇、血尿、蛋白尿
消化器
悪心、口内炎
嘔吐、舌炎、腹部不快感、口角口唇炎、舌痛、口唇びらん、口腔粘膜びらん、口腔咽頭痛、咽頭炎、上咽頭炎、歯肉炎、食道カンジダ症、歯膿瘍、歯肉痛、口腔ヘルペス
腹痛、下痢、食欲不振、口唇腫脹、消化管潰瘍・出血、メレナ、イレウス
皮膚
紅斑、注射部位そう痒感、爪線状隆起、蜂巣炎、注射部位紅斑、単純ヘルペス
脱毛、皮下斑状出血、皮膚潰瘍、光線過敏症、色素沈着、色素脱出、ざ瘡、結節、乾癬病変局面の有痛性びらん
精神神経系
めまい
頭痛、意識障害、眠気、目のかすみ、しびれ感、味覚異常、項部緊張、背部痛、錯感覚
呼吸器
気管支炎、副鼻腔炎
咳嗽、呼吸困難
生殖器
無精子症、卵巣機能不全、月経不全、流産
その他
倦怠感、胸痛、疲労、関節炎、足部白癬
動悸、胸部圧迫感、低蛋白血症、血清アルブミン減少、浮腫、膀胱炎、結膜炎、関節痛、耳下腺炎、悪寒
トリメトプリム(スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤)を併用した場合、2水素葉酸還元酵素(dihydrofolate reductase:DHFR)を用いたメトトレキサート濃度の測定で見かけ上高値を呈することがあるので注意すること。
外国で週間総用量が20mgを超えると重篤な副作用、特に骨髄抑制の発生率等が有意に上昇するという報告がある。過量投与時に報告された主な症状は血液障害及び消化管障害であった。また、重篤な副作用を発現し、致命的な経過をたどった症例が報告されている。
過量投与したときは、すみやかに本剤の拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与するとともに、本剤の排泄を促進するために水分補給と尿のアルカリ化を行うこと。本剤とホリナートカルシウムの投与間隔が長いほど、ホリナートカルシウムの効果が低下することがある。
AUC0-inf(ng・h/mL)
Cmax(ng/mL)
CL(L/h)
Vd(L)
T1/2(h)
Tmax(h)
1640±456
479±107
6.46±1.56
26.0±4.78
2.96±1.14
0.50(0.25, 0.75)
平均値±標準偏差、Tmax:中央値(最小値, 最大値)
用量(mg)
例数
本剤
7.5
14
820±80
188±31
2.91±0.44
0.63(0.50, 2.00)
15
1642±187
405±108
2.79±0.41
0.75(0.50, 1.50)
経口メトトレキサート
626±115
190±41
3.02±0.65
1.00(0.50, 1.50)
1163±298
316±94
3.38±1.34
1.00(0.75, 2.50)
メトトレキサート未治療の関節リウマチ患者(本剤群:52例、メトトレキサート経口製剤群:49例)を対象にメトトレキサート経口製剤対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。本剤7.5mgを週1回皮下投与又はメトトレキサート8mg(1週間あたり)を経口投与したときの、投与12週時におけるACR20%、50%及び70%達成率は、本剤群で59.6%(31/52例)、26.9%(14/52例)及び9.6%(5/52例)、メトトレキサート経口製剤群で51.0%(25/49例)、24.5%(12/49例)及び16.3%(8/49例)であった。副作用は本剤群25.0%(13/52例)に認められ、主な副作用は口内炎5.8%(3/52例)であった3) 。
すべての患者で本剤を週1回皮下投与した。用量は、4週ごとの有効性及び安全性評価基準に合致した場合は2.5mgずつ増量し、最大15mgとした。二重盲検期に本剤群であった患者における投与64週時のACR20%、50%及び70%達成率は、59.6%(31/52例)、51.9%(27/52例)及び42.3%(22/52例)であった。副作用は、継続投与期からの参加例11例を含む本剤投与例の54.1%(59/109例)に認められ、主な副作用は悪心13.8%(15/109例)、口内炎11.9%(13/109例)、ALT増加9.2%(10/109例)、白血球数減少8.3%(9/109例)及び肝機能異常8.3%(9/109例)であった3) 。
メトトレキサートは5-アミノイミダゾール-4-カルボキサミドリボヌクレオチドトランスホルミラーゼ(ATIC)阻害を介したアデノシン情報伝達促進により、各種免疫細胞に対して抗炎症作用を示す。また、メトトレキサートのジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)阻害を介したテトラヒドロビオプテリン(BH4)枯渇により一酸化窒素合成酵素(NOS)脱共役が生じ、T細胞のアポトーシスに対する感受性が増加して免疫反応が抑制される。さらに、メトトレキサートはアデノシン情報伝達促進作用及びBH4枯渇によるNOS脱共役を介してT細胞や滑膜線維芽細胞(FLS)での核内因子κB(NF-κB)活性化を抑制する。以上のように、メトトレキサートはRAの病態形成に関与する種々の細胞に対して、アデノシン情報伝達を始めとする複数の分子作用機序を介して免疫及び炎症性反応を抑制し、抗RA作用を示すと考えられる4),5),6),7),8),9),10),11) 。
ラットのコラーゲン誘導関節炎(CIA)モデルにおいて、低用量メトトレキサートの皮下投与は後肢腫脹の抑制などの病態進展を抑制する12) 。
メトトレキサート(Methotrexate)
N-(4-[(2,4-Diaminopteridin-6-ylmethyl)(methyl)amino]benzoyl)-L-glutamic acid
C20H22N8O5
454.44
本品は黄褐色の結晶性の粉末である。本品はピリジンに溶けにくく、水、アセトニトリル、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品は希水酸化ナトリウム試液又は希炭酸ナトリウム試液に溶ける。本品は光によって徐々に変化する。
外箱開封後は遮光して保存すること。
*メトジェクト皮下注7.5mgシリンジ0.15mL:1シリンジメトジェクト皮下注10mgシリンジ0.20mL:1シリンジメトジェクト皮下注12.5mgシリンジ0.25mL:1シリンジメトジェクト皮下注15mgシリンジ0.30mL:1シリンジメトジェクト皮下注7.5mgペン0.15mL:1本メトジェクト皮下注10mgペン0.20mL:1本メトジェクト皮下注12.5mgペン0.25mL:1本メトジェクト皮下注15mgペン0.30mL:1本
1) 社内資料:国内第III相試験(2022年9月26日承認、CTD272)
2) 社内資料:海外第I相試験(2022年9月26日承認、CTD271)
3) 社内資料:国内第III相試験(2022年9月26日承認、CTD273, 274)
4) Chan ES, et al.: Nat Rev Rheumatol. 2010;6(3):175-8.[MTJ-0050]
5) Bedoui Y, et al.: Int J Mol Sci. 2019;20(20):5023.[MTJ-0051]
6) Friedman B, et al.: Joint Bone Spine. 2019;86(3):301-7.[MTJ-0052]
7) Cronstein BN, et al.: Nat Rev Rheumatol. 2017;13(1):41-51.[MTJ-0025]
8) Cronstein BN, et al.: Nat Rev Rheumatol. 2020;16(3):145-54.[MTJ-0024]
9) Spurlock CF. 3rd, et al.: Rheumatology(Oxford). 2015;54(1):178-87.[MTJ-0035]
10) Spurlock CF. 3rd, et al.: Arthritis Rheum. 2011;63(9):2606-16.[MTJ-0032]
11) Spurlock CF. 3rd, et al.: Arthritis Rheum. 2012;64(6):1780-9.[MTJ-0037]
12) Liu DY, et al.: Biopharm. Drug Dispos. 2013;34:203-14.[MTJ-0036]
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