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ボックスゾゴ皮下注用0.4mg/ボックスゾゴ皮下注用0.56mg/ボックスゾゴ皮下注用1.2mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.4代謝
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2薬理作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

ボックスゾゴ皮下注用0.4mg/ボックスゾゴ皮下注用0.56mg/ボックスゾゴ皮下注用1.2mg

添付文書番号

3999465D1028_1_05

企業コード

641173

作成又は改訂年月

**2025年4月改訂(第5版)
2024年10月改訂(第4版)

日本標準商品分類番号

873999

薬効分類名

軟骨無形成症治療薬

承認等

ボックスゾゴ皮下注用0.4mg

販売名コード

YJコード

3999465D1028

販売名英語表記

Voxzogo for Subcutaneous Injection

販売名ひらがな

ぼっくすぞごひかちゅうよう0.4mg

承認番号等

承認番号

30400AMX00212000

販売開始年月

2022年8月

貯法・有効期間

貯法

凍結を避けて、2~8℃保存

有効期間

**3年

ボックスゾゴ皮下注用0.56mg

販売名コード

YJコード

3999465D2024

販売名英語表記

Voxzogo for Subcutaneous Injection

販売名ひらがな

ぼっくすぞごひかちゅうよう0.56mg

承認番号等

承認番号

30400AMX00213000

販売開始年月

2022年8月

貯法・有効期間

貯法

凍結を避けて、2~8℃保存

有効期間

**3年

ボックスゾゴ皮下注用1.2mg

販売名コード

YJコード

3999465D3020

販売名英語表記

Voxzogo for Subcutaneous Injection

販売名ひらがな

ぼっくすぞごひかちゅうよう1.2mg

承認番号等

承認番号

30400AMX00214000

販売開始年月

2022年8月

貯法・有効期間

貯法

凍結を避けて、2~8℃保存

有効期間

**3年

一般的名称

ボソリチド(遺伝子組換え)

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ボックスゾゴ皮下注用0.4mg

有効成分ボソリチド(遺伝子組換え)1),2)   0.4mg
添加剤トレハロース水和物   29.01mg
D-マンニトール   7.50mg
クエン酸ナトリウム水和物   0.54mg
L-メチオニン   0.36mg
クエン酸水和物   0.14mg
ポリソルベート 80   0.025mg
(1バイアル中)
添付溶解液日局注射用水  0.5mL

ボックスゾゴ皮下注用0.56mg

有効成分ボソリチド(遺伝子組換え)1),2)   0.56mg
添加剤トレハロース水和物   40.61mg
D-マンニトール   10.50mg
クエン酸ナトリウム水和物   0.76mg
L-メチオニン   0.51mg
クエン酸水和物   0.20mg
ポリソルベート 80   0.035mg
(1バイアル中)
添付溶解液日局注射用水  0.7mL

ボックスゾゴ皮下注用1.2mg

有効成分ボソリチド(遺伝子組換え)1),2)   1.2mg
添加剤トレハロース水和物   34.81mg
D-マンニトール   9.00mg
クエン酸ナトリウム水和物   0.65mg
L-メチオニン   0.44mg
クエン酸水和物   0.17mg
ポリソルベート 80   0.030mg
(1バイアル中)
添付溶解液日局注射用水  0.6mL

1) 1バイアルからそれぞれ0.24mg、0.4mg又は0.8mgが採取できるよう、充填されている。
2) 本剤は大腸菌を用いて製造される。

3.2 製剤の性状

ボックスゾゴ皮下注用0.4mg

pH5.0~6.0
浸透圧比0.8~1.1(生理食塩液に対する比)
性状白色~淡黄色の粉末(凍結乾燥品)

ボックスゾゴ皮下注用0.56mg

pH5.0~6.0
浸透圧比0.8~1.1(生理食塩液に対する比)
性状白色~淡黄色の粉末(凍結乾燥品)

ボックスゾゴ皮下注用1.2mg

pH5.0~6.0
浸透圧比0.8~1.1(生理食塩液に対する比)
性状白色~淡黄色の粉末(凍結乾燥品)

4. 効能又は効果

骨端線閉鎖を伴わない軟骨無形成症

5. 効能又は効果に関連する注意

骨端線の閉鎖により成長の可能性がないことが確認された場合、本剤の投与を中止すること。

6. 用法及び用量

通常、ボソリチド(遺伝子組換え)として、2歳以上の患者には15μg/kgを、2歳未満の患者には30μg/kgを1日1回、皮下注射する。ただし、1回投与量は1mgを超えないこと。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 2歳以上の患者には、下表を参考に投与量を決定し、投与すること。


    ボックスゾゴ皮下注用0.4mg


    ボックスゾゴ皮下注用0.56mg


    ボックスゾゴ皮下注用1.2mg

    溶解後液量

    0.5mL

    0.7mL

    0.6mL

    溶解後濃度

    0.8mg/mL

    0.8mg/mL

    2.0mg/mL

    採取可能量

    0.3mL

    0.5mL

    0.4mL

    患者の体重(kg)

    投与量(mL)

    8-9

    0.15

    10-11

    0.20

    12-14

    0.25

    15-17

    0.30

    18-19

    0.35

    20-22

    0.40

    23-25

    0.45

    26-27

    0.50

    28-29

    0.20

    30-36

    0.25

    37-43

    0.30

    44-49

    0.35

    50-56

    0.40

    57-63

    0.45 a)

    ≥64

    0.50 a)

    a)2バイアルを使用して投与量を採取する。

  2. 7.2 2歳未満の患者には、下表を参考に投与量を決定し、投与すること。


    ボックスゾゴ皮下注用0.4mg


    ボックスゾゴ皮下注用0.56mg

    溶解後液量

    0.5mL

    0.7mL

    溶解後濃度

    0.8mg/mL

    0.8mg/mL

    採取可能量

    0.3mL

    0.5mL

    患者の体重(kg)

    投与量(mL)

    3

    0.12

    4

    0.15

    5

    0.20

    6-7

    0.25

    8

    0.30

    9

    0.35

    10-11

    0.40

    12

    0.45

    13

    0.50

  3. 7.3 本剤は1日1回投与する薬剤であり、可能な限り同一時間帯に投与すること。
  4. 7.4 本剤の投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が12時間以上であれば気づいた時点で投与し、その後はあらかじめ定めた時間帯に投与すること。次回投与までの期間が12時間未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた時間帯に投与すること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 一過性の血圧低下や血圧低下に伴う症状(めまい、吐き気、疲労、失神等)があらわれることがあるので、本剤投与時には適切な水分補給を行うよう患者に指導すること。
  2. 8.2 一過性の血圧低下があらわれることがあるので、高所での作業、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する場合には注意させること。
  3. 8.3 本剤の自己注射にあたっては、以下の点に留意すること。
    • 投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。
    • 全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
    • 注射方法の説明書を必ず読むよう指導すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 重篤な心疾患のある患者

    臨床試験では除外されている。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    降圧剤
    (カルシウム拮抗薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、利尿薬、β遮断薬、等)

    血圧低下があらわれる可能性がある。

    本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用による降圧作用が増強する可能性がある。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.2 その他の副作用

    10%以上

    10%未満

    頻度不明

    神経系障害

    失神
    失神寸前の状態
    浮動性めまい

    血管障害

    低血圧

    胃腸障害

    嘔吐(26%)

    悪心

    *皮膚及び皮下組織障害

    多毛症

    全身障害及び投与部位の状態

    注射部位反応(85%)

    疲労

    臨床検査

    血中アルカリホスファターゼ増加

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤調製時の注意

    1. 14.1.1 患者の体重及び年齢に基づいて、投与に必要なバイアル数を決定すること。,
    2. 14.1.2 バイアル及び添付溶解液を冷蔵庫で保存している場合は、調製前に室温に戻しておくこと。
    3. 14.1.3 各バイアルに添付された溶解液以外は使用しないこと。バイアルに添付の溶解液全量を加えた後、静かに円を描くように回して溶解すること(激しく振盪しないこと)。投与用シリンジで必要量を抜き取ること。
    4. 14.1.4 用時調製し、溶解後は直ちに使用すること。直ちに使用できない場合でも、溶解後、室温で3時間以内に使用すること。
    5. 14.1.5 溶解後に目視にてバイアル内を確認し、異物や変色が認められる場合は使用しないこと。溶解後、溶液は無色~黄色の液体となる。
    6. 14.1.6 各バイアルは1回限りの使用とし、残液は廃棄すること。

    14.2 薬剤投与時の注意

    皮下投与は、大腿部、腹部、臀部又は上腕部に行うこと。同一部位へ繰り返し注射することは避け、投与毎に注射部位を変えること。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    臨床試験において、5歳以上の軟骨無形成症患者の37.8%(59/156例)に抗ボソリチド抗体の産生が報告され、1.9%(3/156例)に中和抗体の産生が報告された。
    5歳未満の軟骨無形成症患者では、18.6%(8/43例)に抗ボソリチド抗体産生が報告され、抗ボソリチド抗体陽性患者からは中和抗体は検出されなかった。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    1. 16.1.1 単回投与1)

      外国人健康成人(14例)に本剤5、10又は15μg/kgを単回皮下投与したときの血漿中濃度推移及び本薬の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。

      血漿中薬物濃度の推移図
      表1 外国人健康成人に本剤を単回皮下投与したときの血漿中薬物濃度推移

      用量(μg/kg)

      5

      10

      15

      例数

      5

      5

      4

      Cmax(ng/mL)

      2.30±1.07

      6.75±4.08

      8.83±2.88

      AUC0-t(ng・min/mL)

      90.0±15.3a)

      607±562

      687±424

      tmax(min)

      15[15,30]

      30[15,30]

      20[15,30]

      t1/2(min)

      31.6,76.0b)

      69.5±61.2c)

      CL/F(mL/min/kg)

      5.76,15.1b)

      20.3±11.3c)

      Vz/F(mL/kg)

      632,688b)

      1500±530c)

      平均値±標準偏差、tmaxは中央値[範囲]、2例以下の場合は個々の値、-:未算出
      a)4例、b)2例、c)3例

    2. 16.1.2 反復投与

      5歳以上18歳未満の軟骨無形成症患者(58例、日本人3例を含む)に本剤15μg/kgを1日1回反復皮下投与したときの本薬の薬物動態パラメータは表2のとおりであった。

      表2 5歳以上18歳未満の軟骨無形成症患者に本剤15μg/kgを1日1回反復投与したときの薬物動態パラメータ

      時点

      1日目

      52週時

      例数

      58

      56

      Cmax(ng/mL)

      7.18±9.65

      5.80±3.68

      AUC0-t(ng・min/mL)

      242±232

      290±235

      tmax(min)

      15.0[5,35]

      15.0[5,60]

      t1/2(min)

      21.0±4.67a)

      27.9±9.91b)

      CL/F(mL/min/kg)

      104±98.8a)

      79.4±53.0b)

      Vz/F(mL/kg)

      2880±2450a)

      2910±1660b)

      平均値±標準偏差、tmaxは中央値[範囲]
      a)55例、b)48例

      5歳未満の軟骨無形成症患者に本剤15又は30μg/kgを1日1回反復皮下投与したときの本薬の薬物動態パラメータは表3のとおりであった。

      表3 5歳未満の軟骨無形成症患者に本剤15又は30µgを1日1回反復皮下投与したときの薬物動態パラメータ

      年齢

      2歳以上5歳未満

      6カ月以上2歳未満

      6カ月未満

      用量(μg/kg)

      15

      15

      30

      30

      30

      30

      時点

      1日目

      52週時

      1日目

      52週時

      1日目

      52週時

      Cmax
      (ng/mL)

      4.43±3.67
      (18例)

      5.64±2.74
      (16例)

      14.5±5.90
      (7例)

      12.9±6.26
      (3例)

      13.4±5.71
      (11例)

      13.5±6.77
      (8例)

      AUC0-t
      (ng・min/mL)

      132±97.3
      (18例)

      258±169
      (16例)

      547±279
      (7例)

      672±334
      (3例)

      323±129
      (11例)

      557±401
      (8例)

      tmax(min)

      15.0
      [4, 30]
      (18例)

      15.0
      [7, 31]
      (16例)

      14.0
      [4, 30]
      (7例)

      14.0
      [13, 16]
      (3例)

      5.0
      [5, 14]
      (11例)

      15.5
      [6, 17]
      (8例)

      t1/2(min)

      21.7±7.99
      (16例)

      29.0±9.12
      (15例)

      33.3±8.41
      (7例)

      40.1±15.2
      (3例)

      41.1±18.8
      (8例)

      24.3±6.58
      (7例)

      CL/F
      (mL/min/kg)

      134±59.8
      (16例)

      69±41.2
      (15例)

      65.9±31.6
      (7例)

      49.7±32
      (3例)

      95.9±34.0
      (8例)

      76.5±49.8
      (7例)

      Vz/F
      (mL/kg)

      4070±2310
      (16例)

      2660±1420
      (15例)

      3190±1790
      (7例)

      3040±2630
      (3例)

      5240±1890
      (8例)

      2620±1950
      (7例)

      平均値±標準偏差、tmaxは中央値[範囲]

    16.4 代謝

    本剤は、中性エンドペプチターゼによる分解に対して抵抗性があることが示された(in vitro試験)。

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国際共同第III相試験2)

      5歳以上18歳未満の骨端線閉鎖を伴わない軟骨無形成症患者121例(日本人7例を含む)を対象に、本剤15μg/kg(60例、うち日本人3例)又はプラセボ(61例、うち日本人4例)を1日1回52週間皮下投与した。なお、成長ホルモン製剤は併用しないこととされた。
      主要評価項目である年間成長速度のベースラインから投与52週時までの変化量は表4のとおりであり、本剤群のプラセボ群に対する優越性が示された。また、副次評価項目である身長Zスコアの結果は表4のとおりであった。

      表4 主な有効性評価項目の結果

      プラセボ群(61 例)

      本剤群(60 例)

      年間成長速度(cm/年):主要評価項目

      投与前a)

      4.06±1.20

      4.26±1.53

      投与52週時b)

      3.94±1.07

      5.61±1.05

      変化量c)

      0.13[-0.18,0.45]

      1.71[1.40,2.01]

      群間差c)

      1.57[1.22,1.93]

      p値c)d)

      p<0.0001

      身長Zスコア

      投与前a)

      -5.14±1.07

      -5.13±1.11

      投与52週時b)

      -5.14±1.09

      -4.89±1.09

      変化量c)

      -0.01[-0.10,0.09]

      0.27[0.18,0.36]

      平均値±標準偏差、変化量:最小二乗平均値[95%信頼区間]、群間差:最小二乗平均値の差[95%信頼区間]
      a)投与前の過去6カ月間以上の身長のデータに基づいて算出された
      b)投与開始時及び投与52週時の身長に基づいて算出された
      c)ベースラインで補正した共分散分析モデルから推定した。投与52週より前に試験を中止した本剤群2例の欠測値は、補完して本分析に組み入れられた
      d)両側有意水準5%

      本剤群における副作用発現頻度は88.3%(53/60例)であり、主な副作用は、注射部位反応71.7%(43/60例)、注射部位紅斑68.3%(41/60例)、注射部位腫脹38.3%(23/60例)、注射部位蕁麻疹11.7%(7/60例)及び血圧低下11.7%(7/60例)であった。プラセボ群における副作用発現頻度は83.6%(51/61例)であり、主な副作用は、注射部位紅斑63.9%(39/61例)、注射部位反応45.9%(28/61例)、注射部位内出血11.5%(7/61例)及び注射部位出血11.5%(7/61例)であった。

    2. 17.1.2 国際共同第II相試験3)

      5歳未満の骨端線閉鎖を伴わない軟骨無形成症患者75例(日本人8例を含む)を対象に、コホート1(2歳以上5歳未満)では本剤15μg/kg又はプラセボを1日1回、コホート2(6カ月以上2歳未満)及びコホート3(6カ月未満)では本剤30μg/kg又はプラセボを1日1回、52週間皮下投与した。なお、成長ホルモン製剤は併用しないこととされた。いずれのコホートにおいても、センチネル被験者として3~4例に対して非盲検下で本剤を投与し、安全性及び薬物動態を評価した後、64例を本剤群又はプラセボ群に無作為割り付けした。無作為化された被験者64例における主な有効性評価項目の結果は表5のとおりであった。

      表5 主な有効性評価項目の結果

      全体

      コホート1

      コホート2

      コホート3

      プラセボ群

      本剤群

      プラセボ群

      本剤群

      プラセボ群

      本剤群

      プラセボ群

      本剤群

      身長Zスコア(主要評価項目)

      ベースライン

      -4.28±
      1.48
      (32例)

      -3.79±
      0.97
      (32例)

      -5.13±
      1.15
      (16例)

      -4.27±
      0.81
      (15例)

      -4.21±
      1.24
      (8例)

      -3.39±
      0.84
      (8例)

      -2.65±
      0.79
      (8例)

      -3.34±
      1.02
      (9例)

      52週時

      -4.52±
      1.19
      (32例)

      -3.92±
      0.78
      (31例)

      -5.06±
      1.01
      (16例)

      -4.14±
      0.72
      (15例)

      -4.36±
      1.33
      (8例)

      -3.40±
      0.80
      (8例)

      -3.59±
      0.76
      (8例)

      -4.04±
      0.73
      (8例)

      変化量a)

      -0.31
      [-0.48,
      -0.13]

      -0.06
      [-0.26,
      0.15]

      -0.06
      [-0.28,
      0.16]

      0.27
      [0.04,
      0.50]

      -0.19
      [-0.58,
      0.20]

      0.02
      [-0.38,
      0.41]

      -0.91
      [-1.36,
      -0.45]

      -0.68
      [-1.21,
      -0.15]

      群間差a)

      0.25[-0.02, 0.53]

      0.33[0.00, 0.67]

      0.21[-0.37, 0.79]

      0.23[-0.45, 0.91]

      年間成長速度(cm/年)

      ベースライン

      9.60±
      7.74
      (32例)

      11.06±
      7.57
      (32例)

      4.20±
      1.78
      (16例)

      4.74±
      1.68
      (15例)

      10.55±
      4.78
      (8例)

      11.51±
      4.66
      (8例)

      19.45±
      7.55
      (8例)

      21.19±
      2.80
      (9例)

      52週時

      7.35±
      2.44
      (32例)

      8.08±
      2.50
      (31例)

      5.45±
      0.87
      (16例)

      6.35±
      1.70
      (15例)

      8.05±
      1.85
      (8例)

      8.66±
      2.12
      (8例)

      10.43±
      1.30
      (8例)

      10.74±
      1.22
      (8例)

      変化量b)

      -2.95
      [-3.45,
      -2.45]

      -2.17
      [-2.76,
      -1.58]

      0.89
      [0.23,
      1.55]

      1.99
      [1.31,
      2.67]

      -3.00
      [-3.86,
      -2.13]

      -2.36
      [-3.22,
      -1.50]

      -10.14
      [-11.48,
      -8.79]

      -9.34
      [-10.78,
      -7.91]

      群間差b)

      0.78[0.02, 1.54]

      1.10[0.13, 2.07]

      0.63[-0.60, 1.87]

      0.79[-1.08, 2.67]

      平均値±標準偏差、変化量:最小二乗の平均値[95%信頼区間]、群間差:最小二乗の平均値の差[95%信頼区間]
      a)欠測値を多重補完法により補完した後に、治療、性別、年齢層、ベースラインの年齢、ベースラインの年間成長速度及びベースラインの身長Zスコアを説明変数とした共分散分析モデルに基づいて推定した。
      b)欠測値を多重補完法により補完した後に、治療、性別、年齢層、ベースラインの年齢及びベースラインの年間成長速度を説明変数とした共分散分析モデルに基づいて推定した。

      本剤群における副作用発現頻度は86.0%(37/43例)であり、主な副作用は、注射部位反応79.1%(34/43例)、注射部位紅斑76.7%(33/43例)、注射部位腫脹18.6%(8/43例)、注射部位蕁麻疹14.0%(6/43例)、注射部位内出血11.6%(5/43例)及び注射部位硬結11.6%(5/43例)であった。プラセボ群における副作用発現頻度は53.1%(17/32例)であり、主な副作用は注射部位反応40.6%(13/32例)、注射部位紅斑40.6%(13/32例)及び注射部位内出血15.6%(5/32例)であった。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    本剤はC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)の類縁体である。軟骨無形成症は、軟骨細胞の増殖及び分化の負の調節因子である線維芽細胞増殖因子受容体3(Fgfr3)遺伝子の機能獲得型変異によって引き起こされる。本剤はナトリウム利尿ペプチド受容体-B(NPR-B)に結合することでFGFR3の下流シグナル伝達を阻害し、軟骨細胞の増殖及び分化を促進する4),5)

    18.2 薬理作用

    重度の四肢短縮型矮小発育症の表現型を有するタナトフォリック骨異形成症モデルマウスであるFgfr3Y367C/+マウス、及び軽度の四肢短縮型矮小発育症の表現型を有する軟骨異形成症モデルマウスであるFgfr3G380Rマウスにおいて、本薬投与により成長板の拡大並びにそれに続く四肢骨格及び中軸骨格の成長が認められた6)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    ボソリチド(遺伝子組換え)
    (Vosoritide (Genetical Recombination))

    分子式

    C176H290N56O51S3

    分子量

    4102.73

    化学構造式

    アミノ酸配列及びジスルフィド結合

    本質

    ボソリチドは、遺伝子組換えヒトC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)類縁体であり、ヒトCNP-53の17~53番目のアミノ酸残基に相当し、N末端に2個のアミノ酸残基(Pro-Gly)が付加している。ボソリチドは39個のアミノ酸残基からなるペプチドである。

    20. 取扱い上の注意

    凍結を避けること。冷蔵庫(2~8℃)で保管できない場合は、室温で保管することもできるが、3か月以内に使用すること。また、室温で保管した後は冷蔵庫に戻さないこと。

    21. 承認条件

    1. 21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
    2. 21.2 国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤の使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

    22. 包装

    • ボックスゾゴ皮下注用0.4mg

      1バイアル(日局注射用水0.5mL/プレフィルドシリンジ 1シリンジ添付)

    • ボックスゾゴ皮下注用0.56mg

      1バイアル(日局注射用水0.7mL/プレフィルドシリンジ 1シリンジ添付)

    • ボックスゾゴ皮下注用1.2mg

      1バイアル(日局注射用水0.6mL/プレフィルドシリンジ 1シリンジ添付)

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    BioMarin Pharmaceutical Japan株式会社
    メディカルインフォメーション

    〒160-0022 東京都新宿区新宿四丁目1番6号
    JR新宿ミライナタワー

    TEL:03-4578-0638
    https://www.bmrn.co.jp/

    25. 保険給付上の注意

    *本製剤の効能又は効果に関連する注意において、「骨端線の閉鎖により成長の可能性がないことが確認された場合、本剤の投与を中止すること。」とされているので、使用にあたっては十分留意すること(保医発0817第4号:令和4年8月17日付)。

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売業者

    BioMarin Pharmaceutical Japan株式会社

    東京都新宿区新宿四丁目1番6号

    26.2 製造業者

    BioMarin International Limited, Ireland

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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