当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
全身麻酔の維持
本剤は気道刺激性が強いため、全身麻酔の維持にのみ使用し、導入には使用しないこと。
通常、成人には、デスフルランとして3.0%の濃度で開始し、適切な麻酔深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら、濃度を調節する。通常、成人では、亜酸化窒素の併用の有無にかかわらず、デスフルランとして7.6%以下の濃度で外科的手術に適切な麻酔深度が得られる。
脳脊髄液圧を用量依存的に増加させるおそれがある。
十分な観察を行い、本剤の急激な増量を避けること。心拍数増加や血圧上昇をきたすことがある。
心停止、高度徐脈、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心室細動があらわれるおそれがある。
胆道疾患が増悪するおそれがある。
悪性高熱、重篤な不整脈に至る高カリウム血症があらわれるおそれがある。,
肝疾患が増悪するおそれがある。
生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすい。
アドレナリン製剤(アドレナリン、ノルアドレナリン等)
頻脈、不整脈、場合によっては心停止を起こすことがある。本剤麻酔中、7.0μg/kg未満のアドレナリンを投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、7.0~13.0μg/kgのアドレナリンを投与した場合、50%(6/12例)の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された1)。アドレナリン7.0μg/kgは60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液84mLに相当する。
本剤が心筋のアドレナリンに対する感受性を亢進することが知られている。
中枢神経系抑制剤(ベンゾジアゼピン系薬剤、オピオイド鎮痛剤等)
本剤の麻酔作用が増強され、血圧低下や心拍数減少等をきたすおそれがあるため、これらの薬剤を併用する場合には、本剤の減量を考慮すること。
相加的に作用を増強させると考えられる。
筋弛緩剤(パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物、スキサメトニウム塩化物水和物等)
筋弛緩剤の作用が増強するので、併用する場合には、筋弛緩剤を減量すること。
本剤は筋弛緩剤の作用を増強する。
高炭酸ガス血症の初期症状、筋硬直、頻脈、頻呼吸、チアノーゼ、不整脈及び血圧変動等を伴う重篤な悪性高熱があらわれることがある。本剤を使用中、悪性高熱に伴うこれらの症状を認めた場合は、直ちに投与を中止し、ダントロレンナトリウム水和物の静脈内投与、全身冷却、純酸素での過換気、酸塩基平衡の是正等適切な処置を行うこと。なお、本症については麻酔後にもみられることがあるので、患者の状態に注意すること。また、本症は腎不全を続発することがあるので、尿量の維持を図ること。,
重篤な不整脈に至る高カリウム血症があらわれることがある。特に、筋ジストロフィー(特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー)が潜在する患者やスキサメトニウム塩化物水和物が併用されている場合に発生しやすいので注意すること。,
心停止、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)等があらわれることがある。
筋肉痛、脱力感、CK増加、血中・尿中ミオグロビン増加等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による重篤な高カリウム血症、急性腎障害の発症に注意すること。
血圧低下等異常があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
肝壊死、肝細胞融解性肝炎、AST、ALT等の著しい増加を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。なお、短期間内に反復投与した場合、その頻度が増すとの報告がある。また、本剤と他のハロゲン化麻酔剤との間に交叉過敏性のあることが報告されている。
喉頭痙攣により換気困難な状況に陥る可能性がある。異常が認められた場合には、持続的気道陽圧、筋弛緩剤の使用等適切な処置を行うこと。特に、ラリンジアルマスク等の声門上器具使用中に喉頭痙攣が出現し、換気困難となった症例が報告されているため、注意すること。
10%以上
1~10%未満
1%未満
頻度不明
*精神神経系
頭痛
息こらえ、激越、浮動性めまい、痙攣、せん妄
消化器
悪心、嘔吐
流涎過多、急性膵炎、腹痛
循環器
結節性不整脈、心拍数減少、心拍数増加、血圧低下
上室性不整脈、完全房室ブロック、脚ブロック、洞性不整脈、洞性頻脈、上室性期外収縮、頻脈、心室性期外収縮
悪性高血圧、低血圧、高血圧、血管拡張、心筋梗塞、心筋虚血、不整脈、徐脈、心室不全、心室壁運動低下、心電図異常、心電図ST-T変化、心電図T波逆転
血液
凝血異常、出血、凝固検査異常
泌尿器
尿糖、尿蛋白陽性
皮膚
蕁麻疹、紅斑
眼
結膜炎、黄疸眼
肝臓
ビリルビン増加
γ-GTP増加、AST増加、ALT増加、LDH増加、ALP増加
胆汁うっ滞、肝機能異常
呼吸器
咽頭炎、無呼吸、咳嗽、低酸素症、呼吸停止、呼吸不全、呼吸窮迫、気管支痙攣、喀血
代謝・栄養
低カリウム血症、代謝性アシドーシス
その他
悪寒
無力症、筋肉痛、倦怠感、アンモニア増加、CK増加
日本人手術患者6例にデスフルラン6.0%を30分間吸入したとき、FA/FI(吸入濃度に対する終末呼気濃度の割合、平均値)は、吸入開始3分後では0.702、吸入開始30分後では0.890に達した。また、FA/FA0(吸入中の最終終末呼気濃度に対する終末呼気濃度の割合、平均値)は、吸入終了5分後では0.169、吸入終了30分後では0であった。また、血中デスフルラン濃度は終末呼気濃度(FA)とほぼ同様の推移を示し、吸入開始3分後にCmaxの8割程度に上昇し、その後は一定で推移した2)。
外国健康成人8例に70%亜酸化窒素を30分間吸入後、65%亜酸化窒素併用下でデスフルラン2.0%、イソフルラン0.4%及びハロタン0.2%を30分間吸入したとき、吸入開始30分後のFA/FI(吸入濃度に対する終末呼気濃度の割合、平均値)は、デスフルラン0.91、イソフルラン0.74、ハロタン0.58であり、デスフルランではイソフルラン及びハロタンと比べて高かった。また、吸入終了5分後のFA/FA0(吸入中の最終終末呼気濃度に対する終末呼気濃度の割合、平均値)は、デスフルラン0.12、イソフルラン0.22、ハロタン0.25であり、デスフルランではイソフルラン及びハロタンと比較して低かった3)。
デスフルランはほとんど代謝を受けずに呼気中に排泄される4)。
一般外科手術(胸部、腹部、関節・四肢、背部又は頸部手術)を予定している日本人患者216例を対象に、プロポフォール、フェンタニル及びベクロニウム臭化物により麻酔導入を行い、気管挿管後に50~70%亜酸化窒素又は酸素併用下でデスフルラン3.0%より開始し、終末呼気濃度8.5%以下で維持したとき、体動・覚醒・記憶の有無、血圧・心拍数の推移及び救済処置の有無を指標とした吸入麻酔薬としての有効率は、本剤98.8%(164/166例)、セボフルラン100%(50/50例)であった。抜管までの時間は下表のとおりであった。また、デスフルラン群(亜酸化窒素併用)とセボフルラン群の差の95%信頼区間の下限値は、予め設定された非劣性限界値(△=1.0分)を下回り、非劣性が検証された(投与群、手術部位を要因、手術時間を共変量とした共分散分布)5)。
デスフルラン群
セボフルラン群(亜酸化窒素併用)
合計
亜酸化窒素併用
酸素併用
麻酔維持中の平均終末呼気濃度(%)
4.12±1.10(166例)
3.88±1.04(111例)
4.62±1.07(55例)
1.35±0.31(50例)
麻酔薬としての有効率(%)
98.8(164/166例)
99.1(110/111例)
98.2(54/55例)
100(50/50例)
抜管までに要した時間(分)
9.8±5.0(166例)
10.1±4.6(111例)
9.3±5.7(55例)
14.8±8.4(50例)
抜管までに要した時間の薬剤間差とその95%信頼区間注1)
-4.6[-6.6, -2.7]
平均値±標準偏差
デスフルランは、肺胞より吸収されて血液へ移行し、作用部位である中枢で麻酔作用を発現する。ただし、その麻酔作用の発現機序は完全に解明されていない。
デスフルランのヒトでのMAC(Minimum Alveolar Concentration:最小肺胞濃度;標準的な外科的切開が行われたときに50%の患者に体動が認められないときの濃度)は以下のとおりである。
年齢
例数注2)
100%酸素併用下(%)
60%亜酸化窒素/40%酸素併用下(%)
9ヵ月6)
4
10.0±0.7
5
7.5±0.8
4歳6)
8.6±0.6
25歳7)
7.3±0.0
4.0±0.3
45歳7)
6.0±0.3
6
2.8±0.6
70歳8)
5.2±0.6
1.7±0.4
健康成人に本剤6~12%を吸入させたときの脳波変化は、6%で徐波化の亢進、9%で群発抑制が認められたが、12%で更なる群発活性の徐波化は認められなかった。また、皮質の電気活動が濃度依存的に低下したが、てんかん様脳波は認められなかった9)。
健康成人に本剤6~12%を吸入させたとき、心拍数の増大が認められ、血圧の低下、呼吸数の増加及び1回換気量の低下が濃度依存的に認められた10)。
デスフルラン(Desflurane)
(2RS)-2-(Difluoromethoxy)-1,1,1,2-tetrafluoroethane
C3H2F6O
168.04
本剤は無色澄明の液である。90%エタノール、アセトン又はヘキサンに溶けやすく、水に溶けにくい。
23℃
1.465
20℃:684mmHg22℃:727mmHg23℃:761mmHg24℃:791mmHg26℃:853mmHg
血液/ガス 0.424オリーブオイル/ガス 18.7脳/ガス 0.54
240mL×6本
1) Moore MA, et al. : Anesthesiology. 1993;79:943-947.
2) 社内資料:手術患者を対象としたBLM-240の安全性及び薬物動態の検討(第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験)(2011年4月22日承認、CTD2.7.6.6)
3) 社内資料:Desflurane kinetics compared to isoflurane, halothane and N2O.(2011年4月22日承認、CTD2.7.6.4)
4) Sutton TS, et al. : Anesth Analg. 1991;73:180-185.
5) 社内資料:全身麻酔を要する成人手術患者を対象としたBLM-240の第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(2011年4月22日承認、CTD2.7.6.18)
6) 社内資料:The minimum alveolar concentration(MAC), maintenance and recovery characteristics of desflurane(I-653)in pediatric patients(2011年4月22日承認、CTD2.7.6.55)
7) 社内資料:Rampil IJ. I-653 MAC study in patients.(2011年4月22日承認、CTD2.7.6.7)
8) Gold MI, et al. : Anesthesiology. 1993;79:710-714.
9) Rampil IJ, et al. : Anesthesiology. 1991;74:434-439.
10) Cahalan MK, et al. : Anesth Analg. 1991;73:157-164.
11) Eger II EI. : Anesth Analg. 1987;66:971-973.
12) Yasuda N, et al. : Anesth Analg. 1989;69:370-373.
**バクスター・ジャパン株式会社ホスピタルプロダクト事業部
**〒108-0023 東京都港区芝浦三丁目4番1号
**TEL:03(4567)1400
**製造販売業者(輸入元)バクスター・ジャパン株式会社
Baxter、Suprane及びスープレンはバクスターインターナショナルインクの登録商標です
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.