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劇薬
処方箋医薬品注)
従来のドキソルビシン塩酸塩製剤又は本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
本剤の投与を行う場合には、白金製剤を含む化学療法施行後の症例を対象とし、白金製剤に対する感受性を考慮して本剤以外の他の治療法を慎重に検討した上で、本剤の投与を開始すること。
通常、成人にはドキソルビシン塩酸塩として1日1回50mg/m2を1mg/分の速度で静脈内投与し、その後4週間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
通常、成人にはドキソルビシン塩酸塩として1日1回20mg/m2を1mg/分の速度で静脈内投与し、その後2~3週間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
Grade
用量の変更
1(日常の活動を妨げない軽度の紅斑、腫脹又は落屑)
患者が以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は投与を継続する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、最長2週間投与を延期し、投与再開時には用量を25%減量する。
2(正常な身体活動を妨げるが、不可能にはしない程度の紅斑、落屑又は腫脹。直径が2cm未満の小さな水疱又は潰瘍)
Grade 0~1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。2週間以内に軽快し、以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は、投与を再開する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
3(歩行又は正常な日常活動を妨げる程度の水疱、潰瘍又は腫脹。普段の衣服を着ることができない。)
Grade 0に回復するまで最長2週間投与を延期する。2週間たってもGrade 0~2に軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
4(感染性合併症の原因となるびまん性又は局所性の進行、あるいは寝たきり状態又は入院)
1(痛みのない潰瘍、紅斑又は軽度の痛み)
2(痛みのある紅斑、浮腫又は潰瘍。食事はできる。)
3(痛みのある紅斑、浮腫又は潰瘍。食事ができない。)
4(経静脈又は経管栄養を必要とする。)
好中球(/μL)
血小板(/μL)
1
1,500以上2,000未満
75,000以上150,000未満
投与を継続する。
2
1,000以上1,500未満
50,000以上75,000未満
好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。
3
500以上1,000未満
25,000以上50,000未満
4
500未満
25,000未満
好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。持続性の好中球数減少(好中球500/μL未満が7日以上継続するか、本剤投与後22日目までに軽快しない場合)又は血小板25,000/μL未満が認められた場合には、投与再開時、サイトカイン(G-CSF等)を併用するか、あるいは用量を25%減量する。
血清ビリルビン値
1.2~3.0mg/dL
用量を25%減量の上、投与を再開する。
3.0mg/dLを超える
本剤との因果関係が否定できない場合、本剤の投与を中止する。本剤との因果関係が否定される場合、用量を50%減量の上、投与を再開する。
重度の副作用(Grade 3以上)が発現した場合、Grade 0~2に軽快するまで最大2週間延期し、用量を25%減量する。
Grade 0~1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快し、以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は、投与を再開する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
Grade 0~1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。投与再開時には、サイトカイン(G-CSF等)を併用するか、あるいは用量を25%減量する。
肝機能障害のある患者に対する本剤の治療経験は限られている。従来のドキソルビシン塩酸塩製剤での経験に基づき、血清ビリルビン値が次のように上昇した場合は、本剤を減量することが望ましい。
心筋障害があらわれることがある。,,,
骨髄機能をより強く抑制するおそれがある。エイズ関連カポジ肉腫患者では、HIVや併用薬等により、また、卵巣癌患者では前治療等の影響により、本剤の投与開始前から骨髄抑制が認められる場合がある。,,
本剤の添加剤に大豆由来の成分が含まれている。
副作用が強くあらわれるおそれがある。
*妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(ラット1)、ウサギ2))で胎児毒性及び流産誘発作用が報告されている。
*授乳を避けさせること。従来のドキソルビシン塩酸塩製剤でヒト乳汁中へ移行することが報告されている3)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者では特に心毒性、骨髄抑制があらわれやすい。また、肝機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。
本剤投与前の心臓部あるいは縦隔への放射線照射潜在的に心毒性を有する抗悪性腫瘍剤
心筋障害が増強されるおそれがある。
心筋に対する蓄積毒性が増強される。
他の抗悪性腫瘍剤
骨髄抑制等の副作用が増強することがある。
副作用が相互に増強される。
放射線照射
骨髄抑制等の副作用が増強することがある。本剤の投与で、放射線照射の前治療に起因する皮膚反応が再発することがある。
心筋症、うっ血性心不全があらわれることがある。,,,
白血球数減少(93.2%)、好中球数減少(93.2%)、血小板数減少(60.8%)、貧血(ヘモグロビン減少(85.1%)、赤血球数減少(75.7%))があらわれることがある。また、骨髄抑制が生じた結果、感染症、発熱性好中球減少症又は出血が起こることがある。,,,,
Infusion reactionのうち重篤で致死的なアレルギー様又はアナフィラキシー様の症状があらわれることがある。,
腫脹、疼痛、紅斑、手足の皮膚の落屑を特徴とする手掌・足底の皮疹があらわれることがある。,
,
,,
間質性肺疾患(1.4%)、肺臓炎(1.4%)があらわれることがある。
致死的な肺塞栓症がまれに報告されている。
注)発現頻度は、国内臨床試験における頻度を示す。
30%以上
5%~30%未満
5%未満
頻度不明
感染症及び寄生虫症
毛包炎、鼻咽頭炎
上気道感染、外耳炎、口腔感染、体部白癬、膀胱炎、ウイルス性肝炎、帯状疱疹、ヘルペス性口内炎、感染、インフルエンザ、咽頭炎、皮膚感染、足部白癬、尿路感染、創傷感染、咽喉頭炎
血液及びリンパ系障害
リンパ球数減少
単球数減少、血小板数増加、白血球数増加、単球数増加
リンパ球数増加、好酸球数増加、ヘマトクリット減少、平均赤血球ヘモグロビン濃度減少、好中球数増加
免疫系障害
季節性アレルギー、過敏症
代謝及び栄養障害
食欲不振
高カリウム血症、耐糖能障害
精神障害
不眠症
神経系障害
頭痛、味覚異常、末梢性感覚ニューロパチー
嗅覚錯誤、浮動性めまい、感覚鈍麻、片頭痛
眼障害
眼の障害、白内障、結膜炎、眼乾燥、眼脂、角膜炎、流涙増加、硝子体浮遊物
耳及び迷路障害
耳痛、耳鳴
心臓障害
第一度房室ブロック、動悸、洞性頻脈、大動脈弁閉鎖不全症、左脚ブロック、洞性不整脈、上室性期外収縮、心室肥大、駆出率減少、心電図ST部分下降、心拍数増加、心電図ST-T部分下降、心電図PQ間隔延長、心電図ST-T変化
血管障害
高血圧
起立性低血圧、潮紅
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
咽喉頭疼痛、咳嗽
咽頭不快感、鼻漏、咽頭の炎症、鼻出血、喀血
胃腸障害
悪心
便秘、下痢、嘔吐、消化不良、上腹部痛、痔核
腹部膨満、腹痛、胃不快感、口唇炎、嚥下障害、肛門周囲痛、口唇びらん、腹部不快感、歯肉腫脹、歯肉炎、歯周病、小腸閉塞、舌変色、歯痛
肝胆道系障害
LDH増加
AST増加、ALT増加、γ-GTP増加、ALP増加、血中ビリルビン増加、血中ビリルビン減少
高ビリルビン血症、AST減少、LDH減少、γ-GTP減少
皮膚及び皮下組織障害
発疹
脱毛症、色素沈着障害
爪の障害、紅斑、そう痒症、多汗症、過角化、点状出血
苔癬様皮膚炎
筋骨格系及び結合組織障害
背部痛
四肢痛、肩部痛、側腹部痛、筋痛、筋骨格硬直、関節痛
腎及び尿路障害
蛋白尿、尿中蛋白陽性、血中クレアチニン増加、血中クレアチニン減少
頻尿、尿道障害、尿道痛、尿中ブドウ糖陽性、尿pH上昇、尿中ケトン体陽性
生殖系及び乳房障害
性器発疹、陰部そう痒症、女性外陰部潰瘍
全身障害及び投与局所様態
疲労、体重減少
倦怠感、発熱、胸痛
注射部位反応、胸部不快感、悪寒、熱感、低体温、インフルエンザ様疾患
臨床検査
血中アルブミン減少
総蛋白減少、CK減少、血中Na減少、血中尿素増、血中尿素減少、血中Cl減少、血中K減少、血中K増加、CK増加、血中Cl増加、血中Na増加
血圧上昇、総蛋白増加
傷害、中毒及び処置合併症
凍瘡、熱傷
5%以上注5)
1%~5%未満
1%未満
全身
無力症、発熱
頭痛、背部痛、感染、アレルギー反応、悪寒
顔面浮腫、蜂巣炎、敗血症、膿瘍、放射線損傷、インフルエンザ症候群、モニリア症、低体温、注射部位出血、注射部位疼痛、クリプトコッカス症、腹水
心臓血管
胸痛、低血圧、頻脈
血栓性静脈炎、心囊液貯留、出血、動悸、失神、脚ブロック、心拡大、心停止、片頭痛、血栓症、心室性不整脈
皮膚・付属器
脱毛症
単純ヘルペス、発疹、そう痒
斑状丘疹状皮疹、皮膚潰瘍、皮膚変色、帯状疱疹、剥脱性皮膚炎、皮膚モニリア症、多形紅斑、結節性紅斑、せつ腫症、乾癬、膿疱性皮疹、皮膚壊死、蕁麻疹、小水疱性皮疹
消化器
悪心、嘔吐、下痢、口腔モニリア症
口腔内潰瘍形成、舌炎、便秘、アフタ性口内炎、食欲不振、嚥下障害、腹痛
消化不良、胆汁うっ滞性黄疸、胃炎、歯肉炎、潰瘍性直腸炎、大腸炎、食道潰瘍、食道炎、胃腸出血、肝不全、口腔内白斑症、膵炎、潰瘍性口内炎、肝炎、肝脾腫大、食欲亢進、黄疸、硬化性胆管炎、しぶり、宿便
内分泌
糖尿病
血液及びリンパ
低色素性貧血
溶血、プロトロンビン時間延長
好酸球増加症、リンパ節症、リンパ管炎、リンパ浮腫、点状出血、トロンボプラスチン減少
代謝・栄養
ALP増加
ALT増加、体重減少、低カルシウム血症、高ビリルビン血症、高血糖
LDH増加、高ナトリウム血症、クレアチニン増加、BUN増加、脱水、浮腫、高カルシウム血症、高カリウム血症、高脂血症、高尿酸血症、低血糖、低カリウム血症、低脂血症、低マグネシウム血症、低ナトリウム血症、低リン酸血症、低蛋白血症、ケトーシス、体重増加
筋骨格
筋痛、関節痛、骨痛、筋炎
神経
錯感覚、不眠症、末梢神経炎、うつ病、ニューロパチー、不安、痙攣、筋緊張低下、急性脳症候群、錯乱、片麻痺、筋緊張亢進、運動低下、回転性めまい
呼吸器
胸水、喘息、気管支炎、咳嗽増加、過換気、咽頭炎、気胸、鼻炎、副鼻腔炎
特殊感覚
中耳炎、味覚倒錯、視覚異常、盲、結膜炎、眼痛、視神経炎、耳鳴、視野欠損
泌尿生殖
血尿、亀頭炎、膀胱炎、排尿困難、性器浮腫、糖尿、腎不全
その他
呼吸困難、アルブミン尿、肺炎、網膜炎、情動不安定、浮動性めまい、傾眠
ドキソルビシン塩酸塩の短期間での過量投与により粘膜炎、白血球減少症及び血小板減少症の頻度が増加することがある。
血小板及び顆粒球の輸血、抗菌剤投与等、適切な処置を行うとともに、粘膜炎に対する対症療法を行うこと。
各種固形癌患者15例を対象に、本剤30、40及び50mg/m2を4週ごとに静脈内投与したとき、血漿中ドキソルビシン濃度推移は同用量範囲において線形性を示した。また、コース間における血漿中ドキソルビシンの蓄積は認められなかった6)。
用量(mg/m2)
30
40
50
例数
6
Cmax(μg/mL)
19.3±2.5
25.6±2.9
34.1±3.3
AUC(μg・hr/mL)
2513±784
3228±790
4663±1062
t1/2(hr)
89.5±24.0
86.3±14.7
95.3±25.3
CL(L/hr/m2)
0.013±0.005
0.013±0.004
0.011±0.002
Vc(L/m2)
1.57±0.19
1.57±0.17
1.47±0.13
1-コンパートメントモデル解析、平均値±標準偏差
患者23例において、クロスオーバー法により3週間の休薬期間を設け、本剤10又は20mg/m2を30分間かけてそれぞれ単回静脈内投与したときの血漿中ドキソルビシンの薬物動態パラメータは以下のとおりであった7)。(外国人データ)
パラメータ(単位)
用量
10mg/m2
20mg/m2
4.12±0.215
8.34±0.49
0.056±0.01
0.041±0.004
Vss(L/m2)
2.83±0.145
2.72±0.120
277±32.9
590±58.7
t1/2α(hr)
4.7±1.1
5.2±1.4
t1/2β(hr)
52.3±5.6
55.0±4.8
n=23、平均値±標準誤差
本剤投与時の血漿中ドキソルビシンの薬物動態は、10~20mg/m2の範囲で線形性を示した。本剤投与後の血漿中ドキソルビシン濃度は2相性の消失を示し、α相半減期(t1/2α)が約5時間、β相半減期(t1/2β)が約55時間であった。
*ドキソルビシン塩酸塩投与時の分布容積(700~1,100L/m2)と比較して、本剤投与時の血漿中ドキソルビシンの分布容積(Vss)は約3L/m2と小さく、本剤のほとんどが血液中に存在していることが示唆された。本剤の血漿蛋白結合率は測定されていないが、ドキソルビシンの血漿蛋白結合率は約70%である7)。患者11例において、本剤20mg/m2投与48及び96時間後に病変部位及び正常部位の皮膚を採取し、ドキソルビシン濃度を測定した結果、投与48時間後では病変部位のドキソルビシン濃度は正常部位に比べて中央値で19倍(範囲:3~53倍)高値であった。しかし、この濃度は病変部位と正常部位に含まれる血液含量の差について補正しておらず、補正された比は1~22倍であると推測された。以上より、正常部位に比べて病変部位に高濃度のドキソルビシンが分布することが示唆された。(外国人データ)
*本剤10又は20mg/m2を投与したとき、ドキソルビシンの主代謝物であるドキソルビシノールが低濃度で血漿中に認められた(範囲:0.8~26.2ng/mL)7)。(外国人データ)
*本剤20mg/m2投与時の全身クリアランス(CL)は0.041L/hr/m2であり、ドキソルビシン塩酸塩投与時のCL(24~35L/hr/m2)と比較して小さい7)。(外国人データ)
再発卵巣癌(ミューラー管を発生起源とした卵管癌、腹膜癌を含む)を対象に、本剤50mg/m2を4週ごとに静脈内投与した国内臨床第Ⅱ相試験における有効性は以下のとおりであった8)。
奏効率
完全奏効(CR)+部分奏効(PR)
21.9%(16例)
奏効率の95%信頼区間
13.1-33.1%
74例中、副作用(臨床検査値異常を含む)は74例(100%)に認められた。主な副作用は、白血球数減少69例(93.2%)、好中球数減少69例(93.2%)、リンパ球数減少66例(89.2%)、ヘモグロビン減少63例(85.1%)、手足症候群58例(78.4%)、口内炎57例(77.0%)、赤血球数減少56例(75.7%)、血小板数減少45例(60.8%)、悪心45例(60.8%)、血中LDH増加38例(51.4%)、食欲不振37例(50.0%)、発疹37例(50.0%)、血中アルブミン減少36例(48.6%)、疲労34例(45.9%)、体重減少24例(32.4%)であった。
白金製剤を含む化学療法の治療歴を有する再発卵巣癌を対象に本剤50mg/m2又はノギテカン塩酸塩1.5mg/m2(国内未承認)を4週ごと静脈内投与した外国臨床第Ⅲ相臨床試験において、有効性について以下の探索的な情報が得られている。全生存期間の中央値は本剤群(239例)62.7週、ノギテカン塩酸塩群(235例)59.7週、HRは1.216(95%信頼区間:〔1.000、1.478〕)であり、本剤群において全生存期間の延長傾向が示唆された。このうち、白金製剤を含む一次化学療法中に疾患進行がみられた患者、SDであった患者、又は治療終了後6ヵ月以内に疾患が再発した患者のサブグループでは全生存期間の中央値は本剤群(130例)38.3週、ノギテカン塩酸塩1.5mg/m2群(125例)42.1週、HRは1.069(95%信頼区間:〔0.823、1.387〕)であった。239例中、副作用は222例(92.9%)に認められた。主な副作用は、手足症候群121例(50.6%)、口内炎97例(40.6%)、悪心88例(36.8%)、白血球減少症87例(36.4%)、貧血86例(36.0%)、好中球減少症84例(35.1%)及び無力症78例(32.6%)であった。
エイズ関連カポジ肉腫を対象に、本剤20mg/m2を2週又は3週ごとに静脈内投与したオープン多施設共同試験において得られた有効性は以下のとおりであった9)。
未治療例注6)(n=214)
既治療例注7)(n=35)
合計(n=249)
奏効割合
54.7%
42.9%
53.0%
臨床的完全奏効(CCR)
3.3%
2.9%
3.2%
部分奏効(PR)
51.4%
40.0%
49.8%
安定(SD)
44.9%
57.1%
46.6%
進行(PD)
0.5%
0%
0.4%
奏効までの期間(中央値)
42日
44日
43日
奏効持続期間(中央値)
126日
119日
*本剤の有効成分であるドキソルビシン塩酸塩は、細胞の2本鎖DNAを架橋することによって、DNA合成とRNA合成反応を阻害し、更にトポイソメラーゼⅡ阻害作用により、DNA鎖を切断することによって抗腫瘍作用を示す10),11),12)。
ドキソルビシン塩酸塩(Doxorubicin Hydrochloride)
(2S,4S)-4-(3-Amino-2,3,6-trideoxy-α-L-lyxo-hexopyranosyloxy)-2,5,12-trihydroxy-2-hydroxyacetyl-7-methoxy-1,2,3,4-tetrahydrotetracene-6,11-dione monohydrochloride
C27H29NO11・HCl
579.98
赤だいだい色の結晶性の粉末
水にやや溶けにくく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
凍結を避けること。
10mL [1バイアル]
1) 社内資料(Dearlove GE.):ドキシル注の生殖発生毒性試験(2009年4月22日承認、CTD 2.6.6.6-(1))
2) 社内資料(Holliday DE.):ドキシル注の生殖発生毒性試験(2009年4月22日承認、CTD 2.6.6.6-(2))
3) *Egan PC, et al.:Cancer Treat Rep. 1985, 69(12), 1387-1389
4) 社内資料(Kiorpes AL.):ドキシル注の反復投与毒性試験(2009年4月22日承認、CTD 2.6.6.3-(1))
5) 社内資料(Sullivan TM.):ドキシル注の反復投与毒性試験(2009年4月22日承認、CTD 2.6.6.3-(2))
6) Fujisaka Y, et al.:Jpn J Clin Oncol. 2006, 36, 768-774
7) 米国添付文書
8) Katsumata N, et al.:Jpn J Clin Oncol. 2008, 38, 777-785
9) 社内資料:ドキシル注のエイズ関連カポジ肉腫患者に対する臨床試験
10) Di Marco A,:Cancer Chemother Rep Part 3. 1975, 6, 91-106
11) 根岸嗣治, 他:薬学雑誌, 1973, 93, 1498-1508
12) Potmesil M, et al.:Cancer Res. 1988, 48, 3537-3543
13) 社内資料:ドキシル注の卵巣癌異種移植モデルでの増殖抑制作用(2009年4月22日承認、CTD 2.6.2.2(1)-2))
14) Vaage J, et al.:Cancer. 1993, 72, 3671-3675
15) Stürzl M, et al.:Res Virol. 1994, 145, 261-269
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