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劇薬
処方箋医薬品注)
前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあり、またドパミン受容体作動薬の投与において、突発的睡眠により自動車事故を起こした例が報告されているので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、本剤使用中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。,
パーキンソン病
通常、成人にはロピニロール塩酸塩として1日1回8mgから始め、以後経過を観察しながら、必要に応じて1週間以上の間隔で、1日量として8mgずつ増量する。いずれの投与量の場合も1日1回、胸部、腹部、側腹部、大腿部又は上腕部のいずれかの皮膚に貼付し、24時間毎に貼り替える。なお、年齢、症状により適宜増減するが、ロピニロール塩酸塩として1日量64mgを超えないこととする。
使用は「6.用法及び用量」に従い少量から始め、消化器症状(悪心、嘔吐等)、血圧等の観察を十分に行いながら慎重に増量し、患者毎に適切な維持量を定めること。
症状が増悪又は発現しやすくなることがある。
薬理作用から心拍数低下を起こす可能性がある。
症状が悪化することがある。
主として腎臓で排泄される。また、これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない。なお、血液透析を受けている患者に対して、透析による用量調節の必要性はない。
主として肝臓で代謝される。また、これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には使用しないこと。動物実験(ラット)で胎児毒性(体重減少、死亡数増加及び指の奇形)が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトにおいて血漿中プロラクチン濃度の低下が認められることが報告されており、乳汁分泌が抑制されるおそれがある。また、動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に生理機能が低下している。
本剤の作用が減弱することがある。
本剤はドパミン受容体作動薬であり、併用により両薬剤の作用が拮抗するおそれがある。
ロピニロール速放錠とシプロフロキサシンとの併用によりロピニロールのCmax及びAUCがそれぞれ約60%及び84%増加したことが報告されている。本剤使用中にこれらの薬剤を投与開始又は中止する場合は、必要に応じて本剤の用量を調整すること。
これらの薬剤のCYP1A2阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
高用量のエストロゲンを投与した患者でロピニロールの血中濃度上昇がみられたとの報告があるので、本剤使用中に高用量のエストロゲンを投与開始又は中止する場合は、必要に応じて本剤の用量を調整すること。
機序不明
ジスキネジア、幻覚、錯乱等の副作用が増強することがある。
相互に作用が増強することがある。
前兆のない突発的睡眠、極度の傾眠があらわれることがある。,
幻覚、妄想、興奮、錯乱、譫妄等の精神症状があらわれることがある。,
使用後、減量後又は中止後に、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック症状等があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、使用開始初期の場合は中止し、また、継続使用中の用量変更・中止時の場合は一旦もとの使用量に戻した後、慎重に漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。なお、使用継続中にも同様の症状があらわれることがある。
5%以上
1%以上5%未満
1%未満
頻度不明
精神神経系
傾眠、ジスキネジア
幻視、浮動性めまい、体位性めまい、頭痛、不眠
錯覚、ジストニア、幻聴、リビドー亢進、回転性めまい
衝動制御障害(病的賭博、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等)、躁状態
肝臓
ALT上昇、AST上昇、γ-GTP上昇
肝機能異常、ビリルビン上昇、AL-P上昇
筋・骨格系
姿勢異常、CK上昇
背部痛
循環器
起立性低血圧、起立血圧低下
上室性期外収縮、心室性期外収縮、動悸、低血圧、血圧上昇
消化器
悪心、便秘
食欲不振、嘔吐、腹部不快感
下痢、消化不良
腎臓
尿潜血陽性
BUN上昇、尿蛋白陽性
皮膚
適用部位紅斑、適用部位そう痒感
適用部位皮膚炎、適用部位発疹、適用部位刺激感、適用部位腫脹、適用部位色素沈着
過敏症
発疹、湿疹、そう痒、顔面浮腫、じん麻疹
その他
けん怠感、末梢性浮腫、LDH上昇
異常感、転倒、胸部不快感、浮腫、口渇、挫傷、咳嗽、好酸球増加、尿糖陽性
薬剤離脱症候群注1) (無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛等)
悪心、嘔吐、不随意運動、錯乱、痙攣等のドパミン作用に関連する症状の発現が予想される。
過量投与が疑われる場合には、速やかに剥離すること。ドパミン拮抗剤(抗精神病薬、メトクロプラミド等)投与により症状が軽減することがある。
動物実験(ラット)で1.5~50mg/kg/日の2年間投与により、精巣Leydig細胞の過形成、腺腫の発生頻度が用量依存的に増加したとの報告がある。なお、マウスではがん原性は認められていない。
健康成人男性12例を対象に本剤(ロピニロール塩酸塩として1.2及び4.8mg注2) )を胸部に24時間単回投与した際、血漿中ロピニロールの薬物動態パラメータ(Cmax、AUC0-t及びAUC0-∞)の1.2~4.8mg間における線形性が確認された1) 。
投与量(例数)
Cmax(ng/mL)
AUC0-t(ng・hr/mL)
AUC0-∞(ng・hr/mL)
tmaxa)(hr)
t1/2(hr)
1.2mg(12)
0.254±0.0855
6.66±2.48
6.86±2.47
20.0, 24.0
8.44±2.07
4.8mg(11)
1.02±0.279
27.8±8.33
28.1±8.28
20.0
16.0±8.34
平均値±標準偏差a)最頻値
AUC0-24(ng・hr/mL)
1日目
6.8mg(8)
2.17±1.03
27.9±14.9
24.0
-
13.5mg(8)
2.89±0.567
33.1±6.13
20.3mg(8)
5.91±1.31
89.4±30.0
16.0, 20.0
7日目
1.88±0.966
38.5±20.6
20.3±4.84
13.5mg(7)
4.21±3.31
84.8±69.5
20.8±4.03
20.3mg(7)
7.16±4.40
154±104
16.0
19.0±4.30
パーキンソン病患者199例を対象に本剤(ロピニロール塩酸塩として8~64mg)を任意漸増法にて1日1回長期投与した際、投与2、4、8、12、24及び52週の血漿中ロピニロール濃度の8~64mg間における線形性が確認された。(パワーモデル:log(y)=-0.721+1.075・log(x))3)
健康成人男性15例を対象に本剤(ロピニロール塩酸塩として4.8mg注2) )を胸部、腹部、側腹部、大腿部及び上腕部にそれぞれ24時間単回投与した際、各投与部位間における幾何平均値の比(推定値)は、AUC0-tで0.738~1.308、Cmaxで0.763~1.295であり、各投与部位間の血漿中ロピニロール濃度に大きな差はないと考えられた。また、tmax(最頻値)は各投与部位において20.0~24.0hr、t1/2(平均値)は10.5~11.5hrであり、いずれの投与部位においても同様の値を示した4) 。
[14C]ロピニロール塩酸塩のヒト血漿蛋白結合率は35~42%であることが報告されている5) (in vitro)。
[14C]ロピニロール塩酸塩を妊娠ラットに反復経口投与したとき、胎児中へ放射能の移行が認められた。また、授乳期ラットにおいては乳汁中への移行が認められた5) 。
ロピニロールは主に肝臓で脱プロピル体に代謝される。ロピニロールの代謝にはCYP1A2が関与することが報告されている6),7) (in vitro)。
健康成人男性12例を対象に本剤(ロピニロール塩酸塩として1.2及び4.8mg注2) )を胸部に24時間単回投与した際、投与開始後0~96時間のロピニロールの累積尿中排泄率(平均値)は1.2mg投与時3.4%、4.8mg投与時3.6%であった1) 。
L-DOPA非併用パーキンソン病患者を対象に本剤(ロピニロール塩酸塩として6.8~54.0mg注3) )を1日1回16週間反復投与した結果、最終評価時におけるUPDRS(Unified Parkinson's Disease Rating Scale)part III合計スコアの変化量において、プラセボ群に対し有意に改善した。副作用発現頻度は62.9%(88/140例)で、主な副作用は、悪心17.1%(24/140例)、傾眠及び適用部位紅斑 各13.6%(19/140例)等であった8) 。
投与群(例数)
投与前値a)
最終評価時a)
変化量b)
優越性プラセボに対する差c)(95%CI)
本剤(136)
21.2±7.1
12.9±8.1
-8.4±0.5
-4.8(-6.5, -3.2)
p<0.0001
プラセボ(69)
21.5±7.5
18.0±9.8
-3.5±0.7
a)平均値±標準偏差b)最小二乗平均値±標準誤差c)投与群及びベースライン値を説明変数とした共分散分析により解析
L-DOPA併用パーキンソン病患者を対象に本剤(ロピニロール塩酸塩として8~64mg)を1日1回16週間反復投与した結果、最終評価時におけるUPDRS part III合計スコアの変化量において、プラセボ群に対し優越性を示すとともに、ロピニロール塩酸塩徐放錠(ROP:ロピニロールとして2~16mg)に対し非劣性を示した。副作用発現頻度は54.0%(122/226例)で、主な副作用は、適用部位紅斑10.2%(23/226例)、傾眠9.7%(22/226例)、悪心8.8%(20/226例)等であった9) 。
非劣性ROPに対する差c)(95%CI)
本剤(172)
24.6±9.0
14.6±9.5
-9.8±0.5
-5.4(-7.3, -3.6)p<0.0001
0.3(-1.2, 1.8)d)
プラセボ(85)
24.6±9.1
20.2±10.4
-4.3±0.8
ROP(171)
24.5±8.5
14.4±9.0
-10.1±0.5
a)平均値±標準偏差b)最小二乗平均値±標準誤差c)投与群及びベースライン値を説明変数とした共分散分析により解析d)非劣性マージン:2.5
パーキンソン病患者(ドパミンアゴニスト使用患者を含む)を対象に、本剤(ロピニロール塩酸塩として8~64mg)を1日1回長期投与(52週間)した際の有効性を検討した結果、UPDRS part III合計スコアの変化量は、L-DOPA併用パーキンソン病患者、L-DOPA非併用パーキンソン病患者のいずれにおいても16週まで減少し、その後52週までほぼ一定に推移した。なお、ドパミンアゴニスト使用患者は以下の換算表に基づく本剤投与量より投与を開始し、患者の症状に応じて適宜用量を調整した。副作用発現頻度は72.4%(144/199例)で、主な副作用は、適用部位紅斑26.6%(53/199例)、適用部位そう痒感21.1%(42/199例)、傾眠13.1%(26/199例)等であった3) 。
対象患者(例数)
投与前値
最終評価時
変化量
L-DOPA併用(95)
23.6±8.3
13.5±9.9
-10.1±7.8
L-DOPA非併用(103)
22.8±9.0
14.7±9.5
-8.1±8.6
平均値±標準偏差
ドパミンアゴニスト
用量(mg/日)
ロピニロール(速放錠)
~2.25
3~4.5
6
7.5~9
ロピニロール(徐放錠)
2
4
8
プラミペキソール塩酸塩水和物(速放錠)
~0.5
1.0
1.5
2.0
プラミペキソール塩酸塩水和物(徐放錠)
0.375
0.75
2.25
カベルゴリン
~1.0
2~2.5
3
ロチゴチン
4.5
9
13.5
18
↓
本剤
16
24
32
10.5
12
15
10
14
2.5
3.0
3.5
4.0~
3.75
22.5
27
31.5
36
40
48
56
64
ロピニロール塩酸塩はドパミンの構造をもとに創製された非麦角系ドパミンアゴニストであり、ドパミンD2様受容体を刺激することにより抗パーキンソン病作用を示す10) 。
in vitro試験において、ロピニロールはドパミンD2、D3及びD4受容体に親和性及び内活性を示し、ドパミンD1及びD5受容体には親和性を示さなかった11),12) 。
ドパミン神経を片側性に破壊したラットにおいて、ロピニロールは用量依存的に破壊反対側への旋回行動を増加させた13) 。
MPTP誘発サルパーキンソン病モデルにおいて、本剤を7日間反復投与すると、投与後1日からパーキンソニズムスコアが低下し、投与後3日にはさらにスコアが低下し、投与後7日まで低いスコアが持続した14) 。
ロピニロール塩酸塩(Ropinirole Hydrochloride)
4-[2-(Dipropylamino)ethyl]-2-indolinone monohydrochloride
C16H24N2O・HCl
296.84
白色~淡黄色の粉末である。水に溶けやすく、メタノール又は酢酸(100)にやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、無水酢酸に極めて溶けにくい。
約244℃(分解)
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
28枚[1枚/1袋×28袋]
1) 久光製薬社内資料.第I相単回及び反復投与試験(2019年9月20日承認、CTD2.7.6.2).
2) 久光製薬社内資料.第II相パーキンソン病患者反復投与試験(2019年9月20日承認、CTD2.7.6.4).
3) 久光製薬社内資料.第III相長期投与試験(2019年9月20日承認、CTD2.7.6.8).
4) 久光製薬社内資料.第I相投与部位検討試験(2019年9月20日承認、CTD2.7.6.1).
5) Ramji J, et al.: 薬理と治療 1996; 24(Suppl 11): 1765-78.
6) Ramji JV, et al.: Xenobiotica 1999; 29(3): 311-25.
7) Bloomer JC, et al.: Drug Metab Dispos 1997; 25(7): 840-4.
8) 久光製薬社内資料.第II相L-DOPA非併用患者比較試験(2019年9月20日承認、CTD2.7.6.6).
9) 久光製薬社内資料.第III相比較試験(2019年9月20日承認、CTD2.7.6.7).
10) 新井裕幸 ほか: 日本薬理学雑誌 2007; 130(4): 313-9.
11) Millan MJ, et al.: J Pharmacol Exp Ther. 2002; 303(2): 791-804.
12) Coldwell MC, et al.: Br J Pharmacol. 1999; 127(7): 1696-702.
13) Reavill C, et al.: J Pharm Pharmacol. 2000; 52(9): 1129-35.
14) 久光製薬社内資料.サルパーキンソン病モデルを用いた薬理試験(2019年9月20日承認、CTD2.6.2.2.1).
協和キリン株式会社 くすり相談窓口
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-9-2
電話 0120-850-150受付時間 9:00~17:30(土・日・祝日及び弊社休日を除く)
久光製薬株式会社
〒841-0017 鳥栖市田代大官町408番地
協和キリン株式会社
東京都千代田区大手町1-9-2
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