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処方箋医薬品注)
更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う血管運動神経系症状(Hot flush及び発汗)
本剤は、子宮のない患者には使用しないこと。
通常、成人に対し、メノエイドコンビパッチ1枚を3~4日ごとに1回(週2回)下腹部に貼付する。
子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。
症状が増悪するおそれがある。
体液貯留をきたし、これらの疾患を悪化させるおそれがある。
十分管理を行いながら使用すること。耐糖能を低下させるおそれがある。
血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがある。
体液貯留をきたし、疾患を悪化させるおそれがある。
使用しないこと。代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。
使用しないこと。乳汁中に移行する可能性がある。
患者の状態を観察しながら慎重に使用すること。一般に生理機能が低下している。
本剤の代謝が促進されることによって効果が減弱する可能性がある。
これらの薬剤が肝薬物代謝酵素チトクロームP-450を誘導することによって、本剤の代謝を促進する。
呼吸困難、血圧低下等の異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。
,
5%以上
1~5%未満
0.1~1%未満
皮膚(貼付部位)
そう痒(20.8%)、発赤、皮膚炎
紅斑
色素沈着、水疱、発疹
生殖器
帯下
不正出血、腟炎、子宮頸部ポリープ、外陰部そう痒感
子宮平滑筋腫
乳房
乳房緊満感、乳房痛
乳頭痛
乳腺症、乳房腫瘤
精神神経系
頭痛・片頭痛、めまい
眠気、しびれ
循環器
動悸
血圧上昇
消化器
腹部膨満感、悪心、腹部不快感、腹痛
便秘、下痢、胃痛
電解質
浮腫
過敏症
発疹
全身のそう痒、蕁麻疹
血液
貧血(赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット減少)
白血球減少
肝臓
肝機能障害(AST、ALT、ALP上昇等)
その他
下腹部痛
腰痛、倦怠感
耳鳴、体重増加、背部痛、関節痛、筋骨格硬直、下肢痛、フィブリノーゲン上昇、トリグリセリド上昇、総コレステロール上昇
卵胞ホルモン剤を長期間(約1年以上)使用した閉経期以降の女性では、子宮内膜癌になる危険性が対照群の女性と比較して高く、この危険性は、使用期間に相関して上昇し(1~5年間で2.8倍、10年以上で9.5倍)、黄体ホルモン剤の併用により抑えられる(対照群の女性と比較して0.8倍)との疫学調査の結果が報告されている4) 。
米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して高い傾向にあり、特に服用開始1年後では有意に高くなる(ハザード比:1.81)との報告がある9) 。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して有意差はない(ハザード比:0.91)との報告がある6) 。
米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.31)との報告がある10) 。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.37)との報告がある6),11) 。
米国における65歳以上の閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験〔WHI Memory Study(WHIMS)〕の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、アルツハイマーを含む認知症の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:2.05)との報告がある12) 。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、アルツハイマーを含む認知症の危険性がプラセボ投与群と比較して有意ではないが、高い傾向がみられた(ハザード比:1.49)との報告がある13) 。
米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群において、胆嚢疾患になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.59)との報告がある18) 。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、胆嚢疾患になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.67)との報告がある18) 。
実験動物にエストロゲンを皮下投与(埋め込み投与を含む)したとき、マウスにおけるリンパ系腫瘍、ラットの下垂体腺腫及びハムスターにおいては腎腫瘍の発生が報告されている。
閉経後又は両側卵巣摘出後の健康成人女性8名に単回投与(96時間貼付)した際の血清中エストラジオ―ル(E2)濃度は、貼付後4~8時間には上昇し、貼付後23.5時間でCmaxに到達し、貼付後96時間(貼付終了時)までほぼ一定に維持された。除剤後24時間までに速やかに減少し、貼付前値に戻った19) 。血清中ノルエチステロン(NET)濃度は貼付後4~8時間には上昇し、貼付後58.5時間でCmaxに到達し、貼付後96時間までほぼ一定濃度が維持され、除剤後、徐々に減少した19) 。
エストラジオール
ノルエチステロン
Cmax(pg/mL)
77.5±21.2
651.5±254.0
AUC0-132hr(pg・hr/mL)
4973.8±1970.6
52265±23133
Tmax(hr)
23.5±11.8
58.5±26.8
(mean±S.D., n=8)
12名に反復投与(14日間貼付)した際の血清中E2濃度は、1回目貼付後4~8時間で速やかに上昇し、貼付後22.7時間でCmaxに到達した。1回目貼付後24時間以降は最終除剤時まで168時間後を除き、すべての測定時点で貼付直前よりも有意な上昇を示した。なお、最終除剤後24時間までに速やかに低下した20) 。血清中NET濃度は1回目貼付後4時間までに速やかに上昇し、貼付後35.0時間でCmaxに到達した。1回目貼付後48時間以降はすべての測定時点で貼付直前よりも有意な上昇を示し、除剤後の血清中濃度は徐々に低下した20) 。
1回目
127.2±133.5
805.7±760.7
AUC0-72hr(pg・hr/mL)
4925.5±3637.5
44846.5±44680.6
22.7±14.1
35.0±17.3
4回目
94.0±86.1
773.1±575.2
AUC240-336hr(pg・hr/mL)
4547.3±5432.6
57424.0±42392.6
254.3±6.0
276.0±18.4
(mean±S.D., n=12)
国内第II相臨床試験(二重盲検比較試験)において、本剤を3~4日ごとに下腹部に貼付(16週間)した場合、平均血清中E2濃度は、投与前11.55pg/mL、投与8週後71.73pg/mL、投与16週後(又は中止時)41.91pg/mLであった。また、平均血清中NET濃度は、投与8週後463.49pg/mL、投与16週後(又は中止時)400.15pg/mLであった21) 。
卵巣摘出ラットに[14C]E2+酢酸ノルエチステロン(NETA)を単回皮下投与した結果、放射能濃度は、肝臓、小腸、大腸、膵臓、副腎、子宮等で高くなった。投与後96時間では肝臓以外の組織は検出限界未満となった22) (in vivo)。
卵巣摘出ラットにE2+[14C]NETAを単回皮下投与した結果、放射能濃度は、肝臓、小腸、大腸、副腎、腎臓、白色脂肪等で高くなった。投与後96時間では腎臓及び肝臓以外の組織は検出限界未満となった22) (in vivo)。
血漿中蛋白結合率は、98.4~98.6%であり、血清アルブミン(HSA)及び性ホルモン結合グロブリン(SHBG)との結合率は、それぞれ97.5~97.9%及び21.4~23.1%であった22) (in vitro)。
血漿中蛋白結合率は、94.4~95.2%であり、HSA及びSHBGとの結合率は、それぞれ90.4~90.8%及び7.2~10.8%であった22) (in vitro)。
主に肝臓で17β-hydroxysteroid dehydrogenaseによりエストロン(E1)へ可逆的に変換され、その後E1は16α-ヒドロキシE1を経由し、エストリオール(E3)からE3-16-グルクロン酸抱合体(E3-16-G)となる経路[一部はE3-3-硫酸-16-グルクロン酸抱合体(E3-3-S-16-G)に代謝される]と、2-ヒドロキシE1を介して2-メトキシE1に至る経路及びE1からE1-3-硫酸抱合体(E1-3-S)に至る3経路に主として分かれる。E1への変換を受けなかったE2は腎臓においてE2-17グルクロン酸抱合体(E2-17-G)へと代謝され、一部は尿中へ排泄され、残りは再び血中に戻り、肝臓においてE2-3-硫酸-17グルクロン酸抱合体(E2-3-S-17-G)へ代謝される。E3-3-S-16-G及びE2-3-S-17-Gは胆汁中へ排泄された後、腸管で加水分解、再抱合を受けE1-3-GあるいはE2-3-Gとなり一部は腸肝循環を受けると考えられている23) 。
体内でNETに加水分解され、主に肝臓でΔ4-5-reductase及び3α-hydroxysteroid dehydrogenaseにより還元され3α,5β-テトラヒドロNETやこの立体異性体に代謝された後、硫酸及びグルクロン酸抱合を受ける。NETの一部はエチニルE2にも代謝されると考えられている24),25),26) 。
卵巣摘出ラットに[14C]E2+NETAを単回皮下投与後96時間までに排泄はほぼ終了し、投与後168時間までの尿及び糞中の排泄率はそれぞれ23.1%及び72.4%であった22) 。
卵巣摘出ラットにE2+[14C]NETAを単回皮下投与後72時間までに排泄はほぼ終了し、投与後168時間までの尿及び糞中の排泄率はそれぞれ16.1%及び80.0%であった22) 。
更年期障害又は卵巣欠落症状を有する患者を対象に、国内で実施した第II相臨床試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)において、投与16週後(又は中止時)の血管運動神経系症状(Hot flush及び発汗)は、プラセボに比較して有意に改善した。副作用発現頻度は、全身症状が35.7%(30/84例)、投与部位症状が33.3%(28/84例)であった。主な副作用は、適用部位そう痒感23.8%(20/84例)、適用部位紅斑14.3%(12/84例)、下腹部痛8.3%(7/84例)、乳房圧痛7.1%(6/84例)であった21) 。
更年期障害又は卵巣欠落症状を有する患者を対象に、国内で実施した第III相臨床試験(実薬対照非盲検比較試験)において、投与52週後(又は中止時)の血管運動神経系症状(Hot flush及び発汗)に対し有効性が認められた27) 。
試験(投与期間)
投与群
Hot flushの1日平均回数
例数
投与前
投与後
第II相臨床試験(16週間)
本剤
54
3.94±2.75
0.50±1.14
プラセボ
58
4.23±3.37
57
1.54±2.13
第III相臨床試験(52週間)
344
2.93±2.62
342
0.26±0.70
(mean±S.D.)
Hot flushの程度の改善率※
発汗の程度の改善率※
85.2%(46例/54例)
81.4%(35例/43例)
52.6%(30例/57例)
57.7%(30例/52例)
81.3%(278例/342例)
76.1%(248例/326例)
※改善率:投与終了後又は中止時の「中等度改善」以上の改善度を示した症例の割合
国内で実施した第III相臨床試験(実薬対照非盲検比較試験)において、投与期間(52週間)中の子宮内膜厚の推移は下表のとおりであり、このうち子宮内膜組織診の評価対象331例において、子宮内膜増殖症が発現した症例はみられなかった27) 。
内膜厚(mm)
364
2.53±1.25
363
3.04±1.54
副作用発現頻度は、全身症状が45.1%(164/364例)、投与部位症状が25.5%(93/364例)であった。主な副作用は、適用部位そう痒感17.3%(63/364例)、下腹部痛12.4%(45/364例)、乳房圧痛10.2%(37/364例)、適用部位紅斑9.3%(34/364例)であった27) 。
卵巣機能の急激な低下に伴うエストロゲンの欠乏により、Hot flush、発汗等の血管運動神経系症状が引き起こされる。エストロゲンの補充によりこれらの症状は軽減するが、エストロゲンの子宮内膜に対する増殖刺激を抑制するために、黄体ホルモン剤の併用投与が行われている。本剤は、エストラジオールと黄体ホルモンである酢酸ノルエチステロンを経皮的に直接全身循環へ供給し、エストラジオール及びノルエチステロンの血中濃度を持続的に維持させることによって、Hot flushや発汗の症状を軽減させるとともに、エストロゲンによる子宮内膜の増殖性変化を抑制させる。
卵巣摘出サルにエストラジオール50μg/日相当を4週間経皮投与すると、子宮内膜は卵胞期(増殖期)に類似した組織像に変化したが、エストラジオール50μg/日相当及び酢酸ノルエチステロン140μg/日相当を4週間経皮あるいは皮下投与すると、子宮内膜は黄体ホルモン作用に基づく黄体期又は妊娠期に類似した組織像に変化した28) 。
エストラジオール(Estradiol)
Estra-1,3,5(10)-triene-3,17β-diol
C18H24O2
272.38
白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。1,4-ジオキサン又はN,N -ジメチルホルムアミドに溶けやすく、アセトンにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。硫酸に溶ける。吸湿性である。
175~180℃
[α]20D:+75~+82°(乾燥後、0.1g、1,4-ジオキサン、10mL、100mm)
酢酸ノルエチステロン(Norethisterone Acetate)
3-Oxo-19-nor-17α-pregn-4-en-20-yn-17-yl acetate
C22H28O3
340.46
白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。メタノール、アセトン、クロロホルム、1,4-ジオキサン又はテトラヒドロフランに溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
158~164℃
[α]20D:-32~-38°(乾燥後、0.2g、1,4-ジオキサン、10mL、100mm)
24枚[1枚/1袋×24袋]48枚[1枚/1袋×48袋]96枚[1枚/1袋×96袋]
1) 安田佳子 ほか: 医学のあゆみ 1976; 98(8): 537-8.
2) 安田佳子 ほか: 医学のあゆみ 1976; 99(8): 611-2.
3) 守隆夫: 医学のあゆみ 1975; 95(11): 599-602.
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5) Chlebowski RT, et al.: JAMA 2003; 289(24): 3243-53.
6) Anderson GL, et al.: JAMA 2004; 291(14): 1701-12.
7) Stefanick ML, et al.: JAMA 2006; 295(14): 1647-57.
8) Beral V, et al.: Lancet 2003; 362: 419-27.
9) Manson JE, et al.: N Engl J Med 2003; 349(6): 523-34.
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12) Shumaker SA, et al.: JAMA 2003; 289(20): 2651-62.
13) Shumaker SA, et al.: JAMA 2004; 291(24): 2947-58.
14) Rodriguez C, et al.: JAMA 2001; 285(11): 1460-5.
15) Lacey JV Jr, et al.: JAMA 2002; 288(3): 334-41.
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17) Anderson GL, et al.: JAMA 2003; 290(13): 1739-48.
18) Cirillo DJ, et al.: JAMA 2005; 293(3): 330-9.
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20) 久光製薬社内資料. 第I相臨床試験(反復投与試験)(2008年10月16日承認、CTD2.7.2.2).
21) 久光製薬社内資料. 第II相臨床試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)(2008年10月16日承認、CTD2.7.2.1、2.7.4.2).
22) 久光製薬社内資料. 薬物動態試験(血漿蛋白結合率、組織への移行性、排泄試験)(2008年10月16日承認、CTD2.6.4.4、2.6.4.6、2.7.2.2).
23) 本庄英雄: 日本臨床 1979; 37(6): 1186-92.
24) Singh H, et al.: Am J Obstet Gynecol 1979; 135(3): 409-14.
25) Stanczyk FZ, et al.: Contraception 1990; 42(1): 67-96.
26) Braselton WE, et al.: J Steroid Biochem 1977; 8(1): 9-18.
27) 真田光博 ほか: 日本更年期医学会雑誌 2008; 16(2): 220-31.
28) 久光製薬社内資料. 薬効薬理試験(子宮内膜に対する作用)(2008年10月16日承認、CTD2.6.2.2).
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