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ネオキシテープ73.5mg

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2ムスカリン受容体に対する親和性
18.3摘出平滑筋に対する作用
18.4排尿機能に対する作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ネオキシテープ73.5mg

添付文書番号

2590700S1025_1_08

企業コード

650034

作成又は改訂年月

2020年3月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

87259

薬効分類名

経皮吸収型 過活動膀胱治療剤

承認等

ネオキシテープ73.5mg

販売名コード

YJコード

2590700S1025

販売名英語表記

NEOXY Tapes73.5mg

販売名ひらがな

ねおきしてーぷ

承認番号等

承認番号

22500AMX00881000

販売開始年月

2013年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

オキシブチニン塩酸塩経皮吸収型製剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 尿閉を有する患者[抗コリン作用により排尿時の膀胱収縮が抑制され、症状が悪化するおそれがある。]
  2. 2.2 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。]
  3. 2.3 重篤な心疾患のある患者[抗コリン作用により頻脈、心悸亢進を起こし心臓の仕事量が増加するおそれがある。]
  4. 2.4 幽門、十二指腸又は腸管が閉塞している患者及び麻痺性イレウスのある患者[抗コリン作用により胃腸の平滑筋の収縮及び運動が抑制され、症状が悪化するおそれがある。]
  5. 2.5 胃アトニー又は腸アトニーのある患者[抗コリン作用により消化管運動が低下するため症状が悪化するおそれがある。]
  6. 2.6 重症筋無力症の患者[抗コリン作用により筋緊張の低下がみられ症状が悪化するおそれがある。]
  7. 2.7 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  8. 2.8 授乳婦

3. 組成・性状

3.1 組成

ネオキシテープ73.5mg

有効成分1枚中
日局オキシブチニン塩酸塩   73.5mg
添加剤香料(フェニルエチルアルコール)、脂環族飽和炭化水素樹脂、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、流動パラフィン、ポリイソブチレン、その他4成分

3.2 製剤の性状

ネオキシテープ73.5mg

外形(模式図)
大きさ全長73.0mm×73.0mm
面積52.5cm2
識別コードHP3191T
外観・性状淡褐色~褐色の支持体に膏体が展延されたテープ剤である。本品からライナーを取り除き、直ちに観察するとき、膏体は半透明で特異なにおいがある。

4. 効能又は効果

過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 本剤を適用する際、十分な問診により臨床症状を確認するとともに、類似の症状を呈する疾患(尿路感染症、尿路結石、膀胱癌や前立腺癌等の下部尿路における新生物等)があることに留意し、尿検査等により除外診断を実施すること。なお、必要に応じて専門的な検査も考慮すること。
  2. 5.2 下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)を合併している患者では、それに対する治療を優先させること。
  3. 5.3 過活動膀胱の症状を明確に認識できない認知症又は認知機能障害患者は本剤の使用対象とはならない。

6. 用法及び用量

通常、成人に対し本剤1日1回、1枚(オキシブチニン塩酸塩として73.5mg)を下腹部、腰部又は大腿部のいずれかに貼付し、24時間毎に貼り替える。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 眼調節障害(視力障害、霧視等)、めまい、眠気があらわれることがあるので、本剤使用中の患者には、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に注意させること。
  2. 8.2 前立腺肥大症等の下部尿路閉塞疾患を有する患者に対しては、本剤使用前に残尿量測定を実施し、必要に応じて、専門的な検査をすること。使用後は残尿量の増加に注意し、十分な経過観察を行うこと。,
  3. 8.3 本剤使用により効果が認められない場合には、漫然と使用せず、適切な治療を考慮すること。
  4. 8.4 本剤の貼付により皮膚症状があらわれることがある。皮膚刺激及び皮膚の角質層剥離等による血中濃度の上昇を避けるため、貼付箇所を毎回変更すること。皮膚症状があらわれた場合には、ステロイド外用剤又は抗ヒスタミン外用剤等を使用するか、本剤の一時休薬又は使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
  5. 8.5 抗コリン作用により発汗抑制が起こり、外部の温度上昇に対する不耐性が生じて、急激に体温が上昇するおそれがあるため、高温環境下で使用する場合は体温の上昇に注意させること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)を合併している患者

    抗コリン作用により、尿閉を誘発するおそれがある。,

  2. 9.1.2 甲状腺機能亢進症の患者

    抗コリン作用により、頻脈等の交感神経興奮症状が悪化するおそれがある。

  3. 9.1.3 うっ血性心不全の患者

    代償性交感神経系の亢進を更に亢進させるおそれがある。

  4. 9.1.4 不整脈のある患者

    頻脈性の不整脈を有している患者では、副交感神経遮断作用により交感神経が優位にたち、心拍数の増加等が起こるおそれがある。

  5. 9.1.5 潰瘍性大腸炎の患者

    中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。

  6. 9.1.6 パーキンソン症状又は脳血管障害のある患者

    症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがある。

  7. 9.1.7 認知症又は認知機能障害のある患者

    抗コリン作用により、症状が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 重篤な腎障害のある患者

    腎排泄が遅延するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重篤な肝障害のある患者

    主として肝で代謝されるため、副作用が発現しやすくなるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には使用しないことが望ましい。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。動物実験(ラット)で乳汁への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に、生理機能が低下している。

10. 相互作用

  • 本剤は、主として肝の薬物代謝酵素CYP3A4により代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

抗コリン作用を有する薬剤

三環系抗うつ剤

フェノチアジン系薬剤

モノアミン酸化酵素阻害剤

口内乾燥、便秘、排尿困難等があらわれるおそれがある。

抗コリン作用が増強されるおそれがある。

  • CYP3A4を阻害する薬剤
    • ケトコナゾール
    • イトラコナゾール等

口内乾燥、便秘、排尿困難等があらわれるおそれがある。

これらの薬剤はCYP3A4を強力に阻害し、併用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 血小板減少(頻度不明)
  2. 11.1.2 麻痺性イレウス(頻度不明)

    著しい便秘、腹部膨満等があらわれた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。

  3. 11.1.3 尿閉(頻度不明)

    ,,

11.2 その他の副作用

5%以上

0.1%以上5%未満

頻度不明

消化器

口内乾燥

便秘、上腹部痛、胃炎、下痢、口内炎、口唇炎、消化不良、腹痛

精神神経系

傾眠、浮動性めまい

泌尿器・腎臓

排尿困難、膀胱炎、残尿、尿中蛋白陽性、尿中白血球陽性、尿中赤血球陽性

皮膚

適用部位皮膚炎(46.6%)1)

適用部位紅斑1) 、適用部位そう痒感1) 、適用部位湿疹1) 、発汗障害

循環器

心室性期外収縮

過敏症

じん麻疹、湿疹

肝臓

AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、血中ビリルビン上昇、尿中ウロビリノーゲン上昇

血液

好酸球増加、単球増加、白血球数増加、白血球数減少、リンパ球減少、好中球増加、好中球減少、好塩基球増加、血小板数増加

その他

倦怠感、LDH増加、LDH減少、血中コレステロール増加

浮腫

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    尿閉、散瞳、興奮、頻脈等

  2. 13.2 処置

    本剤を貼付している場合には、直ちに本剤を剥離すること。尿閉に対しては導尿等、散瞳に対してはピロカルピン投与等、各症状に応じて適切な処置を行うこと。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  1. 14.1.1 貼付部位
    1. (1) 衣服との摩擦ではがれるおそれがあるため、ベルトラインを避けること。
    2. (2) 創傷面又は湿疹・皮膚炎等がみられる部位は避けて貼付すること。
    3. (3) 貼付部位の皮膚を拭い、清潔な皮膚に本剤を貼付すること。また、貼付部位の水分は十分に取り除くこと。
  2. 14.1.2 貼付時
    1. (1) 本剤を使用する際には、ライナーを剥がして使用すること。
    2. (2) 本剤は1日毎に貼り替えるため、貼付開始時刻の設定にあたっては入浴等の時間を考慮することが望ましい。
  3. 14.1.3 貼り替え時
    1. (1) 本剤を剥離する際は皮膚の損傷を避けるため、ゆっくりと慎重に剥離すること。
    2. (2) 本剤が途中ではがれ落ちた場合は、直ちに新たな本剤を貼付すること。また、次の貼り替え予定時間には新たな本剤に貼り替えること。
    3. (3) 貼付箇所を毎回変更し、繰り返し同一箇所には貼付しないこと。
    4. (4) 貼付24時間後も本剤の成分が残っているので、使用済みの製剤は接着面を内側にして折りたたみ、小児の手及び目の届かない所に安全に廃棄すること。
  4. 14.1.4 保管時
    1. (1) 本剤を小児の手の届かない場所に保管すること。
    2. (2) 高温を避けて保管すること。
    3. (3) 開封後はチャックを閉め密封して保管し、開封日より14日を超えたものは使用しないこと。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

    健康成人男女に本剤(オキシブチニン塩酸塩として73.5mg)を下腹部に24時間単回貼付したとき、オキシブチニン及び活性代謝物であるN-デスエチルオキシブチニン(DEO)の血漿中濃度はそれぞれ貼付後18.0及び24.0時間に最高に達し、Cmaxはそれぞれ5.2及び5.0ng/mLであった。また、剥離後の半減期はそれぞれ15.3及び15.4時間であった1)

    薬物動態パラメータ(下腹部貼付時)

    Cmax
    (ng/mL)

    AUC0-t
    (ng・hr/mL)

    AUC0-∞
    (ng・hr/mL)

    tmax2)
    (hr)

    t1/2
    (hr)

    オキシブチニン

    5.2±2.4

    133.7±68.6

    139.9±71.4

    18.0

    15.3±2.9

    DEO

    5.0±3.3

    135.9±96.6

    144.4±104.3

    24.0

    15.4±4.4

    平均値±標準偏差(n=16)

    2) tmaxの最頻値

    本剤を腰部及び大腿部に貼付したとき、オキシブチニンのAUC0-tは下腹部貼付時に比べ腰部で約1.37倍、大腿部で約1.48倍に上昇した。

  2. 16.1.2 反復投与(健康成人)

    健康成人男性にオキシブチニン塩酸塩52.5及び105mg4) を含有する経皮製剤を下腹部に1日1回7日間反復貼付したとき、オキシブチニン及びDEOの薬物動態パラメータ(AUC0-23.5及びCmax)は、52.5mgと105mgとの間で線形であると考えられた。また、反復貼付時は2回目貼付時よりほぼ定常状態に達していると考えられた2)

    貼付7回目の薬物動態パラメータ

    投与量

    Cmax
    (ng/mL)

    AUC0-23.5
    (ng・hr/mL)

    tmax3)
    (hr)

    t1/2
    (hr)

    オキシブチニン

    52.5mg

    4.8±1.3

    98.6±31.2

    23.5

    15.1±3.4

    105mg

    9.6±4.8

    198.2±98.7

    12.0

    19.0±7.4

    DEO

    52.5mg

    4.3±1.7

    88.3±36.6

    23.5

    17.6±7.2

    105mg

    9.4±5.0

    185.5±104.8

    23.5

    18.8±6.3

    平均値±標準偏差(n=8)

    3) tmaxの最頻値

  3. 16.1.3 反復投与(過活動膀胱患者)

    過活動膀胱患者に本剤(オキシブチニン塩酸塩として73.5mg)を下腹部、腰部、大腿部のいずれかに1日1回52週間反復貼付したときの平均血漿中オキシブチニン及びDEO濃度は、貼付後12、28及び52週でそれぞれほぼ一定であった。また、過活動膀胱患者における血漿中濃度はおおむね健康成人における単回貼付時の薬物動態から予測される範囲内であったことから、健康成人と過活動膀胱患者の体内動態は大きく異ならないと考えられた3)

16.3 分布

  1. 16.3.1 組織分布

    SD系雄性ラットの背部皮膚に[14C]オキシブチニン塩酸塩を含有する経皮製剤を48時間単回貼付したとき、放射能は組織に広く分布し、その中で特に貼付部位皮膚、ハーダー腺、白色脂肪及び肝臓で高濃度を示した。製剤剥離後、各組織の放射能濃度は血漿中放射能濃度と同様に減少した。また、反復貼付による投与部位皮膚への蓄積性も認められなかった4),5)

  2. 16.3.2 胎児移行

    妊娠ラットに[14C]オキシブチニン塩酸塩を経口投与したとき、胎児の組織中に分布が認められたが、その濃度は母動物の血中濃度より低いことが報告されている6)

  3. 16.3.3 血漿蛋白結合

    In vitro試験において、ヒト血漿蛋白結合率はオキシブチニン及びDEOのいずれも99%以上(血漿中濃度400ng/mL)であることが報告されている7)

16.4 代謝

オキシブチニンは主に肝臓で代謝され、活性代謝物であるDEOなどに代謝される。また、ヒト肝ミクロゾームを用いた検討により、オキシブチニンの代謝には主にCYP3A4及びCYP3A5が関与していることが報告されている8),9)in vitro)。,

16.5 排泄

健康成人男性にオキシブチニン塩酸塩52.5mg4) を含有する経皮製剤を下腹部に1日1回7日間反復貼付したとき、貼付開始後144~168時間(貼付7回目)の尿中排泄率(オキシブチニン及び4種の代謝物)は、投与量に対して1.4%であった。また、その内訳は3.8%がフェニルシクロヘキシルグリコール酸、30.8%が4-水酸化N-デスエチルオキシブチニン、65.4%が4-水酸化フェニルシクロヘキシルグリコール酸であり、オキシブチニン及びDEOはほとんどみられなかった。105mg4) を含有する経皮製剤貼付時においても同様の傾向が認められた2)

4) 本剤の承認された用量は73.5mgである。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第III相試験(二重盲検比較試験)

    過活動膀胱患者を対象に本剤1日1回、1枚(オキシブチニン塩酸塩として73.5mg)を12週間貼付した結果、主要評価項目である平均排尿回数の変化量において、プラセボ群に対し有意な改善効果が認められた。また、平均尿意切迫感回数の変化量においても同様にプラセボ群に対し有意な改善効果が認められた10)

    投与群
    (例数)

    投与前値

    最終評価時

    変化量

    プラセボとの比較
    (t検定)

    1日あたりの平均排尿回数

    プラセボ群
    (373)

    11.31±2.37

    9.87±2.44

    -1.44±2.23

    p=0.0015

    オキシブチニン群
    (555)

    11.18±2.37

    9.29±2.38

    -1.89±2.04

    1日あたりの平均尿意切迫感回数

    プラセボ群
    (373)

    3.68±2.43

    2.17±2.52

    -1.51±2.33

    p=0.0069

    オキシブチニン群
    (555)

    3.66±2.34

    1.74±2.22

    -1.92±2.21

    1日あたりの平均切迫性尿失禁回数

    プラセボ群
    (373)

    1.13±1.56

    0.52±1.13

    -0.61±1.32

    p=0.3409

    オキシブチニン群
    (555)

    1.04±1.30

    0.35±0.87

    -0.69±1.14

    平均値±標準偏差
    単位:回/day

    副作用発現頻度はオキシブチニン群で51.2%(293/572例)であった。主な副作用は、適用部位皮膚炎31.8%(182/572例)、口内乾燥6.3%(36/572例)及び適用部位紅斑5.6%(32/572例)であった。

  2. 17.1.2 国内第III相試験(長期投与試験)

    過活動膀胱患者を対象に本剤1日1回、1枚(オキシブチニン塩酸塩として73.5mg)を52週間貼付した結果、主要評価項目である平均排尿回数の変化量において、貼付前のベースラインに対する改善効果が認められ、その効果は減弱することなく52週間持続した。また、平均尿意切迫感回数及び平均切迫性尿失禁回数の変化量においても同様に貼付前のベースラインに対する改善効果が認められた3)

    評価項目

    例数

    投与前値

    最終評価時

    変化量

    1日あたりの
    平均排尿回数

    422

    11.21±2.31

    8.91±2.28

    -2.31±2.35

    1日あたりの
    平均尿意切迫感回数

    422

    3.95±2.49

    1.51±1.87

    -2.43±2.45

    1日あたりの
    平均切迫性尿失禁回数

    317

    1.64±1.33

    0.42±1.09

    -1.22±1.30

    平均値±標準偏差
    単位:回/day

    副作用発現頻度は83.8%(362/432例)であった。主な副作用は、適用部位皮膚炎73.8%(319/432例)、口内乾燥9.7%(42/432例)及び好酸球百分率増加5.6%(24/432例)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

オキシブチニン塩酸塩は、向神経作用(抗ムスカリン作用)に加え、平滑筋直接弛緩作用(カルシウム拮抗作用)を有し、膀胱に協力的に作用することにより、膀胱の過緊張状態を抑制すると考えられている。

18.2 ムスカリン受容体に対する親和性

ヒトムスカリン受容体(M1、M2、M3、M4及びM5)を用いた結合実験において、オキシブチニンは[3H]N-メチルスコポラミン結合を競合的に阻害し、ムスカリンM3及びM4受容体に対して高い親和性を示した11)in vitro)。

18.3 摘出平滑筋に対する作用

ラット、モルモット及びヒトの摘出膀胱平滑筋を用いた試験で、オキシブチニンはアセチルコリン及びカルバコールによる収縮を抑制し(抗コリン作用)、また、高用量でカリウム収縮を抑制した(カルシウム拮抗作用)。代謝物であるDEOはオキシブチニンと同様に抗コリン作用及び膀胱平滑筋直接作用(カルシウム拮抗作用)を示した12),13),14),15)in vitro)。

18.4 排尿機能に対する作用

ラットの膀胱内圧測定試験(シストメトリー)において、本剤は用量依存的に排尿までの時間を延長させた16)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

オキシブチニン塩酸塩(Oxybutynin Hydrochloride)

化学名

4-(Diethylamino)but-2-yn-1-yl(2RS)-2-cyclohexyl-2-hydroxy-2-phenylacetate monohydrochloride

分子式

C22H31NO3・HCl

分子量

393.95

性状

本品は白色の結晶性の粉末である。本品は水又はエタノール(99.5)に溶けやすい。本品の水溶液(1→50)は旋光性を示さない。

化学構造式

融点

124~129℃

22. 包装

70枚[7枚/1袋×10袋]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

久光製薬株式会社 お客様相談室

〒135-6008 東京都江東区豊洲三丁目3番3号

TEL. 0120-381332
FAX.(03)5293-1723
受付時間/9:00−17:50(土日・祝日・会社休日を除く)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

久光製薬株式会社

〒841-0017 鳥栖市田代大官町408番地

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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