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過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
通常、成人に対し本剤1日1回、1枚(オキシブチニン塩酸塩として73.5mg)を下腹部、腰部又は大腿部のいずれかに貼付し、24時間毎に貼り替える。
抗コリン作用により、尿閉を誘発するおそれがある。,
抗コリン作用により、頻脈等の交感神経興奮症状が悪化するおそれがある。
代償性交感神経系の亢進を更に亢進させるおそれがある。
頻脈性の不整脈を有している患者では、副交感神経遮断作用により交感神経が優位にたち、心拍数の増加等が起こるおそれがある。
中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。
症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがある。
抗コリン作用により、症状が悪化するおそれがある。
腎排泄が遅延するおそれがある。
主として肝で代謝されるため、副作用が発現しやすくなるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には使用しないことが望ましい。
授乳を避けさせること。動物実験(ラット)で乳汁への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に、生理機能が低下している。
抗コリン作用を有する薬剤
三環系抗うつ剤
フェノチアジン系薬剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
口内乾燥、便秘、排尿困難等があらわれるおそれがある。
抗コリン作用が増強されるおそれがある。
これらの薬剤はCYP3A4を強力に阻害し、併用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
著しい便秘、腹部膨満等があらわれた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。
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5%以上
0.1%以上5%未満
頻度不明
消化器
口内乾燥
便秘、上腹部痛、胃炎、下痢、口内炎、口唇炎、消化不良、腹痛
精神神経系
傾眠、浮動性めまい
泌尿器・腎臓
排尿困難、膀胱炎、残尿、尿中蛋白陽性、尿中白血球陽性、尿中赤血球陽性
皮膚
適用部位皮膚炎(46.6%)注1)
適用部位紅斑注1) 、適用部位そう痒感注1) 、適用部位湿疹注1) 、発汗障害
循環器
心室性期外収縮
過敏症
じん麻疹、湿疹
肝臓
AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、血中ビリルビン上昇、尿中ウロビリノーゲン上昇
血液
好酸球増加、単球増加、白血球数増加、白血球数減少、リンパ球減少、好中球増加、好中球減少、好塩基球増加、血小板数増加
その他
倦怠感、LDH増加、LDH減少、血中コレステロール増加
浮腫
尿閉、散瞳、興奮、頻脈等
本剤を貼付している場合には、直ちに本剤を剥離すること。尿閉に対しては導尿等、散瞳に対してはピロカルピン投与等、各症状に応じて適切な処置を行うこと。
健康成人男女に本剤(オキシブチニン塩酸塩として73.5mg)を下腹部に24時間単回貼付したとき、オキシブチニン及び活性代謝物であるN-デスエチルオキシブチニン(DEO)の血漿中濃度はそれぞれ貼付後18.0及び24.0時間に最高に達し、Cmaxはそれぞれ5.2及び5.0ng/mLであった。また、剥離後の半減期はそれぞれ15.3及び15.4時間であった1) 。
Cmax(ng/mL)
AUC0-t(ng・hr/mL)
AUC0-∞(ng・hr/mL)
tmax注2)(hr)
t1/2(hr)
オキシブチニン
5.2±2.4
133.7±68.6
139.9±71.4
18.0
15.3±2.9
DEO
5.0±3.3
135.9±96.6
144.4±104.3
24.0
15.4±4.4
平均値±標準偏差(n=16)
本剤を腰部及び大腿部に貼付したとき、オキシブチニンのAUC0-tは下腹部貼付時に比べ腰部で約1.37倍、大腿部で約1.48倍に上昇した。
健康成人男性にオキシブチニン塩酸塩52.5及び105mg注4) を含有する経皮製剤を下腹部に1日1回7日間反復貼付したとき、オキシブチニン及びDEOの薬物動態パラメータ(AUC0-23.5及びCmax)は、52.5mgと105mgとの間で線形であると考えられた。また、反復貼付時は2回目貼付時よりほぼ定常状態に達していると考えられた2) 。
投与量
AUC0-23.5(ng・hr/mL)
tmax注3)(hr)
52.5mg
4.8±1.3
98.6±31.2
23.5
15.1±3.4
105mg
9.6±4.8
198.2±98.7
12.0
19.0±7.4
4.3±1.7
88.3±36.6
17.6±7.2
9.4±5.0
185.5±104.8
18.8±6.3
平均値±標準偏差(n=8)
過活動膀胱患者に本剤(オキシブチニン塩酸塩として73.5mg)を下腹部、腰部、大腿部のいずれかに1日1回52週間反復貼付したときの平均血漿中オキシブチニン及びDEO濃度は、貼付後12、28及び52週でそれぞれほぼ一定であった。また、過活動膀胱患者における血漿中濃度はおおむね健康成人における単回貼付時の薬物動態から予測される範囲内であったことから、健康成人と過活動膀胱患者の体内動態は大きく異ならないと考えられた3) 。
SD系雄性ラットの背部皮膚に[14C]オキシブチニン塩酸塩を含有する経皮製剤を48時間単回貼付したとき、放射能は組織に広く分布し、その中で特に貼付部位皮膚、ハーダー腺、白色脂肪及び肝臓で高濃度を示した。製剤剥離後、各組織の放射能濃度は血漿中放射能濃度と同様に減少した。また、反復貼付による投与部位皮膚への蓄積性も認められなかった4),5) 。
妊娠ラットに[14C]オキシブチニン塩酸塩を経口投与したとき、胎児の組織中に分布が認められたが、その濃度は母動物の血中濃度より低いことが報告されている6) 。
In vitro試験において、ヒト血漿蛋白結合率はオキシブチニン及びDEOのいずれも99%以上(血漿中濃度400ng/mL)であることが報告されている7) 。
オキシブチニンは主に肝臓で代謝され、活性代謝物であるDEOなどに代謝される。また、ヒト肝ミクロゾームを用いた検討により、オキシブチニンの代謝には主にCYP3A4及びCYP3A5が関与していることが報告されている8),9) (in vitro)。,
健康成人男性にオキシブチニン塩酸塩52.5mg注4) を含有する経皮製剤を下腹部に1日1回7日間反復貼付したとき、貼付開始後144~168時間(貼付7回目)の尿中排泄率(オキシブチニン及び4種の代謝物)は、投与量に対して1.4%であった。また、その内訳は3.8%がフェニルシクロヘキシルグリコール酸、30.8%が4-水酸化N-デスエチルオキシブチニン、65.4%が4-水酸化フェニルシクロヘキシルグリコール酸であり、オキシブチニン及びDEOはほとんどみられなかった。105mg注4) を含有する経皮製剤貼付時においても同様の傾向が認められた2) 。
過活動膀胱患者を対象に本剤1日1回、1枚(オキシブチニン塩酸塩として73.5mg)を12週間貼付した結果、主要評価項目である平均排尿回数の変化量において、プラセボ群に対し有意な改善効果が認められた。また、平均尿意切迫感回数の変化量においても同様にプラセボ群に対し有意な改善効果が認められた10) 。
投与群(例数)
投与前値
最終評価時
変化量
プラセボとの比較(t検定)
1日あたりの平均排尿回数
プラセボ群(373)
11.31±2.37
9.87±2.44
-1.44±2.23
p=0.0015
オキシブチニン群(555)
11.18±2.37
9.29±2.38
-1.89±2.04
1日あたりの平均尿意切迫感回数
3.68±2.43
2.17±2.52
-1.51±2.33
p=0.0069
3.66±2.34
1.74±2.22
-1.92±2.21
1日あたりの平均切迫性尿失禁回数
1.13±1.56
0.52±1.13
-0.61±1.32
p=0.3409
1.04±1.30
0.35±0.87
-0.69±1.14
平均値±標準偏差単位:回/day
副作用発現頻度はオキシブチニン群で51.2%(293/572例)であった。主な副作用は、適用部位皮膚炎31.8%(182/572例)、口内乾燥6.3%(36/572例)及び適用部位紅斑5.6%(32/572例)であった。
過活動膀胱患者を対象に本剤1日1回、1枚(オキシブチニン塩酸塩として73.5mg)を52週間貼付した結果、主要評価項目である平均排尿回数の変化量において、貼付前のベースラインに対する改善効果が認められ、その効果は減弱することなく52週間持続した。また、平均尿意切迫感回数及び平均切迫性尿失禁回数の変化量においても同様に貼付前のベースラインに対する改善効果が認められた3) 。
評価項目
例数
422
11.21±2.31
8.91±2.28
-2.31±2.35
3.95±2.49
1.51±1.87
-2.43±2.45
317
1.64±1.33
0.42±1.09
-1.22±1.30
副作用発現頻度は83.8%(362/432例)であった。主な副作用は、適用部位皮膚炎73.8%(319/432例)、口内乾燥9.7%(42/432例)及び好酸球百分率増加5.6%(24/432例)であった。
オキシブチニン塩酸塩は、向神経作用(抗ムスカリン作用)に加え、平滑筋直接弛緩作用(カルシウム拮抗作用)を有し、膀胱に協力的に作用することにより、膀胱の過緊張状態を抑制すると考えられている。
ヒトムスカリン受容体(M1、M2、M3、M4及びM5)を用いた結合実験において、オキシブチニンは[3H]N-メチルスコポラミン結合を競合的に阻害し、ムスカリンM3及びM4受容体に対して高い親和性を示した11) (in vitro)。
ラット、モルモット及びヒトの摘出膀胱平滑筋を用いた試験で、オキシブチニンはアセチルコリン及びカルバコールによる収縮を抑制し(抗コリン作用)、また、高用量でカリウム収縮を抑制した(カルシウム拮抗作用)。代謝物であるDEOはオキシブチニンと同様に抗コリン作用及び膀胱平滑筋直接作用(カルシウム拮抗作用)を示した12),13),14),15) (in vitro)。
ラットの膀胱内圧測定試験(シストメトリー)において、本剤は用量依存的に排尿までの時間を延長させた16) 。
オキシブチニン塩酸塩(Oxybutynin Hydrochloride)
4-(Diethylamino)but-2-yn-1-yl(2RS)-2-cyclohexyl-2-hydroxy-2-phenylacetate monohydrochloride
C22H31NO3・HCl
393.95
本品は白色の結晶性の粉末である。本品は水又はエタノール(99.5)に溶けやすい。本品の水溶液(1→50)は旋光性を示さない。
124~129℃
70枚[7枚/1袋×10袋]
1) 久光製薬集計資料. 第II相貼付部位検討試験(2013年3月25日承認、CTD2.7.6.4).
2) 久光製薬集計資料. 第I相反復投与試験(2013年3月25日承認、CTD2.7.6.3).
3) 久光製薬集計資料. 第III相長期投与試験(2013年3月25日承認、CTD2.7.6.7).
4) 久光製薬集計資料. ラットにおける単回投与組織分布試験(2013年3月25日承認、CTD2.6.4.4.1.1).
5) 久光製薬集計資料. ラットにおける反復投与組織分布試験(2013年3月25日承認、CTD2.6.4.4.1.2).
6) 秋本義雄 ほか:医薬品研究1984; 15(4): 519-35.
7) Mizushima H, et al.:Xenobiotica 2007; 37(1): 59-73.
8) Lukkari E, et al.:Pharmacol Toxicol 1998; 82(4): 161-6.
9) Yaïch M, et al.:Pharmacogenetics 1998; 8(5): 449-51.
10) 久光製薬集計資料. 第III相比較試験(2013年3月25日承認、CTD2.7.6.6).
11) Maruyama S, et al.:J Urol 2006; 175(1): 365-9.
12) Uchida M, et al.:J Pharmacol Sci 2004; 94(2): 122-8.
13) Mizushima H, et al.:Biol Pharm Bull 2007; 30(5): 955-62.
14) Smith E R, et al.:Arzneimittelforschung 1998; 48(10): 1012-8.
15) Waldeck K, et al.:J Urol 1997; 157(3): 1093-7.
16) 久光製薬集計資料. シストメトリー法を用いたラット排尿機能評価(2013年3月25日承認、CTD2.6.2.2.1).
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