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劇薬
麻薬
処方箋医薬品注)
本剤貼付部位の温度が上昇するとフェンタニルの吸収量が増加し、過量投与になり、死に至るおそれがある。本剤貼付中は、外部熱源への接触、熱い温度での入浴等を避けること。発熱時には患者の状態を十分に観察し、副作用の発現に注意すること。,
通常、成人に対し胸部、腹部、上腕部、大腿部等に貼付し、1日(約24時間)毎に貼り替えて使用する。初回貼付用量は本剤貼付前のオピオイド鎮痛剤の治療有無により、下記のとおり選択する。その後の貼付用量は患者の症状や状態により適宜増減する。
本剤貼付前にオピオイド鎮痛剤を使用していない場合、0.5mgより開始する。他のオピオイド鎮痛剤から本剤に切り替えて使用する場合、本剤貼付前に使用していたオピオイド鎮痛剤の用法及び用量を勘案して、0.5mg、1mg、2mg、4mg、6mgのいずれかの用量を選択する。
他のオピオイド鎮痛剤から本剤に切り替えて使用する。本剤貼付前に使用していたオピオイド鎮痛剤の用法及び用量を勘案して、0.5mg、1mg、2mg、4mg、6mgのいずれかの用量を選択する。
他のオピオイド鎮痛剤から本剤に切り替えて使用する。通常、小児(2歳以上)に対し胸部、腹部、上腕部、大腿部等に貼付し、1日(約24時間)毎に貼り替えて使用する。初回貼付用量は本剤貼付前に使用していたオピオイド鎮痛剤の用法及び用量を勘案して、6歳以上の場合は、0.5mg、1mg、2mg、4mg、6mgのいずれかの用量を選択し、2歳以上6歳未満の場合は、0.5mg、1mg、2mgのいずれかの用量を選択する。その後の貼付用量は患者の症状や状態により適宜増減する。
成人の場合、初回貼付用量として、本剤8mgは推奨されない(初回貼付用量として6mgを超える使用経験は少ない)。6歳以上の小児の場合、初回貼付用量として8mgは推奨されず、4mg又は6mgとする場合には、患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(6歳以上の小児に対する初回貼付用量として、臨床試験では2mgを超える用量の使用経験がない)。2歳以上6歳未満の小児の場合、初回貼付用量は換算表を目安に選択するが、2mgを超える用量は推奨されず、患者の状態等に応じて換算表よりも低い用量への切り替えも考慮すること(2歳以上6歳未満の小児では、成人に比べ血中フェンタニル濃度の上昇及び傾眠の発現割合の増加が認められており、また初回貼付用量として、臨床試験では2mgを超える用量の使用経験がない)。,初回貼付用量を選択する換算表は、経口モルヒネ量60mg/日(坐剤の場合30mg/日、注射の場合20mg/日)、経口オキシコドン量40mg/日、フェンタニル経皮吸収型製剤(3日貼付型製剤)4.2mg(25μg/hr;フェンタニル0.6mg/日)に対して本剤2mgへ切り替えるものとして設定している。なお、初回貼付用量は換算表に基づく適切な用量を選択し、過量投与にならないよう注意すること。
本剤1日貼付用量
0.5mg
1mg
2mg
4mg
6mg
定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)注1)
0.15mg/日
0.3mg/日
0.6mg/日
1.2mg/日
1.8mg/日
↑
本剤使用前の鎮痛剤
モルヒネ
経口剤(mg/日)
≦15
16~29
30~89
90~149
150~209
坐剤(mg/日)
-
≦10
20~40
50~70
80~100
注射剤/静脈内投与(mg/日)
≦5
6~9
10~29
30~49
50~69
オキシコドン経口剤(mg/日)
11~19
20~59
60~99
100~139
フェンタニル経皮吸収型製剤(3日貼付型製剤;貼付用量mg)
2.1
4.2
8.4
12.6
初回貼付用量として、本剤8mgは推奨されない(初回貼付用量として6mgを超える使用経験は少ない)。初回貼付用量を選択する換算表は、経口モルヒネ量60mg/日(坐剤の場合30mg/日、注射の場合20mg/日)、フェンタニル経皮吸収型製剤(3日貼付型製剤)4.2mg(25μg/hr;フェンタニル0.6mg/日)、経口コデイン量180mg/日以上に対して本剤2mgへ切り替えるものとして設定している。なお、初回貼付用量は換算表に基づく適切な用量を選択し、過量投与にならないよう注意すること。
定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)注2)
モルヒネ経口剤(mg/日)
コデイン経口剤(mg/日)
≦90
91~179
180~
本剤初回貼付後少なくとも2日間は増量を行わないこと。他のオピオイド鎮痛剤から本剤に初めて切り替えた場合、フェンタニルの血中濃度が徐々に上昇するため、鎮痛効果が得られるまで時間を要する。そのため、下記の「使用方法例」を参考に、切り替え前に使用していたオピオイド鎮痛剤の投与を行うことが望ましい。,,
使用していたオピオイド鎮痛剤a)の投与回数
オピオイド鎮痛剤の使用方法例
1日1回
投与12時間後に本剤の貼付を開始する。
1日2~3回
本剤の貼付開始と同時に1回量を投与する。
1日4~6回
本剤の貼付開始と同時及び4~6時間後に1回量を投与する。
持続投与
本剤の貼付開始後6時間まで継続して持続投与する。
a)経皮吸収型製剤を除く
患者により上記表の「使用方法例」では、十分な鎮痛効果が得られない場合がある。患者の状態を観察し、本剤の鎮痛効果が得られるまで、適時オピオイド鎮痛剤の追加投与(レスキュー)により鎮痛をはかること。1回の追加投与量として、本剤の切り替え前に使用していたオピオイド鎮痛剤が経口剤又は坐剤の場合は1日投与量の1/6量を、注射剤の場合は1/12量を目安として投与すること。この場合、速効性のオピオイド鎮痛剤を使用することが望ましい。
本剤初回貼付後少なくとも2日間は増量を行わないこと。フェンタニルの血中濃度が徐々に上昇するため、鎮痛効果が得られるまで時間を要する。患者の状態を観察し、本剤の鎮痛効果が得られるまで、適時オピオイド鎮痛剤の追加投与(レスキュー)により鎮痛をはかること。1回の追加投与量として、経口剤の場合は1日投与量の1/6量を、注射剤の場合は1/12量を目安として投与すること。この場合、速効性のオピオイド鎮痛剤を使用することが望ましい。なお、本剤0.5mgは経口モルヒネ量15mg/日(注射剤の場合5mg/日)、経口オキシコドン量10mg/日に相当する。
本剤貼付中に痛みが増強した場合や疼痛が管理されている患者で突出痛(一時的にあらわれる強い痛み)が発現した場合には、直ちにオピオイド鎮痛剤の追加投与(レスキュー)により鎮痛をはかること。
1回の追加投与量として、本剤の切り替え前に使用していたオピオイド鎮痛剤が経口剤又は坐剤の場合は1日投与量の1/6量を、注射剤の場合は1/12量を目安として投与すること。この場合、速効性のオピオイド鎮痛剤を使用することが望ましい。
1回の追加投与量として、経口剤の場合は1日投与量の1/6量を、注射剤の場合は1/12量を目安として投与すること。この場合、速効性のオピオイド鎮痛剤を使用することが望ましい。なお、本剤0.5mgは経口モルヒネ量15mg/日(注射剤の場合5mg/日)、経口オキシコドン量10mg/日に相当する。
本剤初回貼付後及び増量後少なくとも2日間は増量を行わないこと。連日の増量を行うことによって呼吸抑制が発現することがある。鎮痛効果が得られるまで患者毎に用量調整を行うこと。鎮痛効果が十分得られない場合は、追加投与(レスキュー)された鎮痛剤の1日投与量及び疼痛程度を考慮し、下記のとおり増量する。なお、本剤の1回の貼付用量が24 mg(7.2mg/日)を超える場合は、他の方法を考慮すること。
本剤を0.5mg(0.15mg/日)、1mg(0.3mg/日)、1.5mg(0.45mg/日)又は2mg(0.6mg/日)ずつ増量する。ただし、0.5mgから増量する場合は1mg、1mgから増量する場合は1.5mg又は2mg、1.5mgから増量する場合は2mg、2.5mg又は3mgに増量する。
本剤初回貼付後、少なくとも至適用量を決定するまでは、0.5mgから1mgへ増量する場合を除き貼付用量の50%を超える増量は行わないこと。以降は、「(1)他のオピオイド鎮痛剤から切り替える場合」に従って増量してもよい。
連用中における急激な減量は、退薬症候があらわれることがあるので行わないこと。副作用等により減量する場合は、十分に観察を行いながら慎重に減量すること。
本剤貼付開始後4週間を経過してもなお期待する効果が得られない場合は、他の適切な治療への変更を検討すること。また、定期的に症状及び効果を確認し、使用の継続の必要性について検討すること。
呼吸抑制を増強するおそれがある。
気管支収縮を起こすおそれがある。
徐脈を助長させるおそれがある。
呼吸抑制を起こすおそれがある。
本剤からのフェンタニル放出量の増加により、薬理作用が増強するおそれがある。,
依存性を生じやすい。,
代謝・排泄が遅延し、副作用があらわれやすくなるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。フェンタニルクエン酸塩注射液において、分娩時の投与により新生児に呼吸抑制、分娩時を含む妊娠中の投与により胎児に徐脈があらわれたとの報告がある。妊娠中のフェンタニル経皮吸収型製剤の使用により、新生児に退薬症候がみられたとの報告がある。動物実験(ラット)で胎児死亡が報告されている1) 。,
授乳中の女性には、本剤使用中は授乳を避けさせること。ヒトで母乳中へ移行することが報告されている2) 。
副作用の発現に注意し、慎重に使用すること。フェンタニルのクリアランスが低下し、血中濃度消失半減期の延長がみられ、若年者に比べ感受性が高いことが示唆されている5) 。
本剤の退薬症候を起こすおそれがある。また、ナルメフェン塩酸塩水和物により本剤の鎮痛作用を減弱させるため、効果を得るために必要な用量が通常用量より多くなるおそれがある。
ナルメフェン塩酸塩水和物のμオピオイド受容体拮抗作用により、本剤に対して競合的に阻害する。
呼吸抑制、低血圧、めまい、口渇及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがあるので、減量するなど慎重に使用すること。
相加的に中枢神経抑制作用が増強する。
セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、錯乱、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクローヌス等)があらわれるおそれがある。
相加的にセロトニン作用が増強するおそれがある。
フェンタニルのAUCの増加、血中半減期の延長が認められたとの報告がある。呼吸抑制等の副作用が発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、慎重に使用すること。
肝CYP3A4に対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
本剤の血中濃度が低下し、治療効果が減弱するおそれがある。必要に応じて本剤の用量調整を行うこと。CYP3A4誘導作用を有する薬剤の中止後、本剤の血中濃度が上昇し、重篤な呼吸抑制等の副作用が発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、慎重に使用すること。
肝CYP3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される。
無呼吸、呼吸困難、呼吸異常、呼吸緩慢、不規則な呼吸、換気低下等があらわれた場合には、使用を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が有効である。,,
意識レベルの低下、意識消失等の意識障害があらわれることがある。
連用中に投与量の急激な減量ないし中止により退薬症候があらわれることがある。また、乱用や誤用により過量投与や死亡に至る可能性があるので、これらを防止するため観察を十分行うこと。,,,,
間代性、大発作型等の痙攣があらわれることがある。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
**精神神経系
傾眠
めまい、頭痛、不眠、譫妄
幻覚、気分変動
健忘、不安、易刺激性、振戦、不快気分、感覚鈍麻、アカシジア、失見当識、構語障害、悪夢、痛覚過敏注4)、アロディニア
循環器
上室性期外収縮
血圧上昇、動悸、心房細動、徐脈
皮膚
貼付部位のそう痒感
そう痒、貼付部位の紅斑
発疹
紅斑、貼付部位の皮膚炎、湿疹、じん麻疹、貼付部位の湿疹
呼吸器
咽頭痛、呼吸困難
過換気、口腔咽頭不快感
**消化器
悪心、嘔吐、便秘
下痢、食欲不振
胃部不快感、腹部膨満感、胃炎、腹痛、味覚異常
腹部不快感、消化不良、口内炎、憩室炎、食道運動障害
肝臓
ALT、AST、γ-GTP、AL-Pの上昇
ビリルビン上昇
腎臓
尿蛋白
排尿困難、BUN上昇
クレアチニン上昇
血液
好中球増加、単球増加、白血球数増加
リンパ球減少、白血球数減少、血小板数増加、好酸球増加
その他
倦怠感、発熱
発汗、しゃっくり、血中カリウム減少
口渇、薬剤離脱症候群、異常感、末梢性浮腫、血中カリウム増加、鼻咽頭炎、悪寒、胸部不快感、高血圧、筋痙縮、耳鳴、挫傷
傾眠(23.9%)、めまい
頭痛、不眠、不安、易刺激性、振戦
不快気分、感覚鈍麻、アカシジア、失見当識、構語障害、悪夢
譫妄、幻覚、気分変動、健忘、痛覚過敏注4)、アロディニア
血圧上昇、動悸、心房細動、上室性期外収縮、徐脈
そう痒、貼付部位の紅斑、貼付部位の皮膚炎
発疹、湿疹、じん麻疹、貼付部位の湿疹
紅斑
呼吸困難、過換気、口腔咽頭不快感
咽頭痛
悪心(21.7%)、嘔吐、便秘、食欲不振
腹部不快感、下痢
消化不良、口内炎、腹痛、憩室炎
胃部不快感、腹部膨満感、胃炎、味覚異常、食道運動障害
AL-P上昇
γ-GTP増加
ALT、AST、ビリルビンの上昇
BUN上昇、クレアチニン上昇
排尿困難
リンパ球減少、白血球数増加、白血球数減少、好酸球増加、好中球増加、単球増加
血小板数増加
薬剤離脱症候群
倦怠感、異常感、口渇、発汗、末梢性浮腫、血中カリウム増加、鼻咽頭炎
血中カリウム減少、悪寒、発熱、胸部不快感、高血圧、筋痙縮、耳鳴、挫傷
しゃっくり
*フェンタニルの過量投与時の症状として、薬理作用の増強により重篤な換気低下を示す。また、フェンタニルの過量投与により白質脳症が認められている。
過量投与時には以下の治療を行うことが望ましい。
成人がん疼痛患者に本剤(2及び4mg)を24時間単回貼付したときのAUC0-24、AUC0-∞及びCmaxの平均値はほぼ貼付用量に比例して増加した。tmax及び製剤剥離後のt1/2は貼付用量間で著明な差はなかった6)。,
貼付用量
tmax(hr)
Cmax(pg/mL)
AUC0-∞(pg・hr/mL)
AUC0-24(pg・hr/mL)
本剤剥離後のt1/2(hr)
2mg(n=6)
20.1±6.1
349±96
15614±5959
4763±1100
27.09±14.14
4mg(n=7)
20.6±5.9
724±553
31126±15917
9316±9856a)
37.76±46.60
平均値±標準偏差a)n=8
成人がん疼痛患者に本剤(2及び4mg)を10回反復貼付(1回24時間)したとき、AUC216-240の平均値はほぼ貼付用量に比例して増加した。製剤剥離後のt1/2は貼付用量間で著明な差はなかった7)。,
AUC216-240(pg・hr/mL)
2mg(n=7)
19961±9222
31.31±9.78
4mg(n=5)
34102±14409
25.73±7.00
平均値±標準偏差
本剤を3日間以上同一用量(1~10mg)で貼付した成人がん疼痛患者において、最終貼付剥離前の血清中フェンタニル濃度は貼付用量に比例して増加することが示唆された(パワーモデル:log(y)=2.46+1.03・log(x))8)。,
成人慢性疼痛患者において、定常状態の血清中フェンタニル濃度は貼付用量(1~18mg)に比例して増加することが示唆された(パワーモデル:log(y)=2.62+1.08・log(x))9)。
[14C]フェンタニルクエン酸塩を含むテープ剤をラット背部皮膚に単回経皮投与したとき、放射能は全身に広く分布し、放射能濃度は投与部位皮膚が最も高く、小腸、大腸、膀胱、肝臓、ハーダー氏腺、胃、腎臓、顎下腺で高濃度であった10)。
妊娠ラットに[3H]フェンタニルを単回皮下投与したとき、胎児内放射能濃度は、母動物の血液中放射能濃度の約1.5~2.0倍高く推移したことが報告されている11)。
分娩時にフェンタニルクエン酸塩を静脈内投与したとき、フェンタニルの乳汁移行が確認されたことが報告されている2)(外国人のデータ)。
ヒト血漿蛋白結合率は89.1%(in vitro、5ng/mL)であった10)。
フェンタニルは肝臓で主に代謝され、その主代謝物はピペリジン環の酸化的N-脱アルキル化により生じるノルフェンタニルである。ヒト肝ミクロゾームを用いた検討により、ノルフェンタニルへの代謝にはCYP3A4が関与していることが報告されている10),12) (ラット、in vitro )。
成人がん疼痛患者に本剤(2及び4mg)を10回反復貼付(1回24時間)したとき、貼付開始後216~240時間(10回目貼付時)の尿中にはフェンタニルが24.88及び60.61μg、ノルフェンタニルは292.36及び550.78μg排泄された〔排泄量(平均値)はいずれもフェンタニルクエン酸塩の換算量として算出〕7) 。
小児がん疼痛患者に本剤(0.5~2mg)を同一用量で3回以上貼付したときの3回目以降の剥離直前の血清中フェンタニル濃度(用量0.5mgに基準化、平均値±標準偏差)は、年齢区分が2~5歳において302.6±307.4pg/mL(3例)、6~14歳において202.7±93.7pg/mL(5例)、15~19歳において122.4±203.6pg/mL(2例)であった3) 。成人がん疼痛患者に本剤(1~8mg)を同一用量で3回貼付したときの最終剥離直前、及び4回以上貼付したときの貼付開始96時間後以降の剥離直前の血清中フェンタニル濃度(用量0.5mgに基準化、平均値±標準偏差:185.5±129.9pg/mL、176例)13) と比較して、年齢区分が6歳以上の小児では成人と同程度であったが、年齢区分が2~5歳の小児では約1.6倍高値を示した。
一定量のモルヒネ製剤(経口モルヒネ換算量として89mg/日以下)又はオキシコドン経口剤(59mg/日以下)が投与され、24時間のVAS値が35mm未満に疼痛がコントロールされている日本人成人がん疼痛患者65例を対象とした第III相非盲検非対照試験において、本剤へ切り替えて7日間同一用量を貼付したときの最終評価時(7回目剥離時又は中止時)の本剤貼付開始前からのVAS値の変化量とその95%信頼区間は0.6mm[-3.4,4.6]であり、95%信頼区間の上限及び下限の絶対値は予め設定された同等性の基準値(15mm以下)の範囲内であった。副作用発現頻度は60.0%(39/65例)であり、主な副作用は下痢10.8%(7/65例)、嘔吐9.2%(6/65例)、便秘及び不眠症が各7.7%(5/65例)、悪心、傾眠及び適用部位そう痒感が各6.2%(4/65例)等であった14)。
前治療オピオイド鎮痛剤
全体
モルヒネ製剤
オキシコドン経口剤
本剤貼付用量
1又は2mg
評価例数
65
13
16
17
19
本剤貼付開始前VAS値(mm)
13.1±9.9
16.5±11.6
11.9±10.7
11.5±8.8
13.3±9.0
最終評価時のVAS値(mm)
13.8±16.4
19.2±17.5
18.6±25.3
7.5±7.7
11.6±9.3
最終評価時のVAS値変化量(mm)
0.6±16.1
2.7±14.9
6.7±27.4
-4.1±6.6
-1.7±7.3
6日間以上一定量のフェンタニル経皮吸収型製剤(3日貼付型製剤)が投与されている日本人成人がん疼痛患者76例を対象とした第II相非盲検非対照試験において、最終評価時(9回目剥離時又は中止時)の有効率及び本剤貼付開始前(フェンタニル経皮吸収型製剤投与期)からの最終評価時のVAS値変化量は下表のとおりであった。副作用発現頻度は39.5%(30/76例)であり、主な副作用は悪心9.2%(7/76例)、傾眠7.9%(6/76例)、嘔吐5.3%(4/76例)等であった15)。
a群
b群
56
43
最終評価時の有効率(有効例数)
83.9%(47)
86.0%(37)
76.9%(10)
本剤貼付開始前(3日間)の平均VAS値(mm)
21.7±19.5
13.8±11.5
49.3±16.6
21.0±20.5
15.0±16.3
40.8±21.3
-0.7±15.1
1.7±13.5
-8.5±17.9
平均値±標準偏差a群:前観察期のVAS値が35mm未満(疼痛管理良好)b群:前観察期のVAS値が35mm以上(疼痛管理不良)
非オピオイド鎮痛剤により十分な除痛が得られないオピオイド鎮痛剤未使用の日本人成人がん疼痛患者208例を対象とした非盲検非対照試験において、本剤0.5mg/日から投与開始し、適宜増減しながら最長14日間投与した。3日間連続で鎮痛改善度注5) が「著明改善」又は「中等度改善」に該当し、かつ当該3日間において治験薬の用量が一定である場合に有効と定義し評価した結果、有効率とその95%信頼区間は87.0%[81.7,91.3]であり、95%信頼区間の下限値が閾値有効率(60%)を上回った。最終評価時の本剤貼付開始前からのVAS値の変化量(平均値±標準偏差)は-34.5±16.6mmであった。副作用発現頻度は44.2%(92/208例)であり、主な副作用は傾眠17.3%(36/208例)、便秘14.9%(31/208例)、悪心12.0%(25/208例)、嘔吐6.7%(14/208例)等であった16)。
オピオイド鎮痛剤(モルヒネ製剤、オキシコドン経口剤又はフェンタニル経皮吸収型製剤)が投与され、疼痛がコントロールされている日本人小児がん疼痛患者11例(2歳~17歳)を対象とした非盲検非対照試験において、本剤0.5、1又は2mgへ切り替えて最長14日間投与した(適宜増減可)。4歳以上の患者で評価した本剤貼付前後のFPS疼痛スコア(平均値±標準偏差)(8例)は、ベースラインが1.3±1.5、最終評価時が0.8±1.5であり、最終評価時のベースラインからのFPS疼痛スコアの変化量(平均値±標準偏差)は-0.5±1.4であった。8歳以上の患者で評価した本剤貼付前後のVAS値(平均値±標準偏差)(5例)は、ベースラインが25.4±26.3mm、最終評価時が10.8±23.0mmであり、最終評価時のベースラインからのVAS値の変化量(平均値±標準偏差)は-14.6±8.3mmであった。本剤の副作用発現頻度は、45.5%(5/11例)であり、主な副作用は、傾眠27.3%(3/11例)、嘔吐及び適用部位そう痒感が各18.2%(2/11例)であった3) 。
オピオイド鎮痛剤[モルヒネ経口剤又はフェンタニル経皮吸収型製剤(3日貼付型製剤)]が投与されている日本人成人慢性疼痛患者286例を対象としたモルヒネ経口剤対照のランダム化二重盲検試験において、「VAS値変化量が+15mm以下」かつ「レスキュー投与回数が1日2回以下であり、投与回数の差が1日あたり1回以下」である患者を疼痛コントロールが達成された患者と定義し評価した結果、本剤の投与開始4週後の疼痛コントロール達成率は86.4%(185/214例)であった。また、モルヒネ経口剤の投与開始4週後の疼痛コントロール達成率は90.1%(64/71例)であった。本剤の副作用発現頻度は60.3%(129/214例)であり、主な副作用は傾眠21.0%(45/214例)、悪心13.6%(29/214例)、便秘11.2%(24/214例)、浮動性めまい8.4%(18/214例)、嘔吐7.5%(16/214例)等であった17)。
オピオイド鎮痛剤[モルヒネ経口剤、フェンタニル経皮吸収型製剤(3日貼付型製剤)又はコデイン経口剤]が投与されている日本人成人慢性疼痛患者154例を対象とした非盲検非対照試験において、最長52週間(第I期:1~4週、第II期:5~52週)投与したときの本剤貼付前後のVAS値平均値は、前観察期終了前3日間が56.7mm、4週後前3日間が51.2mm、52週後が46.9mmであった。第I期の副作用発現頻度は51.3%(79/154例)であり、主な副作用は悪心22.1%(34/154例)、傾眠17.5%(27/154例)、便秘12.3%(19/154例)、嘔吐11.0%(17/154例)等であった。また、通期の副作用発現頻度は75.2%(100/133例)であり、主な副作用は悪心33.1%(44/133例)、便秘30.8%(41/133例)、傾眠28.6%(38/133例)、嘔吐16.5%(22/133例)、倦怠感9.8%(13/133例)、薬剤離脱症候群及び浮動性めまいが各9.0%(12/133例)、適用部位そう痒感及び食欲減退が各8.3%(11/133例)、適用部位紅斑6.8%(9/133例)等であった9)。
フェンタニルはμオピオイド受容体に対して選択的に高い親和性を示すことから、μオピオイド受容体を介して強力な鎮痛作用を示すものと考えられている18),19) 。
フェンタニルクエン酸塩(Fentanyl Citrate)
N-(1-Phenethylpiperidin-4-yl)-N-phenylpropanamide monocitrate
C22H28N2O・C6H8O7
528.59
白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、水又はエタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくい。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
慢性疼痛の診断、治療に精通した医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等についても十分に管理・説明できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられ、それら薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
7枚[(1枚/1袋)×7袋]
1) 久光製薬社内資料. ラットを用いた胚・胎児発生に関する試験(2010年4月16日承認、CTD2.6.6.6).
2) Leuschen MP, et al.: Clin Pharm 1990; 9(5): 336-7.
3) 久光製薬社内資料. 小児がん疼痛患者を対象とした薬物動態試験(2021年8月25日承認、CTD2.7.6.1).
4) 久光製薬社内資料. 特別な患者集団及び状況下における安全性(2021年8月25日承認、CTD2.7.4.5).
5) Bentley JB, et al.: Anesth Analg 1982; 61(12): 968-71.
6) 久光製薬社内資料. 単回貼付試験(2010年4月16日承認、CTD2.7.2.2).
7) 久光製薬社内資料. 反復貼付試験(2010年4月16日承認、CTD2.7.2.2).
8) 久光製薬社内資料. モルヒネ製剤からの切り替え貼付試験(2010年4月16日承認、CTD2.7.2.3).
9) 久光製薬社内資料. 慢性疼痛に対する長期投与試験(2014年6月20日承認、CTD2.7.2.2、2.7.6.2).
10) 久光製薬社内資料. ラットにおける薬物動態試験(2010年4月16日承認、CTD2.6.4.4).
11) 大塚宏之 ほか: 薬理と治療 2001; 29(11): 865-76.
12) Feierman DE et al.: Drug Metab Dispos 1996; 24(9): 932-9.
13) 久光製薬社内資料. 全試験を通しての結果の比較と解析(2021年8月25日承認、CTD2.7.2.3).
14) 久光製薬社内資料. モルヒネ製剤又はオキシコドン経口剤からの切り替え貼付試験(2010年4月16日承認、CTD2.7.6.8).
15) 久光製薬社内資料. フェンタニル経皮吸収型製剤からの切り替え貼付試験(2010年4月16日承認、CTD2.7.6.6).
16) 久光製薬社内資料. オピオイド鎮痛剤未使用のがん疼痛患者に対する試験(2020年6月29日承認、CTD2.7.6.1).
17) 久光製薬社内資料. 慢性疼痛に対する第III相臨床試験(2014年6月20日承認、CTD2.7.6.1).
18) Maguire P, et al.: Eur J Pharmacol 1992; 213(2): 219-25.
19) Raynor K, et al.: Mol Pharmacol 1994; 45(2): 330-4.
20) Brunton LL, et al.: グッドマン・ギルマン薬理書 第11版. 廣川書店; 2007. p.669-728.
21) 久光製薬社内資料. ウサギ歯髄刺激モデルを用いた鎮痛作用(2010年4月16日承認、CTD2.6.2.2).
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