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日本薬局方
ブロチゾラム錠
向精神薬
習慣性医薬品注)
処方箋医薬品注)
不眠症、麻酔前投薬
本剤の用量は、年齢、症状、疾患などを考慮して適宜増減するが、一般に成人には次のように投与する。
1回ブロチゾラムとして0.25mgを就寝前に経口投与する。
手術前夜:1回ブロチゾラムとして0.25mgを就寝前に経口投与する。麻酔前:1回ブロチゾラムとして0.5mgを経口投与する。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない。肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している場合、炭酸ガスナルコーシスを起こすおそれがある。
症状が悪化するおそれがある。
本剤の作用が増強するおそれがある。
代謝・排泄が遅延するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中の投与に関し、次のような報告がある。
授乳を避けさせること。授乳中の投与に関し、次のような報告があり、また新生児の黄疸を増強する可能性がある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。
アルコール(飲酒)
鎮静作用、倦怠感等が増強されるおそれがあるので、アルコールとの服用は避けさせることが望ましい。
本剤とアルコールを併用するとクリアランスの低下及び排泄半減期の延長がみられている。
中枢神経抑制剤
鎮静作用が増強されるおそれがある。
本剤との併用により鎮静作用が増強するおそれがある。
CYP3A4阻害剤
本剤の血中濃度が上昇し、作用の増強及び作用時間の延長が起こるおそれがある。
本剤の代謝酵素であるCYP3A4が、これらの薬剤で阻害される。
モノアミン酸化酵素阻害剤
CYP3A4誘導剤
本剤の血中濃度が低下し、本剤の作用が減弱されるおそれがある。
本剤の代謝酵素であるCYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進される。
AST、ALT、γ-GTP上昇等があらわれることがある。
本剤を投与する場合には少量から開始するなど、慎重に行うこと。なお、十分に覚醒しないまま、車の運転、食事等を行い、その出来事を記憶していないとの報告がある。
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与中止により、不眠、不安等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
呼吸抑制があらわれることが報告されているので、このような場合には気道を確保し、換気をはかるなど適切な処置を行うこと。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
残眠感・眠気、ふらつき、頭重感、めまい、頭痛
不穏、興奮、気分不快、立ちくらみ、いらいら感
せん妄、振戦、幻覚、悪夢
肝臓
AST、ALT、γ-GTP、Al-P、LDHの上昇
循環器
軽度の脈拍数増加
消化器
嘔気、悪心、口渇、食欲不振
下痢
過敏症
発疹
紅斑
骨格筋
だるさ、倦怠感
下肢痙攣
その他
発熱、貧血
尿失禁、味覚異常
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。
ラットの雄で臨床用量の約40,000倍(200mg/kg/日)を2年間投与した試験において、甲状腺での腫瘍発生頻度が対照群に比べ高いとの報告がある1)。
健康成人に経口投与した場合、速やかに吸収され約1.5時間で最高血漿中濃度に達する。血漿中濃度消失半減期は約7時間である2)。
経口投与した場合、速やかに全身に分布し、その濃度は消化管、肝臓、副腎、腎臓及び甲状腺で高い(ラット)3)。血液-脳関門及び胎盤を通過する。乳汁中濃度は血中濃度にほぼ平行して推移する(ラット)4)。
ブロチゾラムは主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される5)。健康成人に経口投与した場合、主代謝産物はメチル基の水酸化体及びジアゼピン環の水酸化体である6)(外国人データ)。
健康成人に経口投与した場合、ブロチゾラムは96時間までに尿中に64.9%、糞中に21.6%が排泄される6)(外国人データ)。
不眠症及び麻酔前投薬(手術前夜あるいは麻酔前)を対象とした二重盲検比較試験の結果、本剤の有用性が認められた7),8),9),10),11),12)。これらの二重盲検比較試験を含む国内延べ191施設、総計1,723例について実施された臨床試験成績は次のとおりであった。
投与対象
有効例数/効果判定例数
有効率(有効以上)
不眠症
712/1,103
64.6%
麻酔前投薬
手術前夜
219/345
63.5%
麻酔前
130/222
58.6%
計
1,061/1,670
二重盲検試験及び一般臨床試験(初期臨床試験、用量検討及び予備臨床試験を含む)における副作用発現頻度は、12.6%(215/1,701例)であり、主な副作用は、残眠感・ねむけ7.8%(133/1,701例)、ふらつき2.9%(50/1,701例)、頭重感2.8%(47/1,701例)、だるさ2.7%(46/1,701例)であった。
中枢神経系の代表的抑制性伝達物質であるGABAを介して情動をつかさどる視床下部や大脳辺縁系を抑制する(ラット)13)。その結果、自律神経系その他の部位からの余剰刺激は遮断され、催眠、鎮静、抗不安等の中枢神経作用を示す。ジアゼパム、ニトラゼパム等既存のベンゾジアゼピン系薬剤と共通した薬理活性スペクトラムを示すが、催眠、抗不安、抗痙攣作用は強く、筋弛緩作用は比較的弱い(マウス、ラット、ネコ)14),15),16)。
低用量から催眠作用を示し、睡眠延長作用が認められる(ネコ、マウス)14),15)。また、レム睡眠には影響を与えない(ネコ)14)。
脳波は傾眠パターンとなり、また中脳網様体あるいは視床下部後部刺激による脳波覚醒反応も抑制される(ウサギ)15)。
健康成人に経口投与した場合、催眠作用は15~30分より発現し、7~8時間で消失する17)。
健康成人に経口投与した場合、脳波上入眠時間の短縮と中途覚醒時間の減少が認められている。睡眠の各段階において徐波睡眠及びレム睡眠にほとんど影響を与えない18),19)。また、神経症及び精神生理学的不眠症の患者に経口投与した場合、入眠を改善し、中途覚醒を減少させ、徐波睡眠を増加させることが認められている20)。
ブロチゾラム(JAN)(Brotizolam(JAN))
2-bromo-4-(2-chlorophenyl)-9-methyl-6H-thieno[3,2-f][1,2,4]triazolo[4,3-a][1,4]diazepine
C15H10BrClN4S
393.69
白色~微黄色の結晶性の粉末。メタノールにやや溶けにくく、アセトニトリル又はエタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
208~212℃
1.01×104(pH7.0、クロロホルム/水)
アルミピロー開封後は、湿気を避け、遮光して保存すること。
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]1000錠[10錠(PTP)×100、乾燥剤入り]
1) Hewett C et al:Arzneimittelforschung. 1986: 36:592-596
2) 社内資料: 河野恒文ほか:生物学的利用率比較試験
3) 吉田 剛ほか:薬理と治療 1985:13:3333
4) Bechtel W.D. et al.:Br J Clin Pharmacol. 1983:16 (Suppl. 2):261s
5) Senda C et al:Xenobiotica. 1997: 27(9):913
6) Bechtel W D:Br J Clin Pharmacol. 1983: 16(Suppl. 2):279S
7) 筒井末春ほか:医学のあゆみ. 1984: 131:412
8) 村田忠良ほか:臨床精神医学. 1985: 14:121
9) 工藤義雄ほか:医学のあゆみ. 1985: 134:494
10) 稲永和豊ほか:薬理と治療. 1984: 12:5111
11) 山村秀夫ほか:臨牀と研究. 1985: 62:1924
12) 吉武潤一ほか:Therapeutic Research. 1984: 1:829
13) Ishiko J.et al:Neuropharmacology. 1983: 22:221
14) Kuhn F J et al:Br J Clin Pharmacol. 1983: 16(Suppl. 2):253S
15) Kimishima K et al:Jpn J Pharmacol. 1984: 36:461-475
16) Ueki S et al:Jpn J Pharmacol. 1984 : 35:287-299
17) 花岡一雄ほか:臨床薬理. 1983: 14:365-377
18) 大川敏彦ほか:臨床精神医学. 1984: 13:749
19) Nicholson A N et al:Br J Clin Pharmacol.1980: 10:75
20) 金 英道ほか:臨床精神医学. 1991: 20:55
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本剤は厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、投薬量は1回30日分を限度とされている。
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