当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあり、また突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されているので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、本剤服用中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。,
パーキンソン病
通常、成人にはプラミペキソール塩酸塩水和物として1日量0.375mg1日1回食後経口投与からはじめ、2週目に1日量を0.75mgとし、以後経過を観察しながら、1週間毎に1日量として0.75mgずつ増量し、維持量(標準1日量1.5~4.5mg1日1回食後経口投与)を定める。なお、年齢、症状により適宜増減ができるが、1日量は4.5mgを超えないこと。
クレアチニンクリアランス(mL/min)
投与法
初回投与量
最大1日量
クレアチニンクリアランス≧50
1日1回投与
0.375mg×1回/日
4.5mg(4.5mg×1回)
50>クレアチニンクリアランス≧30
治療開始1週間は隔日投与、その後は1日1回投与
0.375mg×1回を隔日投与
2.25mg(2.25mg×1回)
症状が増悪又は発現しやすくなることがある。,
起立性低血圧等の副作用が発現しやすくなるおそれがある。
症状が悪化することがある。,
副作用が発現しやすくなるおそれがある。,
投与しないこと。プラミペキソール塩酸塩水和物を投与する場合は、状態を観察しながら速放錠である「プラミペキソール塩酸塩錠」を慎重に投与すること。副作用が発現しやすくなるおそれがある。,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物(ラット)を用いた生殖発生毒性試験で、以下のことが認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトにおいてプロラクチン分泌を抑制することが報告されており、乳汁分泌を抑制する可能性がある。なお、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている。
小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。
カチオン輸送系を介して腎排泄される薬剤
ジスキネジア、幻覚等の副作用が増強することがある。このような場合には、本剤を減量すること。
カチオン輸送系を介して腎排泄される薬剤との併用により、双方あるいはいずれかの薬剤の腎尿細管分泌が減少し、腎クリアランスが低下することがある1),2)。
鎮静剤アルコール
作用が増強するおそれがある。
機序は明らかではないが、本剤との併用により作用増強の可能性が考えられる。
ドパミン拮抗剤
本剤の作用が減弱するおそれがある。
本剤はドパミン作動薬であり、併用により両薬剤の作用が拮抗するおそれがある。
抗パーキンソン剤
ジスキネジア、幻覚、錯乱等の副作用が増強することがある。
相互に作用が増強することがある。
前兆のない突発的睡眠があらわれることがある。,
幻覚(主に幻視)、妄想、せん妄、錯乱、激越があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するとともに、必要に応じて抗精神病薬を使用するなどの適切な処置を行うこと。,
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
本剤の急激な減量又は中止により、悪性症候群があらわれることがある。観察を十分に行い、発熱、意識障害、無動無言、高度の筋硬直、不随意運動、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗、血清CKの上昇等があらわれた場合には悪性症候群の症状である可能性があるため、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
AST、ALT、LDH、γ-GTP、総ビリルビン上昇等の肝機能障害があらわれることがある。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
過敏症状
皮膚
そう痒症、発疹、多汗、脱毛症、アレルギー性皮膚炎
蕁麻疹、網状皮斑
筋・骨格系
筋痙縮、背部痛、筋肉疲労、筋力低下、筋骨格硬直
腰痛、CK上昇
中枢・末梢神経系
傾眠(27.2%)、浮動性めまい(6.4%)
平衡障害、注意力障害、頭痛、過眠症、嗜眠、記憶障害、錯感覚、鎮静、振戦、ジスキネジア、オンオフ現象、回転性めまい、体位性めまい、パーキンソニズムの増悪、ジストニア、失神、味覚消失、異常感覚
めまい、緊張亢進、舌麻痺、運動過多、ミオクローヌス、声が出にくい、知覚減退
自律神経系
口内乾燥、起立性低血圧、高血圧
唾液増加
感覚器
霧視、視覚障害、複視、羞明、眼精疲労
苦味、眼のちらつき、視力低下
精神神経系
不眠、悪夢、不安、強迫性購買、錯覚、パニック発作、病的賭博、食欲亢進、食欲不振、早朝覚醒、過食(体重増加)、攻撃性、自殺念慮
薬剤離脱症候群注)(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛等)、神経過敏、気分高揚感、徘徊、暴食、健忘、異夢、病的性欲亢進、不穏、抑うつ気分、気分変動、性欲減退、失見当識、ねぼけ様症状
消化管
悪心(13.7%)
便秘、腹部不快感、腹痛、消化不良、胃炎、嘔吐、体重減少、上腹部痛、腹部膨満、おくび、口内炎
胃潰瘍、鼓腸放屁、イレウス
肝臓
γ-GTP上昇
内分泌
プロラクチン低下、成長ホルモン上昇
代謝
脱水
血糖値上昇
循環器
低血圧、動悸、心室性期外収縮
房室性期外収縮、心拍不整
泌尿器系
尿閉、勃起不全
尿蛋白陽性、排尿頻回
一般的全身障害
末梢性浮腫(6.0%)
倦怠感、不快感、易刺激性、転倒、ほてり、口渇
手がピリピリする、疲労感、脱力感、胸痛
呼吸器
しゃっくり
呼吸困難
肺炎
**生殖系
自発陰茎勃起
悪心、嘔吐、過度の鎮静、運動過多、幻覚、激越、低血圧等の症状を発現する可能性がある。
精神症状が見られた場合には、抗精神病薬の投与を考慮する。なお、血液透析による除去は期待できない。
ヒトにおいて本剤を含む抗パーキンソン剤と網膜変性との関連性は認められなかったとの報告がある。
ラットのがん原性試験(24ヶ月間混餌投与)において、2mg/kg/日以上の投与量で網膜変性の増加が報告されている。
健康成人に本剤(LA錠)0.375mg、0.75mg、1.5mgを1日1回又は速放錠(IR錠)0.125mg、0.5mgを1日3回(8-8-8時間間隔)5日間食後反復経口投与したときの血漿中未変化体濃度推移を次図で示す。LA錠は投与24時間後まで、IR錠は投与8時間後までの推移を検討した。LA錠投与時の血漿中濃度推移曲線は用量間で形状が類似しており、また、用量依存的な曝露の増加が認められた。同一の1日用量のIR錠投与後の結果と比較すると、LA錠投与後のtmax,ssは遅く、Cmax,ssはやや高く、Cmin,ssはやや低かった。定常状態のAUC0-24及びAe0-24の統計的評価において両製剤の曝露量は生物学的に同等であると判断された3)。
レボドパ併用パーキンソン病患者にLA錠0.375mg~4.5mg/日又はIR錠0.25mg~4.5mg/日を食後反復経口投与したときの定常状態におけるトラフ時の血漿中未変化体濃度を次図で示す。LA錠投与後の血漿中濃度は用量依存的に上昇した。同一の1日用量のLA錠又はIR錠を投与したとき(1.5mg、3.0mg、4.5mg/日)の定常状態におけるトラフ時の血漿中濃度は、ほぼ同程度であった4)。
日本人を含む早期パーキンソン病患者を対象とした国際共同試験から得られたデータ(146例)を用いて母集団薬物動態解析を行った。この結果から、クレアチニンクリアランス及び体重が薬物動態に影響を与える因子であることが示された。クレアチニンクリアランスが80mL/minから30mL/minに低下すると経口クリアランスは約53%低下するという結果が得られた5)。,,
日本人健康成人を対象として実施したLA錠0.375mgとLA錠1.5mgの生物学的同等性試験において、定常状態におけるLA錠1.5mgに対する食事の影響を検討した。その結果、AUC及びCmaxに関して、食事の影響は認められなかった。tmaxは食後投与で6時間、空腹時投与後で4時間であった6)。
ヒト血清蛋白結合率は17~26%であった(in vitro)7)。
健康成人に14C-プラミペキソール塩酸塩水和物0.3mgを経口投与したとき、血漿中及び尿中には大部分が未変化体として存在する。また、投与後96時間までに87.6%が尿中に、1.6%が糞中に排泄された。本剤は尿中排泄が主排泄経路と考えられた8) (外国人のデータ)。
早期パーキンソン病患者523例(日本人81例)を対象とした国際共同二重盲検比較試験において、本剤(0.375mg/日より漸増)、速放錠(IR錠)又はプラセボを33週間経口投与した時、本剤はプラセボと比較しUPDRS(Unified Parkinson's Disease Rating Scale)PartⅡ(日常生活動作)及びPartⅢ(運動能力検査)合計スコアを有意に改善した。また、本剤のスコアの改善はIR錠に比較し劣らないことが示された。また、日本人集団でも全体の成績と比較して一貫性がみられた9)。
投与対象
投与群a)
症例数
ベースライン(SD)
33週後平均値(SD)
変化量の調整平均b)
vs PLAC優越性
vs PPX-IR非劣性c)[95%CI]
早期パーキンソン病患者/レボドパ非併用
PPX-LA
213
30.0(13.1)
20.4(13.0)
-8.6
p=0.0001
[-1.7~2.2]
PPX-IR
207
28.9(11.9)
19.4(11.6)
-8.8
p<0.0001
-
PLAC
103
29.0(15.0)
24.6(15.3)
-3.8
35
28.5(13.3)
15.8(13.1)
-12.5
32
29.1(9.9)
18.8(10.9)
-9.8
14
21.3(7.9)
16.1(8.5)
-6.9
a)投与群PPX-LA:プラミペキソール塩酸塩水和物徐放錠、PPX-IR:プラミペキソール塩酸塩水和物速放錠、PLAC:プラセボb)調整平均、95%信頼区間、群間検定は投与群と実施国を因子、ベースライン値を共変量としたANCOVAにより算出した。c)非劣性マージンは3.0とし、95%信頼区間の上限が3.0を含まないとき非劣性とした。
本剤での副作用発現割合は63.2%(141/223例)で、主な副作用は傾眠34.1%(76/223例)、悪心18.8%(42/223例)、浮動性めまい8.1%(18/223例)、便秘6.7%(15/223例)、口内乾燥5.4%(12/223例)であった。
進行期パーキンソン病患者507例を対象とした国際共同二重盲検比較試験において、本剤(0.375mg/日より漸増)、IR錠又はプラセボを33週間経口投与した時、本剤はプラセボと比較しUPDRS PartⅡ+PartⅢ合計スコアを有意に改善した。また、本剤のスコアの改善はIR錠と同様であった10)。
18週後平均値(SD)
進行期パーキンソン病患者/レボドパ併用
161
41.7(17.7)
29.5(17.3)
-11.0
172
40.8(17.4)
27.2(16.4)
-12.8
174
40.0(18.1)
33.2(17.4)
-6.1
a)投与群PPX-LA:プラミペキソール塩酸塩水和物徐放錠、PPX-IR:プラミペキソール塩酸塩水和物速放錠、PLAC:プラセボb)調整平均、群間検定は投与群と実施国を因子、ベースライン値を共変量としたANCOVAにより算出した。
本剤での副作用発現割合は37.8%(62/164例)で、主な副作用はジスキネジア13.4%(22/164例)、傾眠9.1%(15/164例)、悪心8.5%(14/164例)、幻覚4.9%(8/164例)であった。
レボドパ併用パーキンソン病患者112例を対象とした二重盲検比較試験において、本剤(0.375mg/日より漸増)、又はIR錠を64週間経口投与した時、本剤はIR錠と同様にUPDRS PartⅡ+PartⅢ合計スコアを改善した4)。
12週後平均値(SD)
レボドパ併用パーキンソン病患者
56
33.6(12.5)
19.7(13.0)
-13.6
31.5(13.0)
18.5(13.2)
-13.3
a)投与群PPX-LA:プラミペキソール塩酸塩水和物徐放錠、PPX-IR:プラミペキソール塩酸塩水和物速放錠b)調整平均は投与群を因子、ベースライン値を共変量としたANCOVAにより算出した。
また、本試験の用量調整期(13週から16週)において、次表に示す1日用量レベルでLA錠又はIR錠からLA錠への切り替え成功例(UPDRS PartⅡ+PartⅢ合計スコアがベースラインから15%超悪化せず、副作用による中止なし)は、IR錠からLA錠では83.0%(44/53例)、LA錠からLA錠では78.4%(40/51例)であった4)。
二重盲検期(切り替え前)
非盲検期(切り替え後)
1日用量レベル
1
0.25mg
0.375mg
2
0.5mg
3
1.0mg
0.75mg
4
1.5mg
5
2.0mg
2.25mg
6
2.5mg
3.0mg
7
3.75mg
8
3.5mg
4.5mg
9
本剤での副作用発現割合は60.7%(34/56例)で、主な副作用は傾眠23.2%(13/56例)、幻視10.7%(6/56例)、ジスキネジア10.7%(6/56例)、悪心10.7%(6/56例)であった。
本剤はドパミンD2受容体ファミリー(D2、D3、D4)に対し強い親和性を示した11)。D1及びD5受容体に対する親和性は示さなかった12)。
MPTP(1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine)誘発ヘミパーキンソン病モデル動物において、線条体シナプス後膜ドパミンD2受容体刺激作用により障害側とは反対側への回転行動を誘発した(アカゲザル)13)。また、ハロペリドール誘発カタレプシー症状の改善作用を示した(ラット)14)。
MPTP誘発パーキンソン病様症状をメシル酸ブロモクリプチンより低用量で改善した(アカゲザル)15)。
レセルピン誘発無動・固縮症状の改善作用を示した。これらの改善作用はレボドパとの併用により増強することが認められた(マウス)15)。
プラミペキソール塩酸塩水和物(Pramipexole Hydrochloride Hydrate(JAN)、Pramipexole(INN))(JAN)
(S)-2-Amino-4,5,6,7-tetrahydro-6-propylaminobenzothiazole dihydrochloride monohydrate
C10H17N3S・2HCl・H2O
302.26
白色の結晶又は結晶性の粉末。水に極めて溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくい。
約290℃(分解)
log D=-0.2(l-オクタノール/0.067mol/L リン酸塩緩衝液、pH7.4、20℃)
100錠[10錠(PTP)×10]
1) Wright C. E. et al: 相互作用に関する試験(2003年12月2日承認、申請資料概要ト.3.(6).3))
2) Yamamura N. et al: 相互作用に関する試験(2003年12月2日承認、申請資料概要ヘ.3.(2))
3) Sha K. et al: 健康成人での薬物動態試験(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.4)
4) Sha K. et al: 国内二重盲検比較試験(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.8)
5) Dansirikul C. et al: 母集団薬物動態解析(2011年4月22日承認、CTD 2.7.2.2.4)
6) Sha K. et al: 生物学的同等性試験(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.12)
7) Yokoyama K. et al:薬物動態. 1999; 14(4):300-308
8) Haeselbarth V. et al: 代謝、排泄に関する試験(2003年12月2日承認、申請資料概要ヘ.3.(1))
9) Salin L. et al: 日本人を含む国際共同試験(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.6)
10) Salin L. et al: 海外国際共同試験(2011年4月22日承認、CTD 2.7.6.7)
11) Mierau J. et al:Eur. J. Pharmacol., 1995; 290:29-36
12) Mierau J.:Clin. Neuropharmacol., 1995; 18:S195-S206
13) Domino E. F. et al:Eur. J. Pharmacol., 1997; 325:137-144
14) Bauer R. et al: 薬効薬理試験(2003年12月2日承認、申請資料概要添付資料ホ-1)
15) Takeuchi S. et al:医学と薬学. 2003; 49(6):973-983
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社DIセンター
〒141-6017 東京都品川区大崎2丁目1番1号ThinkPark Tower
0120-189-779〈受付時間〉9:00~18:00(土・日・祝日・弊社休業日を除く)
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
東京都品川区大崎2丁目1番1号
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.