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処方箋医薬品注)
下記疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解
本剤は慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)及び気管支喘息の維持療法に用いること。本剤は急性症状の軽減を目的とした薬剤ではない。
吸入ステロイド剤等により症状の改善が得られない場合、あるいは患者の重症度から吸入ステロイド剤等との併用による治療が適切と判断された場合にのみ、本剤と吸入ステロイド剤等を併用して使用すること。
通常、成人にはスピリーバ2.5μgレスピマット1回2吸入(チオトロピウムとして5μg)を1日1回吸入投与する。
通常、成人にはスピリーバ1.25μgレスピマット1回2吸入(チオトロピウムとして2.5μg)を1日1回吸入投与する。なお、症状・重症度に応じて、スピリーバ2.5μgレスピマット1回2吸入(チオトロピウムとして5μg)を1日1回吸入投与する。
心不全、心房細動、期外収縮が発現することがある。
排尿障害が発現するおそれがある。
血中濃度の上昇がみられる。本剤は腎排泄型である。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児に移行することが認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
副作用の発現に注意すること。一般に腎クリアランス等の生理機能が低下しており、血中濃度が上昇するおそれがある。また、チオトロピウム粉末吸入剤の臨床試験で口渇は高齢者でより高い発現率が認められている。
視力低下、眼痛、頭痛、眼の充血等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。,
アナフィラキシー(じん麻疹、血管浮腫、呼吸困難等)が発現することがある。
1%以上
1%未満
頻度不明
眼
霧視、眼圧上昇
皮膚
発疹、そう痒、じん麻疹
脱毛
中枢神経系
浮動性めまい
不眠
感覚器
味覚倒錯、嗅覚錯誤
消化器
口渇(1.9%)
便秘、消化不良、口内炎、舌炎
代謝
高尿酸血症
循環器
動悸、上室性頻脈
頻脈
血液
好酸球増多、白血球減少
呼吸器
咽喉刺激感、嗄声
咳嗽、呼吸困難、喘鳴、鼻出血、咽頭炎
泌尿器
血尿、排尿障害、夜間頻尿、クレアチニン上昇、腎機能異常、尿閉
一般的全身障害
過敏症(血管浮腫を含む)
本剤を高用量投与した場合、抗コリン作動性の徴候及び症状が発現する可能性がある。なお、本剤の経口投与後の生物学的利用率は低いので、経口摂取による急性中毒の発現の可能性は低いと考えられる。
患者には専用の吸入用器具レスピマットⓇ及び使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。
本剤と短時間作用型抗コリン性気管支拡張剤(イプラトロピウム臭化物水和物、オキシトロピウム臭化物等)との併用に関しては、臨床試験成績はなく、併用による有効性及び安全性は確立していないことから、併用は推奨できない。
チオトロピウム臭化物は本剤を吸入投与後5分で最高血漿中濃度に到達した1)(外国人データ)。定常状態における、日本人慢性閉塞性肺疾患患者の本剤5μg吸入投与10分後の血漿中濃度は17.1pg/mLであり、トラフ濃度は2.00pg/mL、AUCτ,ssは94.3pg・h/mL、AUC0-4,ssは30.4pg・h/mLであった2)。定常状態において、喘息患者に本剤5μgを吸入投与したとき、チオトロピウムは吸入投与5分後に最高血漿中濃度5.15pg/mLに到達した4)(外国人データ)。
健康成人に本剤を吸入投与したとき、投与量の33%が全身循環血中に吸収されることが尿中排泄データから示された1),3)。チオトロピウムは4級アンモニウム化合物のため経口投与後に消化管からはほとんど吸収されず、溶液で経口投与されたチオトロピウムのバイオアベイラビリティは2-3%であった3)。なお、AUC及び尿中排泄量のチオトロピウム粉末吸入剤18μg投与時に対する本剤5μg投与時の比の90%信頼区間は生物学的同等性の基準の80-125%の範囲内であった2)。
血漿蛋白との結合率(in vitro試験)は72%で5)、分布容積は32L/kgであった3)(外国人データ)。14C-チオトロピウム10mg/kgを気管内投与注)した場合、肺、消化管のほかに肝臓、腎臓、膵臓に高い放射能濃度が認められたが、脳には移行しなかった6),7)(ラット)。また、乳汁中に移行した8)(ラット)。注)本剤の承認された用法及び用量は、慢性閉塞性肺疾患では、通常、成人にはチオトロピウムとして5μg、気管支喘息では、通常、成人にはチオトロピウムとして2.5μg、症状・重症度に応じてチオトロピウムとして5μgを1日1回吸入投与である。
健康成人にチオトロピウム14.4μgを静脈内投与注)したとき、尿中未変化体排泄率は投与量の74%であり、チオトロピウムの代謝はわずかであった3)。エステル化合物であるチオトロピウム臭化物は、非酵素的にエステル結合が加水分解され、N-メチルスコピン及びジチニールグリコール酸の生成がみられた9)。これらの代謝物はムスカリン受容体に親和性を示さなかった10)。また、ヒト肝ミクロソーム及びヒト肝細胞を用いた試験でチトクロームP-450によって酸化された代謝物及びそのグルタチオン抱合体がわずかにみられた11),12)。この代謝はCYP2D6及び3A4の阻害薬により抑制されたことから、チオトロピウムの消失のごく一部にCYP2D6及び3A4が関与していると考えられた11)。チオトロピウムは治療濃度以上であっても、CYP1A1、1A2、2B6、2C9、2C19、2D6、2E1及び3Aのいずれの活性に対しても影響を与えなかった13)(外国人データ)。注)本剤の承認された用法及び用量は、慢性閉塞性肺疾患では、通常、成人にはチオトロピウムとして5μg、気管支喘息では、通常、成人にはチオトロピウムとして2.5μg、症状・重症度に応じてチオトロピウムとして5μgを1日1回吸入投与である。
定常状態における、日本人慢性閉塞性肺疾患患者の本剤5μg吸入投与後4時間までの尿中排泄量は0.342μg、尿中未変化体排泄率は6.84%であった2)。健康成人及び慢性閉塞性肺疾患患者に粉末吸入剤吸入投与後の終末相における尿中未変化体排泄速度から算出した消失半減期は5~6日であった3),14)(外国人データ)。健康成人にチオトロピウムを静脈内投与注)したとき、全身クリアランスは880mL/minで3)、尿中未変化体排泄率は74%であった3)(外国人データ)。本剤吸入投与後の尿中排泄率は20.1-29.4%であった1)(外国人データ)。喘息患者での累積係数から算出した半減期は34時間であった4)。また、本剤5μg投与後の定常状態時の投与24時間までの尿中未変化体排泄率は11.9%であった4)(外国人データ)。腎クリアランス値がクレアチニンクリアランス値より大きいことから3),14)、チオトロピウム臭化物の尿中への分泌が示唆された。慢性閉塞性肺疾患患者及び喘息患者に1日1回本剤を連続投与すると、7日目に定常状態に達し、蓄積はみられなかった4),15)(外国人データ)。注)本剤の承認された用法及び用量は、慢性閉塞性肺疾患では、通常、成人にはチオトロピウムとして5μg、気管支喘息では、通常、成人にはチオトロピウムとして2.5μg、症状・重症度に応じてチオトロピウムとして5μgを1日1回吸入投与である。
他の腎排泄型の薬剤と同様、腎機能低下患者においては、チオトロピウムの静脈内投与注)16)及び粉末吸入剤吸入投与17)後の血漿中未変化体濃度は上昇し、腎クリアランスは低下した(外国人データ)。軽度の腎機能低下患者(クレアチニンクリアランスが50~80mL/minの患者)において、チオトロピウム4.8μgを静脈内投与注)後のAUC0-4hは健康成人に比較して39%高い値を示した16)(外国人データ)。また、高度あるいは中等度の腎機能低下患者(クレアチニンクリアランスが50mL/min未満の患者)においては血漿中未変化体濃度は約2倍高い値を示した(AUC0-4hは82%高かった)16)(外国人データ)。健康成人及び腎機能低下患者における薬物動態パラメータは以下のとおりであった16)(外国人データ)。
例数
クレアチニンクリアランス(mL/min)
Cmax(pg/mL)
AUC0-4h(pg・hr/mL)
総尿中未変化体排泄率(% of dose)
腎クリアランス(mL/min)
健康成人
6
>80
147(103~186)
55.5(43.2~69.4)
60.1(44.8~76.5)
435(348~497)
腎機能低下患者
5
50~80
200(129~287)
77.1(60.9~105)
59.3(49.7~74.0)
246(150~341)
7
30~50
223(162~314)
101(69.4~156)
39.9(25.9~65.3)
124(98.3~171)
<30
223(176~269)
108(76.3~145)
37.4(34.2~41.7)
85.7(68.4~128)
幾何平均値表中括弧内の数値は範囲を示す。
腎機能が軽度低下している喘息患者(クレアチニンクリアランスが50~80mL/minの患者、海外)においては、腎機能が正常な喘息患者と比較して、チオトロピウムの曝露量の増加は認められなかった4)(外国人データ)。注)本剤の承認された用法及び用量は、慢性閉塞性肺疾患では、通常、成人にはチオトロピウムとして5μg、気管支喘息では、通常、成人にはチオトロピウムとして2.5μg、症状・重症度に応じてチオトロピウムとして5μgを1日1回吸入投与である。
高齢者に粉末吸入剤を吸入投与したとき、チオトロピウムの腎クリアランスは低下した(腎クリアランスは58歳以下の慢性閉塞性肺疾患患者で326mL/min、69歳以上の慢性閉塞性肺疾患患者で163mL/min)が、これは加齢に伴う腎機能の低下によるものと考えられた14)(外国人データ)。若年健康成人(平均年齢32.1歳)にチオトロピウム粉末吸入剤を吸入投与したときの尿中未変化体排泄率は14%であった2)が、慢性閉塞性肺疾患患者(平均年齢63.8歳)にチオトロピウム粉末吸入剤を吸入投与したときの尿中未変化体排泄率は7%であり17)、若年健康成人に比較して低い値であった(外国人データ)。一方、高齢者にチオトロピウム粉末吸入剤を1日1回反復吸入投与後のAUC0-4hは非高齢者(海外)に比較して43%高い値を示した。非高齢者及び高齢者における薬物動態パラメータは以下のとおりであり、個体間変動を考慮すると、血漿中未変化体濃度に加齢による大きな差はないと考えられた14)(外国人データ)。
投与後5分の血漿中未変化体濃度(pg/mL)
投与後4時間までの尿中未変化体排泄率(% of dose)
非高齢者(45~58歳)
12
9.63(2.50~47.5)
18.2(10.0~61.7)
1.97(0.45~5.67)
326(117~724)
高齢者(69~80歳)
13
15.3(5.60~34.8)
26.1(10.5~56.0)
1.42(0.215~4.51)
163(20.5~477)
喘息患者では、本剤吸入投与後のチオトロピウムの曝露量に年齢による差は認められなかった4)(外国人データ)。
慢性閉塞性肺疾患患者147例を対象に本剤5μgとチオトロピウム粉末吸入剤18μgとの二重盲検クロスオーバー試験を国内で実施した。その結果、本剤5μgのチオトロピウム粉末吸入剤18μgに対する非劣性が検証された(p<0.001)18)。
薬剤
症例数
平均値(SE)
95%CI
P値(非劣性)
Tio R 5
134
0.109(0.006)
0.097-0.120
Tio HH 18
0.101(0.006)
0.089-0.113
Tio R 5-Tio HH 18
0.008(0.009)
-0.009-0.024
<0.001
注)第1期と第2期のFEV1のベースライン値と投与後の値があるものを有効性の主解析集団とした。
副作用は147例中4例(2.7%)に認められ、口渇、心室性期外収縮、咽喉頭疼痛、末梢性浮腫が各1例(各0.7%)であった。
慢性閉塞性肺疾患患者983例(本剤1日1回5μg吸入投与332例)を対象とした1年投与二重盲検比較試験により、肺機能検査値及び生活の質(QOL)について検討した19)。
FEV1投与前値(L)平均値±SD
トラフFEV1変化量(L)平均値±SE
P値(分散分析)
326
1.049±0.370
0.097±0.013
P<0.0001
プラセボ
296
1.085±0.373
-0.046±0.014
慢性閉塞性肺疾患患者1,007例(本剤1日1回5μg吸入投与338例)を対象とした1年投与二重盲検比較試験により、肺機能検査値及び生活の質(QOL)について検討した20)。また、呼吸困難及び急性増悪については、海外第Ⅲ相臨床試験(1年投与)の2試験の併合データで検討した21)。
324
1.087±0.420
0.077±0.012
307
1.049±0.397
-0.036±0.012
慢性閉塞性肺疾患患者361例(本剤1日1回5μg吸入投与88例)を対象とした12週投与二重盲検比較試験により、肺機能検査値を検討した22)。
87
1.244±0.395
0.003±0.026
P=0.003
85
1.146±0.367
0.112±0.026
n.s.
イプラトロピウム
84
1.248±0.401
0.066±0.026
慢性閉塞性肺疾患患者358例(本剤1日1回5μg吸入投与92例)を対象とした12週投与二重盲検比較試験により、肺機能検査値を検討した23)。
1.130±0.426
-0.030±0.021
90
0.995±0.417
0.094±0.020
P=0.005
86
0.957±0.409
0.014±0.020
高用量のICS+LABAの治療下でも症状が持続する重症持続型喘息患者459例(日本人27例)を対象とした国際共同二重盲検比較試験(205.416試験、本剤5μg又はプラセボを1日1回、48週吸入投与)において、237例(日本人13例)に本剤5μgを投与した時の肺機能検査値に対する成績は下表のとおりであった24)。副作用は本剤5μgが投与された237例中13例(5.5%)に認められ、主な副作用は口渇4例(1.7%)であった。
ベースライン(L)
投与24週後(L)
変化量(L)
プラセボ群との差(L)[95%信頼区間]a)、p値a) b)
ピークFEV1
1.596±0.546(237)
2.048±0.663(217)
0.444±0.426(217)
0.086[0.020,0.152]p=0.0110
1.558±0.537(222)
1.899±0.670(211)
0.351±0.372(211)
トラフFEV1
1.793±0.599(217)
0.189±0.366(217)
0.088[0.027,0.149]p=0.0050
1.656±0.613(211)
0.107±0.333(211)
平均値±SD(例数)a)投与群、実施医療機関、Visit、投与群とVisitの交互作用、ベースライン値、ベースライン値とVisitの交互作用を固定効果、被験者を変量効果とし、被験者内でspatial power共分散構造を仮定した反復測定混合モデル。b)投与24週後のピークFEV1におけるTio R 5群とプラセボ群、投与24週後のトラフFEV1におけるTio R 5群とプラセボ群、48週間の投与期間中の最初の重度の喘息増悪までの期間におけるTio R 5群とプラセボ群との各対比較の順に階層が設定されたステップダウン法により、検定の多重性を調整。
高用量のICS+LABAの治療下でも症状が持続する重症持続型喘息患者453例(日本人38例)を対象とした国際共同二重盲検比較試験(205.417試験、本剤5μg又はプラセボを1日1回、48週吸入投与)において、219例(日本人23例)に本剤5μgを投与した時の肺機能検査値に対する成績は下表のとおりであった25)。副作用は本剤5μgが投与された219例中13例(5.9%)に認められ、主な副作用は口渇5例(2.3%)であった。
1.659±0.569(219)
2.043±0.681(205)
0.388±0.388(205)
0.154[0.091,0.217]p<0.0001
1.598±0.506(234)
1.831±0.615(218)
0.248±0.363(218)
1.802±0.624(204)
0.143±0.355(204)
0.111[0.053,0.169]p=0.0002
1.631±0.544(218)
0.048±0.308(218)
なお、205.416試験及び205.417試験の併合データにおいて、本剤5μgはプラセボに比し、重度の喘息増悪の発現リスクを統計学的に有意に減少させた26)。
増悪割合
26.9(122/453)
32.8(149/454)
未調整ハザード比[95%信頼区間]a)未調整p値a)
0.79[0.62,1.00]p=0.0535
調整済みハザード比[95%信頼区間]b)調整済みp値c)
0.77[0.60,0.98]p=0.0343
%(例数)a)投与群を説明変数としたCox比例ハザードモデルb)平均不偏推定量c)Cui, Hung and Wang(1999)の重み付きZ統計量に基づく方法(主要解析)。投与24週後のピークFEV1におけるTio R 5群とプラセボ群、投与24週後のトラフFEV1におけるTio R 5群とプラセボ群、48週間の投与期間中の最初の重度の喘息増悪までの期間におけるTio R 5群とプラセボ群との各対比較の順に階層が設定されたステップダウン法により、検定の多重性を調整。
中用量のICSの治療下でも症状が持続する中等症持続型喘息患者1,070例(日本人122例)を対象とした国際共同二重盲検比較試験(205.418試験、本剤2.5μg、5μgを1日1回、又はサルメテロール50μgを1日2回あるいはプラセボ、24週吸入投与)において、262例(日本人28例)に本剤2.5μg及び264例(日本人33例)に本剤5μgを投与した時の肺機能検査値に対する成績は下表のとおりであった。27)本剤2.5μg及び5μgはプラセボに比し、投与24週後の肺機能検査値(ピークFEV1及びトラフFEV1)を統計学的に有意に改善した。日本人集団の成績は全体集団と比較して同様の傾向がみられた。副作用は中等症持続型喘息患者の本剤投与群526例中22例(4.2%)に認められ、主な副作用は口渇7例(1.0%)等であった。
薬剤a)
プラセボ群との差(L)[95%信頼区間]b)、p値b)c)
Tio R 2.5
2.247±0.651(262)
2.527±0.744(247)
0.291±0.350(247)
0.236[0.181,0.291]p<0.0001
2.154±0.610(264)
2.411±0.749(242)
0.261±0.379(241)
0.198[0.142,0.253]p<0.0001
Sal
2.305±0.648(275)
2.564±0.728(259)
0.269±0.326(259)
0.213[0.158,0.267]
2.251±0.650(269)
2.313±0.739(250)
0.062±0.345(250)
2.384±0.743(247)
0.148±0.375(247)
0.185[0.126,0.244]p<0.0001
2.281±0.732(242)
0.130±0.370(241)
0.152[0.092,0.211]p<0.0001
2.381±0.717(259)
0.085±0.333(259)
0.123[0.064,0.181]
2.215±0.718(250)
-0.035±0.339(250)
平均値±SD(例数)a)Sal:サルメテロール50μgを1日2回吸入投与(定量噴霧式吸入器、国内未発売)b)投与群、実施医療機関、Visit、投与群とVisitの交互作用、ベースライン値、ベースライン値とVisitの交互作用を固定効果、被験者を変量効果とし、被験者内でspatial power共分散構造を仮定した反復測定混合モデル。c)投与24週後のピークFEV1におけるTio R 5群とプラセボ群、トラフFEV1におけるTio R 5群とプラセボ群、ACQ レスポンダーの割合におけるTio R 5群とプラセボ群、ピークFEV1におけるTio R 2.5群とプラセボ群、トラフFEV1におけるTio R 2.5群とプラセボ群、ACQ レスポンダーの割合におけるTio R 2.5群とプラセボ群との各対比較の順に階層が設定されたステップダウン法により、検定の多重性を調整。
中用量のICSの治療下でも症状が持続する中等症持続型喘息患者1,030例(日本人118例)を対象とした国際共同二重盲検比較試験(205.419試験、本剤2.5μg、5μgを1日1回、又はサルメテロール50μgを1日2回あるいはプラセボ、24週吸入投与)において、257例(日本人30例)に本剤2.5μg及び253例(日本人29例)に本剤5μgを投与した時の肺機能検査値に対する成績は下表のとおりであった。28)本剤2.5μg及び5μgはプラセボに比し、投与24週後の肺機能検査値(ピークFEV1及びトラフFEV1)を統計学的に有意に改善した。日本人集団の成績は全体集団と比較して同様の傾向がみられた。副作用は中等症持続型喘息患者の本剤投与群510例中52例(10.2%)に認められ、主な副作用は口渇12例(2.4%)等であった。
2.284±0.651(257)
2.561±0.750(245)
0.277±0.322(245)
0.211[0.159,0.264]p<0.0001
2.257±0.647(253)
2.488±0.725(240)
0.239±0.308(240)
0.169[0.116,0.222]p<0.0001
2.367±0.665(266)
2.611±0.760(252)
0.244±0.344(251)
0.176[0.124,0.229]
2.268±0.693(254)
2.330±0.722(243)
0.063±0.348(242)
2.440±0.754(245)
0.156±0.352(245)
0.176[0.120,0.233]p<0.0001
2.369±0.707(240)
0.120±0.301(240)
0.133[0.076,0.190]p<0.0001
2.452±0.758(252)
0.088±0.364(251)
0.106[0.050,0.162]
2.247±0.720(243)
-0.019±0.349(242)
中用量のICSの治療下でも症状が持続する喘息患者285例を対象とした52週吸入投与による国内長期投与試験において、本剤1日1回2.5μg又は5μgがそれぞれ114例に投与された。その結果、本剤2.5μg及び5μgはプラセボに比し、トラフFEV1を改善したが、5μgの効果は2.5μgに比べて大きく、52週間維持された29)。副作用は、本剤投与群228例中16例(7.0%)に認められ、主な副作用は口渇4例(1.8%)等であった。
低用量のICSの治療下でも症状が持続する軽症持続型喘息患者464例を対象とした二重盲検比較試験(本剤2.5μg、5μgあるいはプラセボを1日1回、12週吸入投与)において、154例に本剤2.5μg及び155例に本剤5μgを投与した。その結果、本剤2.5μg及び5μgはプラセボに比し、肺機能検査値(ピークFEV1及びトラフFEV1)を有意に改善した30)。副作用は、本剤投与群309例中4例(1.3%)に認められ、頭痛,嗄声、喘息、血尿が各1例(0.3%)であった。
チオトロピウムは長時間持続型の選択的ムスカリン受容体拮抗薬であり、気道においては、気道平滑筋のM3受容体に対するアセチルコリンの結合を阻害して気管支収縮抑制作用を発現する。
ムスカリン受容体のサブタイプであるM1~M5受容体にほぼ同程度の親和性を示す10)。摘出標本を用いた検討により、気管支収縮に対する抑制作用(M3受容体拮抗作用)はアセチルコリン遊離増強作用(M2受容体拮抗作用)に比べ持続することが明らかとなっている。このことから、M3受容体からの解離はM2受容体からの解離に比べて遅いと考えられ31)、レセプターの解離速度の面からはM3受容体に対する選択性が高いと考えられる。また、M3受容体からの解離はイプラトロピウム臭化物水和物よりもさらに遅い32)。
摘出標本(モルモット31)、ヒト31))において、メサコリンあるいはフィールド電気刺激による収縮反応に対して抗コリン作用によると考えられる用量依存的な気管支収縮抑制作用を示す。また、生体位(モルモット33)、ウサギ34)、イヌ34))においても、アセチルコリンにより誘発した気管支収縮に対して抗コリン作用によると考えられる用量依存的な収縮抑制作用を示す。
摘出標本(モルモット31),35))におけるフィールド電気刺激による収縮に対する抑制作用及び生体位(モルモット33),35))におけるアセチルコリンによる気管収縮に対する抑制作用はイプラトロピウム臭化物水和物及びオキシトロピウム臭化物よりも持続的である。また、摘出標本(ヒト31))及び生体位(イヌ34))においても、気管支収縮抑制作用は持続的である。摘出標本及び生体位(ウサギ、イヌ)において示された気管支収縮抑制作用は、24時間以上持続する34),35)。この長時間持続する作用は本剤のM3受容体からの解離がきわめて遅いことに基づくと考えられる32)。
チオトロピウム臭化物水和物(Tiotropium Bromide Hydrate)(JAN)(Tiotropium Bromide)(INN)
(1α,2β,4β,5α,7β)-7-[(Hydroxydi-2-thienylacetyl)oxy]-9,9-dimethyl-3-oxa-9-azoniatricyclo[3.3.1.02,4]nonane bromide monohydrate
C19H22BrNO4S2・H2O
490.43
白色~帯黄白色の粉末又は結晶である。
スピリーバⓇ1.25μgレスピマットⓇ60吸入スピリーバⓇ2.5μgレスピマットⓇ60吸入:吸入用器具レスピマットⓇ1個及びカートリッジ1本(1mL:60噴霧[30回投与分])
1) 社内資料:健康成人での反復投与薬物動態試験(2014年11月18日承認、CTD 2.7.2 1.2)
2) Fukuchi Y et al:社内資料 国内クロスオーバー試験の薬物動態
3) 社内資料:健康成人でのバイオアベイラビリティ試験(2014年11月18日承認、CTD 2.7.2 1.2)
4) 社内資料:薬物動態試験併合解析(2014年11月18日承認、CTD 2.7.2 1.2)
5) 社内資料:薬物動態試験(分布:血漿蛋白結合)(2004年10月22日承認臭化チオトロピウム水和物スピリーバ吸入用カプセル18μg、申請資料概要ヘ 2.2.5)
6) 社内資料:非臨床薬物動態試験(分布:全身オートラジオグラフィ)(2004年10月22日承認臭化チオトロピウム水和物スピリーバ吸入用カプセル18μg、申請資料概要ヘ 2.2.1)
7) 社内資料:非臨床薬物動態試験(分布:組織内分布)(2004年10月22日承認臭化チオトロピウム水和物スピリーバ吸入用カプセル18μg、申請資料概要ヘ 2.2.2)
8) 社内資料:非臨床薬物動態試験(排泄:乳汁中移行)(2004年10月22日承認臭化チオトロピウム水和物スピリーバ吸入用カプセル18μg、申請資料概要ヘ 2.4.3)
9) 社内資料:非臨床薬物動態試験(代謝:血漿中加水分解)(2004年10月22日承認臭化チオトロピウム水和物スピリーバ吸入用カプセル18μg、申請資料概要ヘ 2.3.2)
10) 社内資料:薬効薬理試験(ヒト ムスカリン受容体への親和性)(2004年10月22日承認臭化チオトロピウム水和物スピリーバ吸入用カプセル18μg、申請資料概要ホ 1.5.7)
11) 社内資料:薬物動態試験(代謝:肝ミクロソーム)(2004年10月22日承認臭化チオトロピウム水和物スピリーバ吸入用カプセル18μg、申請資料概要ヘ 2.3.2)
12) 社内資料:薬物動態試験(代謝:肝細胞)(2004年10月22日承認臭化チオトロピウム水和物スピリーバ吸入用カプセル18μg、申請資料概要ヘ 2.3.2)
13) 社内資料:薬物動態試験(代謝:チトクロームP450阻害)(2004年10月22日承認臭化チオトロピウム水和物スピリーバ吸入用カプセル18μg、申請資料概要ヘ 3.8.1)
14) 社内資料:高齢者における薬物動態試験(2004年10月22日承認臭化チオトロピウム水和物スピリーバ吸入用カプセル18μg、申請資料概要ヘ 3.5)
15) Puyal C et al:社内資料 用量反応試験
16) Tuerck D et al:J Clin Pharmacol.2004;44:163-72
17) 社内資料:海外1年間投与二重盲検比較試験(205.117試験)(2014年11月18日承認、CTD 2.7.2 1.2)
18) Ichinose M et al:Respir Med.2010;104:228-36
19) Towse LJ et al:社内資料 海外1年間投与二重盲検比較試験(205.254試験)
20) Towse LJ et al:社内資料 海外1年間投与二重盲検比較試験(205.255試験)
21) Towse LJ et al:社内資料 海外1年間投与二重盲検比較試験の併合データ
22) Van Andel A E et al:社内資料 海外12週間投与二重盲検比較試験(205.251試験)
23) Van Andel A E et al:社内資料 海外12週間投与二重盲検比較試験(205.252試験)
24) 社内資料:48週間投与国際共同二重盲検比較試験(205.416試験)(2014年11月18日承認、CTD 2.7.6 1.5)
25) 社内資料:48週間投与国際共同二重盲検比較試験(205.417試験)(2014年11月18日承認、CTD 2.7.6,1.6)
26) 社内資料:48週間投与国際共同二重盲検比較試験(205.416/205.417試験)(2014年11月18日承認、CTD 2.7.6 1.7)
27) 社内資料:24週間投与国際共同二重盲検比較試験(205.418試験)(2014年11月18日承認、CTD 2.7.6 1.8)
28) 社内資料:24週間投与国際共同二重盲検比較試験(205.419試験)(2014年11月18日承認、CTD 2.7.6 1.9)
29) 社内資料:国内長期投与試験(205.464試験)(2014年11月18日承認、CTD 2.7.6 1.12)
30) 社内資料:海外12週間投与二重盲検比較試験(205.442試験)(2014年11月18日承認、CTD 2.7.6 1.11)
31) Takahashi T et al: Am J Respir Crit Care Med.1994;150(6):1640-45
32) 社内資料 薬効薬理試験(ヒト ムスカリン受容体サブタイプからの解離)(2004年10月22日承認臭化チオトロピウム水和物スピリーバ吸入用カプセル18μg、申請資料概要ホ 1.5.2)
33) 社内資料:薬効薬理試験(抗コリン作用(モルモット))(2004年10月22日承認臭化チオトロピウム水和物スピリーバ吸入用カプセル18μg、申請資料概要ホ 1.1.4)
34) 社内資料:薬効薬理試験(抗コリン作用(ウサギ、イヌ)など)(2004年10月22日承認臭化チオトロピウム水和物スピリーバ吸入用カプセル18μg、申請資料概要ホ 1.1.3)
35) 大村剛史ほか: 医学と薬学.2004;51(5):711-6
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