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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
通常、成人には、ゾンゲルチニブとして1日1回120mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
副作用
重症度注)
処置
肝機能障害
Grade 3又は4のALT又はAST増加
Grade 1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後は60mgで再開できる。
Grade 3の総ビリルビン増加
Grade 4の総ビリルビン増加
投与を中止する。
ALT又はASTが基準値上限の3倍以上かつ総ビリルビンが基準値上限の2倍以上
下痢
Grade 2かつ止瀉薬の投与を行っても症状が2日以上継続する場合
Grade 1以下に回復するまで休薬し、回復後は60mgで再開できる。
Grade 3又は4
Grade 1以下に回復するまで休薬する。14日以内に回復した場合は60mgで再開できる。支持療法を行っても14日以内に回復しない場合は、投与を中止する。
発熱性好中球減少症
全Grade
Grade 1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後は60mgで再開できる。ただし、必要に応じて投与を中止することも考慮する。
駆出率減少
Grade 2
Grade 1以下に回復するまで休薬し、回復後は120mgで再開できる。ただし、休薬後4週間以内に正常範囲又はベースラインから5ポイント以内に回復しなかった場合、再開後にベースラインから10ポイント以上低下した場合は60mgに減量する。
Grade 1以下に回復するまで休薬し、回復後は60mgで再開できる。ただし、休薬後4週間以内に正常範囲又はベースラインから5ポイント以内に回復しなかった場合、再開後にベースラインから10ポイント以上低下した場合は投与を中止する。
間質性肺疾患
Grade 1以下に回復するまで休薬する。14日以内に回復した場合は60mgで再開できる。支持療法を行っても14日以内にGrade 1以下に回復しない場合は投与を中止する。
その他の副作用
注)GradeはNCI-CTCAE v5.0に準じる。
LVEF低下を悪化させるおそれがある。
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、中等度以上の肝機能障害のある患者注)を対象とした臨床試験は実施していない。注)NCI-ODWG(National Cancer Institute-Organ Dysfunction Working Group)基準による分類
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験(ラット)において、本剤の胎児への移行の可能性が推定され、本剤120mg投与時の4.4倍に相当する曝露量で胚・胎児死亡が報告されている。,
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
小児等を対象とした本剤の有効性及び安全性は確立していない。
強いCYP3A誘導剤
本剤の有効性が減弱するおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。
これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
治療域の狭いP-gpの基質となる薬剤
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
BCRPの基質となる薬剤
本剤がBCRPを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
発熱性好中球減少症(頻度不明)、好中球減少症(0.8%)、貧血(17.8%)、血小板減少症(0.8%)等があらわれることがある。
20~30%未満
10~20%未満
10%未満
胃腸障害
悪心
口内炎
臨床検査
皮膚および皮下組織障害
発疹
皮膚乾燥、そう痒症、爪の障害
HER2(ERBB2)遺伝子異常を有する進行固形癌患者24例(日本人患者6例含む)に本剤60、120、又は240mgを空腹時に1日1回15日間反復経口投与注1)したときのゾンゲルチニブの血漿中濃度の時間推移及び薬物動態パラメータは以下の図1及び表1のとおりであった1)。
用量
投与日
例数
Cmax(nmol/L)
tmax※1(h)
AUC0-24h(nmol·h/L)
t1/2(h)
60mg
1
4
1020(44.2)
1.99(1.97-2.05)
8240(37.0)
9.41(17.4)
15
1230(54.3)
2.04(1.07-2.93)
11600(48.4)
9.37(15.2)
120mg
3
1610(75.1)
3.03(2.03-3.95)
14000(61.8)
9.51(9.87)
2830(20.6)
2.05(1.03-3.97)
28900(23.2)
8.52(9.39)
240mg
17
3630(45.1)
2.07(0.967-5.95)
33900(48.9)※2
9.19(29.3)※2
4760(41.4)
2.95(1.03-6.00)
52100(43.2)
9.58(30.1)
幾何平均値(幾何変動係数%)※1:tmaxは中央値(最小値-最大値)※2:15例
健康成人(7例)に本剤60mg注1)を単回経口投与したときの絶対バイオアベイラビリティは76%であった2)。(外国人データ)
健康成人(16例)に本剤240mg注1)を単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるゾンゲルチニブのAUC0-t及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.27及び1.26であった3)。(外国人データ)
ゾンゲルチニブのヒト血漿タンパク結合率は99%超であり、主にアルブミンに結合した(in vitro)4)。ゾンゲルチニブの血液/血漿中濃度比は0.7であった(in vitro)5)。
ゾンゲルチニブは主にCYP3A4/5による酸化、UGT1A4によるグルクロン酸抱合及びグルタチオン抱合によって代謝される。健康成人(8例)に14C標識されたゾンゲルチニブ60mg注1)を単回経口投与したとき、血漿中に未変化体及び6種類の代謝物が検出され、血漿中総放射能量(AUC0-168h)の75%が未変化体であった6)。(外国人データ)
健康成人(8例)に14C標識されたゾンゲルチニブ60mg注1)を単回経口投与したとき、投与後11日までに投与量の94%が排泄され、糞便中には93%(未変化体として31%)、尿中には1.3%(未変化体として0.2%)が排泄された7)。(外国人データ)
母集団薬物動態解析を用いて、腎機能注2)が正常(187例)、軽度(120例)及び中等度(23例)の腎機能障害患者にゾンゲルチニブ120mgを1日1回反復経口投与したときの曝露量を推定した結果、①Cmax及び②AUC0-24hの幾何平均値は、それぞれ①2730、2690及び2600nmol/L、並びに②30800、31700及び31200nmol·h/Lと推定された。注2)eGFR(mL/min/1.73m2)が①90以上、②60以上90未満及び③30以上60未満の場合、それぞれ①正常、②軽度及び③中等度とされた8)。
母集団薬物動態解析を用いて、肝機能注3)が正常(288例)及び軽度(90例)の肝機能障害患者にゾンゲルチニブ120mgを1日1回反復経口投与したときの曝露量を推定した結果、①Cmax及び②AUC0-24hの幾何平均値は、それぞれ①2700及び2630nmol/L、並びに②31000及び30500nmol·h/Lと推定された8)。注3)NCI-ODWG(National Cancer Institute - Organ Dysfunction Working Group)基準による分類
健康成人を対象とした臨床薬物相互作用試験から得られた、ゾンゲルチニブの薬物動態に及ぼす併用薬の影響及び併用薬の薬物動態に及ぼすゾンゲルチニブの影響は、以下の表2及び表3のとおりであった9),10),11),12),13)。
併用薬
用法・用量
例数※1
ゾンゲルチニブの単独投与時に対する比※2
ゾンゲルチニブ注1)
Cmax
AUC0-∞
イトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)
200mg QD
15mg単回
16/16
1.27(1.07, 1.51)
1.41(1.26, 1.58)
カルバマゼピン(強いCYP3A誘導剤)
600mg QD※3
60mg単回
15/16
0.56(0.45, 0.71)
0.36(0.32, 0.42)
ラベプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)
40mg QD
30mg単回
11/12
0.87(0.67, 1.13)
0.97(0.85, 1.10)
QD:1日1回※1:併用/非併用時※2:幾何平均値の比(90%信頼区間)※3:カルバマゼピンは200mgを4日間QD、400mgを7日間QD、600mgを13日間QDの順に投与
併用薬の単独投与時に対する比※2
ゾンゲルチニブ
ミダゾラム(CYP3A基質)
1mg単回
120mg QD
14/16
1.17(1.08, 1.27)
1.06(0.95, 1.17)
レパグリニド(CYP2C8基質)
0.5mg単回
1.44(1.24, 1.69)
1.30(1.10, 1.53)
オメプラゾール(CYP2C19基質)
20mg単回
13/15※3
0.62(0.45, 0.86)
0.90(0.62, 1.30)
ダビガトラン(P-gp基質)
150mg単回
120mg単回
1.24(0.96, 1.60)
1.34(1.06, 1.70)
ロスバスタチン(OATP1B1、OATP1B3、BCRP基質)※4
10mg単回
3.02(2.47, 3.68)
2.30(1.96, 2.71)
メトホルミン(MATE1、MATE2-K基質)
0.76(0.68, 0.84)
0.83(0.76, 0.90)
フロセミド(OAT1、OAT3基質)※5
1.50(1.16, 1.93)
1.38(1.20, 1.58)
QD:1日1回※1:併用/非併用時※2:幾何平均値の比(90%信頼区間)※3:AUC0-∞では9/10※4:ゾンゲルチニブ非併用投与時に対する併用投与時のコプロポルフィリンI(OATP1B1及びOATP1B3の内因性バイオマーカー)のCmax及びAUC0-72hの幾何平均値の比(90%信頼区間)は、それぞれ0.94(0.89, 0.98)及び0.86(0.82, 0.91)であった。※5:フロセミドはBCRP基質でもあることが報告されている。
ゾンゲルチニブはUGT2B17を阻害する可能性が示唆された14)。また、ゾンゲルチニブはP-gp及びBCRPの基質である(in vitro)15)。注1)承認された用法及び用量は、ゾンゲルチニブとして1日1回120mgである。
HER2(ERBB2)遺伝子異常を有する切除不能な進行固形癌患者を対象とした国際共同第Ia/Ib相試験の第Ib相パートにおいて、HER2(ERBB2)遺伝子変異を有する切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者322例に本剤120又は240mg注)を1日1回経口投与した。白金系抗悪性腫瘍剤を含む1つ以上の化学療法歴のあるHER2(ERBB2)遺伝子(チロシンキナーゼドメイン)に変異を有する患者を対象としたコホートにおいて、主要評価項目であるRECIST ver.1.1に基づく盲検下独立中央審査判定による奏効率[97.5%信頼区間]は、本剤120mg投与群(75例、日本人9例を含む)で66.7%[53.8, 77.5](50/75例)であった(2024年5月23日データカットオフ)。白金系抗悪性腫瘍剤を含む1つ以上の化学療法歴のあるHER2(ERBB2)遺伝子(チロシンキナーゼドメイン以外)に変異を有する患者を対象としたコホートにおいて、RECIST ver.1.1に基づく治験担当医師判定による奏効率は、本剤120mg投与群(12例)で41.7%(5/12例)であった(2024年8月29日データカットオフ)。白金系抗悪性腫瘍剤を含む1つ以上の化学療法歴及びHER2を標的とした抗体薬物複合体による治療歴のあるHER2(ERBB2)遺伝子(チロシンキナーゼドメイン)に変異を有する患者を対象としたコホートにおいて、RECIST ver.1.1に基づく盲検下独立中央審査判定による奏効率[95%信頼区間]は、本剤120mg投与群(31例、日本人1例を含む)で41.9%[26.4, 59.2](13/31例)であった(2024年8月29日データカットオフ)。第Ib相パートで本剤120mgが投与された236例(日本人23例を含む)のうち、副作用は210例(89.0%)に認められた。主な副作用は、下痢134例(56.8%)、発疹63例(26.7%)、ALT増加43例(18.2%)、AST増加43例(18.2%)、そう痒症36例(15.3%)であった。注)承認された用法及び用量は、ゾンゲルチニブとして1日1回120mgである。
ゾンゲルチニブは、エクソン20挿入変異等を有するHER2のチロシンキナーゼ活性を阻害し、下流のシグナル伝達を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。
ゾンゲルチニブは、HER2(ERBB2)遺伝子のエクソン20挿入変異を有するヒト非小細胞肺癌(NSCLC)由来NCI-H1781細胞株等の増殖を抑制した17)。
ゾンゲルチニブは、HER2(ERBB2)遺伝子のエクソン20挿入変異を有するNSCLC患者由来ST3107腫瘍組織片を皮下移植したヌードマウス等において、腫瘍増殖抑制作用を示した18)。
ゾンゲルチニブ(Zongertinib)(JAN)
N-[1-(8-{3-Methyl-4-[(1-methyl-1H-1,3-benzimidazol-5-yl)oxy]anilino}pyrimido[5,4-d]pyrimidin-2-yl)piperidin-4-yl]prop-2-enamide
C29H29N9O2
535.60g/mol
黄色~暗黄色又は橙色の粉末である。
log P=log D(pH7.4)=4.7
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
14錠(ボトル、乾燥剤入り)
1) 社内資料:国際共同第I相試験(Beamion LUNG-1)(2025年9月19日承認、CTD 2.7.2.3)
2) 社内資料:ヒトADME試験(2025年9月19日承認、CTD 2.7.2.2)
3) 社内資料:食事の影響試験(2025年9月19日承認、CTD 2.7.1.2)
4) 社内資料:非臨床薬物動態試験(in vitro血漿タンパク結合)(2025年9月19日承認、CTD 2.6.4.4)
5) 社内資料:非臨床薬物動態試験(in vitro血球移行性)(2025年9月19日承認、CTD 2.6.4.4)
6) 社内資料:ヒトADME試験における代謝物同定(2025年9月19日承認、CTD 2.6.4.5)
7) 社内資料:ヒトADME試験(2025年9月19日承認、CTD 2.7.2.2、CTD 2.7.2.3)
8) 社内資料:母集団薬物動態解析(2025年9月19日承認、CTD 2.7.2.3)
9) 社内資料:イトラコナゾールとの薬物相互作用試験(2025年9月19日承認、CTD 2.7.2.2)
10) 社内資料:カルバマゼピンとの薬物相互作用試験(2025年9月19日承認、CTD 2.7.2.2)
11) 社内資料:ラベプラゾールとの薬物相互作用試験(2025年9月19日承認、CTD 2.7.1.2)
12) 社内資料:CYP基質とのカクテル薬物相互作用(2025年9月19日承認、CTD 2.7.2.2)
13) 社内資料:トランスポーター基質とのカクテル薬物相互作用(2025年9月19日承認、CTD 2.7.2.2)
14) 社内資料:非臨床薬物動態試験(in vitro薬物代謝酵素誘導及び阻害)(2025年9月19日承認、CTD 2.6.4.5)
15) 社内資料:非臨床薬物動態試験(薬物トランスポーターによる輸送)(2025年9月19日承認、CTD 2.6.4.7)
16) 社内資料:国際共同第I相試験(Beamion LUNG-1)
17) 社内資料:非臨床薬効薬理試験(in vitro、がん細胞株における増殖阻害作用)(2025年9月19日承認、CTD 2.6.2.2)
18) 社内資料:非臨床薬効薬理試験(in vivo、PDXモデルマウスにおける腫瘍増殖抑制作用)(2025年9月19日承認、CTD 2.6.2.2)
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社DIセンター
〒141-6017 東京都品川区大崎2丁目1番1号ThinkPark Tower
0120-189-779(受付時間)9:00~18:00(土・日・祝日・弊社休業日を除く)
*本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2026年11月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
東京都品川区大崎2丁目1番1号
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