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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の投与により、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、過敏症症候群を含め、重篤で致死的な皮膚障害が発現することがあるので、次の事項に注意すること。
本剤の投与により、肝不全などの重篤で致死的な肝機能障害が発現することがあるので、次の事項に注意すること。
HIV-1感染症
通常、成人にはネビラピンとして1回200mgを1日1回、14日間経口投与する。その後、維持量として1日400mgを2回に分割して経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。
CD4値が低い患者に比べて本剤による肝機能障害の発現率が高い。
発疹や肝機能障害の発現に十分注意すること。女性の患者では、本剤による発疹や発疹に伴う肝機能障害の発現率が高い。
腎障害又はその既往歴のある患者では、本剤の血中濃度に影響を与えるおそれがある。
投与しないこと。Child-Pugh分類スコア8で中等度から高度の腹水を伴う患者では、肝機能の悪化により本剤の血中濃度増加を招く。,
肝機能障害を増悪させることがある。また、本剤の血中濃度に影響を与えるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット、ウサギ)において、以下のことが報告されている。
授乳を避けさせること。母乳中へ移行することが認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に生理機能(肝機能、腎機能)が低下している。
ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)
併用によりケトコナゾールの血中濃度が低下し(AUCの低下:63%、Cmaxの低下:40%)、また本剤の血中濃度が上昇(15~28%)したとの報告がある。
本剤はCYP3Aを誘導し、また代謝される(自己誘導)が、ケトコナゾールは当該酵素の阻害剤である。
経口避妊薬(避妊を目的とするホルモン療法も含む)
,
本剤が経口避妊薬の血中濃度を低下させることがある。(併用により、エチニルエストラジオールのAUCが20%、Cmaxが6%それぞれ低下、また、ノルエチステロンのAUCが19%、Cmaxが16%それぞれ低下したとの報告がある。)
機序不明
HIVプロテアーゼ阻害剤
これらの薬剤の血中濃度が低下した(AUCの低下:インジナビル28%、サキナビル24%、リトナビル10%、Cmaxの低下:インジナビル11%、サキナビル28%、リトナビル10%、Cminの低下:インジナビル38%、リトナビル9%)との報告があるので、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。また、本剤200mg1日2回とホスアンプレナビル1400mg1日2回を併用した場合、ホスアンプレナビルについては、活性代謝物であるアンプレナビルの血中濃度が低下し(AUC33%、Cmax25%、Cmin35%)、本剤の血中濃度が上昇した(AUC29%、Cmax25%、Cmin34%)との報告があるので、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。
本剤はCYP3Aを誘導し、また代謝される(自己誘導)が、これらの薬剤は当該酵素により代謝される。
CYP3A酵素阻害剤
本剤の定常状態におけるCminが上昇したとの報告(シメチジンとの併用:7%、マクロライド系抗生物質との併用:12%、イトラコナゾールとの併用:17%)があるので、併用の開始、用量の変更並びに中止時には、副作用の発現に注意し、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。
本剤はCYP3Aを誘導し、また代謝される(自己誘導)が、シメチジン、マクロライド系抗生物質及びイトラコナゾールは当該酵素の阻害剤であり、リファンピシン等は当該酵素の誘導剤である。また、セイヨウオトギリソウに含有される成分が、当該酵素を誘導するとの報告がある。上記以外にも、併用薬剤がCYP3Aで代謝を受ける薬剤である場合には相互に影響を受ける可能性が考えられる。
CYP3A酵素誘導剤
リファンピシンとの併用において定常状態における本剤のAUCが58%、Cmaxが50%、Cminが68%低下したとの報告がある。またリファブチンとの併用において有意ではないが定常状態におけるリファブチンのAUCが12%増加し、Cminは3%低下し、Cmaxは有意に20%増加したとの報告がある。リファブチンの活性代謝物濃度に変化は見られなかった。また、本剤の全身クリアランスが9%増加した。以上のことから併用の開始、用量の変更並びに中止時には、副作用の発現に注意し、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
他の(上記以外の)CYP3A酵素で代謝を受ける薬剤
併用薬剤の血中濃度又は本剤の血中濃度が変動するおそれがあるので、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。
ワルファリン
血液凝固時間が変化することがあるので、プロトロンビン時間の変化に十分注意すること。
本剤はCYP3Aによるワルファリン(R-ワルファリン)の代謝に影響を与える可能性が考えられる。
避妊が目的でないホルモン療法(経口避妊薬を含む)
本剤が併用薬剤の血中濃度を低下させることがあるので、ホルモン療法の治療効果を確認すること。
これらの重篤な発疹は本剤投与開始後概ね6週までに発現する場合が多いので、この期間は特に観察を十分に行い、重篤な発疹、又は以下の症状を伴う発疹が発現した場合には、本剤の投与を中止すること。また、このような患者には再投与しないこと。発熱、水疱、口内病変、結膜炎、顔面や四肢等の腫脹、筋肉痛、関節痛、又は全身倦怠感なお、必要に応じ、専門医を受診させるなど適切な処置を行うこと。また、投与中止後も症状が増悪するおそれがあるので患者の状態を十分観察すること。,,
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状(薬剤性過敏症症候群)があらわれることがある。なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
肝機能検査値の異常が認められた場合は、本剤の投与を中止すること。,,,
アナフィラキシー(発疹、じん麻疹、血管浮腫等)があらわれることがある。
5%以上
5%未満
頻度不明
循環器
潮紅、頻脈、心悸亢進、起立性低血圧、肺塞栓症
血圧上昇
消化器
嘔気(6.2%)
下痢、嘔吐、消化不良、腹痛、潰瘍性口内炎、食欲不振、鼓腸放屁、血清アミラーゼ上昇、便秘、歯肉炎、唾液増加、嚥下障害、胃潰瘍(出血性)、直腸出血、食欲亢進、膵炎、胃炎、口渇、直腸障害
精神神経系
傾眠(5.2%)、頭痛(5.3%)
めまい、神経過敏、不眠症、思考異常、激越、緊張亢進、感情不安定、不随意筋収縮、末梢神経障害、知覚減退、運動過多、不安、異夢、偏頭痛、眩暈、昏迷、言語障害、神経障害、多幸症、記憶力低下、感情鈍麻、悪夢、インポテンス、リビドー減退、精神運動発達障害、攻撃性反応
皮膚
発疹(12.2%)
そう痒、紫斑、皮膚疾患、皮膚剝離、皮膚変色、脱毛、湿疹、紅斑性発疹
斑状丘疹性皮疹
感覚器
味覚倒錯、味覚喪失、感覚異常、結膜炎、視力異常、羞明、耳鳴、眼球乾燥
肝臓
肝腫、胆嚢炎
腎臓
腎機能異常、低リン酸血症、乏尿、尿細管障害
血液
貧血、リンパ節症
好酸球増加
筋・骨格
CK上昇、筋肉痛、関節痛、筋力低下
呼吸器
咳、咽頭炎、上気道炎、呼吸困難
その他
発熱(6.3%)
疲労、多汗、悪寒、倦怠感、体重減少、疼痛、顔面浮腫、胸痛、副鼻腔炎、アレルギー反応、背部痛、ほてり、頻尿、インフルエンザ様症候群、虚血性壊死、高トリグリセライド血症、月経異常、膿瘍、尿路感染、寄生虫感染、モニリア症、中耳炎、単純疱疹、鼻出血、鼻炎、人格障害、光線過敏性反応、神経炎
体脂肪の再分布/蓄積
本剤の過量服用により浮腫、結節性紅斑、疲労、発熱、頭痛、不眠、嘔気、肺浸潤、発疹、眩暈、嘔吐、トランスアミナーゼ値上昇、体重減少の発現が報告されている。
ラット及びマウスに長期投与したところ、対照群に比較して肝腫瘍の発生が有意に増加したとの試験成績がある。
健康成人男性に本剤50、100、200、400mgを単回経口投与した場合、Cmax、AUC0-∞は投与量に比例して増加した。なお、半減期は約40時間であった。
用量(mg)
例数
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
AUC0-∞(μg・hr/mL)
CL/F(mL/hr/kg)
Vdss/F(L/kg)
T1/2(hr)
50
6
0.7±0.1
2.8±1.5
33.0±5.6
25.1±3.9
1.4±0.1
39.6±8.0
100
1.2±0.2
2.2±1.0
77.1±21.1
22.0±5.9
1.4±0.2
46.9±12.7
200
2.3±0.3
2.2±1.5
172.4±37.6
19.3±3.3
1.3±0.1
47.1±7.2
400
3.9±0.6
5.7±5.1
282.6±31.8
23.1±3.3
39.6±2.2
また、HIV感染患者にネビラピン200mg/日を2週間、300mg/日を4週間、400mg/日を4週間の計10週間、経口投与した時の最低薬物血漿中濃度はそれぞれ2.8±0.6μg/mL(n=10)、3.5±0.7μg/mL(n=7)、4.7±1.2μg/mL(n=6)であった。健康成人男性(n=15)及び女性(n=15)にネビラピン200mgを単回経口投与した時の最高血漿中濃度(約2.0±0.4μg/mL)は、投与後4時間までに得られ、半減期は44時間であった(外国人データ)。
性別
男性
1.9±0.3
130.4±27.4
19.9±3.9
1.38±0.11
47.1
女性
2.1±0.4
147.2±42.4
24.6±7.7
1.54±0.12
41.2
全体
2.0±0.4
138.8±36.1
22.2±6.5
1.46±0.14
44.0±12.9
また、HIV感染患者に本剤400mg/日を投与した場合の定常状態における血漿中濃度は4.5±1.9μg/mL(n=242)であった1),2)(外国人データ)。
健康成人に本剤50mgを錠剤又は内服液として単回投与し、静脈内投与時の薬物動態と比較して求めた生物学的利用率はそれぞれ93±9%、91±8%であった(外国人データ)。
健康成人を対象にネビラピン200mg投与時の吸収に及ぼす食事と制酸剤の影響を検討した。その結果、食後もしくは制酸剤服用時のネビラピンの薬物動態は絶食時に比べて、吸収速度を減少させ、Tmaxの延長とCmaxのわずかな減少がみられたが、AUCには影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
健康成人男性(n=3)にネビラピン30mgを静脈内投与したときの見かけの分布容積(Vdss)は、1.21±0.09L/kgであり、広く組織に分布することが示唆された(外国人データ)。ネビラピンの血漿蛋白結合はヒト血漿中において、1~10μg/mLの濃度範囲では、約60%であった。
ヒトin vivo試験及びヒト肝ミクロゾーム試験からネビラピンはチトクロームP450により酸化的代謝を受け数種の水酸化代謝物になる。ネビラピンの酸化的代謝には、P450のCYP3A4、CYP2B6及びCYP2D6が主に関与していた。またネビラピンはそれ自身肝チトクロームP450の誘導剤であり(自己誘導)、反復投与後(200mg/日2週間投与し、その後400mg/日2週間投与)のクリアランスは単回投与時に比べ1.5から2倍に増加し、半減期は約45時間から約25~30時間に短縮した。性差はみられない(外国人データ)。
健康成人に本剤投与(200mg/日2週間投与し、その後400mg/日2週間投与)後、14C-ネビラピン50mgを投与し、肝代謝酵素誘導後の薬物体内動態を検討した。総放射能の91.4%が排泄され、主な代謝経路は尿(81.3%)であり、糞中には10.1%排泄された。尿中に排泄された放射能の約3%は未変化体であり、ほとんどは水酸化体とそのグルクロン酸抱合体であった(外国人データ)。
クレアチニンクリアランス値の低下が軽度(50~80mL/min)、中等度(30~50mL/min)、高度(30mL/min以下)の腎機能障害及び腎不全あるいは透析を必要とする重度腎不全の23名の腎障害患者と8名の健康成人(クレアチニンクリアランス値が80mL/min以上)において経口投与後の薬物動態を比較したとき、軽度、中等度、高度の腎機能障害患者と健康成人の間に差は見られなかった。しかし、透析腎不全患者において本剤を一週間以上投与した場合のAUCは43.5%減少し、血漿中に水酸化代謝物が増加した(外国人データ)。
肝機能障害患者10名と健康成人8名で経口投与後の薬物動態を比較した。軽度及び中等度(Child-Pugh分類スコア7以下)の患者では本剤の投与量の調整は必要なかった。しかし、Child-Pugh分類スコア8で中等度から高度の腹水を伴う患者一人では、肝機能の悪化が本剤の血中濃度増加を招くことが示唆された(外国人データ)。
小児患者においては成人より消失が早かった(外国人データ)。
薬物動態に加齢の影響はみられない(外国人データ)。
既にヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤による治療を受けており、CD4陽性細胞数が350/mm3以下のHIV-1感染患者398例を対象にジドブジン600mg/日+ジダノシン400mg/日又はネビラピン400mg/日+ジドブジン600mg/日+ジダノシン400mg/日を二重盲検法により48週間投与した。その結果、投与40~48週におけるCD4陽性細胞数の平均変化量において3剤併用群は2剤併用群に比し有意な増加が認められた。また、HIV RNA量も同様に3剤併用群は2剤併用群に比し有意な減少を示した。ネビラピン400mg/日+ジドブジン600mg/日+ジダノシン400mg/日群の主な副作用は発疹(8.1%)、顆粒球減少症(6.1%)、主な臨床検査異常変動項目は好中球数(14.2%)、GPT (6.1%)、GOT(4.6%)、γ-GTP(4.1%)であった3)。
未治療でCD4陽性細胞数が200~600/mm3のHIV-1感染患者151例を対象にネビラピン400mg/日+ジドブジン600mg/日+ジダノシン400mg/日、ネビラピン400mg/日+ジドブジン600mg/日もしくはジドブジン600mg/日+ジダノシン400mg/日を二重盲検法により52週間投与した。その結果、3剤併用群では投与40~52週において45%の患者でHIV RNA量が検出限界(20copies/mL)以下に減少した。この成績は他の2つの併用群に比し有意に優れていた。ネビラピン400mg/日+ジドブジン600mg/日+ジダノシン400mg/日群の主な副作用は、嘔気(41.2%)、発疹(23.5%)、主な臨床検査異常変動項目は、γ-GTP(17.6%)、GPT(17.6%)、CPK(11.8%)であった4)。
HIV RNA量が1×103copies/mL以上の患者で、CD4陽性細胞数が500/mm3以下のHIV-1感染患者31例を対象に多施設共同オープン試験を実施した。投与方法は最初の2週間はネビラピン200mg/日、3週間目からは朝夕の2回にネビラピン200mgを内服し、24週間観察した。その結果、HIV RNAコピー量は投与2週間後の時点で急激に減少しそれ以降400copies/mL付近を24週まで推移した。CD4陽性細胞は投与2週間後では平均43.5%増加し、投与4週後では平均57.3%増加した。投与8週後から24週後の各時点の変化率は約81%から106%の増加であった。安全性評価対象となった31例中21例(67.7%)に副作用が認められ、主な副作用は、発熱12件(38.7%)、発疹11件(35.5%)、嘔気5件(16.1%)であった5)。
ネビラピンは非ヌクレオシド系の逆転写酵素阻害剤で、HIVのタイプ1(HIV-1)の逆転写酵素を阻害し、ウイルス増殖を阻害する。ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤とは作用様式が異なり、核酸とは競合せず、逆転写酵素の疎水ポケット部分に結合し、逆転写酵素の触媒活性を阻害する。HIV-2逆転写酵素やヒトDNAポリメラーゼの活性は阻害しない。また本薬はヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤に対して耐性を獲得したHIV-1の突然変異株に対しても有効であり、またヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤やHIV-1プロテアーゼ阻害剤と併用することにより、HIV-1逆転写酵素阻害に対する相加・相乗効果が認められた6),7),8)。
ネビラピンはHIV-1増殖に伴うヒトT細胞株c8166の細胞変性及びCD4+HeLa細胞におけるプラーク形成を阻害し、そのIC50値はそれぞれ40nM及び15nMであった6),9)(in vitro)。
ネビラピンのヒトT細胞に対する細胞毒性作用9)、骨髄由来細胞の増殖抑制作用、免疫抑制作用は本薬の抗ウイルス作用に比べて極めて弱かった(in vitro)。
ネビラピンの使用によりHIV-1の耐性株が発現する。この耐性は主にHIV-1の逆転写酵素の181番目及び(または)106番目のアミノ酸の変異による10)(in vitro)。ネビラピン単独及びネビラピンとジドブジンの併用による治療を行った患者から単離したHIV-1では、治療開始直後からネビラピンに対する感受性の低下が観察され、8週間以内にすべての患者から単離したHIV-1に耐性及び変異が観察された。また、ネビラピン耐性患者から単離したHIV-1では、79%に逆転写酵素の181番目のアミノ酸に変異が認められ、それ以外にも103、106、108、188、190番目のアミノ酸に変異が認められた。一方、ネビラピンとジドブジンの両薬耐性患者から単離したHIV-1では、アミノ酸の変異パターンが異なり、181番目のアミノ酸に変異は認められず、103、106、188、190番目のアミノ酸に変異が認められた。ネビラピンとジドブジンの併用治療は、ネビラピン耐性株またはジドブジン耐性株の出現に影響を与えなかった(in vitro)。ネビラピン+ジドブジンの2剤併用治療、ジダノシン+ジドブジンの2剤併用治療、ネビラピン+ジダノシン+ジドブジンの3剤併用治療を行った患者において、6カ月間薬物治療を行った後で血漿中からHIV-1を単離できた(HIV-1が増殖した)のは42%の患者であった。その内訳は、ネビラピン+ジドブジンが69%(11/16)、ジダノシン+ジドブジンが47%(9/19)、ネビラピン+ジダノシン+ジドブジンが21%(5/24)であり、3剤併用した方が2剤併用よりHIV-1の増殖が観察された割合は低かった。ネビラピン+ジドブジン群及びネビラピン+ジダノシン+ジドブジン群の患者でそれぞれ増殖し単離することができたHIV-1については、すべてネビラピンに対する耐性が認められた。ネビラピンに耐性を示したHIV-1では逆転写酵素アミノ酸にK103N、Y181Cの変異が最も多く共通して認められた。なお、ジドブジンに対する耐性を持ったHIV-1が単離できた割合は、ジダノシン+ジドブジン群よりネビラピン+ジドブジン群の方が低く、ネビラピン+ジダノシン+ジドブジン群では認められなかった。また、ジダノシンに対する耐性はいずれの投与群から単離できたHIV-1においても認められなかった。すなわち、HIV-1耐性株発現の進展は、ネビラピン単剤よりも2剤併用、2剤併用よりも3剤併用治療の方が遅らせることができた。なお、ネビラピン投与によるHIV-1逆転写酵素遺伝子変異とネビラピン感受性の臨床的相関は確立されていない。ネビラピンと他の非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤との交叉耐性が観察されている。ネビラピンとヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤やHIV-1プロテアーゼ阻害剤とは作用部位が異なり、両者の間には交叉耐性は生じにくい。ジドブジン耐性株に対してネビラピンは効果を示し、逆にネビラピン耐性株はジドブジンに対して感受性を持つことが観察されている(in vitro)。
ネビラピン(Nevirapine)
11-cyclopropyl-5, 11-dihydro-4-methyl-6H-dipyrido[3, 2-b:2', 3'-e][1, 4]diazepin-6-one
C15H14N4O
266.30
244.7~247.5℃
1.8(1-オクタノール/水)
無包装状態の本品を高湿度(93%RH,25℃)の条件下で1カ月間保存した時、溶出率の遅延が認められているので、保存には注意すること。
60錠(瓶、バラ)
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