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日本薬局方
塩化タリウム(201Tl)注射液
処方箋医薬品注)
通常、成人には201Tlとして74MBqを肘静脈より投与し、投与後5~10分よりシンチレーションカメラで正面像、左前斜位像、左側面像を含む多方向におけるシンチグラムを得る。なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法により適宜増減する。
通常、成人には201Tlとして脳腫瘍では55.5~111MBq、甲状腺腫瘍、肺腫瘍、骨・軟部腫瘍及び縦隔腫瘍では55.5~74MBqを静脈内に投与し、投与後5~10分よりシンチレーションカメラで被検部を撮像することによりシンチグラムを得る。必要に応じ、投与後約3時間に撮像を行う。なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法により適宜増減する。
通常、成人には201Tlとして74MBqを静脈内に投与し、投与後5~10分よりシンチレーションカメラで被検部を撮像することによりシンチグラムを得る。必要に応じ、甲状腺シンチグラフィによるサブトラクションを行う。なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法により適宜増減する。
診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
頻度不明
過敏症
皮膚発赤、多形滲出性紅斑、発疹、小丘疹、蕁麻疹、そう痒感、眼瞼浮腫等
消化器
嘔吐、嘔気
循環器
血圧低下、血圧上昇
呼吸器
喘息様発作
その他
気分不良、潮紅、手足の感覚異常、薬品臭、口内苦味感
MIRD法により計算した吸収線量は次のとおりである。
臓器
吸収線量(mGy/37MBq)
全身心臓肺肝臓
1.01.7~3.22.11.9
脾臓腎臓睾丸卵巣
0.911.82.22.5
(自社データ)
臨床診断と一致したものを有効例とし、有効率(有効例数/症例数)を求めた。総症例282例中、237例(84.0%)が有効と判定された。主な疾患別の有効率は以下のとおり。
疾患名
有効例数/症例数
有効率
心筋梗塞
61/64
95.3%
心筋症
10/14
71.4%
虚血性心疾患
11/12
91.7%
狭心症
5/14
35.7%
川崎病
冠不全
10/10
100%
不整脈
8/8
右室肥大
7/7
弁膜性心疾患
3/4
75%
左脚ブロック
1/3
33.3%
先天性心疾患
総症例282例中、副作用は認められなかった。
総症例127例(脳腫瘍疑い48例、骨・軟部腫瘍及び縦隔腫瘍疑い79例)のうち、有効性解析対象124例中、118例(95.2%)が有効と判定された。主な疾患別の有効率は以下のとおり。
脳腫瘍
39/40
97.5%
骨腫瘍
25/28
89.3%
軟部腫瘍
20/22
90.9%
縦隔腫瘍
9/9
総症例127例中、副作用は認められなかった7),8)。
副甲状腺疾患患者50例中、46例(92.0%)が有効と判定された。疾患別の有効率は以下のとおり。
原発性副甲状腺機能亢進症
14/18
77.8%
二次性副甲状腺機能亢進症
32/32
総症例50例中、副作用は認められなかった9)。
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
201Tlは静注後体内においてKとほぼ同様の動態を示し2)、Na-K ATPase系の働きにより速やかに能動的に細胞内に摂取される3)。腫瘍に関しての201Tlの集積機序は不明であるが、腫瘍のvascularityとの関係や、腫瘍親和性があるとされているアルカリ金属に類似していることなどが考えられている6)。
201TlCl
236.45
201Tlは周期律表第13族に属し、203Tl(p,3n)201Pb反応で生じた201Pbの崩壊(半減期9.4時間)により生成し、同時に生じた他核種から分離して得られる。
経過時間(時間)
残存放射能(%)
−72−66−60−54−48−42−36−30−24−18−12−602
198.3187.3176.9167.1157.8149.1140.8133.0125.6118.7112.1105.910098.1
4681012141620242832364044
96.394.592.790.989.287.585.982.779.676.673.871.068.465.8
48525660646872768084889296100
63.461.058.756.554.452.450.448.646.745.043.341.740.138.6
放射線を安全に遮蔽できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存すること。
74MBq(1.0mL)[1シリンジ]、111MBq(1.5mL)[1シリンジ]、148MBq(2.0mL)[1シリンジ]74MBq(1.0mL)[1バイアル]、111MBq(1.5mL)[1バイアル]、148MBq(2.0mL)[1バイアル]、222MBq(3.0mL)[1バイアル]、296MBq(4.0mL)[1バイアル]、370MBq(5.0mL)[1バイアル]
1) 植原敏勇,ほか:画像診断. 1985;5:1053-1057
2) Kawana M,et al.:J Nucl Med. 1970;11:333
3) Britten JS,et al.:Biochim Biophys Acta. 1968;159:160-166
4) 分校久志,ほか:Radioisotopes. 1976;25:794-799
5) 岡部真也,ほか:medicina. 1977;14:46-53
6) 利波紀久,ほか:Radioisotopes. 1976;25:829-831
7) 遠藤啓吾,ほか:核医学. 1994;31:53-61
8) 利波紀久,ほか:核医学. 1994;31:63-74
9) 福地 稔,ほか:核医学. 1993;30:1481-1490
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