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ミオMIBG−I123注射液

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.3分布
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.2集積機序
18.1測定法
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ミオMIBG−I123注射液

添付文書番号

4300437A1029_2_02

企業コード

651410

作成又は改訂年月

**2023年12月改訂(第3版、効能変更、用法変更)
2022年3月改訂(第2版)

日本標準商品分類番号

874300

薬効分類名

放射性医薬品/心交感神経診断薬・神経芽腫診断薬・褐色細胞腫診断薬

承認等

ミオMIBG−I123注射液

販売名コード

YJコード

4300437A1029

販売名英語表記

MyoMIBG-I 123 Injection

販売名ひらがな

みおMIBGI123ちゅうしゃえき

承認番号等

承認番号

20400AMZ01122000

販売開始年月

1992年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

検定日時から10時間

一般的名称

3-ヨードベンジルグアニジン(123I)注射液(放射性医薬品基準)

3. 組成・性状

3.1 組成

ミオMIBG−I123注射液

有効成分1シリンジ中   1.5mL
3-ヨードベンジルグアニジン(123I)放射能として(検定日時)   111MBq
3-ヨードベンジルグアニジン   0.03~0.10mg
添加剤氷酢酸、酢酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム   適量

3.2 製剤の性状

ミオMIBG−I123注射液

pH4.0~5.0
浸透圧比約1(生理食塩液に対する比)
外観無色澄明の液

4. 効能又は効果

  • 心シンチグラフィによる心臓疾患の診断
  • **パーキンソン病及びレビー小体型認知症の診断における心シンチグラフィ
  • 腫瘍シンチグラフィによる下記疾患の診断
    • 神経芽腫、褐色細胞腫

6. 用法及び用量

  • 〈心シンチグラフィによる心臓疾患の診断〉

    通常、成人には、本品111MBqを静脈より投与し、約15分後以降にガンマカメラを用いて心シンチグラムを得る。
    必要に応じて、3~6時間後の心シンチグラムを得る。
    必要に応じて、運動負荷時投与の心シンチグラムを得る。
    なお、投与量は、年齢、体重により適宜増減する。

  • **〈パーキンソン病及びレビー小体型認知症の診断における心シンチグラフィ〉

    通常、成人には、本品111MBqを静脈より投与し、15~30分後及び3~4時間後にガンマカメラを用いて心シンチグラムを得る。
    なお、投与量は、年齢、体重により適宜増減する。

  • 〈腫瘍シンチグラフィ〉
    • 神経芽腫
      通常、小児には、400MBqを最大用量として200~400MBq/1.7m2(体表面積)を静脈より投与し、6時間後及び24時間後にガンマカメラを用いて腫瘍シンチグラムを得る。
      必要に応じて、48時間後の腫瘍シンチグラムを得る。
      また、通常、成人への投与量は、200~400MBqとし、年齢、体重により適宜増減する。
    • 褐色細胞腫
      通常、本品111MBqを静脈より投与し、24時間後にガンマカメラを用いて腫瘍シンチグラムを得る。
      必要に応じて、6時間後及び48時間後の腫瘍シンチグラムを得る。
      なお、投与量は、年齢、体重等により適宜増減するが、222MBqを上限とする。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • **〈パーキンソン病及びレビー小体型認知症の診断における心シンチグラフィ〉

    後期(3~4時間後)の撮像省略については、早期(15~30分)の撮像結果、患者の状態及びリスク・ベネフィットを考慮して慎重に判断すること。

8. 重要な基本的注意

診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 本品の成分又はヨードに対し過敏症の既往歴のある患者

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

低出生体重児又は新生児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

11.2 その他の副作用

0.1%未満

頻度不明

循環器

失神、うっ血性心不全、低心拍出量症候群、血圧低下、徐脈

消化器

悪心

嘔気

その他

全身倦怠感

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意

  1. 14.1.1 本品投与にあたっては、体内で遊離した放射性ヨードが甲状腺に摂取されることを防止するため、適当なヨード剤を服用させること。
  2. 14.1.2 両頭針を取りつける際、プランジャーロッドを押さないようにすること。
  3. 14.1.3 シリンジ中にごくわずかに気泡が含まれている場合がある。注射液を投与してもこの気泡は通常シリンジ内に残るが、誤って投与することのないよう気泡の位置に注意しながら投与すること。
  4. 14.1.4 膀胱部の被曝を軽減させるため、撮像前後できるだけ患者に水分を摂取させ、排尿させることが望ましい。

14.2 診断上の注意

  • **〈パーキンソン病及びレビー小体型認知症の診断における心シンチグラフィ〉
    1. 14.2.1 診断は他の関連する検査結果や臨床症状等を併せた根拠に基づいて総合的に判断すること。なお、発症早期(特に振戦優位型)、一部の家族性パーキンソン病では本品の心臓への集積が正常となる症例が認められることが報告されている1)
    2. 14.2.2 心シンチグラム読影において、本品の心臓への集積低下の評価には、必要に応じて関連学会の最新のガイドライン等における標準化された心縦隔比(H/M)の値を参考にすること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

レセルピン、三環系抗うつ剤、塩酸ラベタロールを投与している場合、本品の心臓及び腫瘍への集積が抑制されるとの報告がある2),3),4),5)

16. 薬物動態

16.3 分布

  1. 16.3.1 本品を健常者に静注すると、血中放射能濃度は1時間後までは急速に減少し、その後は漸減する傾向を示した。血中からの消失の速やかな相及び緩やかな相の有効半減期はそれぞれ、11.6~15.1分及び7.39~9.46時間であった。
  2. 16.3.2 吸収線量

    本品の吸収線量は次のとおりである6)

    臓器

    吸収線量(mGy/MBq)

    成人

    15歳

    10歳

    5歳

    1歳

    心臓

    0.018

    0.024

    0.036

    0.055

    0.097

    0.016

    0.023

    0.033

    0.049

    0.092

    肝臓

    0.067

    0.087

    0.13

    0.18

    0.33

    脾臓

    0.020

    0.028

    0.043

    0.066

    0.12

    0.0084

    0.011

    0.019

    0.030

    0.056

    副腎

    0.017

    0.022

    0.032

    0.045

    0.071

    腎臓

    0.014

    0.017

    0.025

    0.036

    0.061

    小腸

    0.0084

    0.011

    0.018

    0.028

    0.051

    大腸上部

    0.0091

    0.012

    0.020

    0.033

    0.058

    大腸下部

    0.0079

    0.010

    0.016

    0.023

    0.043

    精巣

    0.0057

    0.0075

    0.012

    0.018

    0.033

    卵巣

    0.0082

    0.011

    0.016

    0.025

    0.046

16.5 排泄

本品の尿中排泄は投与から4時間後までに投与量の30~40%、24時間後では平均で66%が尿中に移行した。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  • 〈心シンチグラフィ(心臓疾患)〉
    1. 17.1.1 国内第Ⅲ相臨床試験

      心筋梗塞、狭心症及び心筋症を中心とする心疾患患者981例に本品が投与された。そのうち有効性の評価で集計した心筋梗塞、狭心症、心筋症患者822例中781例(95%)に有効な画像情報が得られた7)
      本品による心シンチグラフィは、心筋梗塞、不安定狭心症などの虚血性心疾患で、除神経領域の検出が、運動負荷時投与の心筋梗塞、労作性狭心症などでは虚血に先行する交感神経機能の障害の検出が、心筋症で心集積の程度と局所的な消失の経時的な観察による病態の定性的評価が可能である8),9),10),11),12),13),14),15),16),17),18)
      総症例981例中、副作用は4例(0.4%)に血管痛、悪心、嘔吐、異臭、心悸亢進、気分不良、各1件認められた。

18. 薬効薬理

18.1 測定法

本品の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。

18.2 集積機序

3-ヨードベンジルグアニジン(123I)(123I-MIBG)は、静注後心交感神経終末やカテコールアミン(CA)産生細胞のノルアドレナリン(NA)再摂取機構いわゆるuptake-1を介して主としてNA貯蔵顆粒に取り込まれる19),20)。しかし、NAとは異なり、CA受容体と結合せず21)、またカテコール-O-メチル転移酵素(COMT)、モノアミン酸化酵素(MAO)による代謝を受けない22)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1 3-ヨードベンジルグアニジン(123I)

一般名:

3-ヨードベンジルグアニジン(123I)、(3-Iodobenzyl guanidine(123I))(JAN)

分子式:

C8H10123IN3

分子量:

271.19

化学構造式:

核物理学的特性(123Iとして)

  • 物理的半減期:13.2235時間
  • 主なγ線エネルギー:159keV(83.3%)、529keV(1.4%)、27.4keV(71.5% Te-Kα)
  • 減衰表:

    経過時間
    (時間)

    残存放射能
    (%)

    経過時間
    (時間)

    残存放射能
    (%)

    −10

    168.9

    1

    94.9

    −9

    160.3

    2

    90.0

    −8

    152.1

    3

    85.4

    −7

    144.3

    4

    81.1

    −6

    137.0

    5

    76.9

    −5

    130.0

    6

    73.0

    −4

    123.3

    7

    69.3

    −3

    117.0

    8

    65.7

    −2

    111.1

    9

    62.4

    −1

    105.4

    10

    59.2

    0

    100

20. 取扱い上の注意

放射線を安全に遮蔽できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存すること。

22. 包装

111MBq(1.5mL)[1シリンジ]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

*PDRファーマ株式会社 製品情報センター

*電話番号 0120-383-624

*〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング

26. 製造販売業者等

26.1 *製造販売元

PDRファーマ株式会社

東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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