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カーディオライト第一

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.3分布
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.2集積機序
18.1測定法
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

カーディオライト第一

添付文書番号

4300439D1024_2_01

企業コード

651410

作成又は改訂年月

2022年3月改訂(第2版)
2021年5月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

874300

薬効分類名

放射性医薬品/心臓疾患診断薬・心機能診断薬・副甲状腺疾患診断薬

承認等

カーディオライト第一

販売名コード

YJコード

4300439D1024

販売名英語表記

Cardiolite Daiichi

販売名ひらがな

かーでぃおらいとだいいち

承認番号等

承認番号

20500AMY00127000

販売開始年月

1993年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

製造日から24箇月間

一般的名称

ヘキサキス(2-メトキシイソブチルイソニトリル)テクネチウム(99mTc)(放射性医薬品基準)

3. 組成・性状

3.1 組成

カーディオライト第一

有効成分1バイアル中 テトラキス(2-メトキシイソブチルイソニトリル)銅(Ⅰ)四フッ化ホウ酸 1.0mg  
添加剤1バイアル中 塩化スズ(Ⅱ)二水和物 0.075mg、L-システイン塩酸塩一水和物 1.0mg、クエン酸ナトリウム水和物 2.6mg、D-マンニトール 20.0mg、塩酸 適量

3.2 製剤の性状

カーディオライト第一

外観テトラキス(2-メトキシイソブチルイソニトリル)銅(Ⅰ)四フッ化ホウ酸:白色の結晶性の粉末
調製後注射液(ヘキサキス(2-メトキシイソブチルイソニトリル)テクネチウム(99mTc)注射液): 無色澄明の液
pH調製後注射液:5.0~6.0
浸透圧比調製後注射液:約1(生理食塩液に対する比)

4. 効能又は効果

  • 心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断
  • 初回循環時法による心機能の診断
  • 副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断

6. 用法及び用量

  • <ヘキサキス(2-メトキシイソブチルイソニトリル)テクネチウム(99mTc)注射液の調製>

    本品に、日局「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」185~740MBq(1~3mL)を加えて振り混ぜ、95~99℃で15分間加熱した後、室温で15分間放冷する。

  • <心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断>

    通常、成人には、調製後の本品370~555MBqを静脈より投与し、30分以降にガンマカメラを用いて心筋血流シンチグラムを得る。または、心電図に同期させてデータ収集を行い、心筋血流シンチグラムを得る。
    なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法によりそれぞれ適宜増減する。

  • <初回循環時法による心機能の診断>

    通常、成人には、調製後の本品740MBqを肘静脈より急速に投与し、直後より心RIアンギオグラムを得る。必要に応じ、収集したデータより駆出分画を算出する。また、心電図に同期させてデータ収集を行い、拡張末期像及び収縮末期像を得る。
    なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法によりそれぞれ適宜増減する。

  • <副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断>

    ・ダブルフェーズ法

    • 通常、成人には、調製後の本品370~740MBqを静脈より投与し、投与後5~15分(初期像)及び投与後2~3時間(後期像)に頸部及び胸部を撮像してシンチグラムを得る。必要に応じて断層像を追加する。
  • ・サブトラクション法
    • 過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)又はヨウ化ナトリウム(123I)による甲状腺シンチグラフィを実施後、通常、成人には、調製後の本品185~600MBqを静脈より投与し、その10分後に撮像する。必要に応じて断層像を追加する。
      なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法によりそれぞれ適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • <心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断、初回循環時法による心機能の診断>

    初回循環時法及び心筋血流シンチグラフィをともに行う必要のある患者においては、初回循環時法を行った後、本品投与30分以降に心筋血流シンチグラフィを併せて行うことができる。

  • <副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断>

    サブトラクション法実施時の甲状腺シンチグラフィは、過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)又はヨウ化ナトリウム(123I)の添付文書を参照の上、以下の要領で実施する。

    • 過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)を用いる場合:通常、成人には、日局「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」74~370MBqを静脈より投与し、頸部及び胸部の像を30分後に撮像する。
    • ヨウ化ナトリウム(123I)を用いる場合:通常、成人には、日局「ヨウ化ナトリウム(123I)カプセル」3.7~7.4MBqを経口投与し、頸部及び胸部の像を4時間後に撮像する。

8. 重要な基本的注意

診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    ショック及び血管浮腫、呼吸困難等のアナフィラキシーがあらわれることがある。

11.2 その他の副作用

1%以上

0.1~1%未満

頻度不明

過敏症

蕁麻疹、そう痒感、顔面紅潮、発疹

循環器

ST変化、徐脈

精神神経系

口内苦味感や金属臭(64.1%)

消化器

嘔吐、嘔気、悪心

その他

頭痛、発熱

血管痛、全身熱感、浮揚感、口渇、けいれん、意識消失、胸痛

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  • <効能共通>
    1. 14.1.1 本品の調製は無菌的に行い、また適当な鉛容器で遮蔽して行うこと。
    2. 14.1.2 本品の調製の際、バイアル内に空気を入れないこと、またバイアル内を陽圧にしないこと。
    3. 14.1.3 調製後は、放射線を安全に遮蔽できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存すること。

14.2 診断上の注意

  • <副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断>

    本品による副甲状腺シンチグラフィは、多腺性疾患において全ての病的副甲状腺を検出する能力には限界があることが知られている1)

16. 薬物動態

16.3 分布

  1. 16.3.1 調製後の有効成分ヘキサキス(2-メトキシイソブチルイソニトリル)テクネチウム(99mTc)(99mTc-MIBI)の心筋への集積は受動拡散によるものであり、ATP-ase輸送系を介する201Tlとは異なる2),3)。心筋による抽出率は約66%と報告されており4)201Tlの約85%に比しやや低値であるが、その初期分布は201Tlと同様に冠血流に比例し、一度心筋内に取り込まれると細胞内に長時間保持され、明らかな再分布はないことが確認されている5),6)。健常人の心筋への集積は投与後直ちに始まり、5分後で平均1.4%dose(安静時投与)、2時間後でも平均1.1%dose(安静時投与)と心筋によく保持されていた。また、肺及び肝における集積は、経時的に比較的速く減少し、投与5分後の心/肺比は2.0以上、心/肝比も投与1時間後には1.0以上となった。血中からの消失も速やかであった7)
  2. 16.3.2 吸収線量

    MIRD法により計算した吸収線量は次のとおりである7)

    臓器

    吸収線量(mGy/37MBq)

    臓器

    吸収線量(mGy/37MBq)

    安静時

    運動負荷時

    安静時

    運動負荷時

    全身
    甲状腺
    心臓

    肝臓
    胆のう
    脾臓
    腎臓

    0.089
    0.13
    0.34
    0.045
    0.14
    0.56
    0.11
    0.62

    0.097
    0.10
    0.21
    0.056
    0.094
    0.19
    0.088
    0.41

    小腸
    大腸上部
    大腸下部
    膀胱壁
    睾丸
    筋肉
    骨髄
    卵巣

    0.84
    0.92
    1.1
    0.73
    0.049
    0.08
    0.14
    0.52※

    0.72
    0.65
    0.72
    0.65
    0.057
    0.11
    0.13
    測定せず

    (※:DuPont社データ)

16.5 排泄

99mTc-MIBIの排泄経路は腎及び肝胆道系であり、投与24時間までに25.4%dose(安静時投与)が尿中に排泄され、その他糞便中にも排泄された7)。なお、99mTc-MIBIは体内で分解されることなく排泄される。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  • <心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断>
    1. 17.1.1 国内第Ⅲ相臨床試験

      各種心疾患患者464例を対象とした臨床試験の結果、99mTc-MIBIの投与を受けた604件中562件(93.0%)が有用と評価された8)

      疾患名

      有用/投与件数

      有用率

      疾患名

      有用/投与件数

      有用率

      急性心筋梗塞

      80/84

      95.2%

      心臓弁膜症

      4/4

      100.0%

      陳旧性心筋梗塞

      212/220

      96.4%

      心筋症

      69/76

      90.8%

      安静時狭心症

      10/14

      71.4%

      先天性心疾患

      9/10

      90.0%

      労作性狭心症

      135/148

      91.2%

      その他

      29/34

      85.3%

      異型狭心症

      14/14

      100.0%

      合計

      562/604

      93.0%

      総症例612件中、副作用は390件(63.7%)に認められ、口内苦味感や金属臭389件(63.6%)、発熱1件(0.2%)であった。

  • <副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断>
    1. 17.1.2 国内追加第Ⅲ相臨床試験

      超音波検査での局在診断が困難な原発性副甲状腺機能亢進症患者89例を対象とした臨床試験では、ダブルフェーズ法による副甲状腺シンチグラフィの画像読影結果と手術結果が一致した被験者の割合は、370MBq群79.3%(23/29)、600MBq群65.5%(19/29)、740MBq群82.8%(24/29)、全体75.9%(66/87)であり、いずれの用量においても同程度の良好な感度で病変が検出された。
      総症例89例中、副作用は63例(70.8%)に87件認められ、主な副作用は、口内苦味感や金属臭60件(67.4%)、頭痛5件(5.6%)であった。

18. 薬効薬理

18.1 測定法

本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。

18.2 集積機序

99mTc-MIBIの心筋への集積は受動拡散によるものであり、その初期分布は201Tlと同様に冠血流に比例し、一度心筋内に取り込まれると細胞内に長時間保持され、明らかな再分布はないことが確認されている5),6)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1 ヘキサキス(2-メトキシイソブチルイソニトリル)テクネチウム(99mTc)

調製前の化合物

テトラキス(2-メトキシイソブチルイソニトリル)銅(Ⅰ)四フッ化ホウ酸

・分子式:

C24H44BCuF4N4O4

・分子量:

602.98

・化学構造式:

核物理学的特性(99mTc として)

  • 物理的半減期:6.015 時間
  • 主なγ線エネルギー:141keV(89.1%)
  • 減衰表:

    経過時間
    (時間)

    残存放射能
    (%)

    経過時間
    (時間)

    残存放射能
    (%)

    経過時間
    (時間)

    残存放射能
    (%)

    -3
    -2
    -1
    0
    1
    2
    3
    4
    5
    6
    7
    8

    141.3
    125.9
    112.2
    100
    89.1
    79.4
    70.8
    63.1
    56.2
    50.1
    44.6
    39.8

    9
    10
    11
    12
    13
    14
    15
    16
    17
    18
    19
    20

    35.4
    31.6
    28.2
    25.1
    22.4
    19.9
    17.8
    15.8
    14.1
    12.6
    11.2
    10.0

    21
    22
    23
    24
    25
    26
    27
    28
    29
    30

    8.9
    7.9
    7.1
    6.3
    5.6
    5.0
    4.5
    4.0
    3.5
    3.2

22. 包装

2バイアル、10バイアル

24. 文献請求先及び問い合わせ先

*PDRファーマ株式会社 製品情報センター

*〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング

*電話番号 0120-383-624

26. 製造販売業者等

26.1 *製造販売元

PDRファーマ株式会社

東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング

26.2 輸入先

Lantheus Medical Imaging, Inc. (米国)

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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