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処方箋医薬品注)
他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法
通常、成人及び13歳以上の小児にはガバペンチンとして初日1日量600mg、2日目1日量1200mgをそれぞれ3回に分割経口投与する。3日目以降は、維持量として1日量1200mg~1800mgを3回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は2400mgまでとする。通常、3~12歳の幼児及び小児にはガバペンチンとして初日1日量10mg/kg、2日目1日量20mg/kgをそれぞれ3回に分割経口投与する。3日目以降は維持量として、3~4歳の幼児には1日量40mg/kg、5~12歳の幼児及び小児には1日量25~35mg/kgを3回に分割経口投与する。症状により適宜増減するが、1日最高投与量は50mg/kgまでとする。なお、いずれの時期における投与量についても、成人及び13歳以上の小児での投与量を超えないこととする。
腎機能障害のある成人患者に本剤を投与する場合は、下表に示すクレアチニンクリアランス値を参考として本剤の投与量及び投与間隔を調節すること。なお、ここで示している用法・用量は成人でのシミュレーション結果に基づくものであるので、腎機能低下者を対象とした国内外試験成績も踏まえて、患者ごとに慎重に観察しながら用法・用量を調節すること。,
クレアチニンクリアランス(mL/min)
≥60
30~59
15~29
5~14
1日投与量(mg/日)
600~2400
400~1000
200~500
100~200
投与量
初日
1回200mg 1日3回
1回200mg 1日2回
1回200mg 1日1回
維持量
1回400mg 1日3回
1回300mg 1日2回
1回300mg 1日1回
1回300mg 2日1回(クレアチニンクリアランスが5mL/minに近い患者では、1回200mg 2日に1回を考慮する)
1回600mg 1日3回
1回400mg 1日2回
1回400mg 1日1回
最高投与量
1回800mg 1日3回
1回500mg 1日2回
1回500mg 1日1回
1回200mg 1日1回(クレアチニンクリアランスが5mL/minに近い患者では、1回300mg 2日に1回を考慮する)
血液透析を受けている成人患者に本剤を投与する際、クレアチニンクリアランスが5mL/min以上の場合には、7.4の表の投与量に加え、血液透析を実施した後に本剤200mgを追加投与する。また、クレアチニンクリアランスが5mL/min未満の場合には、初日に200mgを単回投与したのち、血液透析を実施した後に本剤1回200、300又は400mgを追加投与する(それぞれクレアチニンクリアランス60mL/min以上の患者における1回400、600又は800mg 1日3回投与に相当)。なお、ここで示している用法・用量は、48時間ごとに4時間血液透析した場合の成人でのシミュレーション結果に基づくものであるので、腎機能低下者を対象とした国内外試験成績も踏まえて、患者ごとに慎重に観察しながら用法・用量を調節すること。,
,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で、胎児・出生児に骨化遅延(マウス)、尿管拡張・腎盂拡張(ラット)、着床後胚死亡率の増加(ウサギ)が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中へ移行することが認められている1) 。
クレアチニンクリアランス値を参考に投与量、投与間隔を調節するなど慎重に投与すること。高齢者では腎機能が低下していることが多い。
制酸剤
同時に投与することにより、ガバペンチンの最高血漿中濃度(Cmax)が17%及び血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)が20%低下した2)。制酸剤服用後少なくとも2時間以降に本剤を服用することが望ましい。
機序不明
オピオイド系鎮痛剤
傾眠、鎮静、呼吸抑制等の中枢神経抑制症状に注意すること。必要に応じて本剤又はオピオイド系鎮痛剤の用量を減量すること。モルヒネとの併用により、ガバペンチンのCmaxが24%、AUCが44%それぞれ増加したとの報告がある3)。
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらに肝機能障害等の臓器障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
アナフィラキシー(血管性浮腫、呼吸困難等)があらわれることがある。
3%以上
3%未満
頻度不明
精神・神経系
傾眠、浮動性めまい、頭痛
痙攣、てんかん増悪、失調、会話障害、感覚減退、記憶障害、振戦、体位性めまい、易刺激性、錯乱状態、神経過敏、不眠、不安、感情不安定、激越、攻撃性、チック
運動障害、幻覚、ミオクローヌス、意識消失
眼
複視
眼振、眼の異常感、霧視
弱視、視覚異常
皮膚
脱毛、発疹、湿疹、じん麻疹、そう痒
多形紅斑
消化器
悪心、嘔吐、上腹部痛、食欲減退、食欲不振、便秘、消化不良、下痢、流涎過多、食欲亢進
血液
白血球数減少、白血球数増加、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、好中球数減少、好塩基球数増加、単球数増加、好酸球数増加、血小板数減少
循環器
高血圧、動悸
泌尿・生殖器
尿失禁、尿蛋白増加、勃起機能不全
性欲変化、射精障害、無オルガズム症
肝臓
AST増加、ALT増加、Al-P増加、γ-GTP増加
その他
CK増加、サイロキシン減少、抗核因子陽性
倦怠感、関節痛、胸痛、発熱、無力症、顔面浮腫、回転性めまい、呼吸困難、背部痛、体重増加、鼻炎、耳鳴、異常歩行、LDH増加、尿酸減少、血糖増加、血糖減少、転倒・転落、鼻咽頭炎
血管浮腫、浮腫、膵炎、低ナトリウム血症
外国においてガバペンチンを49gまで経口投与した例が報告されている。過量投与後にみられた主な症状は、浮動性めまい、複視、不明瞭発語、傾眠状態、嗜眠、軽度の下痢である。
これまでの例では血液透析を実施することなく回復した症例も報告されているが、本剤は血液透析により除去可能であり、発現している症状の程度に応じて血液透析の実施を考慮すること。また、重度の腎障害患者に対しても、血液透析の実施を考慮すること。
健康成人に、ガバペンチン200、400、600及び800mg(各投与量6例)を空腹時に単回経口投与した時、投与後約3時間で最高血漿中濃度に達し、消失半減期は6~7時間であった4) 。
投与量(mg)
Cmax(μg/mL)
AUC0-∞(μg・h/mL)
Tmax(h)
T1/2(h)
200
2.48(21.4)
22.64(10.3)
3.0(30.0)
6.47(43.0)
400
2.94(30.8)
27.20(27.8)
3.1(35.5)
6.67(27.3)
600
4.31(16.3)
44.12(14.4)
3.0(20.0)
6.13(21.9)
800
5.23(16.6)
52.33(17.5)
3.3(30.3)
6.99(25.8)
各投与量6例、平均値(変動係数%)Cmax:最高血漿中濃度AUC0-∞:血漿中濃度-時間曲線下面積Tmax:最高血漿中濃度到達時間T1/2:血漿中濃度半減期
健康成人(各投与量6例)にガバペンチンを1回600及び800mg 1日3回6日間反復経口投与した時、投与後2日までに定常状態に達し、最終投与後の消失半減期の平均値(変動係数%)はそれぞれ5.38時間(11.9)及び5.87時間(12.3)であった5),6) 。
アジア人健康成人26例にガバペンチン200mg(シロップ又は錠)を空腹時単回投与したとき、ガバペンチンの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移は以下のとおりであった。ガバペンシロップ200mgとガバペン錠200mgは生物学的に同等であることが確認された7) 。
剤形
AUC0-∞(μg・ h/mL)
シロップ
2.33(36)
20.9(19)
2.15(57)
6.04(16)
錠
2.13(27)
21.3(16)
2.58(47)
5.98(17)
幾何平均比a)(90%信頼区間)
1.09(0.98、1.22)
0.98(0.91、1.07)
-
平均値(変動係数%)a:シロップ/錠
健康成人19例において、絶食時及び食後にガバペンチン400mgを錠剤として単回経口投与した時のCmaxはそれぞれ3.650及び3.800μg/mL、AUC0-48は35.41及び35.27μg・h/mLであった。絶食時及び食後投与後の薬物動態に差は認められなかった8) 。
クレアチニンクリアランス
CLr(mL/min)
>60mL/min(n=6)
3.17(28.4)
37.8(27.4)
4.5(18.9)
6.5
81.7(32.4)
30-60mL/min(n=6)
3.52(32.2)
73.5(31.9)
5.1(47.1)
12.8
44.7(19.7)
<30mL/min(n=8)
4.93(40.5)
551(103)
7.1(45.6)
52.0
9.0(46.9)
投与量:400mg(単回)、平均値(変動係数%)CLr:腎クリアランス
CLCR:クレアチニンクリアランスb:クレアチニンクリアランスは、24時間クレアチニンクリアランスを用いた。ただし国内健康成人男性被験者(クレアチニンクリアランス≥60mL/min)を対象とした薬物動態試験のデータに関しては、Cockcroft and Gaultの換算式を用いた。
被験者838例(うち日本人146例)から構築した母集団薬物動態モデル16) より算出した腎機能障害患者(CLCR:5~59mL/min)に[7.用法及び用量に関連する注意]に従って投与した時の推定血漿中ガバペンチン濃度推移(腎機能のみを変動要因としたシミュレーション)は、CLCRが5mL/minの被験者ではCLCR60~120mL/minの被験者に投与した時よりも高い傾向が認められたが、それ以外の腎機能障害の患者ではCLCRが60~120mL/minの被験者に投与した時とほぼ一致した。,
被験者838例(うち日本人146例)から構築した母集団薬物動態モデル16) 及び透析クリアランス(142mL/min)より算出した透析患者に[7.用法及び用量に関連する注意]に従って投与した時の推定血漿中ガバペンチン濃度推移(腎機能のみを変動要因としたシミュレーション)は、CLCRが60~120mL/minの被験者に投与した時とほぼ一致した。,,
1ヵ月~12歳の健康な小児に、ガバペンチン約10mg/kgを単回経口投与した時、5歳未満の小児におけるAUC0-∞は5歳以上と比較して約30%低かった(外国人データ)。
5歳未満27例
5歳以上21例
3.74(33.5)
4.52(26.5)
25.6(40.4)
36.0(26.1)
2.1(40.6)
2.5(36.8)
4.3(39.2)
4.7(12.9)
平均値(変動係数%)Cmax:最高血漿中濃度AUC0-∞:血漿中濃度-時間曲線下面積Tmax:最高血漿中濃度到達時間T1/2:血漿中濃度半減期
年齢が20~80歳の健康被験者36例にガバペンチン400mgを単回経口投与した時のクリアランスは、加齢とともに低下した。加齢に伴うクリアランスの低下は腎機能の低下によるものと考えられた19) (外国人データ)。
健康成人16例を対象に制酸剤(水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウムを含有)及びガバペンチン(400mg)を同時に単回経口投与した時、ガバペンチンのCmax及びAUC0-∞は、ガバペンチン単独投与と比較してそれぞれ17及び20%減少した。ガバペンチンを制酸剤投与前2時間に投与した時のガバペンチンのCmax及びAUC0-∞は、ガバペンチン単独投与と比較してそれぞれ12及び19%減少した。ガバペンチンを制酸剤投与後2時間に投与した時のガバペンチンのCmax及びAUC0-∞は、ガバペンチン単独投与と比較してそれぞれ5及び11%減少した2) (外国人データ)。
フェニトイン単剤療法中のてんかん患者8例を対象にガバペンチンを反復経口投与(1回400mg 1日3回投与)した時、ガバペンチンはフェニトインの血漿中濃度(トラフ値)に影響を及ぼさず、またフェニトインもガバペンチンの薬物動態に影響を与えなかった20) (外国人データ)。
カルバマゼピン単剤療法中のてんかん患者12例を対象にガバペンチンを反復経口投与(1回400mg 1日3回投与)した時、ガバペンチンはカルバマゼピン及びその代謝物(10,11-エポキシド体)の血漿中濃度(トラフ値)に影響を及ぼさず、またカルバマゼピンもガバペンチンの薬物動態に影響を与えなかった21) (外国人データ)。
バルプロ酸単剤療法中のてんかん患者14例を対象にガバペンチンを反復経口投与(1回400mg 1日3回投与)した時、ガバペンチンはバルプロ酸の血清中濃度(トラフ値)に影響を及ぼさず、またバルプロ酸もガバペンチンの薬物動態に影響を与えなかった22) (外国人データ)。
健康成人14例を対象にフェノバルビタール(90mg/日)及びガバペンチン(1回300mg 1日3回投与)を反復経口投与した時、ガバペンチンはフェノバルビタールの血漿中濃度(トラフ値)に影響を及ぼさず、またフェノバルビタールもガバペンチンの薬物動態に影響を与えなかった23) (外国人データ)。
健康成人12例を対象に、モルヒネ(徐放性カプセル60mg単回投与)をガバペンチン投与(600mg単回投与)の2時間前に投与した時、ガバペンチンのCmax及びAUCは、ガバペンチン単独投与と比較してそれぞれ24%及び44%増加したとの文献報告がある。モルヒネの薬物動態パラメータは、モルヒネ投与の2時間後にガバペンチンを投与しても影響を受けなかった3) (外国人データ)。
健康成人12例を対象に、プロベネシド(1000mg単回投与)をガバペンチン投与(200mg単回投与)の1時間前に投与した時、ガバペンチンのCmax及びAUC0-∞は、ガバペンチン単独投与と比較してそれぞれ9.2%及び12.7%増加し、プロベネシドはガバペンチンの薬物動態に影響を与えなかった24) (外国人データ)。
健康成人12例を対象にシメチジン(1回300mg 1日4回投与)及びガバペンチン(400mg)を同時に単回経口投与した時、ガバペンチンのCmax及びAUC0-∞は、ガバペンチン単独投与と比較してそれぞれ6%減少及び17%増加したが、この差は臨床上問題となる差ではないと考えられた25) (外国人データ)。
健康成人女性13例を対象に経口避妊薬(ノルエチステロン2.5mg及びエチニルエストラジオール50μgの合剤1日1回投与)とガバペンチン(1回400mg 1日3回投与)を同時に経口投与した時、ガバペンチン併用時のノルエチステロンのCmax及びAUC0-24は、ガバペンチン非併用時と比較してそれぞれ13%及び3%増加し、ガバペンチンはノルエチステロンの薬物動態に影響を及ぼさなかった。また、ガバペンチン併用時のエチニルエストラジオールのCmax及びAUC0-24は、ガバペンチン非併用時と比較してそれぞれ9%及び6%増加し、ガバペンチンはエチニルエストラジオールの薬物動態に影響を及ぼさなかった26) (外国人データ)。
健康成人18例を対象に、ナプロキセン(250mg)及びガバペンチン(125mg)を同時に単回経口投与した時、ナプロキセンのCmax及びAUC0-∞はナプロキセン単独投与と比較してそれぞれ1%増加及び1.9%減少し、ガバペンチンはナプロキセンの薬物動態に影響を及ぼさなかった。ナプロキセン併用時のガバペンチンのCmax及びAUC0-∞は、ガバペンチン単独投与と比較してそれぞれ14%及び12%増加し、この差は臨床上問題となる差ではないと考えられた27) (外国人データ)。
既存の抗てんかん薬治療では十分に抑制できない部分発作を有するてんかん患者209例を対象として、二重盲検比較試験を実施した。ガバペンチン1200mg/日、1800mg/日及びプラセボを12週間経口投与(既存の抗てんかん薬との併用)した場合、主要評価項目であるResponse Ratio注1)の評価において、いずれのガバペンチン群もプラセボ群と比較して統計的に有意な発作頻度の減少が認められた28) 。
プラセボ群
ガバペンチン群
1200mg/日群
1800mg/日群
有効性評価例数
75
80
35
Response Ratioの平均値
-0.037
-0.144
-0.160
95%信頼区間
[-0.086、0.012]
[-0.195、-0.093]
[-0.230、-0.090]
プラセボ群との比較(ANOVA)
p=0.0032
p=0.0049
てんかん発作頻度減少率a)
-7.1%
-25.2%
-27.6%
注1)Response Ratioは、本薬の投与前28日あたりの発作頻度を「B」、投与後28日あたりの発作頻度を「T」とし、(T-B)/(T+B)で算出した。その値は、-1から+1になり、0は発作頻度に変化がないこと、-1は発作が完全に消失したことを示し、正の値は発作頻度が増加したことを示す。なお、Response Ratio:-0.333は、発作頻度が50%減少したことに相当する。a:Response Ratioの平均値から算出したてんかん発作頻度減少率(%)[=200×Response Ratio/(1-Response Ratio)]
副作用の発現率は、1200mg/日群で64.0%(55/86例)、1800mg/日群で65.9%(27/41例)であった。主な副作用は、傾眠(1200mg/日群:51.2%(44/86例)、1800mg/日群:43.9%(18/41例))、浮動性めまい(1200mg/日群:18.6%(16/86例)、1800mg/日群:19.5%(8/41例))であった。
既存の抗てんかん薬治療では十分に抑制できない部分発作を有するてんかん患者211例を対象として、長期投与試験(最長200週)を実施した。評価例数は24週で170例、48週で129例、96週で55例であり、96週のガバペンチン投与において、Response Ratioの平均は-0.389~-0.221(Response Ratioから算出したてんかん発作頻度減少率:-56.0~-36.2%)で推移した29),30) 。副作用の発現率は、55.5%(117/211例)であった。主な副作用は、傾眠21.3%(45/211例)、浮動性めまい12.8%(27/211例)及び頭痛11.4%(24/211例)であった。
既存の抗てんかん薬治療では十分に抑制できない部分発作を有する3~15歳の小児てんかん患者89例を対象として、非盲検試験を実施した。ガバペンチンを12週間経口投与した場合、主要評価項目であるResponse Ratioの平均値は主解析対象集団である86例において-0.158(Response Ratioから算出したてんかん発作頻度減少率:-27.3%)であり、発作頻度の減少が示された31) 。副作用の発現率は、52.8%(47/89例)であった。主な副作用は、傾眠39.3%(35/89例)、食欲亢進3.4%(3/89例)及び痙攣3.4%(3/89例)であった。
第Ⅲ相試験から移行した小児てんかん患者65例を対象として、長期投与試験(52週)を実施した。長期投与試験に移行後のResponse Ratioの平均値及びResponse Ratioから算出したてんかん発作頻度減少率は下表のように推移した32) 。
12週(開始時)
20週
28週
36週
48週
64週
評価例数
65
60
58
54
47
-0.211
-0.263
-0.256
-0.300
-0.280
-0.327
てんかん発作頻度減少率b)
-34.8%
-41.7%
-40.8%
-46.1%
-43.7%
-49.3%
b:Response Ratioの平均値から算出
副作用の発現率は、20.0%(13/65例)であった。主な副作用は、傾眠10.8%(7/65例)であった。
ガバペンチンの抗けいれん作用の作用機序は不明であるが、ガバペンチンはGABA関連受容体を含めて各種受容体及び主要なイオンチャネルとは結合せず、既存のてんかん薬とは異なる機序で抗けいれん作用を発現することが示唆されている。電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニット33) に結合して前シナプスでカルシウムの流入を抑制し34) 、興奮性神経伝達物質の遊離を抑制すること34) が寄与しているものと考えられている。また、脳内GABA量を増加させること35) が認められたが、その寄与は不明である。
ガバペンチンは、マウス及びラットにおける最大電撃による強直性伸展けいれんを用量依存的に抑制した。また、ガバペンチンはフェニトイン、カルバマゼピン及びバルプロ酸のマウスにおける最大電撃けいれん抑制作用のED50値を減少させた36) 。
ガバペンチンは、ペンチレンテトラゾール、ビククリン、ピクロトキシン、ストリキニーネ及びチオセミカルバジド誘発強直性伸展けいれんを抑制した。また、ペンチレンテトラゾール誘発間代性けいれんも抑制したが、ビククリン及びピクロトキシン誘発間代性けいれんを抑制しなかった36) 。
ガバペンチンは、海馬キンドリングラットにおいて、けいれん発作行動を改善し、後発射持続時間を短縮した36) 。
ガバペンチンは、マウスの聴原発作及びスナネズミの反射性てんかんを抑制した。一方、ラット欠神発作(小発作)及びヒヒ光原性ミオクロニー発作には効果を示さなかった36) 。
ガバペンチン(Gabapentin)
(1-Aminomethylcyclohexyl)acetic acid
C9H17NO2
171.24
ガバペンチンは白色~微黄白色の結晶性の粉末である。水又はメタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
-1.18(pH4.0、1-オクタノール/水系溶媒)
本剤の品質は熱の影響を受けるので、高温での保存を避け、涼しいところで保存すること。
100錠[10錠(PTP)×10]500錠[瓶]
100錠[10錠(PTP)×10]
1) 社内資料:授乳婦における薬物動態と乳汁移行(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.6)
2) 社内資料:制酸剤との薬物相互作用(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.2.2)
3) Eckhardt, K. et al.:Anesth Analg.2000;91(1):185-191
4) 社内資料:健康成人における単回投与時の安全性と薬物体内動態(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.2.2)
5) 社内資料:健康成人における反復投与時の安全性と薬物動態(1800mg/日)(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.2.2)
6) 社内資料:健康成人における反復投与時の安全性と薬物動態(2400mg/日)(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.4.2.2)
7) 社内資料:生物学的同等性ならびに食事の影響(シロップ剤)(承認年月日:2011年7月1日、CTD2.7.1.2.1.1)
8) 社内資料:生物学的同等性ならびに食事の影響(錠剤)(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.1.2)
9) 社内資料:バイオアベイラビリティ(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.1.2)
10) 社内資料:放射性標識体投与時の薬物動態及び代謝(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.6)
11) 社内資料:脳脊髄液移行及び薬物動態(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.5.3)
12) 社内資料:蛋白結合(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.6.4.4)
13) 社内資料:アンチピリンのクリアランスに対する作用(薬物代謝酵素誘導)(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.6)
14) 社内資料:ヒトcytochrome P450に対する阻害作用(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.2.2)
15) 社内資料:腎機能障害患者における薬物動態(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.2.2)
16) 社内資料:健康被験者、腎機能障害及びてんかん患者における母集団薬物動態(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.2.3)
17) 社内資料:血液透析患者における薬物動態(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.2.2)
18) 社内資料:腎機能低下患者における薬物動態
19) 社内資料:高齢者における薬物動態(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.2.2)
20) 社内資料:フェニトインとの薬物相互作用(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.2.2)
21) 社内資料:カルバマゼピンとの薬物相互作用(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.2.2)
22) 社内資料:バルプロ酸との薬物相互作用(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.2.2)
23) 社内資料:フェノバルビタールとの薬物相互作用(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.2.2)
24) 社内資料:プロベネシドとの薬物相互作用(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.2.2)
25) 社内資料:シメチジンとの薬物相互作用(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.2.2)
26) 社内資料:経口避妊薬との薬物相互作用(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.2.2)
27) 社内資料:ナプロキセンとの薬物相互作用(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.2.2)
28) 社内資料:成人における二重盲検法による難治てんかん(部分発作)に対する有効性及び安全性(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.6)
29) 社内資料:成人における長期投与時の有効性及び安全性(第Ⅱ相試験からの移行症例)(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.6)
30) 社内資料:成人における長期投与時の有効性及び安全性(第Ⅲ相試験からの移行症例)(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.6)
31) 社内資料:小児における非盲検法による難治てんかん(部分発作)に対する有効性及び安全性(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.3.2.1)
32) 社内資料:小児における長期投与時の有効性及び安全性(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.7.3.2.2)
33) Gee, N.S. et al.:J Biol Chem.1996;271(10):5768-5776
34) Fink, K. et al.:Br J Pharmacol.2000;130(4):900-906
35) Petroff, O.A.C. et al.:Epilepsia.2000;41(6):675-680
36) 社内資料:非臨床薬理(承認年月日:2006年7月26日、CTD2.6.2.2、2.6.2.5)
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