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サーファクテン気管注入用120mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2ヒト低出生体重児の肺機能
18.3ウサギ未熟胎児の肺圧-量特性
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

サーファクテン気管注入用120mg

添付文書番号

2219700G1039_2_01

企業コード

670109

作成又は改訂年月

2025年1月改訂(第2版)
2023年4月改訂

日本標準商品分類番号

872219

薬効分類名

新生児呼吸窮迫症候群治療剤

承認等

サーファクテン気管注入用120mg

販売名コード

YJコード

2219700G1039

販売名英語表記

SURFACTEN

販売名ひらがな

さーふぁくてんきかんちゅうにゅうよう

承認番号等

承認番号

22100AMX01654

販売開始年月

1987年11月

貯法・有効期間

貯法

5℃以下に保存

有効期間

3年

規制区分

一般的名称

肺サーファクタント製剤

3. 組成・性状

3.1 組成

サーファクテン気管注入用120mg

有効成分1瓶中 ウシ肺抽出物 120mg
一定比率のリン脂質、遊離脂肪酸、トリグリセライドを有する  

3.2 製剤の性状

サーファクテン気管注入用120mg

性状・剤形白色~微黄色の結晶性の塊又は粉末
無菌製剤である

4. 効能又は効果

呼吸窮迫症候群

6. 用法及び用量

生理食塩液(120mg/4mL)によく懸濁して、120mg/kgを気管内に注入する。全肺野に液をゆきわたらせるため、4~5回に分け、1回ごとに体位変換をする。1回ごとの注入にあたって、100%酸素でバギングしながら、経皮酸素分圧をモニターし、80mmHg以上にあることを確認する。初回投与の時期は、生後8時間以内が望ましい。
追加投与は、患者の症状に応じて決定する。用量は60~120mg/kgとする。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 追加投与は、吸入酸素濃度を0.4以下、あるいは平均気道内圧を7cmH2O以下に下げられず、かつ胸部X線像にて網状顆粒状陰影が認められる場合とすること。なお、原則として追加投与は1回とする。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 投与に際し、患者の循環動態、心機能を正しく評価し、それらの適切な治療を行うこと。
  2. 8.2 投与直後の換気条件の設定では、吸気時間を長く(0.7~1.0秒)、換気回数を低く(30~40回/分)、ある程度の圧(最大吸気圧20cmH2O:呼吸終末圧5cmH2O)は必要であること。
  3. 8.3 投与後、動脈血酸素分圧が改善された場合は、換気条件の前進はまず吸入酸素濃度を下げてから、圧設定、吸気時間、換気回数を調節すること。
  4. 8.4 呼吸窮迫症候群には生後早期より動脈管を介する左右短絡が存在することが知られており、回復期には短絡量が増加して肺うっ血、心不全をもたらす可能性が高く、本剤の効果を減弱させることがあるので、動脈管開存症の発症を念頭におくこと。特に、超低出生体重児では、投与後早期から動脈管閉鎖を目的とした治療を行うこと。
  5. 8.5 患者の感染に注意すること。
  6. 8.6 用法及び用量どおり正しく使用しても、効果が認められない場合は、別の疾患である可能性が考えられる。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 両親、兄姉等がアレルギー症状の既往のある患者

    患者血清中には抗体は検出されていないが、動物実験(モルモット、マウス)で抗体産生が認められている。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  1. 14.1.1 カテラン針を用いて生理食塩液4mLを本剤の表面全体に、泡を立てないよう静かに振りかけ、直ちに瓶を静かに回転させて、均一に懸濁させること。
  2. 14.1.2 本剤を生理食塩液以外の懸濁用液で懸濁すると懸濁不良(粘性が増したり、塊ができる等)となることがあるので、生理食塩液以外に混濁しないこと。
  3. 14.1.3 本剤は保存剤を含有していないため、懸濁後はできるだけ速やかに使用し、一部を使用した残液は、細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。

14.2 薬剤投与時の注意

  1. 14.2.1 懸濁液は体温程度に温めて使用すること。
  2. 14.2.2 気道内の羊水、粘液等を吸引除去したのち投与すること。
  3. 14.2.3 用法及び用量の記載に従って調製した液を、26G注射針をつけた注射器又は専用のプラスチック採液針を装着したカテーテルチップシリンジに吸いとり、3~4Frの滅菌細管につないで、気管内挿管チューブを介して気管に注入すること。
  4. 14.2.4 血管内に投与しないこと。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

ジパルミトイルホスファチジルコリンを14Cで標識化した本剤60mg/kgをラットに1回気管内に投与した結果、血中濃度は極めてゆるやかに上昇し、投与72時間後に最高に達し、その後約10日の消失半減期で徐々に低下した1)

16.2 吸収

気管内投与で肺胞より吸収

16.3 分布

ジパルミトイルホスファチジルコリンを14Cで標識化した本剤60mg/kgをラットに1回気管内に投与した結果、組織内濃度は、肺の残留が最も顕著で、肝、腎、副腎、膵、甲状腺など大部分の組織で72時間後に最高濃度に達した1)

16.4 代謝

ジパルミトイルホスファチジルコリンを14Cで標識化した本剤60mg/kgをラットに1回気管内に投与した結果、肺には大部分が未変化の1,2-dipalmitoyl-L-3-phosphatidylcholineとして存在し、一部choline、sphingomyeline、1-palmitoyl-lysophosphatidylcholine、betaine、palmitic acid、tripalmitoylglycerolの存在が認められた1)

16.5 排泄

ジパルミトイルホスファチジルコリンを14Cで標識化した本剤60mg/kgをラットに1回気管内に投与した結果、主排泄経路は呼気中で、徐々に排泄され1日当たりの排泄は投与後24時間が最も高かったが、投与後14~21日後においても排泄が認められた1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験

    人工換気療法のみの治療を対照とした呼吸窮迫症候群患者91例における比較対照試験において、本剤の有用以上の有用率は96.0%であった。副作用は認められなかった2)

  2. 17.1.2 国内第Ⅱ・Ⅲ相試験

    呼吸窮迫症候群患者を対象とした臨床試験の評価対象269例における有用以上の有用率は91.8%であった。吸入酸素濃度、平均気道内圧などの人工換気条件を早期より改善させることができ、また、このことにより気胸、間質性肺気腫及び脳室内出血の併発を低率に抑えることができた。副作用は認められなかった2),3),4),5)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

肺サーファクタントは、肺胞の気-液界面の表面張力を低下させて肺の虚脱を防止し、肺の安定した換気能力を維持する。
本剤は、肺サーファクタントの生理的役割を代償し、表面張力を低下させる。

18.2 ヒト低出生体重児の肺機能

呼吸窮迫症候群の低出生体重児(出生時体重750~1750g未満)に、人工換気管理下で本剤120mg/kgを投与した。動脈血酸素分圧、動脈血二酸化炭素分圧及びpHを生理的正常範囲に維持するために必要な最大吸気圧、平均気道内圧、換気回数、吸入酸素濃度などの人工換気条件は人工換気療法のみの治療群に比較し有意な改善を示した2)

18.3 ウサギ未熟胎児の肺圧-量特性

帝王切開にて取り出した妊娠27日のウサギ胎児を、初回呼吸前に脱血して屠殺し、本剤60mg/kgを投与したところ、満期ウサギ胎児と同程度の肺圧-量特性を示した6)

19. 有効成分に関する理化学的知見

性状

白色~微黄色の結晶性の塊又は粉末で、僅かに特異なにおいがある。クロロホルムに溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテル又はヘキサンに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。

20. 取扱い上の注意

本剤は凍結乾燥製品なので通常は塊となっているが、塊が崩れていても効力に影響はない。

22. 包装

120mg[1瓶(無色透明瓶)]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

*富士製薬工業株式会社 くすり相談室

〒939-3515 富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地

(TEL)0120-956-792
(FAX)076-478-0336

26. 製造販売業者等

26.1 *製造販売元

富士製薬工業株式会社

富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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