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ノアルテン錠(5mg)

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2黄体ホルモン作用
18.3卵胞ホルモン作用
18.4ゴナドトロピン抑制作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ノアルテン錠(5mg)

添付文書番号

2479002F1026_4_03

企業コード

670109

作成又は改訂年月

2022年3月改訂(第1版、効能変更)

日本標準商品分類番号

872479

薬効分類名

経口黄体ホルモン剤

承認等

ノアルテン錠(5mg)

販売名コード

YJコード

2479002F1026

販売名英語表記

Norluten tablets

販売名ひらがな

のあるてんじょう(5mg)

承認番号等

承認番号

13328KUZ07812

販売開始年月

1957年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

5年

一般的名称

ノルエチステロン

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 重篤な肝障害・肝疾患のある患者
  2. 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

3. 組成・性状

3.1 組成

ノアルテン錠(5mg)

有効成分1錠中 日局 ノルエチステロン   5mg
添加剤乳糖水和物、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム

3.2 製剤の性状

ノアルテン錠(5mg)

性状・剤形白色の円形の素錠
外形
表面


裏面


側面
大きさ直径 約7.0mm
厚さ 約3.3mm
質量約0.13g
識別コードFJ360

4. 効能又は効果

*無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)又は生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、月経量異常(過少月経、過多月経)、月経困難症、卵巣機能不全症、黄体機能不全による不妊症、機能性子宮出血、月経周期の変更(短縮及び延長)

5. 効能又は効果に関連する注意

  • *〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整〉

    妊娠率や生産率の報告を踏まえると、本剤を含む黄体ホルモン剤と卵胞ホルモン剤の併用で調節卵巣刺激の開始時期の調整を行った場合は、開始時期の調整を行わない場合と比べて、妊娠率や生産率が低下する可能性があるので、このことを患者に説明した上で、本剤の投与の要否は、患者ごとに治療上の必要性を考慮して慎重に判断すること。

6. 用法及び用量

  • 〈効能共通〉

    通常、成人にはノルエチステロンとして1日5~10mgを1~2回に分割経口投与する。

  • 〈月経周期の変更(延長)〉

    1日5mgを月経予定5日前から投与し始め、月経周期延長希望日まで連続投与する。

  • 〈月経周期の変更(短縮)〉

    1日5mgを卵胞期に投与し、数日間連続投与する。

8. 重要な基本的注意

  • *〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、黄体機能不全による不妊症〉

    本剤は、不妊治療に十分な知識と経験のある医師のもとで使用すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 心疾患のある患者又はその既往歴のある患者

    ナトリウム又は体液の貯留があらわれることがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 腎疾患のある患者又はその既往歴のある患者

    ナトリウム又は体液の貯留があらわれることがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重篤な肝障害・肝疾患のある患者

    投与しないこと。肝障害・肝疾患を悪化させることがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1 *妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠初期・中期に投与した場合には、まれに新生女児の外性器の男性化が起こることがある。
  2. 9.5.2 *黄体ホルモン剤の使用と先天異常児出産との因果関係は、いまだ確立されたものではないが、心臓・四肢等の先天異常児を出産した母親では、対照群と妊娠初期に黄体又は黄体・卵胞ホルモン剤を使用していた群との間に、有意差があったとの疫学的調査結果が報告されている1)

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)

    アナフィラキシー(呼吸困難、蕁麻疹、血管浮腫、そう痒感等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

5%以上又は頻度不明

0.1~5%未満

0.1%未満

過敏症

発疹等

肝臓

肝機能異常

電解質代謝

浮腫、体重増加等

消化器

食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、腹痛等

子宮

不正出血、破綻出血、点状出血、経血量の変化、下腹部痛等

乳房

乳房緊満感、乳房痛等

精神神経系

頭痛

眠気等

その他

ざ瘡、熱感、腰痛

倦怠感

注)発現頻度は再評価結果時を含む。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

  1. 15.1.1 *長期服用により肝腫瘍が発生したとの報告がある2)
  2. 15.1.2 *調節卵巣刺激の前周期に低用量卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤を投与した場合の生産率及び継続妊娠率は、投与しなかった場合と比較して低かったとの報告がある3)

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

女性にノルエチステロン10mgを単回経口投与したとき、投与2時間後に最高血中濃度に達し、消失半減期は約5時間であった4)
[測定法:competitive protein binding(CPB)]

16.4 代謝

子宮癌術後の女性に、ノルエチステロン100mg注)を単回経口投与し、フェノール性代謝物の定性試験を行ったとき、ノルエチステロンは主に肝臓で17α-エチニルエストラジオールに一部代謝されることが証明された5)

16.5 排泄

子宮癌末期患者に3H-標識ノルエチステロン5.0mgを単回経口投与したとき、尿中から投与量の約30%が5日間で排泄され、6日目以降は尿中から放射活性は認められなかった6)
注)本剤の承認用量は、「1日5~10mgを1~2回に分割経口投与する。」である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  • 〈無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)、月経量異常(過少月経、過多月経)、月経困難症、卵巣機能不全症、機能性子宮出血、月経周期の変更(短縮及び延長)〉
    1. 17.1.1 臨床試験

      再評価結果における有効性評価対象例は341例であり、有効率は89.7%(306例)であった7),8),9),10),11),12),13),14),15),16),17),18),19),20),21),22),23),24),25),26),27)

      表1 臨床成績

      疾患名

      有効例数/有効性評価対象例数

      有効率(%)

      無月経

      84/91

      92.3

      月経周期異常(稀発月経)

      16/16

      100

      月経量異常(過多月経)

      6/6

      -

      月経困難症

      12/12

      100

      卵巣機能不全症

      11/13

      84.6

      機能性子宮出血

      65/70

      92.9

      月経周期の変更(短縮)

      36/46

      78.3

      月経周期の変更(延長)

      76/87

      87.4

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

標的臓器(子宮内膜等)の細胞内に存在する特定のレセプター蛋白を介して発揮される。すなわち、細胞内のレセプター蛋白と結合してその立体構造を変え、DNAの特定領域に結合する。
その部位の遺伝子が活性化されて特定のmRNAが生成され、特異蛋白の合成が起こり、ホルモン効果が発揮される28),29)

18.2 黄体ホルモン作用

ウサギにおけるノルエチステロンの黄体ホルモン作用は、Miyake-Pincus法(経口投与)でノルエチノドレルの約3倍である30)

18.3 卵胞ホルモン作用

マウスにおいて卵胞ホルモン作用をわずかながら有する31)

18.4 ゴナドトロピン抑制作用

ラットにおいてゴナドトロピン抑制作用を有する32)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ノルエチステロン(Norethisterone)

化学名

17-Hydroxy-19-nor-17α-pregn-4-en-20-yn-3-one

分子式

C20H26O2

分子量

298.42

性状

白色~微黄白色の結晶性の粉末で、においはない。
エタノール(95)、アセトン又はテトラヒドロフランにやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
光によって変化する。

化学構造式

融点

203~209℃

分配係数

933[1-オクタノール/水]

22. 包装

100錠[10錠(PTP)×10]

23. 主要文献

1) Nora JJ, et al.:Lancet. 1973;1(7809):941-942

2) Kalra PA, et al.:Br Med J. 1987;294(6575):808

3) Cochrane Database Syst Rev 2017:5:CD006109

4) 宮越洋二ほか:日本内分泌学会雑誌. 1972;47(12):1077

5) 石原貞尚:日本内分泌学会雑誌. 1966;42(1):55-65

6) 村田修吾:日本内分泌学会雑誌. 1968;43(11):1083-1096

7) 楠田雅彦:産婦人科の世界. 1958;10:1003-1011

8) 赤須文男ほか:最新医学. 1957;12:1789-1793

9) 赤須文男ほか:ホルモンと臨床. 1963;11:1135-1143

10) 奥村健次ほか:産科と婦人科. 1956;33:1045-1048

11) 御国生雄三ほか:産婦人科の世界. 1959;11:937-940

12) 村上旭ほか:日本不妊学会雑誌. 1958;3:41-43

13) 足高義雄ほか:最新医学. 1958;13:2681-2686

14) 唐澤陽介ほか:産科と婦人科. 1956;33:362-366

15) 宮崎英智ほか:産婦人科治療. 1967;15:107-110

16) 小坂清吉ほか:モダンテラピー. 1960;13:30-34

17) 的埜中:産婦人科治療. 1960;1:271-281

18) 島津志行ほか:新薬と臨牀. 1960;9:721-724

19) 山本孝也:東京医科大学雑誌. 1968;26:385-403

20) 有光桂子:新薬と臨牀. 1960;9:593-600

21) 的埜中ほか:産婦人科の実際. 1958;7:456-464

22) 植田安雄ほか:日本医事新報. 1958;21-25

23) 山田広道:新薬と臨牀. 1958;7:875-878

24) 飯塚理八ほか:臨床婦人科産科. 1959;13:699-706

25) 石塚直隆ほか:モダンテラピー. 1959;12:4-12

26) 上田博雄ほか:産婦人科の進歩. 1966;18:203-205

27) 足立春雄:モダンテラピー. 1960;13:2-12

28) 岡田弘二編著:産婦人科における薬物療法. 1991;27-31

29) 髙折修二ほか監訳:グッドマン・ギルマン薬理書 第11版 廣川書店. 2007:1978-1980

30) Miyake T, et al.:Endocrinol. 1958;63(12):816-824

31) Miyake T, et al.:Endocrinol. 1961;69(3):534-546

32) 徳田源市ほか:日本不妊学会雑誌. 1968;13(3):256-263

24. 文献請求先及び問い合わせ先

富士製薬工業株式会社 富山工場 学術情報課

〒939-3515 富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地

(TEL)0120-956-792
(FAX)076-478-0336

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

富士製薬工業株式会社

富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地

26.2 提携先

Searle(米国)

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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