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日本薬局方
クロミフェンクエン酸塩錠
処方箋医薬品注)
無排卵症の患者に対して本剤により排卵誘発を試みる場合には、まずGestagen、Estrogen testを必ず行って、消退性出血の出現を確認し、子宮性無月経を除外した後、経口投与を開始する。通常第1クール1日クロミフェンクエン酸塩として50mg 5日間で開始し、第1クールで無効の場合は1日100mg 5日間に増量する。用量・期間は1日100mg 5日間を限度とする。
通常、クロミフェンクエン酸塩として1日50mgを月経周期3日目から5日間経口投与する。効果不十分な場合は、次周期以降の用量を1日100mgに増量できる。
通常、クロミフェンクエン酸塩として1回50mgを隔日経口投与する。
一般に3クール反復投与しても排卵性月経の全くみられない場合には投与を中止すること。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。
症状が増悪するおそれがある。
乳癌が再発するおそれがある。
卵巣過剰刺激症候群が起こりやすい。,,
子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合がある。
アンドロゲン産生を促進するため、症状が増悪するおそれがある。
本剤を用いた不妊治療を女性に行う場合、本剤の投与の可否については、本剤が血栓塞栓症の発現リスクを増加させることを考慮して判断すること。なお、妊娠自体によっても血栓塞栓症のリスクは高くなることに留意すること。,,,,
投与しないこと。肝障害を悪化させるおそれがある。
肝障害を悪化させるおそれがある。
妊娠初期の投与を避けるため、以下の対応を行うこと。,
投与しないこと。動物試験で胎児毒性並びに催奇形作用が認められている。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
本剤を用いた不妊治療により、卵巣腫大、下腹部痛、下腹部緊迫感、腹水、胸水、呼吸困難を伴う卵巣過剰刺激症候群があらわれることがあり、卵巣破裂、卵巣茎捻転、脳梗塞、肺塞栓を含む血栓塞栓症、肺水腫、腎不全等が認められることもある。本剤投与後に卵巣過剰刺激症候群が認められた場合には、重症度に応じて適切な処置を行うこと。重度の卵巣過剰刺激症候群が認められた場合には、入院させて適切な処置を行うこと。,,,,
5%以上又は頻度不明
0.1~5%未満
0.1%未満
眼
虚血性視神経症
霧視等の視覚症状注1)
過敏症
発疹等
精神神経系
精神変調
頭痛、情動不安等
肝臓
AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇、γ-GTP上昇
5%以上のBSP排泄遅延
消化器
悪心・嘔吐、食欲不振等
*その他
男性:女性化乳房、ざ瘡、脱毛
顔面潮紅、尿量増加、口渇、疲労感
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
消化管から速やかに吸収され、腸肝循環が認められる5)。血漿中からの消失半減期は5~7日である6),7)(外国人データ)。
主に肝臓で代謝され、主要代謝物はA環の炭素4位の水酸化体で、クロミフェンクエン酸塩より強い抗エストロゲン活性を持ち7)、長時間作用する5)(外国人データ)。
患者6例に、14C-標識クロミフェンクエン酸塩を経口投与したとき、5日間で平均51%が排泄された。主に糞便中に排泄され、投与後6週間までは糞便中濃度が尿中濃度を超えていた。このことは、未変化体及び代謝物が腸肝循環でゆっくりと排泄されたことを示している8)(外国人データ)。
承認時における一般臨床試験での排卵誘発率を指標とした有効性評価対象例は49例であり、有効率は44.9%(22例)であった9)。
疾患名
有効例数/有効性評価対象例数
有効率(%)
第1度無月経
9/16
56.3
第2度無月経
1/17
5.9
無排卵周期症
12/16
75.0
クロミフェンクエン酸塩は、内因性エストロゲンのレベルが保たれている無排卵症婦人に投与すると、視床下部のエストロゲン受容体に内因性エストロゲンと競合的に結合し、GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)を分泌させる。その結果、下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)が分泌され、卵巣を刺激して排卵が誘発される10)。クロミフェンクエン酸塩は、乏精子症において、視床下部及び下垂体に対して抗エストロゲンとして作用することで、下垂体からFSH及びLH分泌を促進する。その結果、精巣中のライディッヒ細胞及びセルトリ細胞が刺激され、精子形成が誘導されると考えられる11)。
クロミフェンクエン酸塩は、ごく弱いエストロゲン作用を有し、そのエストロゲン活性は、エストラジオール-17β(E2)の1~2%である12)。幼若雄性ラットにおいて、クロミフェンクエン酸塩は、0.1~0.5mg/kgの投与量で前立腺腹葉及び精嚢重量を増加させる13)。また、幼若雄性ラットにおいて、クロミフェンクエン酸塩は、0.3mg/kgの投与量で下垂体FSH含量を増加させる14)。
クロミフェンクエン酸塩(Clomifene Citrate)
2-[4-(2-Chloro-1,2-diphenylvinyl)phenoxy]-N,N-diethylethylamine monocitrate
C26H28ClNO・C6H8O7
598.08
白色~微黄白色の粉末で、においはない。メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、水に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。 光によって徐々に着色する。
約115℃
関連学会と連携の上、本剤投与下で形成された精子を用いた妊娠での児への影響に関してデータを収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
30錠[10錠(PTP)×3]
1) Rossing MA, et al.:N Engl J Med.1994;331(12):771-776
2) 伊藤由紀ほか:日病薬誌.2003;39(10):1247-1249
3) Benshushan A, et al.:Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol.1995;62(2):261-262
4) Nagao T, et al.:Teratog Carcinog Mutagen .2001;21(3):213-221
5) Geier A, et al.:Fertil Steril.1987;47(5):778
6) USP DI Vol.Ⅰ Drug Information for the Health Care Professional 27th ed.:Thomson Healthcare.2007:848-850
7) 髙折修二ほか監訳:グッドマン・ギルマン薬理書 第11版 廣川書店.2007:1988-1990
8) Schreiber E, et al.:Clin Res.1966;14:287
9) 植田安雄ほか:日本産科婦人科学会雑誌.1966;18(6):555
10) 青野敏博:産婦人科の進歩.1976;28(5):407
11) Awouters M, et al.: Andrology. 2020;8(6):1590-1597
12) 寺川直樹:臨床婦人科産科,1988;42(3):247
13) Roy S, et al.:Acta Endocrinol (Copenh).1964;47:645-656
14) Boyar RM.:Endocrinology.1970;86(3):629-633
*富士製薬工業株式会社 富山工場 学術情報課
〒939-3515 富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地
(TEL)0120-956-792(FAX)076-478-0336
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