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劇薬
処方箋医薬品注)
子宮収縮の促進並びに子宮出血の予防及び治療の目的で次の場合に使用する。胎盤娩出前後、弛緩出血、子宮復古不全、帝王切開術、流産、人工妊娠中絶
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩として、通常成人1回0.1~0.2mgを静脈内注射するか、又は0.2mgを皮下、筋肉内注射する。なお、症状により適宜増減する。
静脈内注射は血圧等に注意しながら徐々に行うこと(特に麻酔剤、昇圧剤等を併用する場合)。
血管収縮作用により、これらの症状が悪化するおそれがある。
本剤の代謝・排泄が遅延するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。子宮収縮作用により、子宮内胎児への悪影響、流産のおそれがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中へ移行することが報告されている。
*HIVプロテアーゼ阻害剤
エファビレンツ(ストックリン)
アゾール系抗真菌薬
*コビシスタット含有製剤(ゲンボイヤ、プレジコビックス、シムツーザ)
ニルマトレルビル・リトナビル(パキロビッド)
レテルモビル(プレバイミス)
エンシトレルビル(ゾコーバ)
*レナカパビル(シュンレンカ)
本剤の血中濃度が上昇し、血管攣縮等の重篤な副作用を起こすおそれがある。
*これらの薬剤がCYP3A4を阻害することにより、本剤の代謝が阻害されるおそれがある。
5-HT1B/1D受容体作動薬
エルゴタミン・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン)
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。なお、5-HT1B/1D受容体作動薬と本剤を前後して投与する場合は24時間以上の間隔をあけて投与すること。
これらの薬剤との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。
ブロモクリプチン
血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれるおそれがある。
機序は明確ではないが、相互に血管収縮作用、血圧上昇作用を増強すると考えられる。
マクロライド系抗生物質
シメチジン
スチリペントール
グレープフルーツジュース
ネビラピン
リファンピシン
本剤の血中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。
これらの薬剤はCYP3A4を誘導することから本剤の代謝が促進されると考えられる。
血圧低下、悪心、嘔吐、チアノーゼ、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
頻度不明
過敏症
発疹等
循環器
動悸、頻脈、徐脈、胸痛、胸部圧迫感、血圧上昇、血圧低下等
血管系
静脈血栓、末梢循環障害、血管痙攣
精神神経系
頭痛、めまい、眠気、痙攣、耳鳴、幻覚、興奮、口渇、錯感覚等
消化器
悪心、嘔吐、下痢、腹痛等
筋・骨格系
筋痙攣
投与部位
疼痛、硬結
その他
胎盤嵌頓、多汗
悪心、嘔吐、腹痛、しびれ感、手足の刺痛感、血圧上昇、血圧低下、呼吸抑制、低体温、痙攣、昏睡等を生じることがある。
筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、以下の点に注意すること。
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩注0.2mg「F」とメテルギン注射液を、クロスオーバー法によりそれぞれ1mL(メチルエルゴメトリンマレイン酸塩として0.2mg)健康成人男子に筋肉内投与して血漿中メチルエルゴメトリンマレイン酸塩濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された1) 。
筋肉内投与
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0→inf(ng・hr/mL)
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩注0.2mg「F」
20.54±3.36
5.92±1.21
0.66±0.23
2.88±1.44
メテルギン注射液
21.20±3.77
6.25±1.00
0.64±0.19
2.32±0.99
(mean±S.D.,n=14)
※血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩注0.2mg「F」とメテルギン注射液を、クロスオーバー法によりそれぞれ1mL(メチルエルゴメトリンマレイン酸塩として0.2mg)健康成人男子に皮下投与して血漿中メチルエルゴメトリンマレイン酸塩濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された1) 。
皮下投与
13.89±2.15
4.26±0.72
0.75±0.00
3.22±3.02
14.20±2.33
4.19±0.55
0.73±0.07
3.52±1.46
児娩出直後にメチルエルゴメトリンマレイン酸塩注射液1管を静脈内又は筋肉内に投与した結果、分娩第3期所要時間の短縮と出血量の減少がみられた2),3),4) 。
メチルエルゴメトリンは子宮平滑筋に選択的に作用して子宮を持続的に収縮させ、子宮血管を圧迫して止血効果を発現する。また、分娩第III期(胎盤娩出期)を短縮させ、子宮出血量を減少させる5) 。
メチルエルゴメトリンの子宮収縮作用はエルゴメトリンよりやや強く、作用持続時間も長いが、血圧上昇作用はエルゴメトリン、エルゴタミンより弱い5),6),7),8) 。作用発現は静脈内注射で0.5~1分、筋肉内注射で2~5分、経口投与では3~5分で、作用持続時間は3~6時間である5),6) 。
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(Methylergometrine Maleate)
(8R)-N-[(1S)-1-(Hydroxymethyl)propyl]-6-methyl-9,10-didehydroergoline-8-carboxamide monomaleate
C20H25N3O2・C4H4O4
455.50
白色~微黄色の結晶性の粉末で、においはない。水、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。光によって徐々に黄色となる。融点:約190℃(分解)
外箱開封後は遮光して保存すること。
1mL[10アンプル]
1) 社内資料:生物学的同等性試験
2) 鈴木 孝他:産婦人科の世界. 1972;24(10):1179-1180
3) 福島峰子他:産婦人科の世界. 1972;24(4):469-472
4) 山本 浩他:産婦人科の世界. 1971;23(8):871-872
5) 田中 潔:現代の薬理学. 金原出版;1984. p. 394-405
6) Osol, A. et al.:The United States Dispensatory, 27th Ed.(J. B. Lippincott, Philadelphia)1973:p. 745-746
7) Goth, A.:Medical Pharmacology, 5th Ed. 丸善;1971:p. 462-464
8) Landesman, R. et al.:Am. J. Obstet. Gynecol. 1956;72(1):84-92
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