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日本薬局方
リトドリン塩酸塩錠
処方箋医薬品注)
切迫流・早産
通常、1回1錠(リトドリン塩酸塩として5mg)を1日3回食後経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
症状が増悪するおそれがある。
過度の昇圧が起こるおそれがある。
心拍数増加等により症状が増悪するおそれがある。
過度の血糖上昇があらわれることがある。また、糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることもある。,
肺水腫が起こるおそれがある。
横紋筋融解症があらわれることがある。
投与しないこと。本剤の臨床適用は切迫流・早産であるが、妊娠16週未満の症例に関する安全性及び有効性は確立していない。臨床試験において妊娠16週未満の症例数は少ない。
出産直前に本剤を投与した場合には、母乳栄養の有益性を考慮し、出産直後の授乳を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
β刺激剤
作用が増強されることがある。
相加的に作用が増強される。
β遮断剤
作用が減弱されることがある。
β受容体において競合的に拮抗する。
カリウム減少性利尿剤
過度の血清カリウム低下が起こるおそれがある。
相加的にカリウム低下が増強される。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。
血糖値の急激な上昇や糖尿病の悪化から、糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることがある。糖尿病性ケトアシドーシスに至ると母体と胎児の生命を脅かすことがある。,,
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
循環器
動悸・頻脈
顔面潮紅
不整脈(心室性期外収縮等)
肝臓
AST、ALTの上昇等
血液
血小板減少
精神神経系
ふらつき
振戦、しびれ
消化器
嘔気
腹痛
過敏症
発疹、紅斑
その他
唾液腺腫脹、高アミラーゼ血症(唾液腺型アミラーゼ増加)
胎児・
新生児
胎児頻脈、胎児不整脈、新生児頻脈、新生児低血糖症
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本薬の注射剤において、肺水腫、心不全、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、ショック、不整脈、肝機能障害、黄疸、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、胸水、母体の腸閉塞、胎児及び新生児における心不全、可逆的な新生児心室中隔壁の肥大、新生児低血糖、新生児高カリウム血症があらわれたとの報告がある。
リトドリン塩酸塩錠5mg「F」とウテメリン錠5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ2錠(リトドリン塩酸塩として10mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された1)。注) 本剤の承認されている用法・用量は「通常、1回1錠(リトドリン塩酸塩として5mg)を1日3回食後経口投与する。なお、症状により適宜増減する。」である。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0→inf(ng・hr/mL)
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
リトドリン塩酸塩錠5mg「F」
27.75±9.17
8.11±4.07
0.64±0.41
3.91±2.21
ウテメリン錠5mg
28.61±10.46
8.50±4.71
0.59±0.46
4.60±2.62
(mean±S.D., n=14)
※血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
切迫早産患者291例(リトドリン塩酸塩群98例、酢酸メドロキシプロゲステロン群98例、プラセボ群95例)を対象とし、リトドリン塩酸塩1日15mgを2週間経口投与した。その結果、有用以上の有用率は、リトドリン塩酸塩群65.9%(60/91)、プラセボ群31.0%(27/87)であり、リトドリン塩酸塩はプラセボに比して有意に優ることが確認された。副作用発現割合は、リトドリン塩酸塩群で11.2%(11/98例)であった。主な副作用は、心悸亢進であった2)。
切迫流産患者244例(リトドリン塩酸塩群122例、ピペリドレート塩酸塩群122例)を対象とし、リトドリン塩酸塩1日15mgを7日間経口投与した。その結果、有用以上の有用率は、リトドリン塩酸塩群で66%であった。副作用発現割合は、リトドリン塩酸塩群で5.7%(7/122例)であった。主な副作用は、心悸亢進であった3)。
薬理学的な分析より、リトドリン塩酸塩はβ受容体に対する選択的な刺激効果に基づきc-AMP含量を増加させ、Ca++の貯蔵部位への取り込みを促進して子宮運動抑制をきたすと考えられるとともに、膜の過分極、膜抵抗減少及びスパイク電位発生抑制をきたし、子宮収縮抑制作用を発揮する4),5)(in vitro)。
妊娠後期のラット、ウサギ、ヒツジ及びアカゲザルの自発性子宮運動ならびにPGF2α、オキシトシンなどの薬物誘発子宮運動亢進反応をリトドリン塩酸塩は用量依存的に抑制した6),7),8),9)。
妊娠ラット摘出子宮筋の自発運動ならびにアセチルコリン、オキシトシン、PGF2α、KCl及び電気刺激による誘発子宮収縮をリトドリン塩酸塩は濃度依存的に著明に抑制した6)(in vitro)。
ラット摘出妊娠子宮筋及びモルモット摘出右心房標本を用いた実験で、リトドリン塩酸塩はイソプレナリン塩酸塩、イソクスプリン塩酸塩に比し優れた子宮筋への選択性を示した4)(in vitro)。
リトドリン塩酸塩(Ritodrine Hydrochloride)
(1RS, 2SR)-1-(4-Hydroxyphenyl)-2-{[2-(4-hydroxyphenyl)ethyl]amino}propan-1-ol monohydrochloride
C17H21NO3・HCl
323.81
白色の結晶性の粉末である。水、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすい。0.01mol/L塩酸試液に溶ける。水溶液(1→10)は旋光性を示さない。光により徐々に淡黄色となる。融点:196℃(分解)
外箱開封後は遮光して保存すること。
100錠[10錠(PTP)×10]500錠[10錠(PTP)×50]
1) 社内資料:生物学的同等性試験
2) 坂元正一ほか. 医学のあゆみ. 1985; 133(10): 734-751
3) 坂元正一ほか. 産科と婦人科. 1991; 58(9): 1597-1615
4) 池田 滋ほか. Japan. J. Pharmacol. 1984; 36(4): 477-484
5) 和泉秀隆ほか. Br. J. Pharmacol. 1982; 76(3): 463-471
6) 池田 滋ほか. Japan. J. Pharmacol. 1984; 35(3): 319-326
7) 池田 滋ほか. 日本産科婦人科学会雑誌. 1983; 35(11): 1963-1971
8) 藤本征一郎ほか. Asia-Oceania. J. Obstet. Gynaecol. 1983; 9(3): 325-333
9) 飯塚宏美ほか. 実中研・前臨床研究報. 1983; 9(1): 1-5
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