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処方箋医薬品注)
胚細胞腫瘍で卵巣腫瘍に該当するものは、未熟奇形腫、未分化胚細胞腫、卵黄嚢腫瘍などである。
通常、成人、小児ともに、フィルグラスチム(遺伝子組換え)[後続1]400μg/m2を1日1回又は2回に分割し、5日間連日又は末梢血幹細胞採取終了時まで連日皮下投与する。この場合、末梢血幹細胞採取はフィルグラスチム(遺伝子組換え)[後続1]投与開始後4~6日目に施行する。ただし、末梢血幹細胞採取終了前に白血球数が50,000/mm3以上に増加した場合は減量する。減量後、白血球数が75,000/mm3に達した場合は投与を中止する。なお、状態に応じて適宜減量する。
通常、成人、小児ともに、がん化学療法剤投与終了翌日又はがん化学療法により好中球数が最低値を経過後、フィルグラスチム(遺伝子組換え)[後続1]400μg/m2を1日1回又は2回に分割し、末梢血幹細胞採取終了時まで連日皮下投与する。ただし、末梢血幹細胞採取終了前に白血球数が50,000/mm3以上に増加した場合は減量する。減量後、白血球数が75,000/mm3に達した場合は投与を中止する。なお、状態に応じて適宜減量する。
通常、成人、小児ともに、がん化学療法剤投与終了後(翌日以降)で骨髄中の芽球が十分減少し末梢血液中に芽球が認められない時点から、フィルグラスチム(遺伝子組換え)[後続1]200μg/m2を1日1回静脈内投与(点滴静注を含む)する。出血傾向等の問題がない場合はフィルグラスチム(遺伝子組換え)[後続1]100μg/m2を1日1回皮下投与する。ただし、好中球数が最低値を示す時期を経過後5,000/mm3に達した場合は投与を中止する。なお、本剤投与の開始時期及び中止時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
通常、成人、小児ともに、がん化学療法剤投与終了後(翌日以降)から、フィルグラスチム(遺伝子組換え)[後続1]50μg/m2を1日1回皮下投与する。出血傾向等により皮下投与が困難な場合はフィルグラスチム(遺伝子組換え)[後続1]100μg/m2を1日1回静脈内投与(点滴静注を含む)する。ただし、好中球数が最低値を示す時期を経過後5,000/mm3に達した場合は投与を中止する。なお、本剤投与の開始時期及び中止時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
通常、成人、小児ともに、がん化学療法により好中球数1,000/mm3未満で発熱(原則として38℃以上)あるいは好中球数500/mm3未満が観察された時点から、フィルグラスチム(遺伝子組換え)[後続1]50μg/m2を1日1回皮下投与する。出血傾向等により皮下投与が困難な場合はフィルグラスチム(遺伝子組換え)[後続1]100μg/m2を1日1回静脈内投与(点滴静注を含む)する。また、がん化学療法により好中球数1,000/mm3未満で発熱(原則として38℃以上)あるいは好中球数500/mm3未満が観察され、引き続き同一のがん化学療法を施行する症例に対しては、次回以降のがん化学療法施行時には好中球数1,000/mm3未満が観察された時点から、フィルグラスチム(遺伝子組換え)[後続1]50μg/m2を1日1回皮下投与する。出血傾向等により皮下投与が困難な場合はフィルグラスチム(遺伝子組換え)[後続1]100μg/m2を1日1回静脈内投与(点滴静注を含む)する。ただし、好中球数が最低値を示す時期を経過後5,000/mm3に達した場合は投与を中止する。なお、本剤投与の開始時期及び中止時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
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妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(造血機能、肝機能、腎機能等)が低下している。
,,
間質性肺炎が発現又は増悪することがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難及び胸部X線検査異常等が認められた場合には、本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
急速に進行する呼吸困難、低酸素血症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には本剤の投与を中止し、呼吸管理等の適切な処置を行うこと。
急性骨髄性白血病及び骨髄異形成症候群患者において、芽球の増加を促進させることがある。,,
低血圧、低アルブミン血症、浮腫、肺水腫、胸水、腹水、血液濃縮等が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
発熱、CRP上昇、大動脈壁の肥厚等が認められた場合には、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
脾臓の急激な腫大が認められた場合には、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
皮膚
発疹、発赤
好中球浸潤・有痛性紅斑・発熱を伴う皮膚障害(Sweet症候群等)
筋・骨格
骨痛、腰痛
胸痛、関節痛、筋肉痛
四肢痛
消化器
悪心・嘔吐
肝臓
ALT上昇
肝機能異常、AST上昇
*血液
血小板減少、白血球増加症、髄外造血
腎臓
糸球体腎炎
その他
LDH上昇
発熱、Al-P上昇
頭痛、倦怠感、動悸、尿酸上昇、血清クレアチニン上昇、CRP上昇
浮腫
注)発現頻度は使用成績調査を含む。
点滴静注に際しては、5%ブドウ糖注射液、生理食塩液等の輸液に混和する。また、本剤を投与する場合は他剤との混注を行わないこと。
顆粒球コロニー形成刺激因子が、数種のヒト膀胱癌及び骨肉腫細胞株に対しin vitroあるいはin vivoで増殖促進傾向を示したとの報告がある。
本剤及びグラン®注射液M300について、クロスオーバー法によりそれぞれ400μg/m2を健康成人男子に絶食単回皮下投与して血漿中のhG−CSF(ヒト顆粒球コロニー形成刺激因子)濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の同等性が確認された3) 。
本剤又はグラン注射液M300投与後の平均血漿中hG-CSF濃度推移
AUC0-48
(ng/hr/mL)
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
MRT(hr)
本剤
534.59±120.91
35.48±9.08
7.9±1.2
6.58±1.42
11.48±1.09
グラン®注射液M300
562.02±116.33
37.49±8.69
8.2±1.2
7.02±1.64
11.43±1.05
(mean±S.D.,n=39)
本剤及びグラン®シリンジ150について、クロスオーバー法によりそれぞれ200μg/m2を30分間かけて、健康成人男子に絶食単回点滴静注して血漿中のhG−CSF(ヒト顆粒球コロニー形成刺激因子)濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の同等性が確認された4) 。
本剤又はグランシリンジ150投与後の平均血漿中hG-CSF濃度推移
AUC0-48(ng/hr/mL)
420.64±61.77
101.99±13.30
4.99±2.30
3.94±0.51
グラン®シリンジ150
463.54±55.08
112.11±12.48
4.87±1.98
4.12±0.75
(mean±S.D.,n=23)
健康成人男性に本剤1.0μg/kgを単回点滴静注又は皮下投与したとき、点滴静注(30分)後の消失半減期は1.40時間、AUCは21.6ng・h/mLであり、皮下投与後の消失半減期は2.15時間、AUCは11.7ng・h/mLであった5),6) 。
健康成人男性に6日間連日点滴静注(30分)又は皮下投与したとき、いずれの投与経路においても投与初日と6日目における血漿中濃度推移に著明な差は認められなかった7),8) 。
健康成人男性に本剤1.0μg/kgを皮下投与したときのバイオアベイラビリティは54%であった6) 。
本剤及びグラン®シリンジ150について、クロスオーバー法によりそれぞれ400μg/m2を健康成人男子に1日1回5日間反復皮下投与して末梢血CD34陽性細胞数(CD34+)を測定した。得られた薬力学的パラメータ(CD34+Cmax、CD34+tmax)について統計解析を行った結果、両製剤の同等性が確認された10) 。副作用発現頻度(臨床検査値異常変動含む)は、38例中38例(100%)に認められた。主な副作用は、背部痛22例(57.9%)、頭痛9例(23.7%)、関節痛3例(7.9%)等であった。主な臨床検査値異常変動は、ALP増加37例(97.4%)、LDH増加35例(92.1%)、血中尿酸増加28例(73.7%)等であった11) 。
本剤又はグランシリンジ150投与後の平均CD34陽性細胞数推移
CD34+Cmax(/μL)
CD34+tmax(hr)
CD34+AUC0-410(hr/μL)
68.333±36.724
108.0±13.5
7751.13±4172.68
69.945±37.684
108.0±12.2
7977.11±4525.13
(mean±S.D.,n=36)
本剤及びグラン®注射液M300について、クロスオーバー法によりそれぞれ400μg/m2を健康成人男子に絶食単回皮下投与して末梢血好中球数(ANC)を測定した。得られた薬力学的パラメータ(ANC Cmax、ANC tmax)について統計解析を行った結果、両製剤の同等性が確認された3) 。副作用発現頻度(臨床検査値異常変動含む)は、39例中29例(74.4%)に認められた。主な副作用は、背部痛17例(43.6%)、頭痛10例(25.6%)等であった。主な臨床検査値異常変動は、血中尿酸増加10例(25.6%)、網状赤血球数増加6例(15.4%)等であった12) 。
本剤又はグラン注射液M300投与後の平均好中球数推移
ANC Cmax(×102/μL)
ANC tmax(hr)
ANC AUC0-168(×102hr/μL)
252.06±56.00
25.2±4.6
16836.95±3204.67
252.68±54.10
26.5±4.9
16808.18±3223.29
乳癌患者84例を対象としたオープン試験において、本剤を50μg/m2/日、皮下投与した結果、主要評価項目である好中球減少(好中球数1,000/mm3未満)期間は、2.2±1.5日(平均値±標準偏差)であった13) 。副作用発現頻度(臨床検査値異常変動含む)は、104例中79例(76.0%)に認められた。主な副作用は、腰痛・背部痛63例(60.6%)、骨痛10例(9.6%)、関節痛6例(5.8%)、頭痛5例(4.8%)等であった。主な臨床検査値異常変動はALT上昇9例(8.7%)、AST上昇6例(5.8%)等であった(承認時)14) 。
健康ドナー8例を対象に、本剤1日400μg/m2(200μg/m2に2分割)を5日間連日皮下投与し、4~6日目にCD34陽性細胞を採取した。その結果、ドナー体重あたりCD34陽性細胞数3×106/kg以上採取可能なドナーは85.7%(6/7例)であった。副作用は8例全例に認められた。主な副作用は、腰痛6件、全身倦怠感3件、嘔吐及び発熱 各2件であった。本剤投与による臨床検査値異常発現頻度は87.5%(7/8例)であった。主な臨床検査値異常は、LDH上昇7件、Al-P上昇6件、CRP上昇5件であった15) 。
健康ドナー100例を対象に、本剤1日10μg/kgを4又は5日間連日皮下投与し、5日目、必要に応じ6日目にCD34陽性細胞を採取した。その結果、患者体重あたりCD34陽性細胞数3×106/kg以上採取可能なドナーは88.0%(88/100例)であった。副作用発現頻度は60.0%(60/100例)であった。主な副作用は、骨痛32件、頭痛13件、背部痛10件であった。本剤投与による臨床検査値異常発現頻度は8.0%(8/100例)であった。主な臨床検査値異常は、肝酵素上昇5件、LDH上昇3件、Al-P上昇及び血小板減少各2件であった16),17) 。
進行再発乳癌患者7例を対象に、単独期は、本剤1日400μg/m2を5日間連日皮下投与し、4~6日に最低2回CD34陽性細胞を採取した。がん化学療法併用期は、CAF療法施行時の11日目より本剤1日400μg/m2を連日皮下投与し、14日目以降で白血球数が10,000/mm3を超えてから最低2回、CD34陽性細胞を採取した。その結果、患者体重あたりCD34陽性細胞数2×106/kg以上採取可能な患者は、単独期で57.1%(4/7例)、がん化学療法併用期で100%(6/6例)であった。単独期の副作用発現頻度は47.4%(9/19例)であった。主な副作用は、発熱7件、腰痛及び全身倦怠感 各2件であった。単独期の本剤投与による臨床検査値異常発現頻度は94.7%(18/19例)であった。主な臨床検査値異常は、LDH上昇13件、Al-P上昇及び白血球数減少 各12件であった。がん化学療法併用期の副作用発現頻度は50.0%(9/18例)であった。主な副作用は、発熱8件、腰痛2件であった。がん化学療法併用期の本剤投与による臨床検査値異常は18例全例に認められた。主な臨床検査値異常は、LDH上昇15件、白血球数減少13件、好中球数減少11件であった18) 。
急性白血病又は慢性骨髄性白血病患者33例を対象に、好中球数が連続3日間1,000/mm3以上又は1日でも10,000/mm3以上を示すまで、造血幹細胞移植翌日より本剤5μg/kgを連日皮下投与又は連日静脈内投与した。その結果、好中球数(≧500/mm3)の回復日数の中央値は13日であった。副作用発現頻度は27.3%(9/33例)であった。主な副作用は、発熱4件であった。本剤投与による臨床検査値異常は認められなかった19) 。
進行再発乳癌患者17例を対象に、造血幹細胞移植翌日より白血球数が10,000/mm3を超えた時点まで本剤300μg/m2を連日点滴静注した。その結果、好中球数(≧500/mm3)の回復日数の中央値は9日であった。副作用発現頻度は29.4%(5/17例)であった。主な副作用は、骨痛3件であった。本剤投与による臨床検査値異常発現頻度は52.9%(9/17例)であった。主な臨床検査値異常は、LDH上昇7件、Al-P上昇3件であった20) 。
悪性リンパ腫患者27例を対象に、造血幹細胞移植翌日から好中球数が連続3日間1,000/mm3以上又は1日でも10,000/mm3以上を示すまで、本剤5μg/kgを連日皮下投与又は連日点滴静注した。その結果、好中球数(≧500/mm3)の回復日数の中央値は11日であった。副作用発現頻度は3.7%(1/27例)であった。認められた副作用は、頭痛であった。本剤投与による臨床検査値異常は認められなかった21) 。
同種同系の骨髄移植患者68例を対象に、骨髄移植後5日目より14日間、本剤300μg/m2又はプラセボを連日点滴静注した。その結果、本剤投与群は、プラセボ投与群に比して有意な好中球数の増加促進が認められ、その有効率は本剤投与群78.1%(25/32例)、プラセボ投与群35.3%(12/34例)であった。本剤投与群の副作用発現頻度は6.3%(2/32例)であった。認められた副作用は、腰痛及び骨痛 各3.1%(1/32例)であった。本剤投与群の臨床検査値異常発現頻度は3.1%(1/32例)であった。認められた臨床検査値異常は、LDH上昇であった22) 。
自家骨髄移植患者を対象に、骨髄移植後1日目より14日間、本剤1日300μg/m2を連日点滴静注した。その結果、好中球数の増加促進を認め、その有効率は90.6%(29/32例)であった。副作用及び臨床検査値異常は認められなかった23) 。
非ホジキン悪性リンパ腫患者63例を対象に、化学療法終了3日後から14日間、本剤75μg又はプラセボを連日皮下投与した。その結果、本剤投与群は、プラセボ投与群に比し有意な好中球数の回復促進効果が認められ、その有効率は本剤投与群89.3%(25/28例)、プラセボ投与群13.8%(4/29例)であった。本剤投与群の副作用発現頻度は6.7%(3/31例)であった。認められた副作用は、全身倦怠感、胸部不快感、胸部不快感・圧迫感、動悸及び発疹 各3.2%(1/31例)であった。本剤投与群の臨床検査値異常発現頻度は19.4%(6/31例)であった。主な臨床検査値異常は、Al-P上昇9.7%(3/31例)、AST上昇、ALT上昇及びLDH上昇 各6.5%(2/31例)であった24) 。
急性白血病患者54例を対象に、化学療法終了48時間後より本剤1日200μg/m2を連日点滴静注した。その結果、本剤投与群は、非投与群に比し有意な好中球数増加効果及び感染症発生の減少が認められた。副作用発現頻度は7.4%(4/54例)であった。認められた副作用は、骨痛3.7%(2/54例)、嘔気・嘔吐及び血小板回復遅延 各1.9%(1/54例)であった。本剤投与による臨床検査値異常発現頻度は7.4%(4/54例)であった。認められた臨床検査値異常は、AST・ALT上昇及びAl-P上昇 各3.7%(2/54例)であった25) 。
HIV感染症患者5例を対象に、本剤1日200μg/m2を連日点滴静注した。その結果、好中球数の増加効果が認められ、その有効率は100%(5/5例)であった。副作用発現頻度は40.0%(2/5例)であった26) 。
好中球減少症を有するHIV感染症患者で抗ウイルス剤の継続投与が困難な症例又は細菌感染症(二次感染症)の治癒効果が不十分な症例24例を対象に、本剤1日200μg/m2を14日間連日点滴静注した。その結果、好中球数の増加効果が認められ、その有効率は81.0%(17/21例)であった。副作用発現頻度は12.5%(3/24例)であった。認められた副作用は、関節痛・腰痛、眼瞼腫脹、食思不振、悪心・嘔吐各1件であった。本剤投与による臨床検査値異常発現頻度は、29.2%(7/24例)であった。主な臨床検査値異常は、Al-P上昇6件、LDH上昇4件であった27) 。
骨髄異形成症候群21例に対して漸増法により本剤50~400μg/m2注1) を点滴静注した。その結果、好中球数の増加効果が認められた。副作用発現頻度は9.5%(2/21例)であった。認められた副作用は肝機能障害9.5%(2/21例)、皮膚そう痒感4.8%(1/21例)であった。本剤投与による臨床検査値異常発現頻度は14.3%(3/21例)であった。臨床検査値異常はAST上昇、ALT上昇及びAl-P上昇 各9.5%(2/21例)であった28) 。
再生不良性貧血患者34例を対象に、漸増法により本剤100~1,200μg/m2注2) を点滴静注した。その結果、好中球数の増加効果が認められた。副作用発現頻度は2.9%(1/34例)であった。認められた副作用は発熱であった29) 。
マウス骨髄細胞、ヒト好中球に対する受容体結合試験により、本剤は好中球前駆細胞から成熟好中球までの細胞に存在する受容体に特異的に結合し、好中球前駆細胞に対してはその分化・増殖を促進させ、成熟好中球に対してはその機能を亢進させると推察される30) 。
本剤は顆粒球コロニー形成刺激因子依存性増殖を示すマウスNFS−60細胞株において濃度依存的な細胞増殖促進作用を示し、その50%有効濃度はグラン®シリンジ150と同程度であった(in vitro)31) 。
シクロホスファミド投与による好中球減少マウスに本剤を投与したとき、末梢血好中球数の減少は防止され、骨髄中では骨髄芽球から成熟好中球まで順を追って有意な増加が認められた34) 。ラットに本剤を投与したとき、骨髄中の成熟好中球の末梢血への放出促進効果が推測された35) 。
正常及び抗癌剤投与マウスに本剤を投与したとき、末梢血中のCFU-GM、BFU-E、CFU-Mk及びCFU-Mixの増加が認められた36) 。
イヌ及びサルを用いた好中球減少動物モデル(造血幹細胞移植、遺伝性好中球減少症)において、好中球数の増加効果が認められた37),38) 。
健常人の末梢血好中球を本剤存在下で培養したとき、FMLP刺激によるスーパーオキサイド産生亢進が認められた(in vitro)39) 。悪性リンパ腫患者のがん化学療法施行後に本剤を投与したとき、単離した末梢血好中球において、FMLP刺激によるスーパーオキサイド産生亢進が認められた(ex vivo)40) 。
フィルグラスチム(遺伝子組換え)[フィルグラスチム後続1](Filgrastim(Genetical Recombination))[Filgrastim Biosimilar 1]
ヒト顆粒球コロニー形成刺激因子に対応する遺伝子の発現により、組換え体で産生される175個のアミノ酸残基(C845H1339N223O243S9:分子量18798.61)からなるタンパク質
1シリンジ、10シリンジ
1) Danese MD, et al.: Adv Ther. 2022; 39: 2778-2795
2) 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:フィルグラスチム(遺伝子組換え)及びレノグラスチム(遺伝子組換え)(再発又は難治性の急性骨髄性白血病に対する抗悪性腫瘍剤との併用療法)
3) 臨床薬理試験(単回皮下投与試験)(フィルグラスチムBS注シリンジ「F」:2012年11月21日承認、審査報告書)
4) 臨床薬理試験(単回点滴静脈内投与試験)(フィルグラスチムBS注シリンジ「F」:2012年11月21日承認、審査報告書)
5) 東純一ほか:臨床医薬. 1989;5:1579-1603
6) 東純一ほか:臨床医薬. 1989;5:2231-2252
7) 東純一ほか:臨床医薬. 1989;5:1605-1622
8) 東純一ほか:臨床医薬. 1989;5:2253-2269
9) 美細津正ほか:薬物動態. 1990;5:283-305
10) 臨床薬理試験(反復皮下投与試験)(フィルグラスチムBS注シリンジ「F」:2012年11月21日承認、審査報告書)
11) 社内資料:フィルグラスチム反復皮下投与比較試験
12) 社内資料:フィルグラスチム単回皮下投与比較試験
13) 臨床薬理試験(国内第Ⅲ相試験)(フィルグラスチムBS注シリンジ「F」:2012年11月21日承認、審査報告書)
14) 社内資料:乳がん患者対象試験における副作用(安全性の概括評価)
15) 国内第Ⅱ相試験(末梢血幹細胞の動員)(グラン注射液;2000年3月10日承認、申請資料概要ト.Ⅰ.2.)
16) 海外第Ⅲ相試験(末梢血幹細胞の動員)(グラン注射液;2000年3月10日承認、申請資料概要ト.Ⅰ.5.)
17) 審査報告書(グラン注射液;2000年3月10日承認)
18) 国内第Ⅱ相試験(自家末梢血幹細胞の動員)(グラン注射液;2000年3月10日承認、申請資料概要ト.Ⅱ.1.)
19) 海外第Ⅱ相試験(同種末梢血幹細胞移植)(グラン注射液;2000年3月10日承認、申請資料概要ト.Ⅲ.1.)
20) 国内第Ⅱ相試験(自家末梢血幹細胞移植又は自家骨髄細胞との併用移植)(グラン注射液;2000年3月10日承認、申請資料概要ト.Ⅲ.2.)
21) 海外第Ⅲ相試験(自家末梢血幹細胞移植)(グラン注射液;2000年3月10日承認、申請資料概要ト.Ⅲ.3.)
22) 正岡徹ほか:今日の移植. 1990;3: 233-239
23) 正岡徹ほか: 今日の移植. 1990;3: 169-173
24) 小川一誠ほか:癌と化学療法. 1990;17: 365-373
25) 大野竜三ほか:医学のあゆみ. 1990;152:789-796
26) 木村哲ほか:エイズジャーナル. 1991;3:213-221
27) 木村哲ほか:感染症学雑誌. 1994;68:1093-1104
28) 外山圭助ほか:臨床血液. 1990;31:937-945
29) 小島勢二ほか:臨床血液. 1990;31:929-936
30) Watanabe M, et al.: Anal Biochem. 1991;195:38-44
31) in vitro試験(顆粒球コロニー形成刺激因子(G−CSF)依存性細胞における増殖促進作用)(フィルグラスチムBS注シリンジ「F」:2012年11月21日承認、審査報告書)
32) in vivo試験(正常ラットにおける末梢血好中球数に及ぼす影響)(フィルグラスチムBS注シリンジ「F」:2012年11月21日承認、審査報告書)
33) in vivo試験(シクロホスファミド誘発マウス好中球減少症モデルにおける有効性)(フィルグラスチムBS注シリンジ「F」:2012年11月21日承認、審査報告書)
34) Kabaya K, et al.:in vivo. 1994;8:1033-1039
35) Ulich TR, et al.: Am J Pathol. 1988;133:630-638
36) 末梢血中への造血幹細胞動員作用(グラン注射液;2000年3月10日承認、申請資料概要ホ.Ⅰ.)
37) Lothrop CD, et al.: Blood. 1988;72:1324-1328
38) Gillio AP, et al.: Transplant Proc. 1987;19:153-156
39) Kitagawa S, et al.: Biochem Biophys Res Commun. 1987;144:1143-1146
40) Ohsaka A, et al.: Blood. 1989;74:2743-2748
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