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チニダゾール錠200mg「F」/チニダゾール錠500mg「F」

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.5排泄
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗原虫作用及び抗菌作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

チニダゾール錠200mg「F」/チニダゾール錠500mg「F」

添付文書番号

6419001F1048_1_04

企業コード

670109

作成又は改訂年月

2023年9月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

876419

薬効分類名

抗トリコモナス剤

承認等

チニダゾール錠200mg「F」

販売名コード

YJコード

6419001F1048

販売名英語表記

TINIDAZOLE tablets

承認番号等

承認番号

22500AMX01300

販売開始年月

1992年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

チニダゾール錠500mg「F」

販売名コード

YJコード

6419001F2044

販売名英語表記

TINIDAZOLE tablets

承認番号等

承認番号

22500AMX01301

販売開始年月

1992年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

チニダゾール

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 血液疾患のある患者 [血液疾患を悪化させるおそれがある。]
  3. 2.3 脳、脊髄に器質的疾患のある患者 [類似化合物の長期投与により、脳波等に異常を認めたとの報告がある。]
  4. 2.4 妊婦(3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

チニダゾール錠200mg「F」

有効成分1錠中 日局 チニダゾール   200mg
添加剤乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、プロピレングリコール、黄色4号(タートラジン)、黄色5号

チニダゾール錠500mg「F」

有効成分1錠中 日局 チニダゾール   500mg
添加剤乳糖水和物、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、プロピレングリコール、黄色4号(タートラジン)、黄色5号

3.2 製剤の性状

チニダゾール錠200mg「F」

色・剤形黄色のフィルムコーティング錠
外形
大きさ直径9.7mm
厚さ6.4mm
質量445mg
識別コードFJ08

チニダゾール錠500mg「F」

色・剤形黄色のフィルムコーティング錠
外形
大きさ直径11.2mm
厚さ6.0mm
質量667mg
識別コードFJ09

4. 効能又は効果

トリコモナス症(腟トリコモナスによる感染症)

6. 用法及び用量

  • 〈チニダゾール錠200mg「F」〉

    チニダゾールとして、通常成人1クールとして1回200mg、1日2回、7日間経口投与する。又はチニダゾールとして、通常成人2,000mgを1回経口投与しても良い。

  • 〈チニダゾール錠500mg「F」〉

    チニダゾールとして、通常成人2,000mgを1回経口投与する。

  • 〈製剤共通〉

    投薬終了後、腟トリコモナスを検出した場合は、投薬終了時より少なくとも1週間ぐらいの間隔を置いて再投与する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

  1. 9.5.1 妊婦(3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある女性

    投与しないこと。経口投与により胎盤関門を通過して胎児へ移行することが知られている。

  2. 9.5.2 妊婦(妊娠3ヵ月以内の女性を除く)

    治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

用量又は投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    アルコール

    腹部の疝痛、嘔吐、潮紅があらわれることがあるので、投与期間中及び投与後3日間はアルコールの摂取を避けること。

    機序は不明である。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    過敏症

    発疹

    消化器

    食欲不振、悪心・嘔吐、胃部不快感、舌苔、腹痛、下痢

    血液

    白血球減少

    泌尿・生殖器

    治療実施中にCandida albicansが出現

    その他

    頭痛・頭重、口渇、けん怠感、尿着色

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    15. その他の注意

    15.2 非臨床試験に基づく情報

    1. 15.2.1 大量長期間投与(600mg/kg/日、6ヵ月)でラットに精巣萎縮が報告されている。
    2. 15.2.2 細菌を用いた復帰突然変異試験及びヒトリンパ球を用いたin vitro染色体異常試験において、陽性を示したとの報告がある1),2)。また、チニダゾールのがん原性試験は実施されていないが、チニダゾールと化学構造が類似しているメトロニダゾールを動物に長期経口投与した場合、マウスでは肺腫瘍が3),4)、ラットでは乳房腫瘍の発生が5)報告されている。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    1. 16.1.1 単回投与(200mg)

      チニダゾールを健康成人7例に200mg 1回経口投与したときの最高血中濃度は3~7μg/ml(1.5~4.5時間後)で、以後漸減して24時間後に検出限界値(1μg/ml) 以下となった。血中濃度半減期は平均5.4時間であった6)

    2. 16.1.2 連続投与

      チニダゾールを健康成人3例に1回200mg 1日2回7日間連続経口投与したとき、投与開始後2~7日の血中濃度は5~12μg/mlで、蓄積傾向は認められていない7)

    3. 16.1.3 単回投与(2,000mg)

      チニダゾールを健康成人6例に2,000mg 1回経口投与したときの血中濃度は最高値50~70μg/ml(2~3時間後)を示し、以後漸減して24時間後で最高値の1/2~1/3となり、72時間後にはほぼ検出限界値(1μg/ml)以下となっている8)

    4. 16.1.4 生物学的同等性試験
      1. (1) チニダゾール錠200mg「F」

        チニダゾール錠200mg「F」とファシジン錠200mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(チニダゾールとして200mg)健康成人男子に単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された9)

        薬物動態パラメータ(単回経口投与)

        判定パラメータ

        参考パラメータ

        AUC0→inf
        (μg・hr/mL)

        Cmax
        (μg/mL)

        Tmax
        (hr)

        T1/2
        (hr)

        チニダゾール錠200mg「F」

        98.44±11.88

        4.84±0.58

        1.82±0.95

        15.15±2.04

        ファシジン錠200mg

        92.24±9.28

        4.66±0.58

        1.82±0.88

        14.41±1.68

        (mean±S.D., n=17)

        ※血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

      2. (2) チニダゾール錠500mg「F」

        チニダゾール錠500mg「F」とファシジン錠500mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(チニダゾールとして500mg)健康成人男子に単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された9)

        薬物動態パラメータ(単回経口投与)

        判定パラメータ

        参考パラメータ

        AUC0→inf
        (μg・hr/mL)

        Cmax
        (μg/mL)

        Tmax
        (hr)

        T1/2
        (hr)

        チニダゾール錠500mg「F」

        232.22±31.28

        12.18±1.93

        1.20±0.53

        15.09±2.37

        ファシジン錠500mg

        234.21±16.94

        11.42±1.98

        1.43±1.19

        15.48±1.73

        (mean±S.D., n=15)

        ※血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

    16.3 分布

    チニダゾールを健康成人又はトリコモナス腟炎の患者に2,000mg 1回経口投与した試験では、投与後48時間以上にわたり、Trichomonas vaginalisの殺虫濃度以上のチニダゾールが腟内分泌液中に認められた10)

    16.5 排泄

    チニダゾール200mg又は2,000mgを健康成人に1回経口投与したときの尿中総排泄率はそれぞれ21%、23~48%であった。尿中にはチニダゾールの他に2-hydroxymethyl体とそのグルクロン酸抱合体が確認されている6),7),8)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    明確な機序は不明である。

    18.2 抗原虫作用及び抗菌作用

    1. 18.2.1 Trichomonas vaginalisに対し、in vitro、ラット及びマウスを用いた試験において殺虫的に作用する11),12),13)
    2. 18.2.2 チニダゾールは、BacteroidesPeptococcusPeptostreptococcusClostridiumなどの嫌気性菌に対して抗菌力を示す(in vitro14),15)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    チニダゾール(Tinidazole)

    化学名

    1-[2-(Ethylsulfonyl)ethyl]-2-methyl-5-nitro-1H-imidazole

    分子式

    C8H13N3O4S

    分子量

    247.27

    性状

    淡黄色の結晶性の粉末である。
    無水酢酸又はアセトンにやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水に極めて溶けにくい。

    化学構造式

    融点

    125~129℃

    22. 包装

    • 〈チニダゾール錠200mg「F」〉

      60錠[6錠(PTP)×10]

    • 〈チニダゾール錠500mg「F」〉

      60錠[6錠(PTP)×10]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    富士製薬工業株式会社 富山工場 学術情報課

    〒939-3515 富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地

    (TEL)0120-956-792
    (FAX)076-478-0336

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    富士製薬工業株式会社

    富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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