当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
日本薬局方
イオパミドール注射液
処方箋医薬品注)
脳血管撮影、大動脈撮影、選択的血管撮影、四肢血管撮影、ディジタルX線撮影法による静脈性血管撮影、ディジタルX線撮影法による動脈性血管撮影、コンピューター断層撮影における造影、静脈性尿路撮影、逆行性尿路撮影
血管心臓撮影(肺動脈撮影を含む)、大動脈撮影、選択的血管撮影、四肢血管撮影、ディジタルX線撮影法による静脈性血管撮影、ディジタルX線撮影法による動脈性血管撮影、コンピューター断層撮影における造影、静脈性尿路撮影
通常、成人1回下記量を使用する。なお、年齢、体重、症状、目的により適宜増減する。
効能・効果
イオパミドール300注シリンジ「F」
イオパミドール370注シリンジ「F」
脳血管撮影
6~13mL
-
血管心臓撮影(肺動脈撮影を含む)
20~50mL
大動脈撮影
30~50mL
選択的血管撮影
5~40mL
四肢血管撮影
ディジタルX線撮影法による静脈性血管撮影
ディジタルX線撮影法による動脈性血管撮影
3~30mL
コンピューター断層撮影における造影
100mL注9)
100mL
静脈性尿路撮影
40~100mL
20~100mL
逆行性尿路撮影
5~200mL
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。副作用の発生頻度が高いとの報告がある。
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。血圧低下、不整脈、頻脈等の報告があり、重篤な心障害患者においては症状が悪化するおそれがある。
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。静脈性胆のう造影剤で血液のゼラチン様変化をきたし死亡した報告がある。
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。特に脱水症状のある場合、腎不全(無尿等)を起こすおそれがある。,
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。血中カルシウム低下により、症状が悪化するおそれがある。
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。やむをえず造影検査を実施する場合には静脈確保の上、フェントラミンメシル酸塩等のα遮断薬及びプロプラノロール塩酸塩等のβ遮断薬の十分な量を用意するなど、これらの発作に対処できるよう十分な準備を行い、慎重に投与すること。血圧上昇、頻脈、不整脈等の発作が起こるおそれがある。
,,,,
急性腎障害を起こすおそれがある。,
血圧上昇等、症状が悪化するおそれがある。
心・循環器系に影響を及ぼすことがある。
ヨード過剰に対する自己調節メカニズムが機能できず、症状が悪化するおそれがある。
本剤投与前後にはガイドライン等を参考にして十分な輸液を行うこと。症状が悪化するおそれがある。,,
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。本剤の主たる排泄臓器は腎臓であり、腎機能低下患者では排泄遅延から急性腎障害等、症状が悪化するおそれがある。,
腎機能が悪化するおそれがある。,
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。症状が悪化するおそれがある。
肝機能が悪化するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤投与の際にはX線照射を伴う。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物(ラット静脈内投与)で乳汁中への移行が報告されている。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
ビグアナイド系糖尿病用剤
乳酸アシドーシスがあらわれるおそれがあるので、本剤を使用する場合は、ビグアナイド系糖尿病用剤の投与を一時的に中止するなど適切な処置を行うこと。
ビグアナイド系糖尿病用剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇すると考えられている。
ショック(遅発性を含む)を起こし、失神、意識消失、呼吸困難、呼吸停止、心停止等の症状があらわれることがある。また、軽度の過敏症状も重篤な症状に進展する場合がある。,,,,,,,
呼吸困難、咽・喉頭浮腫、顔面浮腫等のアナフィラキシー(遅発性を含む)があらわれることがある。,,,,,,,,
急性腎障害があらわれることがある。,,,,,
急速に進行する呼吸困難、低酸素血症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には、必要に応じ適切な処置を行うこと。
ショックを伴わない意識障害、失神があらわれることがあるので、検査終了後も意識レベル等の観察を十分に行い、必要に応じ適切な処置を行うこと。
発現した場合にはフェノバルビタール等バルビツール酸誘導体又はジアゼパム等を投与すること。
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。,
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、小膿疱、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状が認められた場合には適切な処置を行うこと。
,,,,,,,,,
本剤が脳血管外に漏出し、意識障害、麻痺、失語、皮質盲等の中枢神経症状があらわれることがあるので投与量は必要最小限とし、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
1%以上
1%未満
頻度不明
過敏症
発疹
そう痒感、じん麻疹
潮紅
循環器
血圧上昇、頻脈、血圧低下、顔面蒼白
チアノーゼ、動悸、不整脈、虚脱、徐脈
呼吸器
咳
くしゃみ、咽頭不快感、喘息発作、頻呼吸、喉頭不快感、嗄声、鼻閉、鼻汁
精神神経系
閃光感
頭痛、めまい、羞明感、しびれ(感)
あくび、不安感、振戦、一過性盲等の視力障害、意識レベルの低下、錯感覚(ピリピリ感等)
自律神経系
発汗
消化器
口渇、悪心
嘔吐、腹痛
口内にがみ感、口腔内不快感、唾液増加、下痢、耳下腺腫大
内分泌系
甲状腺機能低下症
その他
熱感
発熱
胸内苦悶感、悪寒、冷感、倦怠感、異常感、結膜充血、流涙、疼痛、背部痛、四肢痛、関節痛
本剤投与により、甲状腺機能検査等の放射性ヨードによる検査に影響を及ぼすことがある。したがって、これらの検査は本剤の投与前に実施すること。本剤投与後2週間はこれらの検査に影響を及ぼすとの報告がある。
健康成人男子(4名)にイオパミドール370mgI/mL製剤40mLを静注すると、血漿中のヨウ素濃度は静注後5分で約1.9mgI/mL、30分で約1mgI/mLを示し、4時間後には0.2mgI/mL以下に減少した1)。
健康成人男子(4名)にイオパミドール370mgI/mL製剤40mLを静注すると、2時間後までに投与量の約60%が、24時間後には全量が尿中に排泄された1)。
イオパミドール300mgI/mL製剤及びイオパミドール370mgI/mL製剤を使用した比較臨床試験1),2),3)における造影効果の有効率は次のとおりであった。
イオパミドール300mgI/mL製剤
イオパミドール370mgI/mL製剤
症例数
造影効果
47例
100%(84/84)
50例
96%(141/147)
40例
98%(195/200)
イオパミドール300mgI/mLシリンジ製剤を使用した国内臨床試験において、45例の造影効果の有効率は100%(45/45)であった4)。
イオパミドール300mgI/mL製剤を使用した比較臨床試験5)における造影効果の有効率は以下のとおりであった。
300mgI/mL製剤
20例
98%(39/40)
イオパミドール300mgI/mL製剤を使用した国内第Ⅲ相臨床試験6)では、主に胸・腹部を対象に100mLを65例に静脈内投与した。「存在診断」、「質的診断」及び「拡がり診断」を総合評価した有効率は90.3%(56/62)であった。
イオパミドール300mgI/mL製剤を使用した国内第Ⅲ相比較臨床試験7)では、肝臓を対象に100mLあるいは2.5mL/kgが各62例に3~4mL/秒の投与速度で投与された。門脈の描出について、独立した3名の評価者による有効率は100mLを投与された群が93.3~98.3%(56~59/60)、2.5mL/kgを投与された群が96.8~98.4%(60~61/62)であった。なお、体重70kgを超えた患者での門脈の描出について、100mLでは不足する場合があった。
本剤の主成分(イオパミドール)の構成元素であるヨウ素は高いX線吸収能をもつ。これに基づき、本剤の存在部位と他の生体組織との間にX線画像上のコントラストが生じる 8)。
イオパミドール(Iopamidol)
N,N’-Bis[2-hydroxy-1-(hydroxymethyl)ethyl]-5-[(2S)-2-hydroxypropanoylamino]-2,4,6-triiodoisophthalamide
C17H22I3N3O8
777.09
白色の結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。
外箱開封後は遮光して保存すること。
5本
1) 徳永仰他:放射線科. 1984;3:200-213
2) 岡秀宗他:画像診断. 1984;4:576-583
3) 曲直部寿夫他:日本医放会誌. 1984;44:1481-1493
4) 尾辻秀章ほか:薬理と臨床. 1997;7(2):163-168
5) 蟹本雄右他:泌尿器外科. 1990;3:797-802
6) 内田政史他:薬理と治療. 2000;28:885-896
7) 山本和宏他:日獨医報. 2002;47:549-562
8) 第十八改正日本薬局方解説書. 廣川書店;2021:C-519-524
富士製薬工業株式会社 くすり相談室
〒939-3515 富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地
(TEL)0120-956-792
(FAX)076-478-0336
富士製薬工業株式会社
富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.