当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
低セレン血症
食事等により十分にセレンを摂取できない患者に使用すること。
通常、成人及び12歳以上の小児にはセレンとして1日100μgを開始用量とし、高カロリー輸液等に添加し、中心静脈内に点滴静注する。以後は、患者の状態により1日50~200μgの間で適宜用量を調整するが、効果不十分な場合には1日300μgまで中心静脈内に点滴静注することができる。通常、12歳未満の小児にはセレンとして1日2μg/kg(体重50kg以上の場合は100μg)を開始用量とし、高カロリー輸液等に添加し、中心静脈内に点滴静注する。以後は、患者の状態により1日1~4μg/kg(体重50kg以上の場合は50~200μg)の間で適宜用量を調整し中心静脈内に点滴静注する。 なお、本剤の1日投与量を1日1回末梢静脈内に点滴静注又は緩徐に静脈内注射することもできる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラット、ハムスター及びウサギを用いた生殖発生毒性試験では過量投与で胎児毒性及び胎児奇形が報告されている1)。マウス及びラットで胎盤通過性が報告されている2)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトの母乳中へ移行することが報告されている3)。
患者の状態を観察しながら投与すること。一般に、生理機能が低下している。
5%未満
消化器
食欲亢進
呼吸器
鼻出血
皮膚
発疹、皮膚腫脹
眼
角膜炎
腎臓
腎機能障害、尿中血陽性
その他
倦怠感、感染、背部痛、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、体重増加
外国において過量投与により呼気のにんにく臭、疲労、悪心、下痢、腹痛、心筋梗塞、胃腸障害、腎障害、毛髪及び爪の成長異常、末梢神経障害等が発現することが報告されている。
特異的な解毒薬はない。セレンの毒性を高めるおそれがあるためジメルカプロールは使用しないこと。
配合変化に十分注意すること。還元剤(ビタミンC等)との混合によりセレンの沈殿が生じるおそれがある。
沈殿の認められるもの又は混濁しているものは投与しないこと。
外国人に75Se標識した亜セレン酸ナトリウムを静脈内投与したとき、75Seとして肝臓、血液、腎臓に多く分布した8)。妊娠マウス又は妊娠ラットに75Se標識亜セレン酸ナトリウムを0.79mg Se/kg又は0.041mg Se/kgで単回静脈内投与したとき、いずれの種においても胎児へ75Seが移行した2)。In vitroヒト胎盤灌流モデルにおいて、亜セレン酸ナトリウム2~40μmol/Lを添加したとき、一部が胎児側へ移行した9)。
体内で亜セレン酸ナトリウムはセレン化水素へと還元され、セレノプロテインの生合成に利用される。また、一部のセレン化水素はトリメチルセレノニウム又はセレン糖として、尿に排泄される10)。
外国人に亜セレン酸を10μg Se未満で単回経口投与注2)したとき、主に尿中へ排泄され、一部は糞中に排泄された11)。また、亜セレン酸ナトリウムを300μg Seで単回経口投与注2)した際に一部がジメチルセレニドとして、呼気中に排泄された12)。
中心静脈栄養療法施行中の日本人低セレン血症患者15例を対象とした多施設共同オープン試験において、12歳以上の患者にはセレンとして1日100μg、1~11歳の患者には1日2μg/kg(体重50kg以上の場合は1日100μg)を高カロリー輸液に添加し、中心静脈内に4週間持続点滴静注を行った。その結果、血清セレン濃度は、投与前は3.36±2.33(平均値±標準偏差)μg/dL、投与4週間後又は中止・脱落時は9.06±1.90μg/dLであり、変化量は5.70±2.42μg/dLと有意に上昇した(p<0.0001)。副作用は15例中3例(20.0%)に発現し、鼻出血、発疹、腎機能障害が各1例(6.7%)であった13)。
日本人低セレン血症患者48例(中心静脈栄養管理40例、経腸栄養管理21例、末梢静脈栄養管理2例、いずれも受けていない患者5例(栄養管理については併用による重複を含む))を対象とした多施設共同オープン試験において、12歳以上の患者ではセレンとして1日100μg、1~11歳の患者では1日2μg/kg(体重50kg以上の場合は1日100μg)より開始後、12歳以上の患者ではセレンとして1日50~200μg、1~11歳の患者では1日1~4μg/kg(体重50kg以上の場合は1日50~200μg)の間で用量を調整し、高カロリー輸液に添加し中心静脈内に52週間持続点滴静注、あるいは末梢静脈内に1日1回52週間点滴静注又は緩徐に静脈内注射した。その結果、本剤投与4週以降も血清セレン濃度が基準値範囲内に維持される傾向が確認された。副作用は48例中7例(14.6%)に発現し、主な副作用は倦怠感2例(4.2%)で、そのうち1例(2.1%)は重篤であった14),17)。
亜セレン酸ナトリウム投与は、血中セレンレベルの低下を回復させ、セレン欠乏により低下した一部のセレノプロテインの発現量又は生理活性を増加させ、セレン欠乏症状の改善に寄与すると考えられる15),16)。
セレン欠乏食給餌マウスに亜セレン酸ナトリウムを反復混餌投与したとき、組織中セレン含有量、血漿中セレノプロテインP量及びグルタチオンペルオキシダーゼ活性を上昇させた15)。
セレン欠乏食給餌ラットに亜セレン酸ナトリウムを反復腹腔内投与したとき、血中セレン濃度及び心臓中グルタチオンペルオキシダーゼ活性を上昇させ、心収縮機能の低下を回復させた16)。
亜セレン酸ナトリウム(Sodium Selenite)(JAN)
Sodium Selenite
Na2SeO3
172.94
白色の結晶性の粉末又は塊。水に溶けやすく、メタノール、エタノール(99.5)、ジエチルエーテル、ヘキサン、アセトニトリル、1-オクタノール、1-ブタノール、ジメチルスルホキシド又はN,N-ジメチルホルムアミドにほとんど溶けない。
約320℃(分解)
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
2mL×10バイアル
1) Danielson M, et al.:Int J Feto Matern Med. 1988;1:31-41
2) 長谷川明 他.:衛生化学. 1974;20:341-343
3) Moser-Veillon PB, et al.:Analyst. 1992;117:559-562
4) Noda M, et al.:Mutat Res. 1979;66:175-179
5) Newton MF, et al.:Mutat Res. 1986;169:61-69
6) Rusov Č, et al.:Acta Veterinaria. 1996;45:161-166
7) Kaushal N, et al.:J Biochem Mol Toxicol. 2009;23:125-136
8) Jereb M, et al.:J Nucl Med. 1975;16:846-850
9) Eisenmann CJ, et al.:Placenta. 1994;15:883-895
10) Lobinski R, et al.:Pure Appl Chem. 2000;72:447-461
11) Thomson CD, et al.:Br J Nutr. 1974;32:47-57
12) Kremer D, et al.:Anal Bioana Chem. 2005;383:509-515
13) 社内資料:中心静脈栄養療法施行中のセレン欠乏症を示す患者を対象としたFPF3400の第Ⅲ相試験-多施設共同オープン試験-(2019年3月26日承認、CTD2.7.6.2)
14) 社内資料:セレン補充を必要とする患者を対象としたFPF3400の長期投与試験-多施設共同オープン試験-(2019年3月26日承認、CTD2.7.6.3)
15) Nakayama A, et al.:J Nutr. 2007;137:690-693
16) Xing Y, et al.:Int J Mol Med. 2015;35:143-152
17) 社内資料:セレンの補充を必要とする患者を対象としたFPF3400の長期投与試験 栄養療法の有無、及び投与経路別患者数
藤本製薬株式会社 学術部
〒580-8503 大阪府松原市西大塚1丁目3番40号
TEL:0120-225-591 FAX:0120-116-026
藤本製薬株式会社
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.