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アセレンド注100μg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.8高齢者
11.副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

アセレンド注100μg

添付文書番号

3229402A1023_1_03

企業コード

670142

作成又は改訂年月

2024年10月改訂(第2版)
2023年11月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873229

薬効分類名

低セレン血症治療剤

承認等

アセレンド注100μg

販売名コード

YJコード

3229402A1023

販売名英語表記

ASELEND INJECTION

承認番号等

承認番号

23100AMX00291000

販売開始年月

2019年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

亜セレン酸ナトリウム注射液

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

アセレンド注100μg

有効成分1バイアル(2mL)1)中亜セレン酸ナトリウム   219μg
(セレンとして   100μg )
添加剤等張化剤、pH調節剤

1) 注射液吸引時の損失を考慮し、1バイアルから2mLを注射するに足る量を確保するため過量充填されている。

3.2 製剤の性状

アセレンド注100μg

pH6.6~8.0
浸透圧比0.9~1.1(生理食塩液に対する比)
性状無色澄明の液

4. 効能又は効果

低セレン血症

5. 効能又は効果に関連する注意

食事等により十分にセレンを摂取できない患者に使用すること。

6. 用法及び用量

通常、成人及び12歳以上の小児にはセレンとして1日100μgを開始用量とし、高カロリー輸液等に添加し、中心静脈内に点滴静注する。以後は、患者の状態により1日50~200μgの間で適宜用量を調整するが、効果不十分な場合には1日300μgまで中心静脈内に点滴静注することができる。
通常、12歳未満の小児にはセレンとして1日2μg/kg(体重50kg以上の場合は100μg)を開始用量とし、高カロリー輸液等に添加し、中心静脈内に点滴静注する。以後は、患者の状態により1日1~4μg/kg(体重50kg以上の場合は50~200μg)の間で適宜用量を調整し中心静脈内に点滴静注する。
 
なお、本剤の1日投与量を1日1回末梢静脈内に点滴静注又は緩徐に静脈内注射することもできる。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 本剤投与開始時及び用量変更時には、血清セレン濃度の確認を行うこと。また、本剤投与中は過量投与に注意し、血清セレン濃度を確認し同一用量を漫然と投与しないこと。
  2. 7.2 本剤の増量を行う場合は、増量幅をセレンとして1日あたりの用量で12歳以上の患者では50μg、12歳未満の患者では1μg/kg(体重50kg以上の場合は50μg)までとすること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラット、ハムスター及びウサギを用いた生殖発生毒性試験では過量投与で胎児毒性及び胎児奇形が報告されている1)。マウス及びラットで胎盤通過性が報告されている2)

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトの母乳中へ移行することが報告されている3)

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら投与すること。一般に、生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

5%未満

消化器

食欲亢進

呼吸器

鼻出血

皮膚

発疹、皮膚腫脹

角膜炎

腎臓

腎機能障害、尿中血陽性

その他

倦怠感、感染、背部痛、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、体重増加

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    外国において過量投与により呼気のにんにく臭、疲労、悪心、下痢、腹痛、心筋梗塞、胃腸障害、腎障害、毛髪及び爪の成長異常、末梢神経障害等が発現することが報告されている。

  2. 13.2 処置

    特異的な解毒薬はない。セレンの毒性を高めるおそれがあるためジメルカプロールは使用しないこと。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

配合変化に十分注意すること。還元剤(ビタミンC等)との混合によりセレンの沈殿が生じるおそれがある。

14.2 薬剤投与時の注意

沈殿の認められるもの又は混濁しているものは投与しないこと。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報

  1. 15.2.1 細菌及び細胞を用いたin vitro遺伝毒性試験では陽性の結果が報告されており4),5)、マウス、ラット及びハムスターを用いたin vivo遺伝毒性試験では過量投与で陽性の結果が報告されている5),6)
  2. 15.2.2 マウスを用いた生殖発生毒性試験では過量投与で精子濃度の減少が報告されている7)

16. 薬物動態

16.3 分布

外国人に75Se標識した亜セレン酸ナトリウムを静脈内投与したとき、75Seとして肝臓、血液、腎臓に多く分布した8)
妊娠マウス又は妊娠ラットに75Se標識亜セレン酸ナトリウムを0.79mg Se/kg又は0.041mg Se/kgで単回静脈内投与したとき、いずれの種においても胎児へ75Seが移行した2)
In vitroヒト胎盤灌流モデルにおいて、亜セレン酸ナトリウム2~40μmol/Lを添加したとき、一部が胎児側へ移行した9)

16.4 代謝

体内で亜セレン酸ナトリウムはセレン化水素へと還元され、セレノプロテインの生合成に利用される。また、一部のセレン化水素はトリメチルセレノニウム又はセレン糖として、尿に排泄される10)

16.5 排泄

外国人に亜セレン酸を10μg Se未満で単回経口投与2)したとき、主に尿中へ排泄され、一部は糞中に排泄された11)。また、亜セレン酸ナトリウムを300μg Seで単回経口投与2)した際に一部がジメチルセレニドとして、呼気中に排泄された12)

2) 本剤の成人における承認された用法・用量は100~300μgを1日1回末梢静脈内に点滴静注又は緩徐に静脈内注射である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験

    中心静脈栄養療法施行中の日本人低セレン血症患者15例を対象とした多施設共同オープン試験において、12歳以上の患者にはセレンとして1日100μg、1~11歳の患者には1日2μg/kg(体重50kg以上の場合は1日100μg)を高カロリー輸液に添加し、中心静脈内に4週間持続点滴静注を行った。その結果、血清セレン濃度は、投与前は3.36±2.33(平均値±標準偏差)μg/dL、投与4週間後又は中止・脱落時は9.06±1.90μg/dLであり、変化量は5.70±2.42μg/dLと有意に上昇した(p<0.0001)。副作用は15例中3例(20.0%)に発現し、鼻出血、発疹、腎機能障害が各1例(6.7%)であった13)

  2. 17.1.2 国内第Ⅲ相長期投与試験

    日本人低セレン血症患者48例(中心静脈栄養管理40例、経腸栄養管理21例、末梢静脈栄養管理2例、いずれも受けていない患者5例(栄養管理については併用による重複を含む))を対象とした多施設共同オープン試験において、12歳以上の患者ではセレンとして1日100μg、1~11歳の患者では1日2μg/kg(体重50kg以上の場合は1日100μg)より開始後、12歳以上の患者ではセレンとして1日50~200μg、1~11歳の患者では1日1~4μg/kg(体重50kg以上の場合は1日50~200μg)の間で用量を調整し、高カロリー輸液に添加し中心静脈内に52週間持続点滴静注、あるいは末梢静脈内に1日1回52週間点滴静注又は緩徐に静脈内注射した。その結果、本剤投与4週以降も血清セレン濃度が基準値範囲内に維持される傾向が確認された。副作用は48例中7例(14.6%)に発現し、主な副作用は倦怠感2例(4.2%)で、そのうち1例(2.1%)は重篤であった14),17)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

亜セレン酸ナトリウム投与は、血中セレンレベルの低下を回復させ、セレン欠乏により低下した一部のセレノプロテインの発現量又は生理活性を増加させ、セレン欠乏症状の改善に寄与すると考えられる15),16)

18.2 セレン補充効果

セレン欠乏食給餌マウスに亜セレン酸ナトリウムを反復混餌投与したとき、組織中セレン含有量、血漿中セレノプロテインP量及びグルタチオンペルオキシダーゼ活性を上昇させた15)

18.3 セレン補充によるセレン欠乏症状に対する効果

セレン欠乏食給餌ラットに亜セレン酸ナトリウムを反復腹腔内投与したとき、血中セレン濃度及び心臓中グルタチオンペルオキシダーゼ活性を上昇させ、心収縮機能の低下を回復させた16)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

亜セレン酸ナトリウム(Sodium Selenite)(JAN)

化学名

Sodium Selenite

分子式

Na2SeO3

分子量

172.94

性状

白色の結晶性の粉末又は塊。水に溶けやすく、メタノール、エタノール(99.5)、ジエチルエーテル、ヘキサン、アセトニトリル、1-オクタノール、1-ブタノール、ジメチルスルホキシド又はN,N-ジメチルホルムアミドにほとんど溶けない。

化学構造式

融点

約320℃(分解)

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 *苛酷試験(光)において類縁物質の増加及びpHの低下が認められたため、外箱開封後は光に注意して保存すること。
  2. 20.2 使用後の残液は、適用法令等に従って廃棄すること。
  3. 20.3 容器の目盛りは、およその目安として使用すること。

21. 承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22. 包装

2mL×10バイアル

24. 文献請求先及び問い合わせ先

藤本製薬株式会社 学術部

〒580-8503 大阪府松原市西大塚1丁目3番40号

TEL:0120-225-591 FAX:0120-116-026

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

藤本製薬株式会社

〒580-8503 大阪府松原市西大塚1丁目3番40号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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