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脳腱黄色腫症
通常、成人にはケノデオキシコール酸として1日量250mgより投与開始し、250mgずつ増量した後、維持量として1日量750mgを、1日3回に分けて連日経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日量として1000mgを超えないこと。また、1回あたりの投与量として375mgを超えないこと。通常、小児にはケノデオキシコール酸として1日量5mg/kgより投与開始し、5mg/kgずつ増量した後、維持量として1日量15mg/kgを、1日3回に分けて連日経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日量として15mg/kg及び750mgのいずれも超えないこと。また、1回あたりの投与量として250mgを超えないこと。
肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うこと。また、重度の肝機能障害が認められた場合は、本剤の投与を中止すること。
本剤の吸収が低下するおそれがある。回腸末端部に発現する胆汁酸トランスポーター(IBAT)の発現が低下しているとの報告があり1)、胆汁酸の取り込みが低下しているおそれがある。
肝機能や患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。代謝物により、肝障害を悪化させるおそれがある。
投与しないこと。利胆作用により、胆汁うっ滞が増悪するおそれがある。
肝機能や患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。利胆作用により、胆汁うっ滞を惹起するおそれがある。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中にケノデオキシコール酸が投与された脳腱黄色腫症患者において、正常な出産が認められたとの報告2)があるが、妊婦に本剤を含むケノデオキシコール酸製剤を投与した経験は限られている。また、動物実験では、サルで胎児肝の組織学的変化等が報告されている3)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットにおいて、乳汁移行が認められている4)。
小児等を対象とした臨床試験成績は得られていない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
制酸作用を有するアルミニウム含有製剤
本剤の作用が減弱されるおそれがあるため、可能な限り間隔をあけて投与すること。
アルミニウムを含有する制酸剤は本剤を吸着し、本剤の吸収が阻害されるおそれがある。
陰イオン交換樹脂
本剤と結合し吸収が阻害されるおそれがある。
ウルソデオキシコール酸
本剤及びウルソデオキシコール酸の作用が減弱するおそれがあるため、可能な限り間隔をあけて投与すること。
本剤及びウルソデオキシコール酸の吸収が競合するおそれがある。
IBAT阻害剤
本剤の作用が減弱されるおそれがある。
本剤のIBATを介した再吸収が阻害されるおそれがある。
シクロスポリン
シロリムス
本剤によるコレスタノール蓄積抑制作用に拮抗することで、本剤の治療効果を減弱させるおそれがある。
フェノバルビタール
プリミドン
経口避妊薬
本剤のプールサイズを減少させるおそれがある。
5%以上
頻度不明
肝臓
肝機能異常
ALT、AST、ALP、ビリルビンの上昇等
消化器
鼓腸
下痢、軟便、悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、胸やけ、腹部不快感、腹部膨満感
過敏症
発疹、瘙痒
その他
倦怠感、めまい、顔のむくみ
ケノデオキシコール酸は、胆汁酸トランスポーターであるIBAT及び受動輸送により腸管から吸収され、ナトリウムタウロコール酸共輸送ポリペプチド(NTCP)等を介して肝臓に取り込まれる。肝臓において主にアミノ酸抱合された後、胆汁酸塩排出ポンプ(BSEP)等により胆汁中に排泄され、小腸内へと分泌された後、腸管で再吸収される(腸肝循環)5),6)。
ケノデオキシコール酸のヒト血清アルブミンに対する結合率は98.5%であった7)(in vitro)。
ケノデオキシコール酸は肝臓においてアミノ酸抱合や硫酸抱合される。再吸収されなかったケノデオキシコール酸の一部は、腸内細菌による脱水酸化によってリトコール酸に代謝される5),6)。
腸管から吸収されなかった胆汁酸(ケノデオキシコール酸、リトコール酸等)は主に糞中へ排泄される5),8)。
脳腱黄色腫症患者15例を対象に、本剤を52週間経口投与する非盲検非対照試験を実施した。成人の用法・用量は、未治療例では250mg/日より開始し、2週間毎に250mg/日ずつ漸増し、750mg/日で投与を継続した。既治療例では本剤以外のケノデオキシコール酸製剤と同量で開始し、2週間毎に750mg/日まで漸増し、750mg/日で投与を継続した。未治療例、既治療例共に最大1000mg/日まで増量可とした。小児の用法・用量は、未治療例では5mg/kg/日より開始し、2週間毎に5mg/kg/日ずつ漸増し、15mg/kg/日(最大750mg/日)で投与を継続した。既治療例では本剤以外のケノデオキシコール酸製剤と同量で開始し、2週間毎に15mg/kg/日まで漸増し、15mg/kg/日(最大750mg/日)で投与を継続した。組み入れられた15例全例(未治療例3例、既治療例12例)が成人患者であり、小児患者は組み入れられなかった。主要評価項目である血清コレスタノール濃度(μg/mL(平均値±標準偏差))は、各患者の脳腱黄色腫症の診断時は22.25±12.66、ベースライン時は8.66±7.70、投与52週時は6.73±5.67であった。副作用発現頻度は20.0%(3/15例)であり、認められた副作用は肝機能異常(2例)及び鼓腸(1例)であった9)。
脳腱黄色腫症の患者では、遺伝子変異によるCYP27A1の活性低下により、コレステロールから胆汁酸への代謝が進まず、ケノデオキシコール酸の中間代謝物から生じるコレスタノールが過剰に産生・蓄積されることで、様々な臓器障害が生じる。また、ケノデオキシコール酸の減少により、胆汁酸合成時の律速酵素であるCYP7A1に対する負のフィードバック機構が機能せず、コレスタノールの産生が亢進する。本剤は、ファルネソイドX受容体の活性化を介してCYP7A1に対する負のフィードバック機構を正常化させ、脳腱黄色腫症におけるコレスタノールの産生・蓄積を抑制すると考えられる。
ケノデオキシコール酸(Chenodeoxycholic Acid)
3α,7α-Dihydroxy-5β-cholan-24-oic acid
C24H40O4
392.57
白色の結晶, 結晶性の粉末又は粉末
164~169℃
12包(スティック包装)[6包×2]60包(スティック包装)[6包×10]
1) Duane WC, et al. J Lipid Res. 2000;41:1384-1389
2) Yahalom G, et al. Clin Neuropharmacol. 2013;36:78-83
3) Palmer AK, et al. Toxicology. 1974;2:239-246
4) 太田 正道 他. 応用薬理. 1978;15:583-595
5) 滝川 一. 胆道. 2011;25:189-195
6) 内田 清久. ビフィズス. 1992;5:157-172
7) Roda A, et al. J Lipid Res. 1982;23:490-495
8) Danzinger RC, et al. J Clin Invest. 1973;52:2809-2821
9) 社内資料:FPF1011-03-01試験(国内第Ⅲ相試験)(2025年9月19日承認、CTD2.7.6.1)
藤本製薬株式会社 学術部
〒580-8503 大阪府松原市西大塚1丁目3番40号
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本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示に基づき、2026年11月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。
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