当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
日本薬局方
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
急性及び慢性腎不全による高カリウム血症
通常、成人1日量30gを2~3回に分け、その1回量を水50~150mLに懸濁し、経口投与する。症状に応じて適宜増減。
通常、成人1回30gを水又は2%メチルセルロース溶液100mLに懸濁して注腸する。症状に応じて適宜増減。
過量投与を防ぐため、血清カリウム値及び血清ナトリウム値を測定しながら投与すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
ジギタリス中毒の症状(食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、不整脈、頻脈、高度の徐脈、視覚異常、眩暈、頭痛、失見当識、錯乱など)の増強があらわれることがある。併用する際には血清カリウム値の観察を十分に行い、慎重に投与する。また、血清カリウム値低下に伴う上記症状の出現時には、減量又は投与を中止する。
本剤により血清カリウム値が低下するとジギタリス製剤が心筋Na+-K+ATPaseに結合しやすくなり、ジギタリス製剤の効果が強く発現する。
本剤の作用が減弱するおそれがある。併用により全身性アルカローシスなどの症状があらわれたとの報告がある。
含有陽イオンと結合し、本剤のカリウム交換能が低下する。腸管内に分泌された重炭酸ナトリウムが再吸収される。
左記薬剤の効果が減弱することがあるので、服用時間をずらすなど注意すること。
本剤が消化管内で左記薬剤を吸着することにより、これらの薬剤の吸収を阻害すると考えられる。
ナトリウム摂取を制限するなど十分に注意すること。
ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを水またはソルビトール溶液に懸濁し、経口投与した場合に、小腸の穿孔・粘膜壊死4) 、大腸潰瘍、結腸壊死4),5) 等があらわれたとの報告がある。本剤の経口投与により、激しい腹痛又は下痢、嘔吐等があらわれた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
1%以上5%未満
1%未満
頻度不明
循環器
浮腫注1)
血圧上昇注1)
電解質
低カルシウム血症注2)
低カリウム血症
消化器
下痢、悪心、嘔吐、便秘
胃部不快感(経口)、食欲不振(経口)
腹痛(経口)
その他
眩暈、倦怠感
消化管への蓄積を避けるため、便秘を起こさせないよう注意すること。また、便秘を起こした場合は、浣腸等の適切な方法を用いて排便させること。
動物実験(ラット)で、ソルビトールの注腸投与により腸壁壊死を起こすことが報告されている。また、外国においてポリスチレンスルホン酸型陽イオン交換樹脂のソルビトール懸濁液を注腸し、結腸壊死を起こした症例が報告されているので、本剤を注腸する際にはソルビトール溶液を使用しないこと。
本剤の停留後は、腸管への残留を避けるため、必ず本剤を排泄させること。特に自然排泄が困難な患者においては、腸洗浄等の適切な方法を用いて本剤を腸管から取り除くこと。
本剤は陽イオン交換樹脂のナトリウム型で、腸管内、特に結腸において樹脂のナトリウムの一部はカリウムに置換され、樹脂が糞便あるいは浣腸剤と共に排泄される際、カリウムは体内から除去される。
ポリスチレンスルホン酸ナトリウムのカリウム交換容量を測定すると、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム1g当り2.81~3.45mEqのカリウムと交換する6) 。また、生体内ではアンモニア、マグネシウム、有機酸、脂質、蛋白などの他の陽イオンとも結合するためポリスチレンスルホン酸ナトリウム1g当り約1mEqのカリウムと交換する7) 。ポリスチレンスルホン酸ナトリウム1g当りのナトリウム含有量は、約100mg(4.4mEq)である6) (in vitro)。
ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを高カリウム血症の急性及び慢性腎不全患者に、経口又は注腸投与したところ、血清カリウム値低下作用が認められ、高カリウム血症により悪化していた心電図所見も好転した8) 。また慢性腎不全で人工透析を受けている患者にポリスチレンスルホン酸ナトリウムを併用すると、透析前の血清カリウム値が低下し、透析前後における血清カリウム値の変動幅を小さくできた9) 。
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(Sodium Polystyrene Sulfonate)
*黄褐色の粉末で、におい及び味はない。水、メタノール、エタノール(99.5)又はアセトンにほとんど溶けない。希塩酸又は水酸化ナトリウム試液にほとんど溶けない。
不規則に入り乱れた複雑な立体構造を有するが、次のような一般構造式で示される。
(バラ)250g 箱(SP)5g 50包[2包×25]
1) Schroeder, E. T.:Gastroenterology. 1969;56:868-874
2) Fernandez, P. C., et al.:N. Engl. J. Med. 1972;286:23-24
3) Ziessman, H. A., et al.:South. Med. J. 1976;69:497-499
4) Rashid, A., et al.:Am. J. Surg. Pathol. 1997;21:60-69
5) Gerstman, B. B., et al.:Am. J. Kidney Dis. 1992;20:159-161
6) 第十八改正日本薬局方解説書 廣川書店. 2021:C-5456-5460
7) Flinn, R. B., et al.:N. Engl. J. Med. 1961;264:111-114
8) 柴垣昌功 ほか:medicina. 1969;6:1388-1392
9) 高須照夫:日本臨牀. 1970;28:1941-1946
扶桑薬品工業株式会社 研究開発センター 学術室
〒536-8523 大阪市城東区森之宮二丁目3番30号
TEL 06-6964-2763 FAX 06-6964-2706(9:00~17:30/土日祝日を除く)
扶桑薬品工業株式会社
大阪市城東区森之宮二丁目3番11号
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.