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日本薬局方
果糖注射液
処方箋医薬品注)
通常、成人1回20~500mLを静脈内注射する。注射剤の溶解希釈には適量を用いる。なお、年齢、症状により適宜増減する。
水分、電解質等に影響を与えるため、症状が悪化するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
頻度不明
大量・急速投与
電解質喪失
大量投与
発汗、潮紅
使用時には、感染に対する配慮をすること。
注射剤の溶解希釈液として使用する場合は果糖注射液が適切であることを確認すること。
果糖の大量を急速投与すると、乳酸アシドーシス、高尿酸血症、血栓性静脈炎、胸部又は胃部の不快感・痛みがあらわれたとの報告がある1),2),3),4),5)。
健康成人男性20例に10%果糖液0.5g/kgを約30分間(16例)あるいは50%果糖液0.5g/kgを3~5分間(4例)で静脈内投与した結果、血液中果糖濃度は投与終了後それぞれ15分で約40mg/dL、5分で約110mg/dLの値を示し、logarithm曲線的に下降した6)。
果糖は主に肝臓で代謝され、fructokinase(ketohexokinase)によりfructose 1-phosphateとなり、ketose 1-phosphate aldolaseによりdihydroxyacetone phosphateとglyceraldehydeになり、glyceraldehydeは直接あるいはglycerolやglycerateを経て、それぞれ解糖系へ入る7)。
10%果糖液静注時の血糖及び尿糖を測定した結果、血糖値はほとんど変化せず、尿糖の排泄も認められなかった8)。
ブドウ糖に比べてグリコーゲン生成能が大で、容易に乳酸に分解され、速やかにエネルギー源となり、糖尿病状態時や肝障害時でもエネルギー補給の目的で使用される。主として肝のフルクトキナーゼによって代謝され、インスリンの影響を受けず、糖尿病状態時にも使用できる。また体内窒素平衡に関与し、ブドウ糖に比べ強いタンパク質節約作用があり、糖尿病状態時でも使用できる。アルコール及び種々の有害物質の解毒を促進する作用もある9)。
果糖(Fructose)
β-D-Fructopyranose
C6H12O6
180.16
無色~白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は甘い。水に極めて溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。吸湿性である。
20mL 50管 プラスチックアンプル
1) Saxon,L.,et al.:N. Engl. J. Med. 1957;256:132-133
2) Elliott,W.C.,et al.:J. Appl. Physiol. 1967;23:865-869
3) Craig,G.M.,et al.:Br. Med. J. 1971;4:211-212
4) Heuckenkamp,P.U.,et al.:Lancet. 1971;I 808-809
5) Woods,H.F.,et al.:Lancet. 1972;II 1354-1357
6) 鴇田重樹:東京慈恵会医科大学雑誌. 1958;73:1435-1442
7) 尾上久吾 ほか:日本臨牀. 1963;21:526-538
8) 池田恵一 ほか:新薬と臨牀. 1966;15:1205-1214
9) 第十八改正日本薬局方解説書 廣川書店. 2021:C-1303-1308
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