医療用医薬品 詳細表示

クリニザルツ輸液

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能・効果
5.効能・効果に関連する注意
6.用法・用量
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2糖成分・キシリトールの効果
18.3塩基源としての酢酸ナトリウムの有効性
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

クリニザルツ輸液

添付文書番号

3319542A4024_3_02

企業コード

670156

作成又は改訂年月

2023年8月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873319

薬効分類名

キシリトール加維持液

承認等

クリニザルツ輸液

販売名コード

YJコード

3319542A4024

販売名英語表記

Klinisalz Infusion

販売名ひらがな

くりにざるつゆえき

承認番号等

承認番号

22000AMX01540

販売開始年月

2020年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

-

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 高カリウム血症、乏尿、アジソン病、重症熱傷、高窒素血症の患者[高カリウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]
  2. 2.2 高リン血症、低カルシウム血症、副甲状腺機能低下症の患者[高リン血症、低カルシウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]
  3. 2.3 高マグネシウム血症、甲状腺機能低下症の患者[高マグネシウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

クリニザルツ輸液

1袋中(500mL)
有効成分日局塩化ナトリウム[NaCl]   730.6mg
日局塩化カリウム[KCl]   559.2mg
日局酢酸ナトリウム水和物[C2H3NaO2・3H2O]   1,360.8㎎
リン酸二水素カリウム[KH2PO4]   680.5㎎
塩化マグネシウム[MgCl2・6H2O]   254.2mg
日局キシリトール[C5H12O5]   25,000mg
添加剤pH調整剤   適量
熱量  100kcal
電解質濃度
(mEq/L)
Na+  45
K+  25
Mg2+  5
Cl-  45
H2PO4-  10
CH3COO-  20

3.2 製剤の性状

クリニザルツ輸液

剤形注射剤
色調無色澄明の水性注射液
pH5.0〜6.5
浸透圧比1.5〜1.8(生理食塩液に対する比)
比重d20201.021

4. 効能・効果

本剤はカリウムを含む低浸透圧電解質・糖液であり、術後、糖尿病患者の術前・術後で、非経口的に水分・電解質補給を必要とする場合の基礎液として用いる。
また、低カリウム血症を伴う高張性脱水症などに用いる。

  • 外科的には、術後、糖尿病患者の術前・術後。
  • 内科的には、術後及び糖尿病患者の高熱、発汗、昏睡。

5. 効能・効果に関連する注意

本剤を投与する場合には、患者の尿量が1日500mL又は1時間当たり20mL以上あることが望ましい。

6. 用法・用量

通常成人は、1回500mLを1日1~2回静脈内に徐々に点滴注入する。
なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。
ただし、キシリトールとして1日量100gまでとする。
注入速度は、キシリトールとして0.3g/kg/hr以下とすること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 心不全の患者

    循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。

  2. 9.1.2 閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者

    水分、電解質等の排泄が障害されているため、症状が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、またキシリトールを含有するので、症状が悪化するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 肝障害のある患者

    キシリトールを含有するので症状が悪化するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

頻度不明

大量・急速投与

脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫、水中毒、高カリウム血症、肝障害、腎障害

14. 適用上の注意

14.1 全般的な注意

  1. 14.1.1 使用時には、感染に対する配慮をすること。
  2. 14.1.2 注射針や輸液セットのびん針は、ゴム栓の刻印部(凹部)に垂直にゆっくりと刺すこと。斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある。また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。

14.2 薬剤調製時の注意

薬剤を配合する場合には、配合変化に注意すること。

14.3 薬剤投与時の注意

  1. 14.3.1 原則として、連結管を用いたタンデム方式による投与は行わないこと。輸液セット内に空気が流入するおそれがある。
  2. 14.3.2 容器の目盛りは目安として使用すること。
  3. 14.3.3 残液は使用しないこと。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

キシリトールの大量を急速に静注した場合、諸臓器、特に腎、脳にシュウ酸カルシウムの沈着が認められたとの報告がある1)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

本剤は水分・電解質の補給・維持効果を示す。

18.2 糖成分・キシリトールの効果

キシリトールは、血糖を高めず、耐糖能低下時にも効率よく利用され、脂肪・蛋白の異化を防ぎ、溶質成分の生成を抑えることから、体液管理に優れた効果が期待される。
絶食ウサギを用いた実験において、クリニザルツ投与群ではブドウ糖・電解質液投与群に比べ、より強い体重減少抑制及び水分、窒素、Na、Kの節約作用が認められる2),3),4),5),6)

18.3 塩基源としての酢酸ナトリウムの有効性

乳酸ナトリウムが主に肝臓で代謝されて塩基源として作用するのに対し、酢酸ナトリウムは代謝域が広く、肝臓のみならず末梢組織においても代謝され、作用する。
脱血ショック下のイヌを用いたBase Excess(BE)の回復速度比較実験において、乳酸ナトリウム投与群ではBEの増加が遅く、回復は出血前値の2分の1であるのに対し、酢酸ナトリウム投与群ではBEの急速な増加がみられ、出血前値以上に回復する7)

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
  2. 20.2 以下の場合には使用しないこと。
    • 外袋内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合
    • 容器から薬液が漏れている場合
    • 性状その他薬液に異状が認められる場合
    • ゴム栓部のシールがはがれている場合

22. 包装

500mL 20袋 ソフトバッグ

24. 文献請求先及び問い合わせ先

扶桑薬品工業株式会社 研究開発センター 学術室

〒536-8523 大阪市城東区森之宮二丁目3番30号

TEL 06-6964-2763 FAX 06-6964-2706
(9:00~17:30/土日祝日を除く)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

扶桑薬品工業株式会社

大阪市城東区森之宮二丁目3番11号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

画面を閉じる

Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.