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ヴィーンD輸液(200mL)/ヴィーンD輸液(500mL)

添付文書番号

3319551A4090_2_03

企業コード

670156

作成又は改訂年月

2022年10月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873319

薬効分類名

ブドウ糖加酢酸リンゲル液

承認等

ヴィーンD輸液(200mL)

販売名コード

YJコード

3319551A8070

販売名英語表記

Veen-D Injection

販売名ひらがな

ゔぃーんでぃーゆえき

承認番号等

承認番号

22400AMX00124

販売開始年月

2017年8月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

ヴィーンD輸液(500mL)

販売名コード

YJコード

3319551A4090

販売名英語表記

Veen-D Injection

販売名ひらがな

ゔぃーんでぃーゆえき

承認番号等

承認番号

22400AMX00124

販売開始年月

2017年8月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

-

3. 組成・性状

3.1 組成

ヴィーンD輸液(200mL)

1袋中(200mL)
有効成分日局 ブドウ糖   10.0g
日局 塩化ナトリウム   1.2g
日局 塩化カリウム   0.06g
日局 塩化カルシウム水和物   0.04g
日局 酢酸ナトリウム水和物   0.76g
添加剤pH調節剤   適量
熱量  40kcal
電解質濃度
(mEq/L:理論値)
Na  130
K  4
Ca2+  3
Cl  109
CH3COO  28

ヴィーンD輸液(500mL)

1袋中(500mL)
有効成分日局 ブドウ糖   25.0g
日局 塩化ナトリウム   3.0g
日局 塩化カリウム   0.15g
日局 塩化カルシウム水和物   0.10g
日局 酢酸ナトリウム水和物   1.90g
添加剤pH調節剤   適量
熱量  100kcal
電解質濃度
(mEq/L:理論値)
Na  130
K  4
Ca2+  3
Cl  109
CH3COO  28

3.2 製剤の性状

ヴィーンD輸液(200mL)

剤形水性注射剤
pH4.0~6.5
浸透圧比1.8~2.1(生理食塩液に対する比)
性状無色~微黄色澄明の液で、弱い塩味と甘味がある。

ヴィーンD輸液(500mL)

剤形水性注射剤
pH4.0~6.5
浸透圧比1.8~2.1(生理食塩液に対する比)
性状無色~微黄色澄明の液で、弱い塩味と甘味がある。

4. 効能・効果

循環血液量及び組織間液の減少時における細胞外液の補給・補正、代謝性アシドーシスの補正、エネルギーの補給

6. 用法・用量

通常成人、1回500mL~1,000mLを点滴静注する。投与速度は通常成人ブドウ糖として1時間あたり0.5g/kg体重以下とする。なお、年齢、症状、体重により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 糖尿病の患者

    血糖値が上昇することにより、症状が悪化するおそれがある。

  2. 9.1.2 心不全の患者

    循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。

  3. 9.1.3 高張性脱水症の患者

    水分補給が必要であり、電解質を含む本剤の投与により症状が悪化するおそれがある。

  4. 9.1.4 閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者

    水分、電解質等の排泄が障害されているため、症状が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児、乳児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

頻度不明

大量・急速投与

脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫

代謝異常

高血糖、尿糖

肝臓

肝機能障害

14. 適用上の注意

14.1 全般的な注意

  1. 14.1.1 使用時には、感染に対する配慮をすること。
  2. 14.1.2 注射針や輸液セットのびん針は、ゴム栓の刻印部(凹部)に垂直にゆっくりと刺すこと。斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある。また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。

14.2 薬剤調製時の注意

薬剤を配合する場合には、配合変化に注意すること。

14.3 薬剤投与時の注意

  1. 14.3.1 原則として、連結管を用いたタンデム方式による投与は行わないこと。輸液セット内に空気が流入するおそれがある。
  2. 14.3.2 容器の目盛りは目安として使用すること。
  3. 14.3.3 残液は使用しないこと。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床試験

    主として全身麻酔下の手術症例、熱傷及び肝障害を含むその他の症例(小児含む)計429例(本剤229例)を対象として、本剤と対照薬(ブドウ糖加乳酸リンゲル液、マルトース加乳酸リンゲル液、ソルビトール加乳酸リンゲル液、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液)との比較試験を行った。その結果、細胞外液の減少に対する電解質の補給・補正、エネルギー補給による異化亢進の抑制及び外科的侵襲に伴う代謝性アシドーシスの補正がなされ、本剤の有用性が認められ、肝・腎機能、血行動態その他の観察項目は良好に推移し、副作用の報告もなく、本剤の安全性が確認された1),2),3),4),5),6),7),8),9),10),11),12),13),14),15),16),17),18),19),20),21)

  2. 17.1.2 国内臨床試験

    継続投与(2~3日)あるいは投与後継続観察(1~4日)を行った症例の臨床所見及び臨床検査より、細胞外液補充液として、水・電解質の補給・維持、代謝性アシドーシスの補正、エネルギーの補給が認められ、その他は副作用もなく、順調な経過を示したことが確認された16),17),18),19),20),21)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

本剤は水分、電解質及びエネルギーの補給効果を示す。

18.2 循環動態に及ぼす作用

本剤投与によりイヌ(雑種成犬)の実験的出血性ショックモデルにおける循環動態(血圧、心拍数及び血流量)の異常が改善した22)。また、本剤はショック犬の腎機能及び肝機能に対して影響を与えなかった22)

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
  2. 20.2 以下の場合には使用しないこと。
    • 外袋内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合
    • 容器から薬液が漏れている場合
    • 性状その他薬液に異状が認められる場合
    • ゴム栓部のシールがはがれている場合

22. 包装

200mL 20袋 ソフトバッグ
500mL 20袋 ソフトバッグ

23. 主要文献

1) 香川豊明 ほか:臨床麻酔.1981;5:139-143

2) 花岡一雄 ほか:診療と新薬.1981;18:645-654

3) 井上哲夫 ほか:診療と新薬.1981;18:237-240

4) 有馬端 ほか:麻酔.1982;31:159-165

5) 野見山延 ほか:診療と新薬.1982;19:2175-2178

6) 平出薫 ほか:診療と新薬.1982;19:1140-1148

7) 宮崎東洋 ほか:診療と新薬.1981;18:1987-1992

8) 高野義人 ほか:診療と新薬.1981;18:1981-1986

9) 東郷ひろみ ほか:診療と新薬.1981;18:1973-1979

10) 武井弘子 ほか:診療と新薬.1982;19:1129-1132

11) 森義人 ほか:麻酔と蘇生.1981;17:145-150

12) 岡田和夫 ほか:診療と新薬.1982;19:1123-1128

13) 社内資料:術中における酢酸リンゲル液と乳酸リンゲル液の比較検討.(1985年8月22日承認,申請資料概要提出資料ト 17)

14) 社内資料:術中輸液の検討.(1985年8月22日承認,申請資料概要提出資料ト 9)

15) 社内資料:小児におけるブドウ糖加酢酸リンゲル液.(ヴィ-ンD)の臨床使用経験(1985年8月22日承認,申請資料概要提出資料ト 22)

16) 溝手博義 ほか:医学と薬学.1984;12:607-611

17) 松田俊樹 ほか:医学と薬学.1986;16:204-210

18) 大橋勉 ほか:診療と新薬.1982;19:1133-1139

19) 三川宏 ほか:診療と新薬.1982;19:2131-2137

20) 岡田和夫 ほか:診療と新薬.1985;22:424-433

21) 社内資料:肝疾患症例に対するヴィ-ンD注(AR-D)の臨床成績.(1985年8月22日承認,申請資料概要提出資料ト 追8)

22) 小林勝 ほか:医学と薬学. 1984;11:789-799

24. 文献請求先及び問い合わせ先

扶桑薬品工業株式会社 研究開発センター 学術室

〒536-8523 大阪市城東区森之宮二丁目3番30号

TEL 06-6964-2763 FAX 06-6964-2706
(9:00~17:30/土日祝日を除く)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

扶桑薬品工業株式会社

大阪市城東区森之宮二丁目3番11号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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