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ブリカニール皮下注0.2mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2気管支平滑筋及び心筋に対する作用
18.3ヒスタミンによる気道抵抗増大に対する抑制作用とその持続時間
18.4アナフィラキシー性気道抵抗増大に対する抑制作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ブリカニール皮下注0.2mg

添付文書番号

2252401A1030_1_05

企業コード

670227

作成又は改訂年月

2023年7月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872252

薬効分類名

気管支拡張剤

承認等

ブリカニール皮下注0.2mg

販売名コード

YJコード

2252401A1030

販売名英語表記

Bricanyl subcutaneous Injection 0.2mg

販売名ひらがな

ぶりかにーるひかちゅう

承認番号等

承認番号

22000AMX01464

販売開始年月

1974年4月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

4年

一般的名称

テルブタリン硫酸塩注射剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ブリカニール皮下注0.2mg

有効成分1アンプル(1mL)中
テルブタリン硫酸塩   0.2mg
添加剤等張化剤   8.9mg
塩酸   0.04mg
pH調節剤   適量

3.2 製剤の性状

ブリカニール皮下注0.2mg

剤形無色澄明の液(水溶性注射剤)
pH3.2~4.2
浸透圧比約1(生理食塩液に対する比)

4. 効能又は効果

下記疾患の気道閉塞性障害にもとづく呼吸困難などの諸症状の緩解

  • 気管支喘息

6. 用法及び用量

通常1回量として、下記用量を皮下注射する。
なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。

成人

1管(0.2mg)

6歳以上の小児

1/2管(0.1mg)

5歳以下の幼児

1/4管(0.05mg)

( )内:テルブタリン硫酸塩としての用量

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合は、本剤が適当でないと考えられるので投与を中止すること。
  2. 8.2 過度に使用を続けた場合、不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので、使用が過度にならないように注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 甲状腺機能亢進症の患者

    動悸、頻脈を助長させるおそれがある。

  2. 9.1.2 高血圧のある患者

    血圧を上昇させるおそれがある。

  3. 9.1.3 心疾患のある患者

    症状を悪化させるおそれがある。

  4. 9.1.4 糖尿病の患者

    血糖値を上昇させるおそれがある。

  5. 9.1.5 低酸素血症の患者

    血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症では血清カリウム値の低下により心リズムに及ぼす作用が増強されることがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。なお、妊娠3ヵ月以内には投与しないことが望ましい。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。海外で実施された臨床薬理試験において、喘息をもつ授乳婦2例にテルブタリン硫酸塩2.5mgを1日3回経口投与したとき、投与後8時間までの母乳中テルブタリン濃度は平均3.5ng/mLであったとの報告がある1)

9.7 小児等

低出生体重児、新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    カテコールアミン製剤

    • アドレナリン、
      イソプロテレノール等

    不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。

    併用によりアドレナリン作動性神経刺激の増大が起きる。

    キサンチン誘導体

    • テオフィリン、
      アミノフィリン水和物、
      ジプロフィリン等

    低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。
    血清カリウム値のモニターを行う。

    キサンチン誘導体との併用によりc-AMP量が増加し、血清カリウム値の低下を増強することがある。

    ステロイド剤

    • ベタメタゾン、
      プレドニゾロン、
      ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム等

    カリウム排泄型利尿剤

    • フロセミド、
      トリクロルメチアジド、
      ヒドロクロロチアジド等

    低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。
    血清カリウム値のモニターを行う。

    ステロイド剤及びカリウム排泄型利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下を増強することが考えられる。

    β遮断剤(β1選択性)1)

    • アテノロール、
      塩酸セリプロロール、
      ビソプロロールフマル酸塩等

    本剤の作用を減弱させるおそれがある。

    β遮断剤は、β2刺激剤である本剤の作用と拮抗することがある。

    1) β遮断剤のうち非選択性の薬剤は、気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者へは投与禁忌である。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)

      アナフィラキシー(呼吸困難、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。

    2. 11.1.2 重篤な血清カリウム値の低下(頻度不明)

      キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。,

    11.2 その他の副作用

    5%以上

    5%未満

    頻度不明

    循環器

    動悸

    顔面蒼白

    頻脈、不整脈

    精神神経系

    手指の振戦、頭痛、ふらつき

    痙直、不眠、傾眠、激越、運動過多、情緒不安

    消化器

    悪心・嘔吐

    13. 過量投与

    1. 13.1 徴候・症状

      頭痛、不安感、振戦、強直性筋痙直、心悸亢進、不整脈、血圧低下、高血糖、乳酸アシドーシス、低カリウム血症があらわれることがある。

    2. 13.2 処置

      治療剤として心選択性β遮断剤があるが、気管支痙攣誘発の可能性があるため慎重に投与すること。血圧低下に対しては血漿増量剤を投与する。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤調製時の注意

    1. 14.1.1 アンプルカット時には、ガラス微小片の混入を避けるため、エタノール綿等で清拭することが望ましい。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    1. 15.1.1 適応外であるが、海外において切迫早産の治療に使用した際に、母体において重篤な循環器系の副作用や死亡が認められたとの報告がある。

    15.2 非臨床試験に基づく情報

    1. 15.2.1 SD系ラットに50mg/kg以上の量を2年間経口投与した試験で、卵巣間膜過形成、卵巣嚢胞が、また、用量依存的に卵巣間膜平滑筋腫が発現した2)。この腫瘍はラットに特異的なものであると考えられており、また、各種β刺激剤を長期間反復投与することにより発現することが報告されている。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    成人喘息患者8例にテルブタリン硫酸塩0.5mgを単回皮下投与した場合、血清中未変化体濃度は投与後30分に最高値6.9ng/mLを示した3)。(外国人データ)
    (注)本剤の承認された1回用量は、通常成人にはテルブタリン硫酸塩として0.2mgである。

    16.5 排泄

    健康成人に放射能標識テルブタリン硫酸塩を単回皮下投与した場合、投与後96時間までの累積尿中放射能排泄率は90%以上であり、その2/3は未変化体であった4)。(外国人データ)

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 一般臨床試験5),6)

      気管支喘息の成人又は幼・小児患者を対象として、1回標準投与量0.2mg(成人)、0.1mg(小児)又は0.05mg(幼児)を1日1回皮下注射した一般臨床試験7試験で得られた有効率及び副作用は次のとおりであった。一般臨床試験7試験において、120例中10例(8.3%)に12件の副作用が報告された。報告された主な副作用は、動悸3例(2.5%)、顔面蒼白3例(2.5%)及び頭痛3例(2.5%)であった。

      試験番号

      疾患名
      (成人/
      幼・小児別)

      有効以上/効果判定例数
      有効率(%)

      副作用

      一般臨床試験
      (1)

      気管支喘息
      (成人)

      7/9 (77.8)

      動悸1例(11.1%)、
      ふらふら感1例(11.1%)

      一般臨床試験
      (2)

      気管支喘息
      (成人)

      8/10 (80.0)

      動悸1例(10.0%)

      一般臨床試験
      (3)5)

      気管支喘息
      (成人)

      17/22 (77.3)

      なし

      一般臨床試験
      (4)

      気管支喘息
      (幼・小児)

      14/22 (63.6)

      なし

      一般臨床試験
      (5)

      気管支喘息
      (幼・小児)

      12/15 (80.0)

      顔面蒼白2例(13.3%)、
      頭痛1例(6.7%)

      一般臨床試験
      (6)

      気管支喘息
      (幼・小児)

      10/16 (62.5)

      動悸1例(6.3%)、
      頭痛1例(6.3%)、
      顔面蒼白1例(6.3%)

      一般臨床試験
      (7)6)

      気管支喘息
      (幼・小児)

      20/26 (76.9)

      頭痛1例(3.8%)、
      心窩部痛1例(3.8%)、
      倦怠感1例(3.8%)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    テルブタリン硫酸塩はアドレナリン作動性β受容体刺激剤であり、気管支拡張作用を示す7),8)

    18.2 気管支平滑筋及び心筋に対する作用

    テルブタリン硫酸塩はモルモット、イヌあるいはそれらの摘出器官を用いた実験でβ刺激作用、すなわち気管支平滑筋に対して弛緩作用、心筋に対して収縮力増強作用を示す7),8),9)。その作用は気管支平滑筋に対する方が強く、心筋に影響を与えない量で気管支平滑筋の弛緩が認められる8),9)

    18.3 ヒスタミンによる気道抵抗増大に対する抑制作用とその持続時間

    モルモット、ネコあるいはイヌにヒスタミンを静注して生じる気道抵抗の増大に対して、テルブタリン硫酸塩は、抑制作用を示す7),8)。同等の作用を示す投与量でのテルブタリン硫酸塩の作用持続時間は、イソプロテレノールやオルシプレナリンより長い8)

    18.4 アナフィラキシー性気道抵抗増大に対する抑制作用

    テルブタリン硫酸塩は、感作ラットに抗原を静注して生じるアナフィラキシー性気道抵抗の増大に対しても抑制作用を示し、その効力は、イソプロテレノールとほぼ同等である7)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    テルブタリン硫酸塩(Terbutaline Sulfate)(JAN)(日局)

    化学名

    5-[(1RS)-2-(1,1-Dimethylethylamino)-1-hydroxyethyl]benzene-1,3-diol hemisulfate

    分子式

    (C12H19NO3)2・H2SO4

    分子量

    548.65

    性状

    テルブタリン硫酸塩は白色~帯褐白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに酢酸臭がある。水に溶けやすく、アセトニトリル、エタノール(95)、酢酸(100)、クロロホルム又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。光又は空気によって徐々に着色する。

    化学構造式

    融点

    約255℃(分解)

    22. 包装

    1mL[50アンプル]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    アストラゼネカ株式会社 メディカルインフォメーションセンター

    〒530-0011 大阪市北区大深町3番1号

    TEL 0120-189-115
    https://www.astrazeneca.co.jp

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    アストラゼネカ株式会社

    大阪市北区大深町3番1号

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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