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オーキシス9µgタービュヘイラー28吸入/オーキシス9µgタービュヘイラー60吸入

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能・効果
5.効能・効果に関連する注意
6.用法・用量
7.用法・用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2気管支拡張作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

オーキシス9µgタービュヘイラー28吸入/オーキシス9µgタービュヘイラー60吸入

添付文書番号

2259711G1024_1_11

企業コード

670227

作成又は改訂年月

2024年1月改訂(第2版)
2020年12月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872259

薬効分類名

ドライパウダー吸入式気管支拡張剤

承認等

オーキシス9µgタービュヘイラー28吸入

販売名コード

YJコード

2259711G1024

販売名英語表記

Oxis 9µg Turbuhaler28 doses

販売名ひらがな

おーきしすたーびゅへいらー

承認番号等

承認番号

22400AMX00739

販売開始年月

2012年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

24箇月

オーキシス9µgタービュヘイラー60吸入

販売名コード

YJコード

2259711G2020

販売名英語表記

Oxis 9µg Turbuhaler60 doses

販売名ひらがな

おーきしすたーびゅへいらー

承認番号等

承認番号

22400AMX00740

販売開始年月

2013年11月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

24箇月

一般的名称

ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

オーキシス9µgタービュヘイラー28吸入

有効成分1回吸入量(容器から放出される量)
ホルモテロールフマル酸塩水和物   9µg
添加剤乳糖水和物1)

オーキシス9µgタービュヘイラー60吸入

有効成分1回吸入量(容器から放出される量)
ホルモテロールフマル酸塩水和物   9µg
添加剤乳糖水和物1)

1) 夾雑物として乳蛋白を含む。

3.2 製剤の性状

オーキシス9µgタービュヘイラー28吸入

剤形ドライパウダー式吸入剤
色調本体白色、回転グリップ青緑色の合成樹脂製の吸入器(タービュヘイラー)に充てんされた吸入剤
内容物は白色~微黄白色の粒

オーキシス9µgタービュヘイラー60吸入

剤形ドライパウダー式吸入剤
色調本体白色、回転グリップ青緑色の合成樹脂製の吸入器(タービュヘイラー)に充てんされた吸入剤
内容物は白色~微黄白色の粒

4. 効能・効果

慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解

5. 効能・効果に関連する注意

  1. 5.1 本剤は慢性閉塞性肺疾患の症状の長期管理に用いること。本剤は慢性閉塞性肺疾患の急性増悪の治療を目的として使用する薬剤ではない。

6. 用法・用量

通常、成人には1回1吸入(ホルモテロールフマル酸塩水和物として9µg)を1日2回吸入投与する。

7. 用法・用量に関連する注意

  1. 7.1 本剤を他の長時間作動型β2刺激剤又は長時間作動型β2刺激剤を含む配合剤と同時に使用しないこと。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、本剤が適当ではないと考えられるので、漫然と投与を継続せず中止すること。
  2. 8.2 過度に本剤の使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあるので、用法・用量を超えて投与しないよう注意すること。また、患者に対し、本剤の過度の使用による危険性について理解させ、用法・用量を超えて使用しないよう注意を与えること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 甲状腺機能亢進症の患者

    甲状腺機能亢進症の症状を悪化させるおそれがある。

  2. 9.1.2 高血圧の患者

    血圧を上昇させるおそれがある。

  3. 9.1.3 心疾患のある患者

    β1作用により症状を増悪させるおそれがある。

  4. 9.1.4 糖尿病の患者

    グリコーゲン分解作用により症状を増悪させるおそれがある。

  5. 9.1.5 低カリウム血症の患者

    Na+/K+ ATPaseを活性化し細胞外カリウムを細胞内へ移動させることにより低カリウム血症を増悪させるおそれがある。

  6. 9.1.6 気管支喘息を合併した患者

    気管支喘息の管理が十分行われるよう注意すること。

  7. 9.1.7 低酸素血症の患者

    血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度な肝機能障害のある患者

    本剤は主に肝臓で代謝されるため血中濃度が上昇する可能性がある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
ホルモテロール3mg/kg/日あるいは15mg/kg/日の経口投与により、ラット母動物では、着床数の減少及び吸収胚数並びに出生児損失の増加がみられ、同腹児数及び同腹児重量が低下したことが報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
ホルモテロールのヒト乳汁への移行は不明であるが、ラット乳汁への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等に対する臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    カテコールアミン

    • アドレナリン
    • イソプレナリン等

    不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので、副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

    併用により、アドレナリン作動性神経刺激の増大が起きる。
    そのため、不整脈を起こすことがある。

    キサンチン誘導体

    • テオフィリン
    • アミノフィリン等

    低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。血清カリウム値のモニターを行うことが望ましい。

    キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下を増強することがある。

    全身性ステロイド剤

    • プレドニゾロン
    • ベタメタゾン等

    低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。血清カリウム値のモニターを行うことが望ましい。

    全身性ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が増強することが考えられる。

    利尿剤

    • フロセミド等

    低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。血清カリウム値のモニターを行うことが望ましい。

    全身性ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が増強することが考えられる。

    β遮断剤

    • アテノロール等

    本剤の作用を減弱する可能性がある。

    β受容体において競合的に拮抗する。

    QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤

    • 抗不整脈剤
      三環系抗うつ剤等

    QT間隔が延長され心室性不整脈等のリスクが増大するおそれがある。

    いずれもQT間隔を延長させる可能性がある。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 重篤な血清カリウム値の低下(頻度不明)

      ,

    11.2 その他の副作用

    0.1~1%未満

    頻度不明

    過敏症

    発疹、蕁麻疹、接触性皮膚炎等の過敏症状

    口腔・呼吸器

    気管支痙攣2)

    消化器

    悪心

    精神神経系

    睡眠障害

    頭痛、振戦、めまい、味覚障害、激越、情緒不安

    循環器

    動悸、不整脈(心房細動、上室性頻脈、期外収縮等)、狭心症

    頻脈、血圧上昇

    筋・骨格系

    筋痙攣

    内分泌

    高血糖

    2) 短時間作動型吸入β2刺激剤を投与するなどの適切な処置を行うこと。

    13. 過量投与

    1. 13.1 症状

      本剤の過量投与により、動悸、頻脈、不整脈、振戦、頭痛及び筋痙攣等、β刺激剤の薬理学的作用による全身作用が発現する可能性がある。また、重篤な症状として、血圧低下、代謝性アシドーシス、低カリウム血症、高血糖、心室性不整脈あるいは心停止等が発現する可能性がある。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    1. 14.1.1 吸入前
      1. (1) 本剤の投与にあたって、吸入器の操作法、吸入法等を十分に説明すること。
      2. (2) 患者に本剤を交付する際には、包装中に添付している患者用説明文書を渡し、使用方法を指導すること。
      3. (3) 初めて本剤を投与する患者には、本剤が十分に気道に到達するよう吸入方法をよく説明したうえ、吸入の訓練をさせること。
    2. 14.1.2 吸入時

      本剤は口腔内への吸入投与のみに使用すること。

    3. 14.1.3 保管時
      1. (1) 使用後は必ずキャップ(カバー)を閉めて保管すること。
      2. (2) マウスピースの外側を週に1~2回乾燥した布で清拭すること(水洗いはしないこと)。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    健康成人(15例)に本剤54µg3)を活性炭の経口併用投与下で単回吸入投与したとき、ホルモテロールは速やかに吸収され、投与後10分以内に最高血漿中濃度(幾何平均266pmol/L)に達した。終末相の半減期は8.5時間であった。また、ホルモテロール27µg3)を単回静脈内投与した時の定常状態分布容積は約5L/kgであった1)(外国人データ)。

    図1 単回吸入投与後の血漿中ホルモテロール濃度(15例の平均値±標準偏差)

    16.3 分布

    健康成人(15例)に本剤54µg3)を単回吸入投与したときの肺内到達率は43%であった1)(外国人データ)。
    ヒト血漿蛋白質との結合率は約50%であった2)in vitro試験)。

    16.4 代謝

    ヒト血漿及び尿中の主代謝物はホルモテロールのグルクロン酸抱合体であった。尿中にはO-脱メチル化体のグルクロン酸抱合体も認められた3)。ホルモテロールのO-脱メチル化反応には、主としてCYP2D6及びCYP2C分子種が関与する4)in vitro試験)。

    16.5 排泄

    健康成人(15例)に3H標識ホルモテロール37µg3)を経口投与後直ちに3H標識ホルモテロール16µgを静脈内持続注入(30分)したとき、投与後168時間までに投与放射能の62%が尿中に、24%が糞中に排泄された3)(外国人データ)。
    健康成人男性(8例)に本剤4.5~36µg3)を単回吸入投与したときの投与後24時間までの尿中ホルモテロール排泄率は、吸入量の約10%であった5)

    3) ホルモテロールフマル酸塩水和物の承認用法用量は、1回9µgを1日2回吸入投与である。

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国際共同第III相試験

      日本人患者を含む慢性閉塞性肺疾患患者を対象とした国際共同二重盲検比較試験において、本剤(ホルモテロールフマル酸塩水和物)4.5µg1回2吸入1日2回を199例(日本人患者108例を含む)に12週間投与したところ、本剤吸入60分後における肺機能検査値(FEV1)において、プラセボを投与された208例(日本人患者110例を含む)に比較して有意な上昇を示し、本剤吸入前FEV1値(トラフFEV1値)においてもプラセボに比較して有意な上昇を示した。FEV1値の改善は本剤吸入5分後に発現した。また、本剤はプラセボに比較して慢性閉塞性肺疾患の症状による夜間覚醒、呼吸困難、咳(各々の程度を点数化して評価)並びにSt. George's Respiratory Questionnaire(SGRQ)による健康関連の生活の質(QOL)を有意に改善した6)

      表1 吸入60分後測定及び吸入前測定のFEV1値の平均変化量(比)

      FEV1
      測定時期

      投与群

      症例数

      平均変化量(%)4)

      プラセボ群との差5)

      [95%信頼区間]
      (p値)

      吸入60分後

      プラセボ

      208

      101.28

      ホルモテロールフマル酸塩水和物

      199

      113.36

      1.114
      [1.083, 1.145]
      (<0.0001)

      吸入前
      (トラフ)

      プラセボ

      204

      99.77

      ホルモテロールフマル酸塩水和物

      196

      104.65

      1.044
      [1.017, 1.072]
      (=0.0015)

      4) 治験薬割付前値からの治験薬投与12週間の幾何平均の変化量(比)

      5) 治験薬割付前値で調整した幾何平均の比

      副作用発現頻度は、本剤群で3.5%(7/199例)であった。副作用の内訳は、慢性閉塞性肺疾患1.0%(2/199例)、狭心症、心房粗動、動悸、筋骨格系胸痛、眼瞼炎及び不眠症各0.5%(1/199例)であった。

    2. 17.1.2 国内長期投与試験

      国内の慢性閉塞性肺疾患患者を対象とした長期投与試験において、本剤の9µg1回1吸入1日2回を125例に52週間投与したとき、投与前からのFEV1の改善が投与後52週間維持された7)
      副作用発現頻度は、本剤群で5.6%(7/125例)であった。副作用の内訳は、咽頭炎、肺炎、慢性閉塞性肺疾患、薬疹、尿中ブドウ糖陽性、狭心症及び心室性期外収縮 各0.8%(1/125例)であった。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    ホルモテロールは長時間作用型のβ2刺激剤である8)

    18.2 気管支拡張作用

    本薬は迅速かつ持続的な気道平滑筋弛緩作用を示した8)。また、モルモット喘息モデルにおいて、本薬は、吸入投与によって経口投与よりも低い用量で抗喘息作用を示し、経口、皮下及び吸入投与のいずれにおいてもサルブタモールより強力な抗喘息作用を示した9)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    ホルモテロールフマル酸塩水和物(Formoterol Fumarate Hydrate)(JAN)(日局)

    化学名

    *N-(2-Hydroxy-5-{(1RS)-1-hydroxy-2-[(2RS)-1-(4-methoxyphenyl)propan-2-ylamino]ethyl}phenyl)formamide hemifumarate monohydrate

    分子式

    (C19H24N2O4)2・C4H4O4・2H2O

    分子量

    840.91

    性状

    ホルモテロールフマル酸塩水和物は白色~帯黄白色の結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、水又はエタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品のメタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。

    化学構造式

    融点

    約138℃(分解)

    22. 包装

    • オーキシス9µgタービュヘイラー28吸入

      [1本、乾燥剤入り]

    • オーキシス9µgタービュヘイラー60吸入

      [1本、乾燥剤入り]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    Meiji Seika ファルマ株式会社 くすり相談室

    〒104-8002 東京都中央区京橋2-4-16

    フリーダイヤル(0120)093-396 電話(03)3273-3539

    FAX(03)3272-2438

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    アストラゼネカ株式会社

    大阪市北区大深町3番1号

    26.2 販売元

    Meiji Seika ファルマ株式会社

    東京都中央区京橋2-4-16

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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