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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
通常、成人、12歳以上の小児及び体重35kg以上の6歳以上12歳未満の小児にはベンラリズマブ(遺伝子組換え)として1回30mgを、初回、4週後、8週後に皮下に注射し、以降、8週間隔で皮下に注射する。
*通常、成人にはベンラリズマブ(遺伝子組換え)として1回30mgを4週間隔で皮下に注射する。
通常、体重35kg未満の6歳以上12歳未満の小児にはベンラリズマブ(遺伝子組換え)として1回10mgを、初回、4週後、8週後に皮下に注射し、以降、8週間隔で皮下に注射する。
本剤の投与開始前に寄生虫感染を治療すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。本剤はモノクローナル抗体であり、動物実験(カニクイザル)において本剤は胎盤を通過することが報告されており、妊娠中のカニクイザルにおける曝露量が臨床投与量における曝露量の99.0倍であったときに、出生児で末梢血好酸球の減少が認められたが、出生後180日までに回復した。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤の乳汁中への移行は不明である。
一般的に生理機能が低下している。
アナフィラキシー(蕁麻疹、血管浮腫、喉頭浮腫、アナフィラキシー反応等)等の重篤な過敏症があらわれることがある。また、過敏症反応の発現が遅れて認められることがある。
1%以上10%未満
0.1%以上1%未満
頻度不明
精神神経系
頭痛
感染症
咽頭炎(咽頭炎、細菌性咽頭炎、ウイルス性咽頭炎、及びレンサ球菌性咽頭炎)
全身障害
発熱
投与部位
注射部位反応(疼痛、紅斑、そう痒感、丘疹等)
過敏症
過敏症反応(蕁麻疹、丘疹状蕁麻疹、及び発疹)
*重症喘息患者を対象とした第III相国際共同臨床試験(SIROCCO試験及びCALIMA試験)において、本剤の成人の気管支喘息における承認用法・用量で投与を受けた患者の14.9%(122/820例)に抗ベンラリズマブ抗体が認められ、12.0%(98/820例)に中和抗体が認められた。小児の重症喘息患者を対象として薬物動態、薬力学及び長期安全性を評価した第III相国際共同試験(TATE試験)において、6~14歳の患者の13.3%(4/30例)に抗ベンラリズマブ抗体が認められ、4例全てに中和抗体が認められた。好酸球性多発血管炎性肉芽腫症患者を対象とした第III相国際共同臨床試験(MANDARA試験)において、9.0%(6/67例)に抗ベンラリズマブ抗体が認められ、1.5%(1/67例)に中和抗体が認められた。抗ベンラリズマブ抗体陽性となった一部の患者では、血清中ベンラリズマブ濃度の低下及び本剤投与後に減少した血中好酸球数の増加が認められた。なお、抗ベンラリズマブ抗体の発現による本剤の有効性及び安全性に対する影響を示唆する成績は得られていない1),2),3)。
日本人健康成人に本剤25、100及び200mg注1)を単回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりである4)。
投与量
25mg(6例)
100mg(6例)
200mg(6例)
tmax(day)
7.00(4.00, 7.00)
5.00(4.00, 7.00)
4.00(4.00, 7.00)
Cmax(µg/mL)
1.99±0.34
7.17±2.41
15.0±5.4
AUC0-t(µg・day/mL)
59.10±9.80
203.46±68.78
408.47±131.47
AUC0-∞(µg・day/mL)
61.33±10.12
211.92±76.02
420.13±136.69
t1/2(day)
15.6±3.0
17.4±3.0
15.6±2.6
CL/F(mL/day)
417.68±73.55
528.99±205.52
523.79±180.38
Vz/F(mL)
9,228.1±1,299.5
12,930.5±4,709.3
11,779.6±4,695.4
平均値±標準偏差(tmaxは中央値(最小値,最大値))
日本人小児喘息患者に本剤10及び30mgを単回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりである2)。
10mg(8例)
30mg(3例)
6.92(0.93, 14.95)
7.94(7.26, 8.13)
2.02±0.53
3.35±0.76
AUC0-28(µg・day/mL)
39.60±5.49
72.16±21.53
平均値±標準偏差(tmaxは中央値(最小値,最大値))、AUC0-28の例数は10mg群5例及び30mg群2例
*第III相国際共同試験(CALIMA試験)において、本剤の成人の気管支喘息における承認用法・用量で投与を受けた喘息患者(日本人患者を含む)の投与開始後16週及び48週の血清中トラフ濃度(平均値±標準偏差、以下同様)は、それぞれ412±330ng/mL(377例)及び326±267ng/mL(337例)であった5)。これらの患者のうち、日本人集団における投与開始後16週及び48週の血清中トラフ濃度は、それぞれ452±324ng/mL(26例)及び392±326ng/mL(26例)であった6)。第III相国際共同試験(MANDARA試験)において、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症における本剤の承認用法・用量で投与を受けた好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の患者(日本人患者を含む)の投与開始後12週及び52週の血清中トラフ濃度は、それぞれ1998±902ng/mL(66例)及び2101±1098ng/mL(62例)であった3)。
母集団薬物動態解析の結果、上腕部への皮下投与時の絶対的バイオアベイラビリティは58.9%と推定された7)。
ベンラリズマブはヒト化IgG1モノクローナル抗体であり、肝臓以外にも広く生体に存在するタンパク質分解機構により消失すると推定される7)。
中用量又は高用量の吸入ステロイド(ICS)及び長時間作用性β2刺激薬(LABA)で治療してもコントロール不良の成人又は小児(12歳以上、海外のみ)喘息患者1,306例(日本人患者83例を含む)を対象としたランダム化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較国際共同試験を実施した。中用量又は高用量ICS/LABAの併用下で、本剤30mg又はプラセボを、4週に1回(Q4W)、又は最初の3回は4週に1回、以降8週に1回(Q8W)、56週間皮下投与した。有効性の主要解析対象集団である高用量ICS/LABAを使用しているベースラインの血中好酸球数が300/µL以上の被験者において、主要評価項目である年間喘息増悪率(モデル調整済み)は、本剤Q8W群、プラセボ群でそれぞれ0.66、0.93であり、プラセボ群と比較して本剤Q8W群で有意に低下した(表3)。
CALIMA試験
参考:SIROCCO試験注)9)
本剤30mgQ8W群(239例)
プラセボ群(248例)
本剤30mgQ8W群(267例)
プラセボ群(267例)
喘息増悪発現件数(回)
163
270
156
365
総観察期間(人・年)
245.4
261.2
236.1
238.2
年間喘息増悪率(回/人・年)
0.66
1.03
1.53
年間喘息増悪率a)(回/人・年)[95%信頼区間]
[0.54, 0.82]
0.93
[0.77, 1.12]
0.65[0.53, 0.80]
1.33[1.12, 1.58]
プラセボ群との比a)[95%信頼区間]p値a),b)
0.72
[0.54, 0.95]
p=0.019
-
0.49
[0.37, 0.64]
p<0.001
注)CALIMA試験と同様の対象患者及びデザイン(ただし高用量ICS/LABA併用患者を対象、投与期間は48週間)で実施された海外臨床試験
a)投与群、地域、治験参加前1年間の喘息増悪回数、継続的な経口ステロイド薬の使用の有無を共変量として含む負の二項回帰モデル
b)有意水準は両側4%、検定の多重性はHochbergの方法により調整
有効性の主要解析対象集団のうち、日本人集団における年間喘息増悪率の解析結果を表4に示した。
本剤30mg Q8W群(15例)
プラセボ群(16例)
6
48
14.6
16.7
0.41
2.87
0.42[0.15, 1.18]
2.45[1.23, 4.89]
プラセボ群との比a)[95%信頼区間]
0.17[0.05, 0.60]
a)投与群、治験参加前1年間の喘息増悪回数、継続的な経口ステロイド薬の使用の有無を共変量として含む負の二項回帰モデル
また、ベースラインの血中好酸球数別の年間喘息増悪率の部分集団別解析結果は表5のとおりであった。
参考:SIROCCO試験10)
本剤30mgQ8W群
本剤30mg Q8W群
150/µL未満
症例数(本剤/プラセボ)
50/43
55/79
0.65[0.36, 1.17]
0.70[0.42, 1.18]
150/µL以上、
300/µL未満
73/77
74/60
0.57[0.35, 0.93]
0.99[0.60, 1.62]
300/µL以上、
450/µL未満
85/99
116/106
0.89[0.57, 1.39]
0.57[0.38, 0.86]
450/µL以上
151/148
147/158
0.61[0.43, 0.86]
0.42[0.29, 0.59]
a)投与群、地域、治験参加前1年間の喘息増悪回数、継続的な経口ステロイド薬の使用の有無、ベースラインの血中好酸球数カテゴリ、投与群とベースラインの血中好酸球数カテゴリの交互作用を共変量として含む負の二項回帰モデル
本剤30mg Q8W群における副作用発現頻度は12.6%(54/428例)であり、主な副作用は、頭痛1.4%(6/428例)、次いで発熱1.2%(5/428例)であった。
血中好酸球数が試験開始時に150/µL以上、かつ中用量又は高用量ICS及びLABA等のその他の長期管理薬で治療しても喘息増悪をきたす6~11歳(6~14歳、日本のみ)の小児喘息患者30例(日本人患者11例を含む)を対象とした非盲検、並行群間国際共同試験を実施した注2)。中用量又は高用量のICS及びその他の長期管理薬併用下で、本剤10又は30mg注3)を、最初の3回は4週に1回(Q4W)、以降の4回は8週に1回(Q8W)、48週間皮下投与した。6~14歳の患者における副作用発現頻度は13.3%(4/30例)であり、報告された副作用は頭痛、疲労、注射部位反応及び消化不良が各3.3%(1/30例)であった。
*再燃又は難治性の好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の成人患者140例(日本人患者8例を含む)を対象としたランダム化、実薬対照、二重盲検、非劣性国際共同試験を実施した。本試験の二重盲検投与期では、経口ステロイド薬(プレドニゾロン換算で7.5~50mg/日)注4)に追加注5)して、本剤30mg Q4W、又はメポリズマブ300mg Q4Wを52週間皮下投与した。主要評価項目である投与開始後36週及び48週の両方で寛解(経口ステロイド薬 4mg/日[プレドニゾロン換算]以下かつBirmingham Vasculitis Activity Score[BVAS]=0)を達成した被験者の割合における本剤群とメポリズマブ群の群間差は、1.21%(95%信頼区間:-14.11, 16.53)であり、信頼区間の下限が予め設定していた非劣性マージン-25%を超えた(表6)。投与開始後48~52週で経口ステロイド薬の平均1日用量をベースラインから100%減量できた被験者の割合は本剤群で41%、メポリズマブ群で26%であった。また、ベースラインから50%以上減量できた被験者の割合は本剤群で84%、メポリズマブ群で74%であった。
*
本剤群
(70例)
メポリズマブ群
例数(割合[%])
40 (57)
メポリズマブ群との割合の差
[95%信頼区間]a)
1.21
[-14.11, 16.53]
a) 投与群、ベースラインの経口ステロイド薬用量(プレドニゾロン換算)、ベースラインのBVAS及び地域を共変量としたロジスティック回帰モデル
*二重盲検投与期の本剤群における副作用発現頻度は28.6%(20/70例)であり、主な副作用(3%以上)は、頭痛7.1%(5/70例)、次いで注射部位疼痛4.3%(3/70例)であった。
本剤は、ヒトインターロイキン-5受容体αサブユニット(IL-5Rα)に特異的かつ高親和性で結合(解離定数:16pM)11)する、フコース欠損型ヒト化免疫グロブリンGサブクラス1、κ型アイソタイプ(IgG1κ)モノクローナル抗体である。
本剤は、Fcドメインのフコース欠損により、ナチュラルキラー細胞等のエフェクター細胞上のFcγRIIIaに高い親和性(解離定数:45.5nM)12)を示すために抗体依存性細胞傷害活性が増強され、IL-5Rαを発現する好酸球及び好塩基球のアポトーシスを誘導する12),13)。
*第III相国際共同試験(SIROCCO試験及びCALIMA試験)で、成人の気管支喘息における承認用法・用量で本剤を皮下投与したとき、及び第III相国際共同試験(TATE試験)で、6~14歳の小児の気管支喘息における承認用法・用量で本剤を皮下投与したときに血中好酸球の低下が認められた2),8),9)。同様の血中好酸球の低下が、第III相国際共同試験(MANDARA試験)で、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症における承認用法・用量で本剤を皮下投与したときにも認められた3)。
ベンラリズマブ(遺伝子組換え)Benralizumab (Genetical Recombination)
ベンラリズマブは、遺伝子組換えヒト化モノクローナル抗体であり、マウス抗ヒトインターロイキン-5受容体αサブユニット抗体の相補性決定部、並びにヒトIgG1のフレームワーク部及び定常部からなる。ベンラリズマブは、糖タンパク質6-α-Lフコース転移酵素が欠損したチャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。ベンラリズマブは、451個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約148,000)である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1mL[1キット(注射針(29G)付きプレフィルドシリンジ×1)]
*1mL[1キット(注射針(29G)付きオートインジェクター×1)]
0.5mL[1キット(注射針(29G)付きプレフィルドシリンジ×1)]
1) 社内資料:Integrated Summary of Immunogenicity
2) 社内資料:D3250C00025(TATE試験)(2024年3月26日承認、CTD 2.7.6.2.1)
3) *社内資料:D3253C00001(MANDARA試験)(2024年12月27日承認、CTD 2.7.6.2)
4) 社内資料:4563-002試験(2018年1月19日承認、CTD 2.7.6.2)
5) 社内資料:D3250C00018(CALIMA試験)(2018年1月19日承認、CTD 2.7.6.8)
6) 社内資料:D3250C00018(CALIMA試験)部分集団解析(日本人データ)(2018年1月19日承認、CTD 2.7.3.3)
7) 社内資料:Benralizumab Population Pharmacokinetic Analysis.(2018年1月19日承認、CTD 2.7.2.3)
8) FitzGerald JM, et al. Lancet. 2016;388:2128-41.
9) Bleecker ER, et al. Lancet. 2016;388:2115-27.
10) 社内資料:D3250C00017(SIROCCO試験)治験総括報告書
11) 社内資料:組換えヒトIL-5Rαに対するベンラリズマブの結合親和性(2018年1月19日承認、CTD 2.6.2.3)
12) Kolbeck R, et al. J Allergy Clin Immunol. 2010;125(6):1344-53.
13) 社内資料:ヒト好酸球に対するベンラリズマブのADCCを介したアポトーシス誘導(2018年1月19日承認、CTD 2.6.2.3)
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