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最適使用推進ガイドライン対象品目
生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の投与は、適応疾患の治療に精通している医師のもとで行うこと。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)
通常、成人及び12歳以上の小児にはテゼペルマブ(遺伝子組換え)として1回210mgを4週間隔で皮下に注射する。
本剤の投与開始後にステロイド薬を急に中止しないこと。ステロイド薬の減量が必要な場合には、医師の管理下で徐々に行うこと。
本剤の投与開始前に寄生虫感染を治療すること。また、患者が本剤投与中に感染し、抗寄生虫薬による治療が無効な場合には、本剤の投与を一時中止すること。本剤は胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)に結合し、TSLP受容体との相互作用を阻害する。TSLPは、一部の寄生虫(蠕虫)感染に対する免疫応答に関与している可能性がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(カニクイザル)で本剤が胎盤を通過することが示唆されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒトにおける乳汁中への移行は不明であるが、動物実験(カニクイザル)で乳汁中への移行が報告されている。
12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般的に生理機能が低下している。
本剤の投与開始数時間以内又は遅発性(数日後)にアナフィラキシーや発疹等の重篤な過敏症があらわれることがある。
長期の海外臨床試験において、プラセボ群と比較して本剤群で、冠動脈障害、不整脈、心不全の発現頻度が高かったとの報告がある。
1%以上
1%未満
皮膚
発疹
注射部位
注射部位反応(紅斑、腫脹、疼痛等)
筋骨格系
関節痛
感染症
咽頭炎
重症喘息患者を対象とした第III相国際共同臨床試験(NAVIGATOR試験)において、推奨用法・用量にて本剤を52週間投与された患者の4.9%(26/527例)はいずれかの時点で抗薬物抗体(ADA)陽性を示し、このうち本剤投与後のADA発現は1.9%(10例)であった。ADAの力価は概して低値で、一過性であった。また、0.2%(1例)に中和抗体が認められた1)。ADAの発現による本剤の薬物動態、薬力学、並びに有効性及び安全性に対する影響を示唆する成績は得られていない。
日本人健康成人にテゼペルマブ35、105及び280mg注1)を皮下単回投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりである。投与量35~280mgの範囲で、テゼペルマブの血清中濃度は用量に概ね比例した増加を示した。
投与量(例数)
35mg (6例)
105mg (6例)
280mg (5例)
tmax (day)注)
7.000(3.000, 10.04)
8.515(5.000, 14.03)
10.04(7.000, 14.03)
Cmax(µg*day/mL)
5.193±0.8191
15.67±1.722
39.74±7.809
AUClast(µg*day/mL)
188±26.6
633.7±59.5
1544±145.7
AUC∞(µg*day/mL)
207.2±32.94
718±78.04
1612±157.7
t½ (day)
23.88±2.831
26.32±3.372
24.04±2.792
算術平均±標準偏差
注)中央値(最小値、最大値)
第III相国際共同臨床試験(NAVIGATOR試験)において、中用量又は高用量の吸入ステロイド及びその他の長期管理薬で治療してもコントロール不良な成人及び12歳以上の小児喘息患者(日本人を含む)にテゼペルマブ210mgを4週間に1回反復皮下投与したときの血清中トラフ濃度は下記のとおりである。テゼペルマブ投与後の平均血清中トラフ濃度は投与回数と共に増加し、投与12週時までに定常状態に達した。
評価時点
血清中トラフ濃度 (µg/mL)
投与4週時
11.5±4.9 (512例)
投与12週時
20.7±8.9 (491例)
投与24週時
22.5±10.2 (460例)
投与36週時
21.9±10.2 (463例)
投与52週時
22.6±10.4 (447例)
算術平均±標準偏差(例数)
外国人健康被験者にテゼペルマブ210mgを皮下投与したときの絶対バイオアベイラビリティは81%であった。3)。
母集団薬物動態解析において、テゼペルマブの中央コンパートメント及び末梢コンパートメントの分布容積は、体重70kgの患者においてそれぞれ3.91L及び2.17Lと推定された4)。
テゼペルマブはモノクローナル抗体であり、体内に広く分布するタンパク質分解酵素による分解により消失すると推定される。
本試験は、中用量又は高用量の吸入ステロイド(ICS)及びその他の長期管理薬で治療してもコントロール不良な成人及び12歳以上の小児喘息患者1,061例(日本人患者97例を含む)を対象としたランダム化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較試験を実施した。中用量又は高用量ICS及びその他の長期管理薬の併用下で、本剤210mg又はプラセボを4週に1回(Q4W)、52週間皮下投与した。主要評価項目である投与52週時までの年間喘息増悪発現率は以下のとおりであり、プラセボ群と比較して本剤210mg Q4W群で有意に低下した。
投与52週時までの年間喘息増悪率(NAVIGATOR試験、FAS)
投与群
年間喘息増悪率(95%信頼区間)
プラセボ群との比(99%信頼区間、p値)
本剤210mgQ4W群(528例)
0.93 (0.80-1.07)
0.44 (0.34-0.57、p<0.001)
プラセボ群(531例)
2.10 (1.84-2.39)
-
FAS:最大の解析対象集団、Q4W:4週間に1回の投与
テゼペルマブ210mg Q4W群での副作用は8.7%(46/528例)に認められた。主な副作用は、頭痛1.5%(8/528例)及び注射部位紅斑1.5%(8/528例)であった。
テゼペルマブは胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)に対するヒトIgG2λのモノクローナル抗体であり、ヒトTSLPに結合し、ヘテロ二量体のTSLP受容体との相互作用を阻害する6),7),8)。TSLPは喘息における炎症誘導経路の上流に位置する上皮細胞由来サイトカインであり、喘息に伴う気道炎症の発症及び持続において重要な役割を果たしている。喘息では、アレルギー性及び非アレルギー性曝露のいずれによってもTSLP産生が誘導される9)。テゼペルマブでTSLPを阻害することにより、血中好酸球、IgE、FeNO、IL-5、IL-13等の炎症に関連する広範囲のバイオマーカー及びサイトカインが減少し、気道過敏性が軽減する7),10)。
TSLP受容体を安定発現する細胞株を用いたin vitro細胞増殖アッセイで、テゼペルマブは、組み換え型及び天然型ヒトTSLPに誘発される細胞増殖を抑制し、IC50値はそれぞれ37pM及び33pMであった。
表面プラズモン共鳴法による評価で、テゼペルマブはヒト及びカニクイザルのTSLPに結合親和性を示し、それぞれのKD値は15.8pM及び32.2pMであった。
テゼペルマブはヒト全血の存在下でTSLPに結合し、TSLPタンパク質添加に誘発されるシグナル伝達を阻止するとともに、TSLPのへテロ二量体受容体を介したシグナル伝達を阻害した。
BALB/cマウスの卵白アルブミン(OVA)誘発アレルギー性気道炎症モデルにおいて、感作誘導中及びOVA曝露期の前に、抗マウスTSLP代替抗体(M702)の投与により、対照ラットIgG投与マウスと比較して気管支肺胞洗浄液中の細胞数及びメタコリン曝露に対する気道過敏性が抑制された。
テゼペルマブ(遺伝子組換え)
Tezepelumab (Genetical Recombination)
テゼペルマブは、ヒト胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)に対する遺伝子組換えヒトIgG2モノクローナル抗体である。テゼペルマブは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。テゼペルマブは、448個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ2鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(λ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約147,000)である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1.91mL[1キット(注射針(27G)付きプレフィルドシリンジ×1)]
*1.91mL[1キット(注射針(27G)付きオートインジェクター×1)]
1) 社内資料:NAVIGATOR試験(2022年9月26日承認、CTD2.7.2.2)
2) 社内資料:D5180C00003試験(2022年9月26日承認、CTD2.7.6.2)
3) 社内資料:20070620試験(2022年9月26日承認、CTD2.7.6.2.12)
4) 社内資料:母集団薬物動態解析(2022年9月26日承認、CTD2.7.2.3)
5) Menzies-Gow A, et al. N Engl J Med. 2021;384(19):1800-1809.
6) Corren J, et al. N Engl J Med. 2017;377:936-946.
7) Gauvreau GM, et al. N Engl J Med. 2014;370:2102-2110.
8) Verstraete K, et al. Nat Commun. 2017;8:14937.
9) Roan F, et al. J Leukoc Biol. 2012;91(6):877-886.
10) Corren J, et al. Allergy. 2022;77(6):1786-1796.
11) 社内資料:ヒト及びカニクイザルのTSLP機能的活性に対するテゼペルマブの中和作用(2022年9月26日承認、CTD2.6.2.2)
12) 社内資料:全血アッセイにおけるTSLP誘導活性に対するテゼペルマブの抑制作用(2022年9月26日承認、CTD2.6.2.2)
13) 社内資料:OVA誘発性喘息モデルマウスにおける抗マウスTSLP抗体(M702)の作用(2022年9月26日承認、CTD2.6.2.2)
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