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処方箋医薬品注)
通常、成人には、維持療法として1回1吸入(ブデソニドとして160µg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として4.5µg)を1日2回吸入投与する。なお、症状に応じて増減するが、維持療法としての1日の最高量は1回4吸入1日2回(合計8吸入:ブデソニドとして1280µg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として36µg)までとする。
維持療法として1回1吸入あるいは2吸入を1日2回投与している患者は、発作発現時に本剤の頓用吸入を追加で行うことができる。本剤を維持療法に加えて頓用吸入する場合は、発作発現時に1吸入する。数分経過しても発作が持続する場合には、さらに追加で1吸入する。必要に応じてこれを繰り返すが、1回の発作発現につき、最大6吸入までとする。維持療法と頓用吸入を合計した本剤の1日の最高量は、通常8吸入までとするが、一時的に1日合計12吸入(ブデソニドとして1920µg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として54µg)まで増量可能である。
維持療法として用いる場合
維持療法に加えて頓用吸入としても使用する場合(維持療法として1回1吸入あるいは2吸入を1日2回投与している患者で可能)
用法・用量
発作発現時の頓用吸入
としての用法・用量
1回の発作発現に
おける吸入可能回数
1日最高量
通常1回1吸入1日2回、症状
に応じ1回4吸入
1日2回まで。
1吸入行い、数分経過しても発作が持続する場合、さらに1吸入する。必要に応じてこれを繰り返す。
6吸入まで。
通常合計8吸入まで、一時的に合計12吸入まで注)。
注)維持療法及び頓用吸入としての使用の合計
通常、成人には、1回2吸入(ブデソニドとして320µg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として9µg)を1日2回吸入投与する。
ステロイドの作用により症状を増悪するおそれがある。
甲状腺機能亢進症の症状を悪化させるおそれがある。
血圧を上昇させるおそれがある。
β1作用により症状を増悪させるおそれがある。
グリコーゲン分解作用及びステロイドの作用により症状を増悪させるおそれがある。
Na+/K+ ATPaseを活性化し細胞外カリウムを細胞内へ移動させることにより低カリウム血症を増悪させるおそれがある。
全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うこと。これらの患者では副腎皮質機能不全となっていることが考えられる。
全身性ステロイド剤等の併用を考慮すること。
血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。
本剤の成分であるブデソニド及びホルモテロールはいずれも主に肝臓で代謝されるため血中濃度が上昇する可能性がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットを用いた器官形成期毒性試験では、ブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物として12/0.66µg/kg以上を吸入投与したときに、着床後胚損失率の増加、及び催奇形性作用が認められたことが報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ブデソニドはヒト乳汁に移行するが、乳児の血液中には検出されないことが報告されている。ホルモテロールのヒト乳汁への移行は不明であるが、ラット乳汁への移行が報告されている。
小児等に対する臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
CYP3A4阻害剤
副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。
CYP3A4による代謝が阻害されることにより、ブデソニドの血中濃度が上昇する可能性がある。
カテコールアミン
不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので、副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
併用により、アドレナリン作動性神経刺激の増大が起きる。そのため、不整脈を起こすことがある。
キサンチン誘導体
低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。血清カリウム値のモニターを行うことが望ましい。
キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下を増強することがある。
全身性ステロイド剤
全身性ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が増強することが考えられる。
利尿剤
β遮断剤
ホルモテロールの作用を減弱する可能性がある。
β受容体において競合的に拮抗する。
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
QT間隔が延長され心室性不整脈等のリスクが増大するおそれがある。
いずれもQT間隔を延長させる可能性がある。
アナフィラキシー(呼吸困難、気管支攣縮、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。
キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。,
1~5%未満
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、蕁麻疹、接触性皮膚炎、血管浮腫等の過敏症状
口腔・呼吸器
嗄声
咽喉頭の刺激感、口腔カンジダ症、咳嗽、感染、肺炎
味覚異常、気管支痙攣注1)
消化器
悪心
精神神経系
頭痛、振戦、神経過敏
情緒不安、めまい、睡眠障害
激越、抑うつ、行動障害
循環器
動悸、不整脈(心房細動、上室性頻脈、期外収縮等)、頻脈、血圧上昇
狭心症
筋・骨格系
筋痙攣
内分泌
高血糖
その他
皮膚挫傷
ブデソニドの過量投与により副腎皮質系機能が低下することがある。ホルモテロールフマル酸塩水和物の過量投与により、動悸、頻脈、不整脈、振戦、頭痛及び筋痙攣等、β刺激剤の薬理学的作用による全身作用が発現する可能性がある。また、重篤な症状として、血圧低下、代謝性アシドーシス、低カリウム血症、高血糖、心室性不整脈あるいは心停止等が発現する可能性がある。
副腎皮質系機能の低下がみられた場合には患者の症状を観察しながら徐々に減量するなど適切な処置を行うこと。
本剤の投与にあたって、吸入器の操作法、吸入法等を十分に説明すること。
本剤は口腔内への吸入投与のみに使用すること。
口腔カンジダ症又は嗄声の予防のため、本剤吸入後に、うがいを実施するよう患者を指導すること。ただし、うがいが困難な患者には、うがいではなく口腔内をすすぐよう指導すること。
健康成人男性(14例)に本剤4吸入(ブデソニド:640µg、ホルモテロールフマル酸塩水和物:18µg)を単回吸入投与したとき、ブデソニド及びホルモテロールはいずれも速やかに最高血漿中濃度(Cmax)に達した。消失半減期(t1/2)はブデソニドで約3時間、ホルモテロールで約6時間であった1)。
ブデソニド(µg)
Cmax(nmol/L)
Tmax(min)
AUC0-∞(nmol・h/L)
t1/2(h)
640
10.3±2.37
5.36±1.34
14.0±1.93
3.09±0.49
ホルモテロールフマル酸塩水和物(µg)
Cmax(pmol/L)
AUC0-∞(pmol・h/L)
18
175±56.4
5.00±0.00
329±81.0
6.14±2.66
健康成人男性(11~12例)に本剤2吸入(ブデソニド:320µg、ホルモテロールフマル酸塩水和物:9µg)または4吸入(ブデソニド:640µg、ホルモテロールフマル酸塩水和物:18µg)を1日2回7日間反復投与したとき、ブデソニド及びホルモテロールはそれぞれ投与後10分以内、投与後5分にCmaxに達した。t1/2はブデソニドで約3.5時間、ホルモテロールで約5~7時間であった。ブデソニド及びホルモテロールのCmax及び血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)は投与量にほぼ比例して増加した。ブデソニド及びホルモテロールともに反復投与による薬物動態の変化は認められなかった1)。
ヒト血漿蛋白質との結合率はブデソニドで約90%2)、ホルモテロールで約50%3)であった(in vitro試験)。分布容積はブデソニドで約3L/kg4)、ホルモテロールで約5L/kg5)であった。
ブデソニドの血漿及び尿中の主代謝物は、16α-ヒドロキシプレドニゾロン及び6β-ヒドロキシブデソニドであり、尿中に未変化体は検出されなかった6)。ブデソニドの代謝にはCYP3A4が関与する7)(in vitro試験)。
ヒト血漿及び尿中の主代謝物は、ホルモテロールのグルクロン酸抱合体であった。尿中にはO-脱メチル化体のグルクロン酸抱合体も認められた8)。ホルモテロールのO-脱メチル化反応には主としてCYP2D6及びCYP2Cが関与する9)(in vitro試験)。
健康成人に3H標識ブデソニド100µgを静脈内投与したとき、投与後96時間までに投与量の57%が尿中に、34%が糞中に排泄された6)(外国人データ)。健康成人に3H標識ホルモテロール37µgを経口投与後直ちに3H標識ホルモテロール16µgを静脈内持続注入(30分)したとき、投与後168時間までに投与放射能の62%が尿中に、24%が糞中に排泄された8)(外国人データ)。
テオフィリン徐放製剤と吸入ステロイド剤を併用中の成人気管支喘息患者346例を対象とした無作為化二重盲検実薬対照並行群間比較試験において、本剤(ブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物)1回1吸入1日2回、又は対照薬(ブデソニドとテオフィリン徐放製剤の併用)1日2回を8週間投与した結果は、下表のとおりであった13)。
投与群
症例数
投与前からの変化量a)
群間差b)95%信頼区間
本剤(ブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物)
176
15.2±31.2
8.76(2.64, 14.88)
対照(ブデソニド+テオフィリン徐放製剤)
170
6.5±26.2
a) 算術平均±標準偏差、b) 投与前値で調整した平均値の差
副作用発現頻度は、本剤群で8.0%(14/176例)であった。主な副作用は、筋痙縮2.3%(4/176例)、頭痛及び喘息 各1.1%(2/176例)であった。
成人気管支喘息患者138例を対象とした長期投与試験において、本剤1回1吸入、2吸入または4吸入1日2回を52週間投与したとき、肺機能に関連した評価項目の投与前からの推移は下図の通りであった(図1)14)。なお、本試験では、組み入れ時のステロイドの用量に応じて本剤1吸入または2吸入1日2回で投与開始し、投与開始2週以降は症状に応じて4吸入1日2回まで適宜増減した。
副作用発現頻度は、本剤群で31.9%(44/138例)であった。主な副作用は、発声障害11.6%(16/138例)、動悸5.1%(7/138例)、筋痙縮3.6%(5/138例)、咽喉頭疼痛2.9%(4/138例)であった。
成人気管支喘息患者2,091例(日本人患者400例を含む)を対象とした無作為化二重盲検実薬対照並行群間比較試験において、本剤1回1吸入1日2回を維持療法として定期吸入することに加えて、発作発現時(咳嗽、喘鳴、胸苦しさ、息切れ等の喘息症状)に本剤または対照薬(テルブタリン硫酸塩の吸入剤注2))を頓用吸入する治療法を52週間行った。本剤を維持療法として定期吸入することに加えて発作発現時に頓用吸入する治療法により、初回の重症急性増悪までの期間が有意に延長し(p=0.0007、ログランク検定)、初回の重症急性増悪のリスクは約30%低下した(図2)。また対照群と比較して重症急性増悪回数は少なく(0.214回/人・年 対 0.307回/人・年)、重症急性増悪を発現した患者の割合についても小さかった(16.2% 対 22.0%)15)
副作用発現頻度は、本剤を維持療法として定期吸入することに加えて発作発現時に頓用吸入する治療法群で3.9%(41/1049例)であった。主な副作用は、口腔カンジダ症及び動悸 各0.5%(5/1049例)、発声障害及び細菌性上気道感染 各0.3%(3/1049例)であった。
外国人の成人及び思春期気管支喘息患者3,394例を対象とした12ヵ月間の無作為化二重盲検実薬対照並行群間比較試験において、本剤を維持療法として定期吸入(1吸入1日2回)することに加えて発作発現時(咳嗽、喘鳴、胸苦しさ、息切れ等の喘息症状)に頓用吸入する治療法により、対照群(本剤1吸入1日2回の定期吸入に加えて発作発現時にホルモテロール注3)を頓用吸入)と比較して、初回の重症急性増悪までの期間が有意に延長し(p=0.0048、ログランク検定)、初回の重症急性増悪のリスクは27%低下した。また、対照群と比較して、重症急性増悪回数は少なかった(0.19回/人・年 対 0.29回/人・年)16)。有害事象発現頻度は、本剤を維持療法として定期吸入することに加えて発作発現時に頓用吸入する治療法群で50.2%(556/1107例)であった。主な有害事象は、鼻咽頭炎10.1%(112/1107例)、咽頭炎5.8%(64/1107例)及び上気道感染5.2%(58/1107例)であった。
外国人の成人及び思春期気管支喘息患者3,335例を対象とした6ヵ月間の無作為化二重盲検実薬対照並行群間比較試験において、本剤を維持療法として定期吸入(1吸入1日2回)することに加えて発作発現時(咳嗽、喘鳴、胸苦しさ、息切れ等の喘息症状)に頓用吸入する治療法により、対照群(サルメテロール/フルチカゾンプロピオン酸エステル配合剤100/500µg/日の定期吸入に加えて発作発現時にテルブタリン硫酸塩注2)を頓用吸入)と比較して、初回の重症急性増悪までの期間が有意に延長し(p=0.0034、ログランク検定)、初回の重症急性増悪のリスクは33%低下した。また、対照群と比較して、重症急性増悪回数は少なかった(0.12回/人・6ヵ月 対 0.19回/人・6ヵ月)17)。有害事象発現頻度は、本剤を維持療法として定期吸入することに加えて発作発現時に頓用吸入する治療法群で41.4%(457/1103例)であった。主な有害事象は、上気道感染5.5%(61/1103例)、咽頭炎5.2%(57/1103例)及び鼻咽頭炎4.3%(47/1103例)であった。
外国人の成人及び思春期気管支喘息患者2,309例を対象とした26週間の無作為化二重盲検実薬対照並行群間比較試験において、本剤を維持療法として定期吸入(2吸入1日2回投与)することに加えて発作発現時(咳嗽、喘鳴、胸苦しさ、息切れ等の喘息症状)に頓用吸入する治療法により、対照群(サルメテロール/フルチカゾンプロピオン酸エステル配合剤100/1,000µg/日を維持療法として定期的に吸入し、発作発現時にテルブタリン硫酸塩注2)を頓用吸入)と比較して重症急性増悪回数は少なかった(0.12回/人・6ヵ月 対 0.16回/人・6ヵ月)が、主要評価項目である初回の重症急性増悪までの期間に関する対比較において有意差は認められなかった(p=0.12、国を層としたCoxの比例ハザードモデル)18)。
有害事象発現頻度は、本剤を維持療法として定期吸入することに加えて発作発現時に頓用吸入する治療法群で39.2%(451/1151例)であった。主な有害事象は、上気道感染5.6%(64/1151例)、鼻咽頭炎4.7%(54/1151例)及び頭痛3.2%(37/1151例)であった。
慢性閉塞性肺疾患患者1,293例(日本人患者312例を含む)を対象とした12週間の国際共同無作為化二重盲検実薬対照並行群間比較試験19)において、本剤2吸入1日2回投与により、ホルモテロールフマル酸塩水和物に比して肺機能が有意に改善した(表2)。
本剤群
ホルモテロール群
本剤群のホルモテロール群に対する比
[95%信頼区間]
p値b)
例数
幾何平均値(CV%)
中央値
(範囲)
ベースライン(L)
635
0.971(38.254)
0.980(0.33-2.53)
657
0.945(37.963)
0.950(0.31-2.61)
全投与期間の平均a)(L)
619
1.021(41.361)
1.033(0.35-3.29)
0.968(38.628)
0.967(0.32-2.58)
-
ベースラインに対する比(%)
618
104.6(18.7)
102.6(37.4-311.1)
101.5(16.6)
100.7(35.1-218.5)
1.032[1.013, 1.052]
(p=0.0011)
a) 投与後4、8及び12週の投与前FEV1の幾何平均値
b) 国及び投与群を因子、ベースライン値を共変量とした乗法分散分析モデル(対数線形モデル)
更に本剤投与によりホルモテロールに比して増悪回数が減少し(本剤93件、ホルモテロール151件)、増悪を発現した患者の割合についても小さく(本剤11.9%<76/363例>、ホルモテロール16.9%<111/657例>)、初回増悪までの期間が延長した。副作用発現頻度は、本剤群で4.2%(27/636例)であった。主な副作用は、発声障害1.6%(10/636例)、慢性閉塞性肺疾患及び食道カンジダ症 各0.5%(3/636例)、肺炎0.3%(2/636例)であった。
慢性閉塞性肺疾患患者260例を対象とした長期投与試験20)において、本剤2吸入1日2回を52週間投与したとき、投与前からのFEV1の改善が維持された。副作用発現頻度は、本剤群で25.4%(33/130例)であった。主な副作用は、肺炎及び発声障害 各3.8%(5/130例)、慢性閉塞性肺疾患、口腔カンジダ症及び食道カンジダ症 各2.3%(3/130例)であった。
外国人の慢性閉塞性肺疾患患者1,022例を対象とした12ヵ月の無作為化二重盲検並行群間比較試験において、本剤2吸入1日2回投与はプラセボ、ブデソニド注4)あるいはホルモテロールに比して肺機能を有意に改善した(表3)21)。また本剤投与により初回の重度増悪までの期間がプラセボ、ホルモテロールあるいはブデソニド注4)に比して有意に延長した(表4)。
有害事象発現頻度は、本剤群で62%(157/254例)であった。主な有害事象は、慢性閉塞性気道疾患19%(49/254例)及び呼吸器感染14%(36/254例)であった。
ベースライン (L)a)
全投与期間中の平均 (L)a),b)
ベースラインに対する調整済み比 (%)c)
本剤群の各群に対する比[95%信頼区間](%)c)
p値c)
234
1.11(0.3-3.1)
1.10(0.4-2.8)
98.96
プラセボ群
214
1.14(0.4-3.3)
0.98(0.4-3.2)
86.74
114.09[110.45, 117.84]
<0.001
ブデソニド群
223
1.13(0.3-3.3)
1.00(0.4-2.8)
88.88
111.34[107.82, 114.97]
213
1.18(0.4-2.7)
1.09(0.4-3.0)
93.93
105.36[101.99, 108.84]
0.002
a) 幾何平均値(範囲)
b) 投与後1、2、3、6、9及び12ヵ月の幾何平均値
c) 国及び投与群を因子、ベースライン値を共変量とした乗法分散分析モデル(対数線形モデル)
中央値(日)
本剤群の各群に対するハザード比a)[95%信頼区間]
254
96
0.715[0.562, 0.910]
0.017
178
0.773[0.611, 0.980]
0.037
154
0.705[0.558, 0.891]
注 経口ステロイドまたは抗生物質の使用を必要とした増悪、あるいは入院を必要とした増悪と定義した
a) Cox比例ハザードモデルに基づき算出
b) ログランク検定
外国人の慢性閉塞性肺疾患患者812例を対象とした12ヵ月の無作為化二重盲検並行群間比較試験において、本剤2吸入1日2回投与はプラセボあるいはブデソニド注4)に比して肺機能を有意に改善した(表5)22)。また本剤投与により重度増悪回数がプラセボあるいはホルモテロールに比して有意に減少した(表6)。有害事象発現頻度は、本剤群で65%(136/208例)であった。主な有害事象は、慢性閉塞性気道疾患17%(35/208例)及び呼吸器感染12%(24/208例)であった。
ベースライン(L)a)
全投与期間中の平均(L)a),b)
ベースラインに対する調整済み比(%)c)
201
0.96(0.4-2.0)
1.08(0.4-2.9)
111.52
185
0.98(0.4-2.8)
0.95(0.4-2.3)
97.03
114.94[110.96, 119.06]
182
0.98(0.4-2.3)
1.01(0.5-2.4)
102.14
109.18[105.38, 113.12]
191
1.00(0.4-2.7)
1.10(0.4-3.2)
110.15
101.25[97.76, 104.86]
0.487
平均回数a)(/人・年)
本剤群の各群に対する比[95%信頼区間]a)
p値a),b)
204
1.42
1.87
0.758[0.586, 0.981]
0.035
192
1.59
0.889[0.682, 1.159]
0.385
199
1.84
0.771[0.599, 0.992]
0.043
a) 国及び投与群を因子とし、観察期間(対数)をオフセット変数とし、overdispersionを調整したポアソン分布(対数連結関数)を仮定した一般化線形モデル(ポアソン回帰モデル)
b) 有意水準:両側5%、検定の多重性の調整あり
ブデソニドは、特有の動態学的特性を示す糖質コルチコイドである23)。吸入ブデソニドは、主に気道組織内で可逆的脂肪酸エステル化を受けるが、この特性はブデソニドの持続的な局所組織結合及び抗炎症作用に寄与すると考えられる24)。
ホルモテロールは長時間作用型のβ2刺激剤である25)。
気管支保護作用及び肺浮腫抑制作用で認められた相乗作用の機序は明らかになっていないが、長時間作動型吸入β2刺激剤のクラスエフェクトと考えられ26)、その機序の一つとしてβ2刺激剤が糖質コルチコイド受容体の核移行を促進することが提唱されている27)。
ブデソニドは、in vitroにおいて各種炎症性メディエータ及びサイトカインの産生及び遊離を抑制し28)、動物モデルへの局所投与によって気道内好酸球数増加29),30)、血管透過性亢進31)、炎症性肺浮腫形成32)及び気道粘液繊毛輸送能低下33)に対して抑制作用を示した。
各種動物喘息モデルにおいて、抗原投与後の即時型及び遅発型喘息反応34)、並びに、気道過敏反応29),30)を抑制した。
本薬は迅速かつ持続的な気管支平滑筋弛緩作用を示した25)。また、モルモット喘息モデルにおいて、本薬は吸入投与によって経口投与よりも低い用量で抗喘息作用を示し、経口、皮下及び吸入投与のいずれにおいてもサルブタモールより強力な抗喘息作用を示した35)。外国人の成人気管支喘息患者を対象とした試験において、ホルモテロールを単回吸入したとき、吸入投与後3分以内に肺機能(FEV1)が有意に改善し、作用は12時間持続した36)。
In vitroのヒト気管支上皮細胞において、ブデソニドとホルモテロールの同時添加によって、TNF-α刺激GM-CSF産生を単独添加よりも強力に抑制した37)。
ラットアレルギーモデルの気管内にブデソニドとホルモテロールを併用投与時、メタコリン誘発気道収縮及び肺浮腫を相乗的に抑制した(各抑制率(%)は、ブデソニド、ホルモテロール、併用の順に、気道収縮:29.1、12.9、73.2、肺浮腫:25.9、15.7、45.3)38)。
*ブデソニド(Budesonide)(JAN)(日局)
*16α,17-[(1RS)-Butylidenebis(oxy)]-11β,21-dihydroxypregna-1,4-diene-3,20-dione
C25H34O6
430.53
*ブデソニドは白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。ブデソニドはメタノールにやや溶けやすく、アセトニトリル又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
*
約240℃(分解)
ホルモテロールフマル酸塩水和物(Formoterol Fumarate Hydrate)(JAN)(日局)
*N-(2-Hydroxy-5-{(1RS)-1-hydroxy-2-[(2RS)-1-(4-methoxyphenyl)propan-2-ylamino]ethyl}phenyl)formamide hemifumarate monohydrate
(C19H24N2O4)2・C4H4O4・2H2O
840.91
ホルモテロールフマル酸塩水和物は白色~帯黄白色の結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、水又はエタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品のメタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。
約138℃(分解)
[1本、乾燥剤入り]
[1本、乾燥剤入り][10本、乾燥剤入り]
1) 深瀬広幸 他:アレルギー・免疫, 2009;16(10):1586-602
2) 社内資料:ブデソニドのin vitro血漿蛋白結合, 1995
3) 社内資料:ホルモテロールフマル酸塩のin vitro血漿蛋白結合(843-RD-0354)(2009年10月16日承認、CTD2.7.2.2)
4) 宮本昭正 他:アレルギーの領域, 1997;4(S-1):18-25
5) 社内資料:ホルモテロール吸入投与時の肺内到達率(SD-037-0602)(2009年10月16日承認、CTD2.7.2.2)
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9) 社内資料:ホルモテロールのシトクロムP450阻害作用の検討(843-RD-0395)(2009年10月16日承認、CTD2.7.2.2)
10) 社内資料:シムビコートと各単剤の血漿中濃度の比較(SD-039-0259)(2009年10月16日承認、CTD2.7.1.2)
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19) 社内資料:シムビコートの慢性閉塞性肺疾患患者における国際共同第III相比較試験(2012年8月10日承認、CTD2.7.3.3)
20) 社内資料:シムビコートの日本人慢性閉塞性肺疾患患者における第III相長期投与試験(2012年8月10日承認、CTD2.7.3.3)
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本剤のブデソニド用量は、容器(タービュヘイラー)から放出される薬剤量として表記しており、パルミコートタービュヘイラーのブデソニド用量は容器(タービュヘイラー)内で量り取られる薬剤量として表記している。両薬剤の用量対応は、以下のとおりである。
ブデソニドの用量
シムビコートタービュヘイラー容器から放出される量(delivered dose)
パルミコート200µgタービュヘイラー容器内で量り取られる量(metered dose)
1回吸入
160µg
200µg
2回吸入
320µg
400µg
4回吸入
640µg
800µg
8回吸入
1280µg
1600µg
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