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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人には本剤1筒(ゴセレリンとして3.6mg含有)を前腹部に4週(28日)ごとに1回皮下投与する。
本剤投与の可否を慎重に判断すること。本剤投与部位周囲から出血し、出血性ショックに至った例が報告されている。
投与開始初期に、高カルシウム血症があらわれることがある。
治療に際して妊娠していないことを確認すること。また、治療中はホルモン剤以外の避妊法を用いること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で流産又は分娩障害が認められており、また他のLH-RH作動薬による流産の報告がある。,
投与しないこと。動物実験で乳汁移行が報告されている。
国内において、小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
循環器
血圧の変動注1)(高血圧、低血圧等)
皮膚
発疹、そう痒感
脱毛
内分泌
乳房腫脹、乳房圧痛、性欲減退、勃起力低下
泌尿器
BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿
肝臓
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇
精神神経系
感覚異常(しびれ等)、幻覚、妄想、気分変調(抑うつ等)
消化器
悪心、嘔吐
筋・骨格系
骨性疼痛
関節痛、骨塩量の低下
血液
貧血
白血球減少、血小板減少
注射部位
注射部位反応(出血、血腫、膿瘍、硬結、疼痛等)
その他
顔面潮紅、発汗、発熱、体のほてり、浮腫、トリグリセライド上昇、コレステロール上昇、食欲不振、体重増加、倦怠感
鼻出血
血糖値上昇、下垂体卒中、下垂体腺腫
5%以上
5%未満
血圧の変動注2)(高血圧、低血圧等)
そう痒感
蕁麻疹、ざ瘡、脱毛
ほてり(55.9%)
乳房緊満、白帯下
性器出血、月経回復遅延、性欲減退、腟乾燥感
AST上昇、ALT上昇、LDH上昇
Al-P上昇、γ-GTP上昇
めまい、頭重感
頭痛、気分変調(抑うつ等)、いらいら感、不眠
感覚異常(しびれ等)、幻覚、妄想
悪心
嘔吐
骨痛注3)
白血球減少
貧血、血小板減少
更年期様症状(肩こり、食欲不振等)、発熱、トリグリセライド上昇
発汗、浮腫、体重増加、倦怠感、卵巣嚢胞、下垂体卒中、下垂体腺腫、コレステロール上昇
雄ラットに長期投与した試験で、対照群に比し、良性の下垂体腺腫の発現の増加がみられている2)。本所見は外科的に去勢した雄ラットにおいても報告されている。
前立腺癌患者あるいは乳癌患者に本剤を4週ごとに皮下投与した。初回投与2週後に最高血清中濃度(平均約2ng/mL)に達し、以後4週後まで徐々に下降した3),4)。また、継続投与時の血清中濃度推移のパターンは初回投与時とほぼ同様であり、本剤の蓄積性は認められなかった3),4)。
前立腺癌患者に本剤を皮下投与した場合のバイオアベイラビリティは67%であった5)。
ゴセレリンの血漿蛋白結合率は20%~28%であった6)。
前立腺癌患者にゴセレリン250µg注5)を水性注射液として単回皮下投与した結果、肝機能障害はゴセレリンの血中消失半減期またはクリアランスに対し統計的に有意な影響を及ぼさないことが判明した6)(外国人データ)。
前立腺癌患者にゴセレリン250µg注5)を水性注射液として単回皮下投与した結果、血中消失半減期は腎機能障害の程度に応じ延長することが認められた。正常腎機能患者における血中消失半減期は4.2時間であり、重症腎機能障害患者(Ccr10-20mL/min)における血中消失半減期は12時間であった7)(外国人データ)。
12週間の投与期間によるリン酸ジエチルスチルベストロール錠又は去勢術を対照とした国内第III相比較試験8)及びエストラムスチンリン酸エステルナトリウム水和物カプセルを対照とした国内第III相比較試験9)において、本剤投与により全例に去勢効果が得られ、これらの試験を統合解析した結果、対象病巣改善率は64.2%(34/53例)、自覚症状総合改善率は63.4%(26/41例)、有用率は66.0%(35/53例)であった。
リン酸ジエチルスチルベストロール錠又は去勢術を対照とした国内第III相比較試験8)における副作用発現頻度は35.9%(14/39例)であり、主な副作用は顔面潮紅・ほてり(15.4%)等であった。エストラムスチンリン酸エステルナトリウム水和物カプセルを対照とした国内第III相比較試験9)における副作用発現頻度は10.0%(2/20例)であり、主な副作用は性欲減退・勃起力低下(10.0%)であった。
12週間の投与期間による国内第II相一般臨床試験10)においても、国内第III相比較試験8),9)とほぼ同等の有効性の成績が得られた。副作用発現頻度は20.0%(7/35例)であり、主な副作用はAST・ALT上昇(8.6%)等であった。
40週間の投与期間による国内長期投与試験11)において、対象病巣改善率は68.6%(35/51例)、自覚症状総合改善率は72.3%(34/47例)、有用率は78.8%(41/52例)であった。副作用発現頻度は26.0%(19/73例)であり、主な副作用はAST・ALT上昇(6.8%)等であった。
進行・再発乳癌患者における治療効果の判定基準に従い、国内前期第II相試験4)及び国内後期第II相試験12)並びに国内長期投与試験13)を統合解析した結果、適格例奏効率30.5%(18/59例)及び完全例奏効率32.1%(18/56例)が得られ、各転移病巣部位の奏効率は、軟部組織31.3%(10/32例)、骨37.0%(10/27例)、内臓29.4%(5/17例)であった。国内前期第II相試験4)における副作用発現頻度は50.0%(5/10例)であり、主な副作用は熱感(40.0%)等であった。国内後期第II相試験12)での副作用発現頻度は46.9%(23/49例)であり、主な副作用は、熱感(32.7%)、めまい(8.2%)、頭重感(6.1%)等であった。国内長期投与試験13)においては副作用発現頻度51.6%(16/31例)であり、主な副作用は、熱感(41.9%)、めまい(6.5%)、頭重感(6.5%)、肩こり(6.5%)等であった。
術後補助療法における本剤(3.6mg/4週)の有効性を検討した国内市販後臨床試験(207例)及び類似の欧州の4試験(2,659例)とのメタアナリシス14)の結果、本剤投与群では本剤非投与群と比較して無病生存期間が有意に延長した(HR:0.83、95%信頼区間0.72-0.95、p=0.0074)。全生存期間については、有意差はないものの延長傾向を認めた(HR:0.85、95%信頼区間0.70-1.03、p=0.1023)。
ゴセレリンはLH-RHアゴニストとして下垂体LH-RH受容体に作用する。初期刺激時にはゴナドトロピン分泌能を増大させるが、継続的刺激により受容体のダウン・レギュレーションを引き起こし、ゴナドトロピン分泌能を低下させ、その結果、精巣からのテストステロン分泌あるいは卵巣からのエストラジオール分泌を抑制する。この下垂体-性腺系機能抑制作用により、前立腺癌あるいは乳癌に対する抗腫瘍効果を発揮する15)。
ラット及びサルにおいて、下垂体機能の抑制(血清LH値、FSH値の低下)及び下垂体機能の低下に伴う性腺機能の抑制(雄では血清テストステロン値の低下、雌では血清エストラジオール値の低下)が認められた15)。
前立腺癌患者に本剤を皮下投与したとき、初回投与日に血清LH値及びFSH値の上昇のピークがみられ、以後低下した。LHの変動より少し遅れ、血清テストステロン値上昇のピークは初回投与3日後にみられ、以後漸次低下した。投与2週目から投与前値よりも有意に減少し、平均3週後に去勢域に達した。4週ごとの継続投与により血清テストステロン値は、去勢域内に維持された3)。
乳癌患者に本剤を皮下投与したとき、初回投与3日後では血清LH値及びFSH値の上昇がみられたが、以後低下した。LH、FSHの変動より少し遅れ、血清プロゲステロン値の上昇が投与1週後までみられた。血清エストラジオール値は投与1週後まで漸次低下した。投与2週目から両ホルモンとも有意に減少し、平均3週後に閉経後のレベルに達した。4週ごとの継続投与により血清エストラジオール値は、閉経後のレベルに維持された4)。
本剤投与による血清エストラジオール値低下に伴い、ほとんどの患者で月経停止が認められる16)。なお、本剤の投与初期には期間や程度の差はあるが、性器出血がみられる場合がある。出血はおそらくエストロゲン低下による出血と考えられ、これはエストロゲンが低値で安定すれば自然に消失すると考えられる。
Dunning R3327アンドロゲン依存性ラット前立腺癌において、外科的去勢術と同等の抗腫瘍効果を示した15)。また、DMBA誘発ラット乳癌においても優れた抗腫瘍効果を示した15)。
*ゴセレリン酢酸塩(Goserelin Acetate)(JAN)(日局)
*2-(5-Oxo-L-prolyl-L-histidyl-L-tryptophyl-L-seryl-L-tyrosyl-O-tert-butyl-D-seryl-L-leucyl-L-arginyl-L-prolyl)hydrazine-1-carboxamide acetate
*C59H84N18O14・xC2H4O2
*1269.41(ゴセレリンとして)
*本品は白色の粉末である。本品は酢酸(100)に溶けやすく、水にやや溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくい。本品は吸湿性である。
本剤は無菌製剤であり、また吸湿性を有するため使用直前まで開封しないこと。
1キット(アルミ袋包装 注射針(16G)付き専用注入器×1、乾燥剤入り)
5キット(アルミ袋包装 注射針(16G)付き専用注入器×5、乾燥剤入り)
1) Gregora M, et al. Aust N Z J Obstet Gynaecol. 1995;35(1):111-112
2) Iswaran TJ, 他. 薬理と治療. 1989;17(3):799-815.
3) 宇佐美道之, 他. 泌尿紀要. 1987;33(1):141-150
4) 阿部令彦, 他. 乳癌の臨床. 1992;7(3):447-454
5) 社内資料(バイオアベイラビリティ, 2007)
6) Cockshott ID. Clin Pharmacokinet. 2000;39(1): 27-48
7) Adam HK, et al. Pharmaceutisch Weekblad Scientific Edition. 1988;10:57
8) 宇佐美道之, 他. 泌尿紀要. 1988;34(10):1853-1863
9) 坂下茂夫, 他. 西日本泌尿器科. 1988;50(1):323-330
10) 金武 洋, 他. 西日本泌尿器科. 1987;49(6):1967-1979
11) 宇佐美道之, 他. 泌尿紀要. 1988;34(11):2059-2066
12) 阿部令彦, 他. 乳癌の臨床. 1992;7(4):551-565
13) 阿部令彦, 他. 乳癌の臨床. 1992;7(4):567-581
14) 光山昌珠, 他:癌と化学療法. 2005;32(13):2071-2077
15) Furr BJA. R Soc Med Int Congr Symp Ser. 1987;125:1-15
16) Blamey RW, et al. Eur J Cancer. 1992;28A:810-814
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