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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の使用開始にあたっては、原則としてホルモン受容体の発現の有無を確認し、ホルモン受容体が陰性と判断された場合には本剤を使用しないこと。
通常、成人には本剤1筒(ゴセレリンとして10.8mg含有)を前腹部に12~13週ごとに1回皮下投与する。
本剤投与の可否を慎重に判断すること。本剤投与部位周囲から出血し、出血性ショックに至った例が報告されている。
投与開始初期に、高カルシウム血症があらわれることがある。
治療に際して妊娠していないことを確認すること。また、治療中はホルモン剤以外の避妊法を用いること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で流産又は分娩障害が認められており、また他のLH-RH作動薬による流産の報告がある。,
投与しないこと。動物実験で乳汁移行が報告されている。
国内において、小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
5%以上
5%未満
頻度不明
循環器
血圧の変動注1)(高血圧、低血圧等)
皮膚
そう痒感
発疹
脱毛
内分泌
勃起力低下、性欲減退
乳房腫脹、乳房圧痛
泌尿器
排尿困難
BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿
肝臓
AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇
Al-P上昇、LDH上昇
精神神経系
感覚異常(しびれ等)、幻覚、妄想、気分変調(抑うつ等)
消化器
悪心、嘔吐
筋・骨格系
骨性疼痛、関節痛、骨塩量の低下
血液
貧血
白血球減少、血小板減少
注射部位
注射部位反応(出血、血腫、膿瘍、硬結、疼痛等)
その他
体のほてり(20.0%)、トリグリセライド上昇、発汗、コレステロール上昇、
食欲不振、浮腫
倦怠感、顔面潮紅、発熱、体重増加、鼻出血、血糖値上昇、下垂体卒中、下垂体腺腫
血圧の変動注2)(高血圧、低血圧等)
蕁麻疹、そう痒感、脱毛
ざ瘡
ほてり(38.7%)、月経回復遅延
白帯下、性器出血、腟乾燥感
乳房緊満、性欲減退
ALT上昇
AST上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇
頭痛
めまい、気分変調(抑うつ等)、頭重感、不眠、感覚異常(しびれ等)
いらいら感、幻覚、妄想
悪心
嘔吐
関節痛
骨塩量の低下、骨痛注3)
発汗
更年期様症状(肩こり、食欲不振等)、浮腫、体重増加、トリグリセライド上昇、コレステロール上昇
発熱、倦怠感、鼻出血、卵巣嚢胞、下垂体卒中、下垂体腺腫
雄ラットに長期投与した試験で、対照群に比し、良性の下垂体腺腫の発現の増加がみられている2)。本所見は外科的に去勢した雄ラットにおいても報告されている。
前立腺癌患者に本剤を単回皮下投与した場合、投与後2時間に最高血清中濃度が認められた(平均7.24ng/mL)。その後速やかに減少し、投与後72時間以降、次回投与時期に至る迄(12週後)血清中濃度は低濃度に維持された3)。
閉経前乳癌患者に本剤を単回皮下投与した場合、血漿中ゴセレリン濃度は投与後2時間に最高値(平均4.5ng/mL)を示し、その後、投与48時間後まで速やかに低下した。投与後48時間以降、血漿中ゴセレリン濃度は緩やかに低下し、投与10及び12週後においては、定量下限(0.1ng/mL)付近で推移した4)。
蓄積性に関する特別調査(30例)にて、前立腺癌患者に本剤を12~13週ごとに継続皮下投与した場合の血清中濃度を12ヵ月にわたり観察したが、臨床的に影響を与えると考えられる蓄積性は認められなかった5)。
前立腺癌患者に本剤を皮下投与した場合のバイオアベイラビリティは水性注射剤に対して約58%であった6)。
ゴセレリンの血漿蛋白結合率は20%~28%であった7)。
前立腺癌患者にゴセレリン250µg注4)を水性注射液として単回皮下投与した結果、肝機能障害はゴセレリンの血中消失半減期またはクリアランスに対し統計的に有意な影響を及ぼさないことが判明した7)(外国人データ)。
前立腺癌患者にゴセレリン250µg注4)を水性注射液として単回皮下投与した結果、血中消失半減期は腎機能障害の程度に応じ延長することが認められた。正常腎機能患者における血中消失半減期は4.2時間であり、重症腎機能障害患者(Ccr10-20mL/min)における血中消失半減期は12時間であった8)(外国人データ)。
試験の種類(試験番号)
期間
抗腫瘍効果
薬力学的効果
総合効果の奏効率
(奏効例/評価例)
PSA低下率注3)
(評価例)
誘導率注4)
(誘導例/評価例)
維持率注5)
(維持例/評価例)
国内後期第II相試験
12週
90.0%(18/20例)注1)
94.8%(20例)
100.0%(20/20例)
100.0%(36/36例)
海外第III相試験
(118630/1805)
-
100.0%(39/39例)
97.2%(35/36例)
48週
95.9%(71/74例)
(9393HQ/0001)
100.0%(37/37例)
94.3%(33/35例)
96.2%(76/79例)
海外第IIIb相試験
(9393IL/0024)
95.0%(54例)
100.0%(31/31例)
94.7%(54/57例)
13週
95.3%(58例)
94.8%(55/58例)
65週
79.3%(46/58例)注2)
99.7%(4例)
98.1%(53/54例)
注1)「前立腺癌の非観血的治療効果判定基準」による12週後の奏効率(PR以上)を示した。
注2)「National Prostate Cancer Project(NPCP)判定基準」による最大効果時の奏効率(PR以上)を示した。
注3)治療前のPSA濃度に対する各評価時点のPSA濃度の低下率([治療前濃度-各評価時点濃度]/治療前濃度)について、評価例の中央値を示した。
注4)デポ初回投与後4週以内に血清テストステロン濃度が去勢域(72ng/dL)以下に低下した症例の割合を示した。
注5)去勢域(72ng/dL)以下に低下した血清テストステロン濃度が、各評価期間中(12週:0~12週、13週:0~13週、48週:12~48週、65週:12~65週)に去勢域以下を維持した症例の割合を示した。
副作用は、本剤10.8mg投与後12週までに、国内後期第II相試験3)で初回治療例20例中16例(80.0%)及び切替例20例中11例(55.0%)、海外第III相試験118630/18059)で39例中26例(66.7%)、海外第III相試験9393HQ/000110)で39例中15例(38.5%)、海外第IIIb相試験11)で58例中27例(46.6%)に認められた。主な副作用は、薬理学的作用による症状であり、最も発現頻度が高かったのは、ほてり(国内後期第II相試験:初回治療例及び切替例ともに20.0%、海外第III相試験118630/1805:64.1%、海外第III相試験9393HQ/0001:30.8%、海外第IIIb相試験:44.8%)であった。国内後期第II相臨床試験3)ではグレード1(軽度)の臨床検査値異常変動がゾラデックス3.6mgデポからの切替例よりも初回治療例で多く観察された。
乳癌摘出術後のエストロゲン受容体(ER)陽性の閉経前乳癌患者を対象に、術後補助療法として、タモキシフェンクエン酸塩併用下で、本剤を12週間に1回皮下投与した際の無病生存期間について、ゾラデックス3.6mgデポを対照として評価した(投与期間:96週)。イベント数は本剤群で4件(4.7%)、3.6mgデポ群で1件(1.2%)、無病生存の追跡期間の中央値(最小値、最大値)は本剤群で675.0日(142日, 687日)、3.6mgデポ群で675.5日(160日, 685日)であった。副作用は、本剤群で85例中73例(85.9%)に認められ、主な副作用は、ほてり(69.4%)、頭痛(16.5%)、関節痛(14.1%)等であった。
ER陽性の進行又は再発閉経前乳癌患者を対象に、タモキシフェンクエン酸塩との併用下で、本剤を12週間に1回皮下投与した際の有効性及び安全性について、ゾラデックス3.6mgデポを対照として評価した(投与期間:24週)。主要評価項目である投与開始24週時点の無増悪生存率は、本剤群で67/109例(61.5%)、3.6mgデポ群で68/113例(60.2%)、両群の差[95%Cl]は1.29%[-11.40,13.90]であり、予め設定した非劣性の基準を満たした。副作用は、本剤群で108例(日本人29例含む)中25例(23.1%)に認められ、主な副作用は、ほてり(13.9%)であった。(効能・効果追加承認時)
ゴセレリンはLH-RHアゴニストとして下垂体LH-RH受容体に作用する。初期刺激時にはゴナドトロピン分泌能を増大させるが、継続的刺激により受容体のダウン・レギュレーションを引き起こし、ゴナドトロピン分泌能を低下させ、その結果、精巣からのテストステロン分泌あるいは卵巣からのエストラジオール分泌を抑制する。この下垂体-性腺系機能抑制作用により、前立腺癌あるいは閉経前乳癌に対する抗腫瘍効果を発揮する13)。
ラット及びサルにおいて、下垂体機能の抑制(血清LH値、FSH値の低下)及び下垂体機能の低下に伴う性腺機能の抑制(雄で血清テストステロン値の低下、雌では血清エストラジオール値の低下)が認められた13)。
前立腺癌患者に本剤を皮下投与したとき、血清LH値及び血清テストステロン値上昇のピークは初回投与3日後にみられ、以後漸次低下し、投与4週後に去勢域に達した3)。去勢域への抑制は多くの患者で投与16週まで維持された14)。12週~13週ごとの継続投与により血清テストステロン値は、去勢域内に維持された5)。
閉経前乳癌患者に本剤を皮下投与したとき、血清エストラジオール値は、投与開始4週後までに閉経期レベルの上限値未満に低下した。12週ごとの継続投与により血清エストラジオール値は閉経期のレベルに維持された。
なお、本剤の投与初期には期間や程度の差はあるが、性器出血がみられる場合がある。出血はおそらくエストロゲン低下による出血と考えられ、これはエストロゲンが低値で安定すれば自然に消失すると考えられる。
Dunning R3327アンドロゲン依存性ラット前立腺癌において、外科的去勢術と同等の抗腫瘍効果を示した13)。また、DMBA誘発ラット乳癌においても優れた抗腫瘍効果を示した13)。
*ゴセレリン酢酸塩(Goserelin Acetate)(JAN)(日局)
*2-(5-Oxo-L-prolyl-L-histidyl-L-tryptophyl-L-seryl-L-tyrosyl-O-tert-butyl-D-seryl-L-leucyl-L-arginyl-L-prolyl)hydrazine-1-carboxamide acetate
*C59H84N18O14・xC2H4O2
*1269.41(ゴセレリンとして)
*本品は白色の粉末である。本品は酢酸(100)に溶けやすく、水にやや溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくい。本品は吸湿性である。
本剤は無菌製剤であり、また吸湿性を有するため使用直前まで開封しないこと。
1キット(アルミ袋包装 注射針(14G)付き専用注入器×1、乾燥剤入り)
1) Gregora M, et al. Aust N Z J Obstet Gynaecol. 1995;35(1):111-112
2) Iswaran TJ, 他. 薬理と治療. 1989;17(3):799-815.
3) 古武敏彦, 他. 泌尿紀要. 2001;47:349-361
4) Masuda N. Breast Cancer Res Treat. 2011;126(2):443-451
5) 社内資料(蓄積性に関する特別調査, 2006)
6) 社内資料(バイオアベイラビリティ, 2002)
7) Cockshott ID. Clin Pharmacokinet. 2000;39(1):27-48
8) Adam HK, et al. Pharmaceutisch Weekblad Scientific Edition. 1988;10:57
9) Debruyne FM, et al. J Urol. 1996;155(4):1352-1354
10) Fernandez del Moral P, et al. Urology. 1996;48(6):894-900
11) Sarosdy MF, et al. BJU International. 1999;83:801-806
12) Noguchi S, et al. Breast Cancer. 2016 Sep;23(5):771-9
13) Furr BJA. R Soc Med Int Congr Symp Ser. 1987;125:1-15
14) 社内資料(前立腺癌患者を対象としたその他の臨床試験成績(有効性)の要約, 2002)
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