当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品注)
既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス
通常、成人にはアニフロルマブ(遺伝子組換え)として、300mgを4週間ごとに30分以上かけて点滴静注する。
感染症が悪化するおそれがある。,,,
肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。サルでアニフロルマブは胎盤を通過することが示唆されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒトにおける乳汁への移行は不明であるが、動物実験(サル)でアニフロルマブは乳汁中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
I型インターフェロン製剤
併用により両剤の効果が減弱するおそれがある。
本剤はI型インターフェロン受容体1に対するモノクローナル抗体である。
肺炎や播種性帯状疱疹等の重篤な感染症があらわれることがある。,,
10%以上
1~10%未満
1%未満
頻度不明
感染症
上気道感染(上気道感染、上咽頭炎、咽頭炎)
気管支炎(気管支炎、ウイルス性気管支炎、気管気管支炎)、帯状疱疹
気道感染(気道感染、ウイルス性気道感染、細菌性気道感染)
過敏症
筋骨格系
**関節痛
その他
注入に伴う反応
日本人全身性エリテマトーデス(SLE)患者に本剤100、300及び1000mgを静脈内単回投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりである。投与量100~1000mgの範囲で、本剤の薬物動態は非線形性を示した1)。
投与量(例数)
100mg(6)
300mg(5)
1000mg(6)
Cmax(µg/mL)
42.4±11.3
75.5±9.5
259.2±50.6
AUC0-t(µg·day/mL)
224.6±39.1
702.2±262.5
3179.1±444.0
AUC0-inf(µg·day/mL)
231.7±40.5
786.2±280.2
4350.9±588.1
T1/2(day)
3.77±1.42
5.97±2.63
15.86±2.64
CL (L/day)
0.445±0.091
0.417±0.129
0.234±0.033
平均値±標準偏差
日本人SLE患者に本剤100、300及び1000mgを4週間に1回静脈内反復投与したときの最終投与後の血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりである。投与量100~1000mgの範囲で、本剤の薬物動態は非線形性を示した1)。
100mg(2)
1000mg(3)
Css, max (µg/mL)
25.0±2.2
95.7±24.6
414.3±82.1
AUCτ (µg·day/mL)
152.3±39.2
1035.5±488.0
5814.6±2164.1
T1/2 (day)
3.64±1.57
5.33±1.28
15.52±8.83
CLss (L/day)
0.679±0.175
0.356±0.181
0.194±0.089
本剤は標的部位であるI型インターフェロンα受容体(IFNAR)及び細網内皮系による消失を受け、広く生体に存在するタンパク質分解酵素により小ペプチドあるいはアミノ酸に分解されると推定される。
本剤はIFNARを介した消失があるため、用量比以上の曝露量の減少を示す。
安定した用量のSLE標準治療にもかかわらず中等度から重度(SLEDAI-2Kスコアが6点以上、かつBILAG-2004カテゴリーAの臓器系が1つ又はカテゴリーBの臓器系が2つ以上、かつPGAが1以上)の症状を有し、米国リウマチ学会のSLE分類基準を満たす抗核抗体、抗dsDNA抗体、又は抗Sm抗体陽性の成人SLE患者(活動性かつ重症のループス腎炎又は中枢神経ループスを有する患者は除外注2))362例(うち日本人43例)に対して、本剤300mg又はプラセボ(1:1)を4週間ごとに静脈内投与した。試験期間中は他の生物製剤、タクロリムス又はシクロホスファミド静注剤の使用を禁止した。主要評価項目である投与52週時のBICLA達成例の割合は、プラセボ群と比較して本剤300mg群で統計学的に有意に高かった(本剤300mg群86/180例[47.8%]、プラセボ群57/182例[31.5%]、群間差16.3%、95%信頼区間6.3~26.3%、p=0.0013)。副次的評価項目である投与52週時のSRI(4)達成例の割合は、プラセボ群と比較して本剤300mg群で数値的に高かった(本剤300mg群100/180例[55.5%]、プラセボ群68/182例[37.3%]、群間差18.2%、95%信頼区間8.1~28.3%)。
本剤300mg群(180例)
プラセボ群(182例)
52週時のBICLA
達成例(%)
86例(47.8%)
57例(31.5%)
割合の群間差(95% CI)
16.3%(6.3~26.3%)
p値
0.0013
CI:信頼区間
割合及び割合の群間差は、スクリーニング時のSLEDAI-2Kスコア及びI型インターフェロンgene signatureテストの結果、並びに投与開始時の経口コルチコステロイド用量による層別Cochran Mantel Haenszel法を用いて算出
本試験において有害事象を発現した患者の割合は、本剤300mg群88.3%(159/180例)及びプラセボ群84.1%(153/182例)であった。本剤300mg群でみられた主な有害事象は、上気道感染(本剤300mg群21.7%及びプラセボ群9.9%)、上咽頭炎(同15.6%及び11.0%)、注入に伴う反応(同13.9%及び7.7%)であった。
D3461C00004試験と同じ基準のSLE患者457例に、本剤150mg、300mg又はプラセボ(1:2:2)を4週間ごとに静脈内投与した。試験期間中は他の生物製剤、タクロリムス又はシクロホスファミド静注剤の使用を禁止した。本剤300mg群とプラセボ群との比較において、主要評価項目である投与52週時のSRI(4)達成例の割合に差はみられなかった(本剤300mg群65/180例[36.2%]、プラセボ群74/184例[40.4%]、群間差-4.2%、95%信頼区間-14.2~5.8%、p=0.412)。副次的評価項目である投与52週時のBICLA達成例の割合は、プラセボ群と比較して本剤300mg群で数値的に高かった(本剤300mg群67/180例[37.1%]、プラセボ群49/184例[27.0%]、群間差10.1%、95%信頼区間0.6~19.7%)。上記の主解析結果を受けて、有効性評価における併用薬の取り扱い基準を精査した。精査後の事後解析では、主要評価項目である投与52週時のSRI(4)達成例の割合は、プラセボ群と比較して本剤300mg群で数値的に高かった(本剤300mg群88/180例[49.0%]、プラセボ群79/184例[43.0%]、群間差6.0%、95%信頼区間-4.2~16.2%)。副次的評価項目である投与52週時のBICLA達成例の割合は、プラセボ群と比較して本剤300mg群で数値的に高かった(本剤300mg群85/180例[47.1%]、プラセボ群55/184例[30.2%]、群間差17.0%、95%信頼区間7.2~26.8%)。なお、併用薬の取り扱い基準の精査はD3461C00004試験の盲検解除前に行われ、精査後の基準はD3461C00004試験の主解析にも用いられた。
本試験において有害事象を発現した患者の割合は、本剤300mg群89.4%(161/180例)及びプラセボ群78.3%(144/184例)であった。本剤300mg群でみられた主な有害事象は、上咽頭炎(本剤300mg群20.0%及びプラセボ群12.0%)、上気道感染(同12.2%及び9.8%)、尿路感染(同12.2%及び14.7%)であった。
〔BICLA達成例の定義〕
〔SRI(4)達成例の定義〕
本剤は、I型インターフェロンα受容体のサブユニット1(IFNAR1)に結合するヒト免疫グロブリンG1κモノクローナル抗体である。I型IFNはSLEの発症機序に重要な役割を果たす。I型IFN誘導性遺伝子発現の上昇は、成人SLE患者の大部分(約60~80%)に認められ、SLEの疾患活動性及び重症度と相関している4)。
In vitroにおいて、ヒト及びカニクイザルの末梢血単核細胞に発現するIFNAR1へのアニフロルマブの結合を検討したところ、IFNAR1に対するアニフロルマブのKDはヒト及びカニクイザルでそれぞれ0.29±0.29nM及び0.65±0.74nMであった5)。
In vitroにおいて、アニフロルマブはIFNARを発現しているDaudi細胞への125I標識IFN-α2aの結合を競合的に阻害し、EC50値は0.14nMであった6)。
In vitroの単球において、アニフロルマブは形質細胞様樹状細胞由来I型IFN刺激によるSTAT1リン酸化を完全に阻害した7)。
In vitroにおいて、アニフロルマブは、試験した全14種の組換えヒトI型IFNに誘導されるIFN-stimulated response element(ISRE)の活性化を強力に阻害し、IC50値は0.004~0.3nMの範囲であった。アニフロルマブは、SLE患者の血清中に存在するI型IFNによるISRE活性化を阻害した7)。
ループス腎炎の加速発症モデルであるNZB/W F1マウスにおいて、サロゲート抗体である抗マウスIFNAR抗体5A3の投与によりI型IFN誘導性遺伝子発現の誘導が抑制され、腎障害の発症が低減され、重症度が低下した8)。移植片対宿主誘発強皮症(GVH-SSc)モデルにおいて、抗マウスIFNAR抗体の投与によりIFNシグナル伝達が阻害され、それにより皮膚の炎症、血管損傷及び皮膚の線維化が抑制された9)。
アニフロルマブ(遺伝子組換え)(JAN)
Anifrolumab (Genetical Recombination)
アニフロルマブは、I型インターフェロン受容体1(インターフェロン アルファ、ベータ及びオメガ受容体1)に対する遺伝子組換えヒトIgG1モノクローナル抗体であり、H鎖234、235と331番目のアミノ酸残基はそれぞれPhe、GluとSerに置換されている。アニフロルマブは、マウスミエローマ(NS0)細胞により産生される。アニフロルマブは、447個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び215個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約148,000)である。
20.1 凍結を避けること。
20.2 外箱開封後は遮光して保存すること。
2mL[1バイアル]
1) 社内資料:02試験:日本人SLE患者における第II相試験(2021年9月27日承認、CTD2.7.2.2)
2) Morand EF, et al. N Engl J Med. 2020;382(3):211-21.
3) Furie RA, et al. Lancet Rheumatol. 2019;1:208-19.
4) 社内資料:申請する効能・効果における開発の根拠(2021年9月27日承認、CTD2.5.1.4)
5) 社内資料:In vitro結合試験(2021年9月27日承認、CTD2.6.2.2.1.2)
6) Peng L, et al. MAbs. 2015;7(2):428-39.
7) Riggs JM, et al. Lupus Science & Medicine 2018;5:1-11.
8) 社内資料:In vivoマウス試験(2021年9月27日承認、CTD2.6.2.2.2.1)
9) Delaney TA, et al. J Immunol. 2016;197(1):42-50.
アストラゼネカ株式会社 メディカルインフォメーションセンター
〒530-0011 大阪市北区大深町3番1号
TEL 0120-189-115
https://www.astrazeneca.co.jp
アストラゼネカ株式会社
大阪市北区大深町3番1号
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.