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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
*慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)
通常、成人にはアカラブルチニブとして1回100mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
本剤の投与により不整脈があらわれることがある。,
本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。本剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがある。,
可能な限り投与を避けること。やむを得ず投与する場合には、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。胚・胎児発生試験(ウサギ)において、臨床曝露量の約1.8倍の曝露に相当する用量で胎児体重の減少がみられた。また、生殖発生毒性試験(ラット)において、臨床曝露量の1.8倍の曝露に相当する用量で分娩時間の延長や難産が報告されている。
授乳しないことが望ましい。ヒトにおける乳汁中への移行に関するデータはないが、動物実験(ラット)において乳汁中への移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
強い又は中程度のCYP3A阻害剤
,
本剤の副作用が増強されるおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、代替の治療薬への変更を考慮すること。やむを得ず併用する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
これらの薬剤等がCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
強い又は中程度のCYP3A誘導剤
本剤の効果が減弱するおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。
これらの薬剤等がCYP3Aを誘導することにより、本剤の代謝が促進され、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
セイヨウオトギリソウ(St. John’ s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の効果が減弱するおそれがあるため、摂取しないよう注意すること。
プロトンポンプ阻害剤
本剤の効果が減弱するおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。
これらの薬剤による持続的な胃内pHの上昇により、本剤の溶解度が低下し、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
制酸剤
本剤の効果が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、投与間隔を2時間以上あけて投与すること。
これらの薬剤による胃内pHの上昇により、本剤の溶解度が低下し、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
H2受容体拮抗剤
本剤の効果が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、本剤を2時間前に投与すること。
オレンジジュース
本剤の効果が減弱するおそれがあるため、本剤をオレンジジュースと共に投与することは避けること。
オレンジジュースにより、本剤の溶出率が低下し、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
抗凝固剤
抗血小板剤
出血のおそれがある。
出血のリスクを増強させるおそれがある。
頭蓋内血腫(頻度不明)、胃腸出血(0.2%)、網膜出血(0.2%)等の重篤な出血があらわれることがある。
肺炎(3.2%)、アスペルギルス症(0.2%)等の重篤な感染症があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがある。,
貧血(5.5%)、好中球減少症(17.5%)、白血球減少症(17.5%)、血小板減少症(7.7%)等の骨髄抑制があらわれることがある。,
心房細動(1.5%)、心房粗動(頻度不明)等の重篤な不整脈があらわれることがある。,
急性冠動脈症候群(0.2%)等の重篤な虚血性心疾患があらわれることがある。
異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤の投与等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
10%以上
10%未満5%以上
5%未満
頻度不明
神経系障害
頭痛
浮動性めまい
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
鼻出血
胃腸障害
下痢
悪心
便秘、腹痛、嘔吐
皮膚及び皮下組織障害
挫傷
発疹
皮膚有棘細胞癌、基底細胞癌
筋骨格系及び結合組織障害
筋骨格痛、関節痛
一般・全身障害及び投与部位の状態
疲労
無力症
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
進行期B細胞性腫瘍患者6例に本剤100mgを経口投与し、2~7日間の休薬後、本剤1回100mgを1日2回反復経口投与したときのアカラブルチニブ及び活性代謝物であるACP-5862の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。また、反復投与第8日目における、アカラブルチニブに対するACP-5862のCmax及びAUC(0-12hr)の幾何平均値の比は、それぞれ0.56及び1.64であった1)。
測定日
測定対象
Cmax(ng/mL)
tmaxa(hr)
AUC(0-12hr)
(ng・hr/mL)
AUC(0-∞)
T1/2b(h)
単回投与後
アカラブルチニブ
601.9(173.8)
0.74(0.52~1.02)
890.7(95.4)
1109(55.1)
9.4±12.5
ACP-5862
316.5(260.1)
0.97(0.90~4.00)
1092(123.8)
1557(60.4)
10.2±8.0
1日2回
反復投与後
(第8日目)
1,120(29.7)
0.62(0.47~1.00)
1208(25.3)
1211(25.3)
1.8±0.7
629.7(26.9)
0.94(0.75~1.08)
1987(7.7)
2099(6.6)
3.2±0.4
a:中央値(範囲)
b:算術平均値±標準偏差
健康被験者(8例)に本剤100mgを単回経口投与したときの絶対バイオアベイラビリティは25.3%であった2)(外国人データ)。
健康被験者(12例)に本剤75mg注2)を単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食投与におけるアカラブルチニブのCmax及びAUC(0-∞)の最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ0.31及び0.93であった3)(外国人データ)。
アカラブルチニブ及びACP-5862の血漿蛋白結合率はそれぞれ97.5%及び98.6%であった。アカラブルチニブ及びACP-5862の血液/血漿中濃度比はそれぞれ0.79及び0.66であった2)(in vitro試験)。
アカラブルチニブの主代謝酵素はCYP3Aである(in vitro試験)4)。健康被験者(6例)に[14C]-アカラブルチニブ100mgを単回経口投与したとき、投与120時間後までの血漿中に主にACP-5862が検出された(血漿中総放射能に対する割合は34.7%)2)(外国人データ)。
健康被験者(6例)に[14C]-アカラブルチニブ100mgを単回経口投与したとき、投与168時間後までの放射能の尿中及び糞中排泄率はそれぞれ12.0%及び83.5%であった。投与168時間後までの未変化体の尿中排泄率は1%未満であり、糞中排泄率は1.2%であった2)(外国人データ)。
本剤50mg注2)を単回経口投与したとき、肝機能正常者(6~8例)に対する軽度肝機能障害者(Child-Pugh分類A、6例)、中等度肝機能障害者(Child-Pugh分類B、6例)及び重度肝機能障害者(Child-Pugh分類C、8例)のアカラブルチニブのAUC(0-t)の最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ1.90、1.48及び5.28であった5)(外国人データ)。
健康被験者(24例)にオメプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)40mgを1日1回、5日間投与し、投与5日目に本剤100mgを併用投与したとき、本剤単独投与時に対するオメプラゾール併用投与時のアカラブルチニブのCmax及びAUC(0-t)の最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ0.21及び0.43であった6)(外国人データ)。
健康被験者(24例)に本剤100mgを炭酸カルシウム(制酸剤)1gと併用投与したとき、本剤単独投与時に対する炭酸カルシウム併用投与時のアカラブルチニブのCmax及びAUC(0-t)の最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ0.25及び0.47であった7)(外国人データ)。
健康被験者(24例)にリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)600mgを1日1回、9日間投与し、投与9日目に本剤100mgを併用投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン反復併用投与時のアカラブルチニブのCmax及びAUC(0-∞)の最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ0.32及び0.21であった8)(外国人データ)。
健康被験者(17例)にイトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日1回、6日間投与し、投与6日目に本剤50mg注2)を併用投与したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のアカラブルチニブのCmax及びAUC(0-∞)の最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ3.90及び4.97であった9)(外国人データ)。
健康被験者(12例)に本剤100mgをオレンジジュースと共に経口投与したとき、本剤を水と共に投与時に対するオレンジジュースと共に投与時のアカラブルチニブのCmax及びAUC(0-∞)の最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ0.44及び0.62であった10)(外国人データ)。
本剤100mg単独投与時に対するクラリスロマイシン(強いCYP3A阻害剤)、フルコナゾール、ジルチアゼム及びエリスロマイシン(中程度のCYP3A阻害剤)併用投与時の定常状態におけるアカラブルチニブのAUC(0-24h)の幾何平均値の比は、それぞれ3.34、2.44、2.28及び2.76と推定された。本剤100mg単独投与時に対するカルバマゼピン(強いCYP3A誘導剤)及びエファビレンツ(中程度のCYP3A誘導剤)併用投与時の定常状態におけるアカラブルチニブのAUC(0-24h)の幾何平均値の比はともに0.39と推定された11)。
再発又は難治性の慢性リンパ性白血病患者310例を対象に、本剤1回100mgを1日2回投与したときの有効性及び安全性を治験担当医師が選択した化学療法(idelalisib注3)+リツキシマブ注4)[IR]又はベンダムスチン+リツキシマブ注5)[BR])と比較する非盲検無作為化第III相試験を実施した。
主要評価項目である独立評価委員会判定による無増悪生存期間の中間解析の結果、本剤群は治験担当医師の選択した化学療法群と比較して、統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.31、95%信頼区間0.20~0.49、p<0.0001)。無増悪生存期間の中央値は、本剤群で未到達、対照群で16.5カ月であった(2019年1月15日データカットオフ)。
本剤群で154例中101例(65.6%)に副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症14.9%(23/154例)、頭痛14.3%(22/154例)、下痢9.1%(14/154例)、挫傷7.1%(11/154例)、貧血5.8%(9/154例)、疲労5.8%(9/154例)、血小板減少症5.8%(9/154例)であった。
*未治療の慢性リンパ性白血病患者注6)535例を対象に、本剤+オビヌツズマブ併用投与注7)、及び本剤1回100mgを1日2回投与する本剤単独投与の有効性及び安全性をオビヌツズマブ+chlorambucil注8)併用投与(対照群)注9)と比較する非盲検無作為化第III相試験を実施した。
独立評価委員会判定による無増悪生存期間の中間解析の結果、本剤+オビヌツズマブ併用投与群は対照群と比較して、統計学的に有意な延長を示した(主要評価項目:ハザード比0.10、95%信頼区間0.06~0.17、p<0.0001)。無増悪生存期間の中央値は、本剤+オビヌツズマブ併用投与群で未到達、対照群で22.6カ月であった。また、本剤単独投与群は対照群と比較して、統計学的に有意な延長を示した(副次的評価項目:ハザード比0.20、95%信頼区間0.13~0.30、p<0.0001)。無増悪生存期間の中央値は、本剤単独投与群で未到達であった(2019年2月8日データカットオフ)。
本剤+オビヌツズマブ併用投与群の178例中133例(74.7%)、本剤単独投与群の179例中118例(65.9%)に副作用が認められた。主な副作用は、本剤+オビヌツズマブ併用投与群で好中球減少症22.5%(40/178例)、頭痛22.5%(40/178例)、下痢21.9%(39/178例)、挫傷15.2%(27/178例)、疲労12.4%(22/178例)、悪心10.1%(18/178例)、血小板減少症9.6%(17/178例)、発疹6.7%(12/178例)、関節痛6.2%(11/178例)、点状出血5.6%(10/178例)、浮動性めまい5.6%(10/178例)及び貧血5.1%(9/178例)、本剤単独投与群で頭痛24.0%(43/179例)、下痢19.6%(35/179例)、挫傷10.1%(18/179例)、悪心10.1%(18/179例)、疲労9.5%(17/179例)、好中球減少症9.5%(17/179例)、関節痛6.7%(12/179例)及び発疹5.6%(10/179例)であった。
*再発又は難治性の慢性リンパ性白血病及び小リンパ球性リンパ腫患者9例を対象に、本剤1回100mgを1日2回単独投与した。また、未治療の慢性リンパ性白血病患者注6)10例を対象に、本剤及びオビヌツズマブを併用投与注7)した。治験責任医師判定による奏効率は本剤単独投与で88.9%[80%信頼区間:63.2~98.8%](8/9例)、併用投与で100%[95%信頼区間:66.4~100%](9/9例)であった。
単独投与の9例中8例(88.9%)、併用投与の10例中9例(90.0%)に副作用が認められた。主な副作用は、単独投与で紫斑4例(44.4%)、貧血、好中球減少症、頭痛、発熱、アミラーゼ増加及びリパーゼ増加各2例(22.2%)、併用投与で頭痛3例(30.0%)、貧血、好中球数減少、血小板数減少、紫斑及び斑状丘疹状皮疹各2例(20.0%)であった。
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)は、B細胞に発現するB細胞受容体の下流シグナル伝達分子である18)。アカラブルチニブは、BTKと結合し、BTKのキナーゼ活性を阻害することにより、B細胞性腫瘍の増殖を抑制すると考えられている19)。
アカラブルチニブは、慢性リンパ性白血病(CLL)患者由来CLL細胞を尾静脈から移植したインターロイキン2受容体γ鎖の欠損を有する非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した19)。
アカラブルチニブ(Acalabrutinib)(JAN)
4-{8-Amino-3-[(2S)-1-(but-2-ynoyl)pyrrolidin-2-yl]imidazo[1,5-a]pyrazin-1-yl}-N-(pyridin-2-yl)benzamide
C26H23N7O2
465.51
白色~黄色の粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
14カプセル[7カプセル(PTP)×2]
1) 社内資料:単回及び反復投与時の体内動態(2021年1月22日承認、CTD2.7.6.2.2.2.3)
2) Podoll T, et al.:Drug Metab Dispos. 2019;47(2):145-154.
3) 社内資料:食事の影響(2021年1月22日承認、CTD2.7.1.3.2)
4) 社内資料:主代謝酵素(2021年1月22日承認、CTD2.7.2.3.1.3.2)
5) 社内資料:肝機能障害の影響(2021年1月22日承認、CTD2.7.2.3.2.5)
6) 社内資料:オメプラゾールの影響(2021年1月22日承認、CTD2.7.6.2.6.2.1)
7) 社内資料:炭酸カルシウムの影響(2021年1月22日承認、CTD2.7.6.2.6.2.1)
8) 社内資料:リファンピシンの影響(2021年1月22日承認、CTD2.7.6.2.6.2.1)
9) 社内資料:イトラコナゾールの影響(2021年1月22日承認、CTD2.7.6.2.3.2.1)
10) 社内資料:オレンジジュースの影響(2021年1月22日承認、CTD2.7.6.2.7.2.1)
11) 社内資料:生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション(2021年1月22日承認、CTD2.7.2.3.3.7.4)
12) 社内資料:グレープフルーツジュースの影響(2021年1月22日承認、CTD2.7.6.2.7.2.1)
13) 社内資料:In vitro相互作用試験(2021年1月22日承認、CTD2.6.4.7)
14) Ghia P, et al. J Clin Oncol. 2020;38(25):2849-2861.
15) *Sharman JP, et al. Lancet. 2020; 395(10232): 1278-1291
16) *Izutsu K, et al. Cancer Sci. 2021; 112(6):2405-2415
17) *社内資料:D8220C00001試験(2022年12月23日承認、CTD2.7.6.2.2)
18) Hendriks RW, et al. Nat Rev Cancer. 2014;14(4):219-232.
19) Herman SE, et al. Clin Cancer Res. 2017;23(11):2831-2841.
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