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生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
〇切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
〇切除不能な肝細胞癌
効能又は効果
用法及び用量
イジュド点滴静注25mg
切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
デュルバルマブ(遺伝子組換え)及び白金系抗悪性腫瘍剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはトレメリムマブ(遺伝子組換え)として、1回75mgを3週間間隔で4回、60分間以上かけて点滴静注する。その後、7週間の間隔を空けて、トレメリムマブ(遺伝子組換え)として、75mgを1回60分間以上かけて点滴静注する。
切除不能な肝細胞癌
デュルバルマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはトレメリムマブ(遺伝子組換え)として、300mgを60分間以上かけて単回点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合の投与量は4mg/kg(体重)とする。
イジュド点滴静注300mg
副作用
程度※
処置
間質性肺疾患
Grade2の場合
Grade1以下に回復するまで本剤を休薬する。
Grade3又は4の場合
本剤の投与を中止する。
肝機能障害
AST若しくはALTが基準値上限の3~5倍、又は総ビリルビンが基準値上限の1.5~3倍まで増加した場合
・AST若しくはALTが基準値上限の5倍超、又は総ビリルビンが基準値上限の3倍超まで増加した場合
・AST若しくはALTが基準値上限の3倍超、かつ総ビリルビンが基準値上限の2倍超まで増加し、本剤以外に原因がない場合
(ベースラインのAST若しくはALTが基準値上限を超えている肝悪性腫瘍を有する患者)
AST若しくはALTがベースラインの2.5~5倍、かつ基準値上限の20倍以下に増加した場合
ベースラインの2.5倍未満に回復するまで本剤を休薬する。
・AST若しくはALTがベースラインの5倍超、又は基準値上限の20倍超に増加した場合
・AST若しくはALTがベースラインの2.5倍超、かつ総ビリルビンが基準値上限の1.5倍超~2倍未満に増加し本剤以外に原因がない場合
・総ビリルビンが基準値上限の3倍超まで増加した場合
大腸炎・下痢
消化管穿孔
全Grade
甲状腺機能亢進症、副腎機能不全、下垂体機能低下症
Grade2~4の場合
症状が安定するまで本剤を休薬する。
腎機能障害
血清クレアチニンが基準値上限又はベースラインの1.5~3倍まで増加した場合
血清クレアチニンが基準値上限又はベースラインの3倍超まで増加した場合
筋炎
Grade2又は3の場合
・Grade1以下に回復するまで本剤を休薬する。
・30日以内にGrade1以下まで回復しない場合又は呼吸機能不全の徴候があらわれた場合は、本剤の投与を中止する。
Grade4の場合
心筋炎
重症筋無力症
脳炎
神経障害
・Grade3又は4の場合
*・Grade2~4のギラン・バレー症候群の場合
皮膚障害
・Grade2で1週間以上継続した場合
・Grade3の場合
・Grade4の場合
・皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)又は中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)の場合
Infusion reaction
Grade1又は2の場合
本剤の投与を中断又は投与速度を50%減速する。
上記以外の副作用
(甲状腺機能低下症、1型糖尿病を除く)
※:GradeはNCI-CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)v4.03に準じる。
自己免疫疾患が増悪するおそれがある。
間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。,,
*妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。他のCTLA-4阻害剤の生殖発生毒性試験(妊娠カニクイザル)において、器官形成期から分娩までの投与により、流産、死産、早産、出生児の早期死亡及び低体重等の発現頻度の増加が報告されている。ヒトIgG2は胎盤を通過することが報告されており、本剤は胎児へ移行する可能性がある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgG2は母乳中に移行することが知られている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
持続する下痢、腹痛、血便等の症状が認められた場合には、本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うこと。重度の下痢があらわれた後に敗血症があらわれた例も報告されている。
甲状腺機能低下症(10.7%)、甲状腺機能亢進症(8.4%)等の甲状腺機能障害があらわれることがある。
副腎機能不全(1.7%)等の副腎機能障害があらわれることがある。
下垂体機能低下症(1.0%)等の下垂体機能障害があらわれることがある。
AST、ALT、γ-GTP、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害(10.7%)、肝炎(4.7%)があらわれることがある。
尿細管間質性腎炎(頻度不明)、糸球体腎炎(頻度不明)、腎炎(0.7%)等の腎障害があらわれることがある。
本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に確認すること。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%)等があらわれることがある。重度の皮膚障害があらわれた後に敗血症があらわれた例も報告されている。また、類天疱瘡(0.1%)があらわれることがあるので、水疱、びらん等が認められた場合には皮膚科医と相談すること。
末梢性ニューロパチー(0.6%)、多発ニューロパチー(0.3%)、ギラン・バレー症候群(頻度不明)等の神経障害があらわれることがある。
10%以上
1~10%未満
1%未満
頻度不明
皮膚
発疹(21.6%)、そう痒症
皮膚炎
呼吸器
咳嗽・湿性咳嗽、肺炎
発声障害、上気道感染、インフルエンザ
口腔内
口腔カンジダ
歯周病(歯肉炎)、口腔感染
内分泌
TSH上昇、TSH低下
腎・泌尿器
排尿困難
消化器
下痢
腹痛、アミラーゼ増加、リパーゼ増加
その他
発熱、筋肉痛、末梢性浮腫
寝汗
国内外の臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。
第I相試験(D4880C00010試験)で日本人の進行性固形癌患者に本剤75mgとデュルバルマブ1500mgを点滴静注したときの本剤の血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりである1)。
Cmax(µg/mL)
AUC0-28(day·µg/mL)
Tmax(day)
22.9(14.2%)
239(15.9%)
0.044(0.042, 0.047)
n=6、幾何平均値(変動係数%)を示す。Tmaxは中央値(最小値、最大値)を示す。
国際共同第III相試験(HIMALAYA試験)で切除不能な肝細胞癌患者に本剤300mg及びデュルバルマブ1500mgを1日目に、さらに4週後からデュルバルマブ1500mgを4週間間隔で反復点滴静注したときの本剤の血清中濃度を示す(日本人を含む)2)。
評価時点
血清中濃度(µg/mL)幾何平均値(例数、変動係数%)
投与終了時
78.0(n=379, 117.2%)
投与4週後
10.7(n=221, 84.7%)
投与12週後
1.3(n=113, 156.5%)
国際共同第III相試験(POSEIDON試験)で切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者に、本剤75mgを3週間間隔で反復点滴静注(併用療法としてデュルバルマブ及び白金製剤を含む化学療法を投与)したときの本剤の血清中濃度を示す(日本人を含む)3)。
初回投与後
23.17(n=294, 65.62%)
3週目(投与前)
4.16(n=285, 80.83%)
12週目(投与前)
7.82(n=183, 75.68%)
化学療法歴のない切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者注1)(WHO/ECOG Performance Status 0又は1)675例(本剤注2)+デュルバルマブ注2)+白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法注3)[本剤併用群338例]、白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法注3)単独[対照群337例])(日本人49例[本剤併用群21例、対照群28例]を含む)を対象に、本剤、デュルバルマブ及び白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法を併用投与した場合の有効性及び安全性を検討した4)。
全生存期間(中央値[95%信頼区間])(536件のイベント)の結果は、本剤併用群で14.0[11.7~16.1]カ月、対照群で11.7[10.5~13.1]カ月であり、本剤併用群は対照群に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.77[0.650~0.916]、p=0.00304[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.00797]、2021年3月12日データカットオフ)。
本剤併用群で治験薬が投与された330例(日本人20例を含む)中321例(97.3%)に有害事象が認められた。本剤併用群でみられた主な有害事象は、貧血164例(49.7%)、悪心137例(41.5%)、好中球減少症99例(30.0%)、食欲減退93例(28.2%)、疲労81例(24.5%)及び下痢71例(21.5%)であった。,
全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞癌患者注4)(ECOG Performance Status 0又は1)782例(本剤+デュルバルマブ注5)[本剤併用群393例]、ソラフェニブ群[対照群389例])(日本人63例[本剤併用群34例、対照群29例]を含む)を対象に、本剤とデュルバルマブを併用投与した場合の有効性及び安全性を検討した5)。
主要評価項目である全生存期間(中央値[95%信頼区間])(556件のイベント)は、本剤併用群で16.4[14.2~19.6]カ月、対照群で13.8[12.3~16.1]カ月であり、本剤併用群は対照群に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.78[0.66~0.92]、p=0.0035[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.0398]、2021年8月27日データカットオフ)。
本剤併用群で治験薬が投与された388例(日本人34例を含む)中378例(97.4%)に有害事象が認められた。主な有害事象は、下痢103例(26.5%)、そう痒症89例(22.9%)、発疹87例(22.4%)、食欲減退66例(17.0%)、疲労66例(17.0%)、発熱51例(13.1%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加48例(12.4%)、甲状腺機能低下症47例(12.1%)、悪心47例(12.1%)、腹痛46例(11.9%)、不眠症40例(10.3%)、無力症39例(10.1%)であった。
トレメリムマブは、ヒト細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)に対する抗体であり、CTLA-4とそのリガンドである抗原提示細胞上のB7.1(CD80)及びB7.2(CD86)分子との結合を阻害することにより、活性化T細胞における抑制的調節を遮断し、がん抗原特異的なT細胞の増殖、活性化及び細胞傷害活性の増強により腫瘍増殖を抑制すると考えられる。
トレメリムマブ(遺伝子組換え)(Tremelimumab(Genetical Recombination))(JAN)
トレメリムマブは、ヒト細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)に対する遺伝子組換えヒトIgG2モノクローナル抗体である。トレメリムマブは、マウスミエローマ(NS0)細胞により産生される。トレメリムマブは、451個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ2鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約149,000)である。
1) 社内資料:国内第I相試験(2022年12月23日承認、CTD 2.7.6.2.3[肝細胞癌]、CTD 2.7.6.2.4[非小細胞肺癌])
2) 社内資料:国際共同第III相HIMALAYA試験(2022年12月23日承認、CTD 2.7.6.2.1[肝細胞癌])
3) 社内資料:国際共同第III相POSEIDON試験(2022年12月23日承認、CTD 2.7.6.2.1[非小細胞肺癌])
4) J Clin Oncol. 2022 Nov 3;JCO2200975. doi: 10.1200/JCO.22.00975.
5) Abou-Alfa GK, et al. NEJM Evid. 2022;1(8):1-12.
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