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処方箋医薬品注)
生物由来製品
生後初回のRSウイルス感染流行期には、通常、体重5kg未満の新生児及び乳児は50mg、体重5kg以上の新生児及び乳児は100mgを1回、筋肉内注射する。
生後2回目のRSウイルス感染流行期には、通常、200mgを1回、筋肉内注射する。
生後初回のRSウイルス感染流行期における補充投与は体重に応じて50mg又は100mg、生後2回目のRSウイルス感染流行期における補充投与は200mgとする。
生後初回のRSウイルス感染流行期における補充投与は体重に関係なく50mg、生後2回目のRSウイルス感染流行期における補充投与は100mgとする。
止血を確認できるまで投与部位を押さえるなど慎重に投与すること。出血により重篤な状態を招くおそれがある。
中等度から重度の急性感染症又は発熱性疾患がある場合は、本剤の投与による有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合を除き、本剤の投与を延期すること。一般に、軽度上気道感染症等の軽度な発熱性疾患は本剤の投与延期の理由とはならない。
臨床試験において体重1.6kg未満の児への投与経験はない。母集団薬物動態モデルによるシミュレーションにおいて、体重1.6kg未満の児におけるニルセビマブの曝露量は、体重1.6kg以上の児よりも高くなることが予測された。体重1.6kg未満の児への本剤の使用については、有益性と危険性を慎重に検討すること。
アナフィラキシーを含む重篤な過敏症反応があらわれることがある。,
0.1%~1%未満
皮膚
発疹
その他
注射部位反応、発熱
本剤はRSウイルス検査のうち、ウイルス抗原検出及びウイルス培養を測定原理とする検査に干渉し、偽陰性になるおそれがある(RT-PCR法には干渉しない)。本剤投与後にこれらのRSウイルス検査を実施した場合の診断は、臨床所見等を含めて総合的に判断するよう特に注意すること。
後期第II相海外試験(D5290C00003試験)1)及び第III相国際共同試験(D5290C00004試験)2)で承認用法及び用量に従い本剤投与を受けた児において本剤投与後に抗ニルセビマブ抗体が陽性となった被験者の割合は6.2%(155/2493例)であった。第II/III相国際共同試験(D5290C00005試験)3)で本剤投与後に抗ニルセビマブ抗体が陽性となった被験者の割合は、生後初回及び2回目のRSウイルス感染流行期を迎える児においてそれぞれ5.8%(34/587例)及び11.7%(21/180例)注1)であった。第II相国際共同試験(D5290C00008試験)4)で生後初回又は2回目のRSウイルス感染流行期を迎える児において本剤投与後に抗ニルセビマブ抗体が陽性となった被験者の割合は11.3%(11/97例)であった。抗ニルセビマブ抗体の発現による本剤の薬物動態、有効性及び安全性への影響は明らかではない。
乳幼児を対象とした第III相国際共同試験(D5290C00004試験)2)、第II/III相国際共同試験(D5290C00005試験)3)及び第II相国際共同試験(D5290C00008試験)4)で承認用量を投与した際の血清中ニルセビマブ濃度は以下のとおりであった(日本人を含む国際共同試験データ)5)。
試験
シーズン
投与集団
投与量
Day 8
Day 31
Day 151
D5290C00004
1
正期産児及び
後期早産児
(在胎期間35週以上)
50mg
94.7±24.9
(40)
73.7±19.7
(470)
20.3±7.44
(618)
100mg
166±25.5
(59)
114±35.0
(878)
31.1±13.0
(969)
D5290C00005
早産児コホート
(在胎期間35週0日以下)
127±22.0
(13)
82.7±23.5
(95)
22.7±12.6
(176)
181±35.0
(3)
109±33.0
(65)
34.5±10.3
(120)
CLD/CHDコホート
102±22.7
(5)
85.4±19.2
(46)
23.9±13.0
(77)
157±23.9
105±33.1
(56)
36.2±16.5
(94)
2
200mg
260±49.2
(11)
154±72.0
(108)
51.2±25.0
(202)
D5290C00008
免疫不全を伴う乳幼児
50/100mg
142±31.2
(15)
84.3±36.7
(47)
24.7±13.8
(39)
209±34.4
131±56.8
(50)
32.6±19.1
(44)
平均値±標準偏差(例数)
健康成人に本剤100mg又は300mgを単回筋肉内投与注2)した際の最高血清中濃度到達時間(中央値)は6日(範囲:1~28日)であり6)、300mgを単回筋肉内投与注2)した際の絶対バイオアベイラビリティは77.3%であった(外国人データ)7)。
母集団薬物動態解析で推定したニルセビマブの消失半減期は約71日であり、体重5kgの小児におけるクリアランス推定値は3.42mL/dayであった8)。
第II相国際共同試験(D5290C00008試験)4)において、免疫不全を伴う新生児、乳児及び幼児に本剤を単回筋肉内投与したとき、血清中ニルセビマブ濃度が低い被験者が96例中24例で認められた。血中タンパク質喪失状態の兆候が示唆された14例(慢性肝疾患5例、悪性腫瘍3例、オーメン症候群、HIV感染症及び移植片対宿主病各2例、ネフローゼ症候群1例、うち1例ではオーメン症候群と移植片対宿主病を併発)では血清中ニルセビマブ濃度の急速な低下が認められた。
第II/III相国際共同試験(D5290C0005試験)3)において、ダウン症候群の新生児、乳児及び幼児に本剤を単回筋肉内投与したとき、血清中ニルセビマブ濃度が低い被験者が11例中3例で認められた。,
在胎期間29週以上35週未満で生後初回のRSウイルス感染流行期を迎える健康な新生児及び乳児を対象としたプラセボ対照ランダム化二重盲検群間比較試験であり、本剤50 mg又はプラセボを単回筋肉内投与した。主要評価項目は、治験薬投与後150日までの受診を要したRSウイルスによる下気道感染の発現であった。
本試験では、1,453例の新生児及び乳児が本剤(969例)又はプラセボ(484例)に2:1の比率でランダム化された。
承認用法・用量に従い本剤投与を受けた集団における治験薬投与後150日までの受診を要したRSウイルスによる下気道感染の発現割合は本剤群1.2%(7/570例)、プラセボ群9.0%(26/290例)であり、相対リスク減少は86.2%(95%信頼区間:68.0~94.0%)であった(Cochran-Mantel-Haenszel検定)。
承認用法・用量に従い本剤投与を受けた572例中、治験薬に関連すると判断された有害事象は8例(1.4%)に認められ、2例以上に認められた事象はなかった。
在胎期間35週以上(日本では36週以上)で生後初回のRSウイルス感染流行期を迎える健康な新生児及び乳児を対象としたプラセボ対照ランダム化二重盲検群間比較試験であり、本剤(体重5kg未満50mg、5kg以上100mg)又はプラセボを単回筋肉内投与した。主要評価項目は、治験薬投与後150日までの受診を要したRSウイルスによる下気道感染の発現であった。
本試験は主要コホート及び安全性コホートからなり、合計(併合コホート)で3,012例(うち日本人147例)の新生児及び乳児が本剤(2,009例)又はプラセボ(1,003例)に2:1の比率でランダム化された。
主要解析(主要コホート)で治験薬投与後150日までの受診を要したRSウイルスによる下気道感染について、本剤による統計学的に有意な有効性が示された。
投与群
治験薬投与後150日までの受診を要したRSウイルスによる下気道感染の発現割合及び例数
相対リスク減少(95%信頼区間)a), b)
本剤群(994例)
1.2%(12例)
74.5%(49.6~87.1%)p<0.0001
プラセボ群(496例)
5.0%(25例)
a)治験薬投与後150日までに受診を要したRSウイルスによる下気道感染が発現せずに試験を中止した被験者は多重補完法により欠測補完された。
b)投与群及び月齢(3カ月以下/3カ月超~6カ月以下/6カ月超)を共変量とした、ロバスト分散を用いたポアソン回帰モデル
併合コホートで本剤を投与された1,997例中、治験薬に関連すると判断された有害事象は25例(1.3%)に認められ、2例以上に認められた事象は斑状丘疹状皮疹6例(0.3%)、易刺激性4例(0.2%)、下痢2例(0.1%)、発熱2例(0.1%)及び発疹2例(0.1%)であった。
生後初回のRSウイルス感染流行期を迎える早産児並びに生後初回又は2回目のRSウイルス感染流行期を迎える慢性肺疾患(CLD)又は先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児及び幼児を対象とした実薬(パリビズマブ)対照ランダム化二重盲検群間比較試験であった。
本試験では、在胎期間35週0日以下(日本では35週以下)の早産児615例(うち日本人21例)、及びCLD又はCHD(日本ではダウン症候群を含む)を有する生後1年以内の新生児及び乳児310例(うち日本人12例注3))を本剤(616例、体重5kg未満50mg、5kg以上100mg単回筋肉内投与)又はパリビズマブ(309例、15mg/kg月1回計5回筋肉内投与)に2:1の比率でランダム化した。
本試験で生後初回のRSウイルス感染流行期に治験薬を投与されたCLD又はCHDを有する被験者262例に対して2回目の投与を生後2回目の流行期に行った。生後初回の流行期に本剤を投与された180例には本剤(200mg単回筋肉内投与)を投与し、生後初回の流行期にパリビズマブを投与された82例は本剤(40例、200mg単回筋肉内投与)又はパリビズマブ(42例、15mg/kg月1回計5回筋肉内投与)に1:1の比率でランダム化された。
生後初回のRSウイルス感染流行期に本剤を投与された614例中、治験薬と関連すると判断された有害事象は10例(1.6%)に認められ、2例以上に認められた事象は激越3例(0.5%)及び体温上昇2例(0.3%)であった。生後2回目のRSウイルス感染流行期に本剤を投与された220例中治験薬と関連すると判断された有害事象は認められなかった。
生後初回のRSウイルス感染流行期を迎えるCLD又はCHDを有さない早産児、並びに生後初回又は2回目のRSウイルス感染流行期を迎えるCLD又はCHDを有する児に本剤を承認用法・用量で投与したときの血清中ニルセビマブ濃度は、有効性が検証された試験(D5290C00004試験)の健康な新生児及び乳児と同程度であった。
なお、生後初回のRSウイルス感染流行期における治験薬投与後150日までの受診を要したRSウイルスによる下気道感染は本剤群4例(0.6%)及びパリビズマブ群3例(1.0%)に認められた。また、生後2回目のRSウイルス感染流行期の治験薬投与後150日までに受診を要したRSウイルスによる下気道感染はいずれの投与群においても認められなかった。
生後初回又は2回目のRSウイルス感染流行期を迎える免疫不全を有する投与時に24カ月齢以下の新生児、乳児及び幼児を対象とした非盲検非対照単回投与試験であった。
本試験において、免疫不全を有する新生児、乳児及び幼児100例(うち日本人26例)に本剤(生後初回のRSウイルス感染流行期を迎える新生児及び乳児[生後1年以内]:体重5kg未満50mg、5kg以上100mg、生後2回目のRSウイルス感染流行期を迎える乳児及び幼児[生後1年超2年以内]:200mg)を単回筋肉内投与した。被験者の内訳は、複合免疫不全症、抗体欠損症及びその他の免疫不全症33例、ヒト免疫不全ウイルス感染症8例、臓器又は骨髄移植後16例、免疫抑制性化学療法施行中20例、高用量の全身性ステロイド療法施行中29例、その他の免疫抑制療法施行中15例であった。
本剤を投与された100例中、治験薬と関連すると判断された有害事象は6例(6.0%)に認められ、2例以上に認められた事象は発熱4例(4.0%)であった。
血清中ニルセビマブ濃度のより速やかな低下が認められた被験者を除外した集団における、本剤を承認用法・用量で投与したときの治験薬投与後150日における血清中ニルセビマブ濃度は、有効性が検証された試験(D5290C00004試験)の健康な新生児及び乳児と同程度であった。
なお、治験薬投与後150日までの受診を要したRSウイルスによる下気道感染は認められなかった。
本剤は、長期間作用型の遺伝子組換えヒト免疫グロブリンG1κ(IgG1κ)モノクローナル抗体であり9)、RSウイルスFタンパク質(膜融合前構造)の抗原部位Øにおけるエピトープに結合する。RSウイルスFタンパク質はウイルス侵入過程の膜融合段階に必要であり、本剤はこれを阻害することによりRSウイルスを中和する。
本剤は、Hep-2細胞に感染させたRSウイルスのサブタイプA及びサブタイプBの臨床分離株(分離年:2003~2017年、RSウイルスのサブタイプA:70株、サブタイプB:49株)に対して用量依存的な中和活性を示し、50%有効濃度(EC50)の中央値はそれぞれ3.2ng/mL(範囲:0.48~15ng/mL)及び2.9ng/mL(範囲:0.3~59.7ng/mL)であった9),10),11)。
RSウイルス感染コットンラットモデルにおいてRSウイルスのサブタイプA又はサブタイプBの接種1日前の抗体注4)の筋肉内投与により、肺内のRSウイルス複製を用量依存的に減少させた9),12)。
本剤(250ng/mL)存在下でRSウイルスのサブタイプA(A2株)及びサブタイプB(B9320株)をHEp-2細胞に感染させて3回継代し、本剤に対する逃避変異を特定した13),14)。N67I:N208Y変異を有するRSウイルスのサブタイプA(A2株)は、野生株と比較して本剤に対する中和活性が103倍低下し、N208D、N208S、K68N:N201S又はK68N:N208S変異を有するRSウイルスのサブタイプB(B9320株)は、野生株と比較して本剤に対する中和活性がそれぞれ90,000倍超、24,619倍、13,439倍、90,000倍超に低下した。逃避変異で特定されたアミノ酸変異はいずれも、本剤のFタンパク質の結合部位(62~69位及び196~212位のアミノ酸残基)内に位置しており、RSウイルスFタンパク質への本剤の結合親和性を低下させることが示された。
国際共同RSウイルスの分子サーベイランス試験(分離年:2015~2021年、RSウイルスのサブタイプA:2875株、サブタイプB:2800株)において15),16)、特定された逃避変異を有する変異株の検出は合計で1%未満であった。2017年以降、RSウイルスのサブタイプBでI206M:Q209R変異又はI206M:Q209R:S211N変異を有する変異株の分離頻度が高い傾向であり、当該変異はいずれも本剤の結合部位の変異であるが、本剤の中和活性は保持されていた(野生株と比較して0.23倍及び0.5倍の変化)。
ニルセビマブ(遺伝子組換え)(Nirsevimab(Genetical Recombination))[JAN]
本剤は、遺伝子組換え抗ヒトRSウイルスFタンパク質モノクローナル抗体であり、ヒトIgG1に由来する。H鎖の261、263及び265番目のアミノ酸残基は、それぞれTyr、Thr及びGluに置換されている。本剤は、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。ニルセビマブは、456個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約149,000)である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
0.5mL[1プレフィルドシリンジ]
1.0mL[1プレフィルドシリンジ]
1) Griffin MP, et al. N Engl J Med 2020;383:415-425.
2) Hammitt LL, et al. N Engl J Med 2022;386:837-846.
3) Domachowske J, et al.N Engl J Med 2022;386:892-894.
4) 社内資料:第II相国際共同試験(D5290C00008試験)(2024年3月26日承認、CTD2.7.6.2.6)
5) 社内資料:血中濃度(2024年3月26日承認、審査報告(1)6.2.2.2)
6) 社内資料:最高血清中濃度到達時間(2024年3月26日承認、CTD2.7.2.3.1.2)
7) 社内資料:バイオアベイラビリティ(2024年3月26日承認、CTD2.7.2.2.2.1)
8) 社内資料:消失半減期(2024年3月26日承認、CTD2.7.2.3.1.5)
9) Zhu Q, et al. Sci Transl Med. 2017;9eaaj1928.
10) Zhu Q, et al. J Infect Dis. 2018;218(4):572-80.
11) 社内資料:試験ID8897-0002、試験ID8897-0011、試験ID8897O-1516、試験ID8897O-1617、試験MDMN-20140127:培養細胞におけるRSV A及びB臨床分離株に対するニルセビマブ/1G7の中和活性(2024年3月26日承認、CTD2.6.2.2.3.1.2)
12) 社内資料:試験ID8897-0006, 試験ID8897-0007:コットンラットにおけるRSV A及びB実験室株に対するニルセビマブ/1G7の中和効力(2024年3月26日承認、CTD2.6.2.2.3.2.1)
13) 社内資料:試験ID8897-0003:耐性関連変異を特定するためのin vitroでのニルセビマブ中和エスケープ変異株の選択(2024年3月26日承認、CTD2.6.2.2.4.1)
14) 社内資料:試験ID8897-0011:耐性関連変異を特定するためのin vitroでのニルセビマブ中和エスケープ変異株の選択(2024年3月26日承認、CTD2.6.2.2.4.1)
15) 社内資料:試験OUTSMART:RSV分子サーベイランス試験(2024年3月26日承認、CTD2.7.2.4.2)
16) 社内資料:試験INFORM:RSV分子サーベイランス試験(2024年3月26日承認、CTD2.7.2.4.2)
サノフィ株式会社サノフィワクチンコールセンター
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本剤は「生後初回又は2回目のRSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)感染流行期の重篤なRSウイルス感染症のリスクを有する新生児、乳児及び幼児における、RSウイルス感染による下気道疾患の発症抑制」に使用した場合に限り、保険給付される。
アストラゼネカ株式会社
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