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カビゲイル注射液300mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
1.警告
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2Invitroにおけるウイルス中和活性8)
18.3耐性
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

カビゲイル注射液300mg

添付文書番号

62504A9A1026_1_04

企業コード

670227

作成又は改訂年月

2024年12月作成

日本標準商品分類番号

87625

薬効分類名

抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体

承認等

カビゲイル注射液300mg

販売名コード

YJコード

62504A9A1026

販売名英語表記

KAVIGALE Injection Solution 300mg

販売名ひらがな

かびげいるちゅうしゃえき

承認番号等

承認番号

30600AMX00304

貯法・有効期間

貯法

2~8℃で保存

有効期間

36カ月

規制区分

一般的名称

シパビバルト(遺伝子組換え)製剤

1. 警告

  • SARS-CoV-2による感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤はワクチンに置き換わるものではない。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある者

3. 組成・性状

3.1 組成

カビゲイル注射液300mg

カビゲイル注射液300mg

有効成分1バイアル(2.0mL)中  
シパビバルト(遺伝子組換え)1)300mg2)  
添加剤1バイアル(2.0mL)中L-ヒスチジン 2.7mg、L-ヒスチジン塩酸塩水和物 4.8mg、L-アルギニン塩酸塩 92.7mg、ポリソルベート80 0.8mg  

1) 遺伝子組換え技術によりチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。
2) 本剤は注射液吸引時の損失を考慮して、過量充塡されている。

3.2 製剤の性状

カビゲイル注射液300mg

シパビバルト(遺伝子組換え)

色調無色~黄色の澄明~乳白光を呈する液
pH5.5~6.5
浸透圧比約1(生理食塩液に対する比)

4. 効能又は効果

SARS-CoV-2による感染症の発症抑制

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 本剤の投与対象については臨床試験の投与対象者等を参考に、SARS-CoV-2による感染症に対するワクチン接種が推奨されない者又は免疫機能低下等によりSARS-CoV-2による感染症に対するワクチン接種で十分な免疫応答が得られない可能性がある者に投与すること。
  2. 5.2 SARS-CoV-2による感染症患者の同居家族又は共同生活者等の濃厚接触者ではない者に投与すること。SARS-CoV-2による感染症患者の同居家族又は共同生活者等の濃厚接触者における有効性は示されていない。
  3. 5.3 本剤は、SARS-CoV-2 Sタンパク質のF456L変異を含むSARS-CoV-2に対しては中和活性の著しい低下が認められるため、有効性が期待できない。また、F456L以外の変異でも、中和活性の低下が認められた場合は、本剤の有効性が期待できない可能性がある。SARS-CoV-2の最新の流行株の情報を踏まえ、本剤投与の適切性を検討すること。,
  4. 5.4 既に発症したSARS-CoV-2による感染症に対する本剤の治療効果は確立されていない。

6. 用法及び用量

通常、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、シパビバルト(遺伝子組換え)300mgを大腿前外側部に筋肉内注射する。なお、筋肉内注射が困難又は適切ではない場合、静脈内注射すること。

7. 用法及び用量に関連する注意

本剤反復投与時の有効性、安全性に関する検討結果は限られているが、本剤の薬物動態に関する情報も踏まえ、本剤を2回目以降繰り返し使用する場合は6カ月程度の間隔を空けることとし、患者の状態を十分に観察すること。,

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 アナフィラキシーを含む重篤な過敏症が他のIgGモノクローナル抗体でまれに報告されている。本剤投与時には、アナフィラキシーショック、アナフィラキシーに対する適切な薬物治療(アドレナリン、副腎皮質ステロイド薬、抗ヒスタミン薬等)や緊急処置を直ちに実施できるようにしておくこと。また、投与終了後も症状のないことを確認すること。
  2. 8.2 本剤の静脈内投与において、Infusion reaction(悪心、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、消化不良、疼痛、低血圧、顔面潮紅、咳嗽、胸部不快感、浮動性めまい、息切れ)が報告されている。異常が認められた場合には投与速度の減速、投与中断又は投与中止し、適切な薬物治療や対症療法を行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 血小板減少症、凝固障害のある者

    これらの患者では出血リスクが高いため、本剤を筋肉内注射する際には臨床的に重大な出血に留意すること。

  2. 9.1.2 心血管疾患のリスクを有する者又は心血管疾患の既往歴のある者

    治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与後に心血管疾患に関連する徴候又は症状が認められた場合は、速やかに受診するよう患者を指導すること。海外第I/III相試験(D7000C00001試験・メインコホート)において治験薬投与後に急性心筋梗塞や深部静脈血栓症等の心血管系及び血栓塞栓性の有害事象(治験薬との因果関係が否定された事象を含む)が本剤群の62例(3.7%)、チキサゲビマブ/シルガビマブ群の33例(3.0%)、プラセボ群の16例(2.9%)に認められ、これらの患者はいずれも心血管疾患のリスクを有する者又は心血管疾患の既往歴のある者であった。本剤投与との関連性は1例(深部静脈血栓症)を除いてすべて否定され、各群の間で臨床的に意味のある差異は認められず、本剤との因果関係は確立していない。なお、類薬であるチキサゲビマブ/シルガビマブの臨床試験において、重篤な心血管系事象の発現割合がプラセボ群に比べて高い傾向が認められている。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。一般にヒトIgGは胎盤を通過することが知られている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁への移行性については不明であるが、一般にヒトIgGは乳汁中へ移行することが知られている。

9.7 小児等

12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 重篤な過敏症(頻度不明)

    アナフィラキシーを含む重篤な過敏症があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を直ちに中止し、薬物治療等の適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

  • 〈筋肉内注射〉

    1%以上

    1%未満

    局所症状

    注射部位反応(疼痛、内出血、紅斑、出血、腫脹、血腫、そう痒感、知覚異常、発疹、変色、熱感)

    その他

    過敏症(そう痒症、紅斑、蕁麻疹、アレルギー性皮膚炎、薬疹)

  • 〈静脈内注射〉

    頻度不明

    局所症状

    注入部位反応(内出血、疼痛、そう痒感、紅斑、血管外漏出、腫脹)

    その他

    注入に伴う反応(悪心、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、消化不良、疼痛、低血圧、顔面潮紅、咳嗽、胸部不快感、浮動性めまい、息切れ)

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  • 〈用法共通〉
  1. 14.1.1 冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくこと。
  2. 14.1.2 使用前に不溶性異物や変色がないことを目視により確認すること。濁り、変色又は不溶性異物が認められる場合は使用しないこと。
  3. 14.1.3 本剤は、無菌的に調製を行うこと。
  4. 14.1.4 シリンジで本剤2mLをバイアルから抜き取り、速やかに投与すること。
  5. 14.1.5 本剤は保存剤を含まないため、シリンジ採取後又は点滴バッグに調製後は速やかに投与すること。すぐに使用せず保存する場合、2~8℃で保存し、24時間以内に使用すること、又は室温(25℃まで)で保存し、4時間以内に使用すること。なお、2~8℃で保存した場合は室温に戻してから投与すること。
  6. 14.1.6 バイアル中の残液は廃棄すること。
  • 〈静脈内注射〉
  1. 14.1.7 本剤を希釈して点滴静脈内投与する場合、本剤2mLを生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液の50mL又は100mLの点滴バッグに注入し、ゆっくり反転させて混和する。希釈液を凍結又は振盪させないこと。
  1. 14.1.8 本剤を希釈せずシリンジポンプを用いる場合、シリンジで本剤2mLをバイアルから抜き取る。

14.2 薬剤投与時の注意

  • 〈筋肉内注射〉
  1. 14.2.1 皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位(傷、発疹、発赤、硬結等)には注射しないこと。
  • 〈静脈内注射〉
  1. 14.2.2 希釈液は、無菌の蛋白結合性の低い0.2又は0.22µmインラインフィルターを使用して約20分間以上かけて点滴静脈内注射すること。
  2. 14.2.3 他の薬剤と同一の点滴ラインを使用した同時投与は行わないこと。
  3. 14.2.4 投与終了時には、点滴ラインを生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液でフラッシュすること。
  4. 14.2.5 本剤を希釈せずにシリンジポンプを用いて投与する場合は、6分以上かけて静脈内注射すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

    健康成人に本剤300mgを単回静脈内投与又はシルガビマブ(遺伝子組換え)300mgとの併用で大腿部の左右反対側の部位に計2回の注射として逐次的に単回筋肉内投与した際のシパビバルトの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった(外国人データ)1),2)

    図16-1 健康成人における本剤300mgを単回静脈内投与又は大腿前外側部に単回筋肉内投与時のシパビバルトの血清中濃度推移(外国人データ)
     
    表16-1 健康成人における本剤300mgを単回静脈内投与又は大腿前外側部に単回筋肉内投与時のシパビバルトの薬物動態パラメータ(外国人データ)

    投与

    経路

    例数

    Tmax
    (day)

    Cmax
    (µg/mL)

    AUC0-90d

    (µg・day/mL)

    AUC0-∞

    (µg・day/mL)

    T1/2
    (day)

    筋肉内

    投与a)

    20

    7.47

    [3.9, 53]

    47.97

    (25.23)

    2878

    (25.58)c)

    5618

    (43.05)d)

    87.31

    (26.5)d)

    静脈内

    投与b)

    10

    0.032

    [0.032, 0.171]e)

    129.18

    (13.16)e)

    4036

    (10.97)e)

    幾何平均値(幾何変動係数%)、Tmax:中央値[範囲]、T1/2:算術平均値(標準偏差)、-:算出せず

    a):投与181日目までのデータに基づく。外国人健康成人では本剤300mgとシルガビマブ(遺伝子組換え)300mgを併用投与。

    b):投与91日目までのデータに基づく。追跡期間が不十分であるため、AUC0-∞及びT1/2は算出せず。

    c):18例、d):17例、e):3例

    日本人健康成人に本剤300mgを大腿前外側部に単回筋肉内投与した際のシパビバルトの薬物動態パラメータは以下のとおりであった3)
     

    表16-2 健康成人における本剤300mgを大腿前外側部に単回筋肉内投与時のシパビバルトの薬物動態パラメータ

    例数

    Tmax(day)

    Cmax(µg/mL)

    AUC0-90d
    (µg·day/mL)

    6

    10.54 [4.04, 28.05]

    49.90 (18.24)

    3418 (21.94)

    幾何平均値(幾何変動係数%)、Tmax:中央値[範囲]

    投与91日目までのデータに基づく。追跡期間が不十分であるため、AUC0-∞及びT1/2は算出せず。

  2. 16.1.2 反復投与

    免疫抑制状態の成人に本剤300mgを大腿前外側部へ6カ月間隔で2回筋肉内投与したとき、1回目投与29日目及び2回目投与30日目におけるシパビバルトの血清中濃度[幾何平均値(幾何変動係数%)]はそれぞれ29.8(36.2)µg/mL及び30.8(54.3)µg/mLであった(外国人データ)4)

16.2 吸収

母集団薬物動態解析で推定した、本剤300mgを大腿前外側部に筋肉内投与した際の絶対バイオアベイラビリティは80.7%であった(外国人データ)5)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 海外第I/III相試験(D7000C00001試験・メインコホート)

    免疫抑制状態の成人及び12歳以上の小児を対象とし、本剤のCOVID-19曝露前発症抑制を検討するランダム化(1:1)、二重盲検、比較対照臨床第I/III相試験4)であり、本剤300mg又は対照薬(チキサゲビマブ300mg/シルガビマブ300mg又はプラセボ)が筋肉内投与された。さらに被験者は初回投与後6カ月後に、治験薬の2回目の投与を受けた。主要評価項目は、治験薬最終投与後181日目までのいずれかの時点でRT-PCR検査陽性、かつ症候性COVID-19のWHO改訂版定義を満たす初発のCOVID-19が発現するまでの期間であった。

    主要解析(投与後追跡期間の中央値は本剤群171日、プラセボ群165日)の結果を表17-1に示す。本試験では、試験期間中に本剤の有効性が期待できないF456L変異を有する変異株が流行したことから、任意のSARS-CoV-2変異株及びSARS-CoV-2対象変異株(F456L変異を含まない)に起因する症候性COVID-19発症がそれぞれ主要評価項目とされ、いずれか一方で有効性が確認された場合に試験成立と規定された。本剤の投与により、任意のSARS-CoV-2変異株及びSARS-CoV-2対象変異株(F456L変異を含まない)に起因する症候性COVID-19発症のリスクはいずれも、対照薬群と比較して統計学的に有意に減少した(任意のSARS-CoV-2変異株:調整p<0.001、SARS-CoV-2対象変異株:調整p=0.001)。
     

    表17-1 症候性COVID-19発症の相対リスク減少

    例数

    イベント例数(%)

    相対リスク減少率(%)c)

    (信頼区間)

    任意の変異株に基づく有効性主要評価項目

    34.9

    (95% CI: 17.8, 48.4)

    本剤群a)

    1649

    122(7.4%)

    対照薬群a),b)

    1631

    178(10.9%)

    対象変異株に基づく有効性主要評価項目

    42.9

    (95% CI: 19.9, 59.3)

    本剤群a)

    1649

    54(3.3%)

    対照薬群a),b)

    1631

    90(5.5%)

    CI:信頼区間

    a)2回目の投与を受けた被験者を含む。

    b)本試験開始時点の対照薬はチキサゲビマブ/シルガビマブであったが、本試験実施時の流行株に対しチキサゲビマブ/シルガビマブが中和活性を有していなかったことから、本試験実施中に盲検下でプラセボに変更された。そのため、対照薬群は、チキサゲビマブ/シルガビマブ又はプラセボを1回投与された被験者、1回目及び2回目にチキサゲビマブ/シルガビマブ及びプラセボをそれぞれ投与された被験者、プラセボを2回投与された被験者からなる。

    c)有意水準両側5%、投与群(本剤群/対照薬群)、6カ月以内のSARS-CoV-2ワクチンの投与有無及びSARS-CoV-2の感染有無、12カ月以内のチキサゲビマブ/シルガビマブの投与有無を共変量、各被験者の観察期間の対数値をオフセット項としたロバスト分散を用いたPoisson回帰モデル。検定の多重性はHolmの方法により調整した。
     

    なお、本試験の主な選択・除外基準は下表のとおりであった。

    選択基準

    1.同意取得時の年齢が12歳以上

    2.スクリーニング時の体重が40kg以上

    3.投与前のSARS-CoV-2血清学的検査が陰性である

    4.以下のリスク因子を1つ以上有する者

    ・積極的な免疫抑制療法*を受けている患者

    ・悪性固形腫瘍の患者

    ・血液悪性腫瘍の患者

    ・固形臓器移植又は造血幹細胞移植を受けてから2年以内の患者、又は慢性移植片対宿主病の患者

    ・キメラ抗原受容体T細胞療法を受けた患者

    ・B細胞枯渇療法を受けてから1年以内の患者

    ・中等度又は重度の原発性免疫不全症(ディジョージ症候群等)の患者

    ・中等度又は重度の続発性免疫不全症(血液透析等)の患者

    ・進行した又は未治療のHIV感染症の患者

    除外基準

    1.治験薬の投与前少なくとも4週間から治験薬投与後少なくとも6カ月までの間に、妊娠中、授乳中又は妊娠の可能性があり、且つ効果的な避妊方法や禁欲を行っていない女性

    2.治験薬の成分に対する既知の過敏症がある

    3.過去にモノクローナル抗体の投与後、過敏症又は重篤な副作用を認めたことがある

    4.治験薬投与日の前日又は当日に急性又は発熱性(38度以上)の疾患/感染症がある

    *主に以下の薬剤による治療が該当する

    ・全身コルチコステロイド(1日あたり20mg以上のプレドニゾロン又はそれ相当を2週間以上)

    ・アルキル化剤

    ・代謝拮抗剤

    ・移植関連免疫抑制薬

    ・重度の免疫抑制薬に分類される抗癌化学療法(ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬など)

    ・TNF阻害剤又は免疫抑制性の生物学的製剤
     

    本剤群の初回投与後91日における副作用の発現割合は7.4%(123/1671例)であり、発現割合が0.5%以上の副作用は疲労1.2%(20/1671例)、頭痛1.0%(16/1671例)、注射部位疼痛0.9%(15/1671例)、注射部位内出血0.7%(12/1671例)及び注射部位紅斑0.6%(10/1671例)であった。

    本剤の2回目投与後91日における副作用の発現割合は3.2%(28/886例)であり、発現割合が0.5%以上の副作用は疲労0.7%(6/886例)であった。,,

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

シパビバルトはSARS-CoV-2のスパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)に結合し、SARS-CoV-2に対する中和作用を示す6)。なお、in vitroにおいて、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞貪食(ADCP)、抗体依存性補体沈着(ADCD)及び抗体依存性ナチュラルキラー細胞活性(ADNKA)はほぼ認められなかった7)

18.2 In vitroにおけるウイルス中和活性8)

SARS-CoV-2のシュードウイルス中和試験において、シパビバルトは直接的な中和作用による抗ウイルス活性を示した(表18-1)。

表18-1 SARS-CoV-2各系統に対するシュードウイルスを用いたシパビバルトの中和データ

スパイクタンパク質変異株の系統

IC50値の倍率変化

(対参照株)

IC50(ng/mL)

Omicron BA.2

0.8

10.7

Omicron BA.4/5

0.4

4.7

Omicron BQ.1

0.9

11.6

Omicron BQ.1.1

0.7

9.2

Omicron XBB

0.3

3.8

Omicron XBB.1

0.3

3.6

Omicron XBB.1.5/XBB.1.9

0.4

5.8

Omicron XBB.1.16

0.1

1.3

Omicron XBB.2.3

0.3

3.4

Omicron XBB.1.5.10/EG.5*

>50

>1000

Omicron EG.5.1*

>50

>1000

Omicron BA.2.86

(BA.2.86,BA.2.86.1, JN.2,JN.3)

0.3

3.8

Omicron JN.1

6.2

83.1

参照株:Wuhan-D614G

*F456L変異株

18.3 耐性

シパビバルトはF456L変異を有するSARS-CoV-2の変異株に対し、in vitroで中和作用を示さなかった9)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

シパビバルト(遺伝子組換え)(JAN)

Sipavibart(Genetical Recombination)

本質

シパビバルトは、遺伝子組換え抗SARS-CoV-2スパイクタンパク質モノクローナル抗体であり、ヒトIgG1に由来し、H鎖の6個のアミノ酸残基が置換(L242F、L243E、M260Y、S262T、T264E、P339S)されている。シパビバルトは、CHO細胞により産生される。シパビバルトは、455個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び215個のアミノ酸残基からなるL鎖(λ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約148,000)である。

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 凍結を避けること。
  2. 20.2 バイアルは振盪しないこと。
  3. 20.3 外箱開封後は遮光して保存すること。

21. 承認条件

  1. 21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
  2. 21.2 新規変異株の流行が懸念される場合、当該変異株に対する中和活性等を速やかに検討するとともに、本剤の有効性が減弱するおそれがある変異株が流行している場合は、新規変異株に対する中和活性、新規変異株の地域ごとの流行状況等を踏まえ、適切な患者に対して投与するよう医師に対して要請するなど、本剤の適正な使用が確保されるよう必要な措置を講じること。

22. 包装

2mL[1バイアル]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

アストラゼネカ株式会社 メディカルインフォメーションセンター

〒530-0011 大阪市北区大深町3番1号

TEL 0120-189-115

https://www.astrazeneca.co.jp

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

アストラゼネカ株式会社

大阪市北区大深町3番1号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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