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生物由来製品
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある者
SARS-CoV-2による感染症の発症抑制
通常、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、シパビバルト(遺伝子組換え)300mgを大腿前外側部に筋肉内注射する。なお、筋肉内注射が困難又は適切ではない場合、静脈内注射すること。
本剤反復投与時の有効性、安全性に関する検討結果は限られているが、本剤の薬物動態に関する情報も踏まえ、本剤を2回目以降繰り返し使用する場合は6カ月程度の間隔を空けることとし、患者の状態を十分に観察すること。,
これらの患者では出血リスクが高いため、本剤を筋肉内注射する際には臨床的に重大な出血に留意すること。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与後に心血管疾患に関連する徴候又は症状が認められた場合は、速やかに受診するよう患者を指導すること。海外第I/III相試験(D7000C00001試験・メインコホート)において治験薬投与後に急性心筋梗塞や深部静脈血栓症等の心血管系及び血栓塞栓性の有害事象(治験薬との因果関係が否定された事象を含む)が本剤群の62例(3.7%)、チキサゲビマブ/シルガビマブ群の33例(3.0%)、プラセボ群の16例(2.9%)に認められ、これらの患者はいずれも心血管疾患のリスクを有する者又は心血管疾患の既往歴のある者であった。本剤投与との関連性は1例(深部静脈血栓症)を除いてすべて否定され、各群の間で臨床的に意味のある差異は認められず、本剤との因果関係は確立していない。なお、類薬であるチキサゲビマブ/シルガビマブの臨床試験において、重篤な心血管系事象の発現割合がプラセボ群に比べて高い傾向が認められている。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。一般にヒトIgGは胎盤を通過することが知られている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁への移行性については不明であるが、一般にヒトIgGは乳汁中へ移行することが知られている。
12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
アナフィラキシーを含む重篤な過敏症があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を直ちに中止し、薬物治療等の適切な処置を行うこと。
1%以上
1%未満
局所症状
注射部位反応(疼痛、内出血、紅斑、出血、腫脹、血腫、そう痒感、知覚異常、発疹、変色、熱感)
その他
過敏症(そう痒症、紅斑、蕁麻疹、アレルギー性皮膚炎、薬疹)
頻度不明
注入部位反応(内出血、疼痛、そう痒感、紅斑、血管外漏出、腫脹)
注入に伴う反応(悪心、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、消化不良、疼痛、低血圧、顔面潮紅、咳嗽、胸部不快感、浮動性めまい、息切れ)
健康成人に本剤300mgを単回静脈内投与又はシルガビマブ(遺伝子組換え)300mgとの併用で大腿部の左右反対側の部位に計2回の注射として逐次的に単回筋肉内投与した際のシパビバルトの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった(外国人データ)1),2)。
投与
経路
例数
Tmax(day)
Cmax(µg/mL)
AUC0-90d
(µg・day/mL)
AUC0-∞
T1/2(day)
筋肉内
投与a)
20
7.47
[3.9, 53]
47.97
(25.23)
2878
(25.58)c)
5618
(43.05)d)
87.31
(26.5)d)
静脈内
投与b)
10
0.032
[0.032, 0.171]e)
129.18
(13.16)e)
4036
(10.97)e)
-
幾何平均値(幾何変動係数%)、Tmax:中央値[範囲]、T1/2:算術平均値(標準偏差)、-:算出せず
a):投与181日目までのデータに基づく。外国人健康成人では本剤300mgとシルガビマブ(遺伝子組換え)300mgを併用投与。
b):投与91日目までのデータに基づく。追跡期間が不十分であるため、AUC0-∞及びT1/2は算出せず。
c):18例、d):17例、e):3例
日本人健康成人に本剤300mgを大腿前外側部に単回筋肉内投与した際のシパビバルトの薬物動態パラメータは以下のとおりであった3)。
Tmax(day)
Cmax(µg/mL)
AUC0-90d(µg·day/mL)
6
10.54 [4.04, 28.05]
49.90 (18.24)
3418 (21.94)
幾何平均値(幾何変動係数%)、Tmax:中央値[範囲]
投与91日目までのデータに基づく。追跡期間が不十分であるため、AUC0-∞及びT1/2は算出せず。
免疫抑制状態の成人に本剤300mgを大腿前外側部へ6カ月間隔で2回筋肉内投与したとき、1回目投与29日目及び2回目投与30日目におけるシパビバルトの血清中濃度[幾何平均値(幾何変動係数%)]はそれぞれ29.8(36.2)µg/mL及び30.8(54.3)µg/mLであった(外国人データ)4)。
母集団薬物動態解析で推定した、本剤300mgを大腿前外側部に筋肉内投与した際の絶対バイオアベイラビリティは80.7%であった(外国人データ)5)。
免疫抑制状態の成人及び12歳以上の小児を対象とし、本剤のCOVID-19曝露前発症抑制を検討するランダム化(1:1)、二重盲検、比較対照臨床第I/III相試験4)であり、本剤300mg又は対照薬(チキサゲビマブ300mg/シルガビマブ300mg又はプラセボ)が筋肉内投与された。さらに被験者は初回投与後6カ月後に、治験薬の2回目の投与を受けた。主要評価項目は、治験薬最終投与後181日目までのいずれかの時点でRT-PCR検査陽性、かつ症候性COVID-19のWHO改訂版定義を満たす初発のCOVID-19が発現するまでの期間であった。
主要解析(投与後追跡期間の中央値は本剤群171日、プラセボ群165日)の結果を表17-1に示す。本試験では、試験期間中に本剤の有効性が期待できないF456L変異を有する変異株が流行したことから、任意のSARS-CoV-2変異株及びSARS-CoV-2対象変異株(F456L変異を含まない)に起因する症候性COVID-19発症がそれぞれ主要評価項目とされ、いずれか一方で有効性が確認された場合に試験成立と規定された。本剤の投与により、任意のSARS-CoV-2変異株及びSARS-CoV-2対象変異株(F456L変異を含まない)に起因する症候性COVID-19発症のリスクはいずれも、対照薬群と比較して統計学的に有意に減少した(任意のSARS-CoV-2変異株:調整p<0.001、SARS-CoV-2対象変異株:調整p=0.001)。
イベント例数(%)
相対リスク減少率(%)c)
(信頼区間)
任意の変異株に基づく有効性主要評価項目
34.9
(95% CI: 17.8, 48.4)
本剤群a)
1649
122(7.4%)
対照薬群a),b)
1631
178(10.9%)
対象変異株に基づく有効性主要評価項目
42.9
(95% CI: 19.9, 59.3)
54(3.3%)
90(5.5%)
CI:信頼区間
a)2回目の投与を受けた被験者を含む。
b)本試験開始時点の対照薬はチキサゲビマブ/シルガビマブであったが、本試験実施時の流行株に対しチキサゲビマブ/シルガビマブが中和活性を有していなかったことから、本試験実施中に盲検下でプラセボに変更された。そのため、対照薬群は、チキサゲビマブ/シルガビマブ又はプラセボを1回投与された被験者、1回目及び2回目にチキサゲビマブ/シルガビマブ及びプラセボをそれぞれ投与された被験者、プラセボを2回投与された被験者からなる。
c)有意水準両側5%、投与群(本剤群/対照薬群)、6カ月以内のSARS-CoV-2ワクチンの投与有無及びSARS-CoV-2の感染有無、12カ月以内のチキサゲビマブ/シルガビマブの投与有無を共変量、各被験者の観察期間の対数値をオフセット項としたロバスト分散を用いたPoisson回帰モデル。検定の多重性はHolmの方法により調整した。
なお、本試験の主な選択・除外基準は下表のとおりであった。
選択基準
1.同意取得時の年齢が12歳以上
2.スクリーニング時の体重が40kg以上
3.投与前のSARS-CoV-2血清学的検査が陰性である
4.以下のリスク因子を1つ以上有する者
・積極的な免疫抑制療法*を受けている患者
・悪性固形腫瘍の患者
・血液悪性腫瘍の患者
・固形臓器移植又は造血幹細胞移植を受けてから2年以内の患者、又は慢性移植片対宿主病の患者
・キメラ抗原受容体T細胞療法を受けた患者
・B細胞枯渇療法を受けてから1年以内の患者
・中等度又は重度の原発性免疫不全症(ディジョージ症候群等)の患者
・中等度又は重度の続発性免疫不全症(血液透析等)の患者
・進行した又は未治療のHIV感染症の患者
除外基準
1.治験薬の投与前少なくとも4週間から治験薬投与後少なくとも6カ月までの間に、妊娠中、授乳中又は妊娠の可能性があり、且つ効果的な避妊方法や禁欲を行っていない女性
2.治験薬の成分に対する既知の過敏症がある
3.過去にモノクローナル抗体の投与後、過敏症又は重篤な副作用を認めたことがある
4.治験薬投与日の前日又は当日に急性又は発熱性(38度以上)の疾患/感染症がある
*主に以下の薬剤による治療が該当する
・全身コルチコステロイド(1日あたり20mg以上のプレドニゾロン又はそれ相当を2週間以上)
・アルキル化剤
・代謝拮抗剤
・移植関連免疫抑制薬
・重度の免疫抑制薬に分類される抗癌化学療法(ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬など)
・TNF阻害剤又は免疫抑制性の生物学的製剤
本剤群の初回投与後91日における副作用の発現割合は7.4%(123/1671例)であり、発現割合が0.5%以上の副作用は疲労1.2%(20/1671例)、頭痛1.0%(16/1671例)、注射部位疼痛0.9%(15/1671例)、注射部位内出血0.7%(12/1671例)及び注射部位紅斑0.6%(10/1671例)であった。
本剤の2回目投与後91日における副作用の発現割合は3.2%(28/886例)であり、発現割合が0.5%以上の副作用は疲労0.7%(6/886例)であった。,,
シパビバルトはSARS-CoV-2のスパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)に結合し、SARS-CoV-2に対する中和作用を示す6)。なお、in vitroにおいて、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞貪食(ADCP)、抗体依存性補体沈着(ADCD)及び抗体依存性ナチュラルキラー細胞活性(ADNKA)はほぼ認められなかった7)。
SARS-CoV-2のシュードウイルス中和試験において、シパビバルトは直接的な中和作用による抗ウイルス活性を示した(表18-1)。
スパイクタンパク質変異株の系統
IC50値の倍率変化
(対参照株)
IC50(ng/mL)
Omicron BA.2
0.8
10.7
Omicron BA.4/5
0.4
4.7
Omicron BQ.1
0.9
11.6
Omicron BQ.1.1
0.7
9.2
Omicron XBB
0.3
3.8
Omicron XBB.1
3.6
Omicron XBB.1.5/XBB.1.9
5.8
Omicron XBB.1.16
0.1
1.3
Omicron XBB.2.3
3.4
Omicron XBB.1.5.10/EG.5*
>50
>1000
Omicron EG.5.1*
Omicron BA.2.86
(BA.2.86,BA.2.86.1, JN.2,JN.3)
Omicron JN.1
6.2
83.1
参照株:Wuhan-D614G
*F456L変異株
シパビバルトはF456L変異を有するSARS-CoV-2の変異株に対し、in vitroで中和作用を示さなかった9)。
シパビバルト(遺伝子組換え)(JAN)
Sipavibart(Genetical Recombination)
シパビバルトは、遺伝子組換え抗SARS-CoV-2スパイクタンパク質モノクローナル抗体であり、ヒトIgG1に由来し、H鎖の6個のアミノ酸残基が置換(L242F、L243E、M260Y、S262T、T264E、P339S)されている。シパビバルトは、CHO細胞により産生される。シパビバルトは、455個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び215個のアミノ酸残基からなるL鎖(λ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約148,000)である。
2mL[1バイアル]
1) 社内資料:海外第I相試験(D7000C00001試験・安全性コホート)(2024年12月27日承認、CTD2.7.6.2.4)
2) 社内資料:海外第I相試験(D7000C00004試験)(2024年12月27日承認、CTD2.7.6.2.2)
3) 社内資料:国内第I相試験(D7000C00007試験)(2024年12月27日承認、CTD2.7.6.2.1)
4) 社内資料:海外第I/III相試験(D7000C00001試験・メインコホート)(2024年12月27日承認、CTD2.7.6.2.3)
5) 社内資料:シパビバルトの母集団薬物動態解析(2024年12月27日承認、CTD2.7.2.3.5.5)
6) 社内資料:EVI5156-0001試験(2024年12月27日承認、CTD2.6.2.2.1.1)
7) 社内資料:EVI5156-0010試験(2024年12月27日承認、CTD2.6.2.2.1.7-2.6.2.2.1.11)
8) 社内資料:EVI5156-0005試験(2024年12月27日承認、CTD2.6.2.2.1.5)
9) 社内資料:EVI5156-0009試験(2024年12月27日承認、CTD2.6.2.2.1.15)
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