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処方箋医薬品注)
糸球体ろ過量の測定による腎機能検査
*本剤1バイアルを加熱溶解後、日局生理食塩液360mLに希釈し、A法で投与するが、18歳以下においては、患者の状態、体格を考慮し、B法を用いることもできる。
(1)本剤投与開始約30分前に水500mLを飲ませる。
(2)本剤投与中も尿量相当分(約60mL)の水を採尿ごとに飲ませる。
(3)本剤投与開始直前に採血・採尿し、ブランク測定用とする。
(4)本剤投与開始30分後に完全に排尿させ、排尿完了時刻を0分とする。正確な糸球体ろ過量の測定結果を得るためには、膀胱を空にする必要がある。
(5)排尿完了の約15分後から30分間隔で3回、点滴の他側静脈より5mLずつ採血し、採血後、遠心分離し血清2mLを得る。
(6)排尿完了から30分間隔で90分まで3回採尿し、それぞれの採尿時間とその尿量を正確に測定する。
(7)定量した尿中イヌリン濃度(mg/dL)、血清中イヌリン濃度(mg/dL)及び1分間尿量(mL/min)から以下の計算式を用いてイヌリンクリアランスを算出し、3回の平均値をとる。Cx=(Ux×Vx)/Px×(1.73/A)Cx:イヌリンクリアランス(mL/min/1.73m2)Ux:尿中イヌリン濃度(mg/dL)Px:血清中イヌリン濃度(mg/dL)Vx:単位時間あたりの尿量(mL/min)A:身長・体重から求めた体表面積(m2)
(1)本剤投与開始約30分前から投与開始までリンゲル液を1時間に体重1kgあたり40mL(最大1時間に1L)で点滴静注する。
(2)本剤投与開始以降は投与終了までリンゲル液を1時間に体重1kgあたり5mL(最大1時間に120mL)で点滴静注を継続する。
(3)リンゲル液投与開始直前に採血・採尿し、ブランク測定用とする。
(5)排尿完了の約30分後から60分間隔で2回、点滴の他側静脈より5mLずつ採血し、採血後、遠心分離し血清2mLを得る。
(6)排尿完了から60分間隔で120分まで2回採尿し、それぞれの採尿時間とその尿量を正確に測定する。なお、必要に応じて導尿の実施を考慮する。
(7)定量した尿中イヌリン濃度(mg/dL)、血清中イヌリン濃度(mg/dL)及び1分間尿量(mL/min)から以下の計算式を用いてイヌリンクリアランスを算出し、2つのクリアランス値のうち大きい値を採用する1)。Cx=(Ux×Vx)/Px×(1.73/A)Cx:イヌリンクリアランス(mL/min/1.73m2)Ux:尿中イヌリン濃度(mg/dL)Px:血清中イヌリン濃度(mg/dL)Vx:単位時間あたりの尿量(mL/min)A:身長・体重から求めた体表面積(m2)
水負荷を行い循環血液量が増すことから、心臓に負荷をかけ、症状を悪化させることがある。,
投与しないこと。水分の過剰投与に陥りやすく、症状を悪化させるおそれがある。,,
水分、生理食塩液投与により、症状を悪化させることがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ヒトにおいて胎盤通過性があり、胎児に移行することが報告されている2),3),4)。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
*新生児及び低出生体重児として出生した乳児での本剤を用いた検査は、患者の状態を観察しながら慎重に行うこと。一般に、新生児及び低出生体重児として出生した乳児の腎機能は特に未成熟である。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
呼吸困難、血圧低下等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2%未満
精神神経系
頭痛、頭部不快感
消化器
水様便
皮膚
皮疹
血液
白血球減少、好中球増加、リンパ球減少
肝臓
肝機能検査値異常(AST、ALT、ALP等の増加)
その他
アミラーゼ増加
健康成人男性(6例)に本剤(イヌリンとして3g)を持続静脈内投与したとき(30分までは300mL/hr、30分から120分までは100mL/hrの投与速度)、維持量注入時(30分から120分)の最高血清中濃度は13.9mg/dLであり、消失半減期は約1.6時間であった6)。
健康成人男性(6例)に本剤(イヌリンとして3g)を持続静脈内投与したとき(30分までは300mL/hr、30分から120分までは100mL/hrの投与速度)、投与終了後10時間までに尿中へほぼ100%排泄された6)。
急性腎炎症候群、慢性腎炎症候群、ネフローゼ症候群および糖尿病(クレアチニンクリアランスが30~80mL/min/1.73m2)の患者(125例)を対象にオープン試験を行った。本剤(イヌリンとして3g)を持続静脈内投与したとき(30分までは300mL/hr、30分から120分までは100mL/hrの投与速度)、有効性評価対象症例116例におけるイヌリンクリアランスは34.96mL/min/1.73m2であり、同時期に測定したクレアチニンクリアランスとの比は1.93であった7)。
測定項目
クリアランス値(mL/min/1.73m2)
クリアランス比(Ccr/Cin)
イヌリンクリアランス(Cin)
34.96±14.41
1.93±0.73
同時期クレアチニンクリアランス(Ccr)
63.58±24.06
平均値±SD
また、血清クレアチニンとイヌリンクリアランスの関係では、イヌリンクリアランスが80mL/min/1.73m2未満でも血清クレアチニンが正常範囲内にある症例が約10%認められた。
副作用発現頻度は7.2%(9/125例)、14件に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は、頭痛、頭部不快感、水様便、皮疹、白血球減少、好中球増加、リンパ球減少、肝機能検査値異常(AST、ALT、ALP等の増加)、アミラーゼ増加であった(いずれも発現率は2%未満)。
18歳以下の腎疾患患者(推定糸球体ろ過量が30~89mL/min/1.73m2の患者)60例を対象にオープン試験を行った。患者の年齢(投与日)の中央値(最小値, 最大値)は10.5(1, 18)歳であった。本剤を1時間に体重1kgあたり8mL(最大1時間に300mL)の投与速度で30分間、その後0.7×推定糸球体ろ過量(mL/min/1.73m2)×体表面積(m2)(最大1時間に100mL)の投与速度で120分間持続静脈内投与したとき、有効性評価対象症例58例におけるイヌリンクリアランスは57.9mL/min/1.73m2であり、同時期に測定したクレアチニンクリアランスとの比は1.78であった8)。なお、推定糸球体ろ過量は、2歳以上18歳以下では血清クレアチニン、2歳未満では血清シスタチンCから算出した。
57.9±19.8
1.78±0.52
99.1±30.1
副作用は認められなかった。
静脈内投与されたイヌリンは糸球体毛細血管を自由に透過し(透過率Kinulin=1.06)、尿細管では分泌も再吸収もされないことから糸球体ろ過量(GFR)測定のための標準物質として用いられており、真のGFRを示すとされている9),10),11),12)。
イヌリン(Inulin)
C6H11O5(C6H10O5)nOH
3,000~8,000
白色の粉末で、においはない。水、エタノール(99.5)及びアセトンにほとんど溶けない。吸湿性である。
α-D-Glucopyranosyl-(1↔2)-[(2→1)- β-D-fructofuranan] with average molecular weight between 3,000 and 8,000
40mL(イヌリン4g含有)1バイアル
1) *日本小児腎臓病学会:小児腎臓病学. 2017;改訂第2版:102-103
2) Bain M.D., et al.:J Physiol. 1988;399:313-319
3) Thornburg K.L., et al.:Am J Obstet Gynecol. 1988;158:1165-1169
4) Jauniaux E, et al.:Am J Obstet Gynecol. 1997;176:33-36
5) 木全伸介, ほか:医療と検査機器・試薬. 2005;28(2):143-149
6) 社内資料:薬物動態(単回投与試験)(承認年月日:2005年10月11日、申請資料概要ヘ.3.1)
7) 折田義正, ほか:日本腎臓学会誌. 2005;47(7):804-812
8) *社内資料:小児腎疾患患者を対象とした第Ⅲ相試験(承認年月日:2021年8月25日、CTD2.7.6.1)
9) 金井泉, ほか編:臨床検査法提要. 2005;改訂32版:1418-1427
10) Seldin D.W., et al.:THE KIDNEY. 2000;3rd Edn:749-769
11) Brenner B.M.,:THE KIDNEY. 2000;6th Edn:1129-1170
12) Koushanpour E.:Renal Physiology. 1976;90-120
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